第2部 中小企業の生産性の向上に向けて 

第1章 中小企業を巡る構造変化と生産性

 第1部では、我が国経済のグローバル化など構造変化が生じている中で、現在の景気回復局面において、大企業の利益率が大きく上昇する一方、中小企業の利益率は低い水準にとどまっており、中小企業の多くが景気回復の実感に乏しい状況にあることを指摘した。
 こうした中、中小企業が新たな付加価値の創出等に取り組むことにより生産性を向上させることは、我が国経済の持続的な成長の実現に資するだけでなく、個々の中小企業が業況を改善させ、持続的発展を図るためにも必要である。
 本章では、我が国経済の成長率を維持・向上させるために重要な労働生産性1に着目して、これまでの中小企業の労働生産性の水準や変化を概観するとともに、労働生産性の向上のために中小企業はどのような課題に取り組むべきかという視点に立って、労働生産性が高い中小企業に共通して見られる取組について分析していく。

1 生産性とは、生産要素の投入量1単位当たりの付加価値の生産量を示し、生産効率を示す指標である。「労働生産性」とは、労働投入量1単位当たりの付加価値の生産量を示し、「全要素生産性(TFP:Total Factor Productivity)」とは、労働や資本を含む全生産要素の投入に対する生産量を示すものである。


 第1章 中小企業を巡る構造変化と生産性

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