2007年版 中小企業白書の発刊に当たって

2007年版 中小企業白書の発刊に当たって

 日本経済は、長い停滞のトンネルをようやく抜けだし、将来への明るい展望を持つことができる状況になってきたと言われています。しかし、特に中小企業においては、未だ景気の回復を広く実感できる状況となってはおりません。

 中小企業は新たな産業を創出し、雇用を生みだし、地域経済社会を担う、いわば日本経済の屋台骨を支える存在です。全国430万の中小企業の知恵とやる気を生かし、その活力を高めることで、我が国の経済の活性化が真に図られるものと信じています。このような状況が現実のものとなるようあらゆる政策手段を講じ、中小企業対策に万全を期したいと考えています。

 さて、本年度の白書は、多くの中小企業で景気回復が実感されない理由やこうした状況の中で中小企業が抱えている課題について分析を行い、経済構造変化という大きな荒波の中で、チャレンジし続ける中小企業自身が持つ疑問に答える努力を行いました。

 中小企業の景気回復が遅れている理由の一つには、原材料価格を始めとしたコストに見合った販売価格の設定が難しいことが挙げられます。しかし、「地域資源」といった地域の強みを活かし、製品やサービスの差別化を図ることで、このような状況を改善出来ると考えています。また、特に厳しい状況が続く中小小売業ですが、その強みや将来性についての分析も行っています。さらに、地域金融の現状については、中小企業とメインバンクの関係のあり方について分析をしています。

 次に、長期安定的であった取引関係や労働市場に生じている構造的な変化を踏まえて、中小企業の取引先が分散化、多角化(「メッシュ化」)する現状を示し、中小企業に不利な取引慣行改善に向けた方策を記述した上で、中小企業における基幹人材の採用・養成のポイントを指摘しています。

 これらの分析を踏まえ、先ほども述べましたように「地域資源」を活用した中小企業の新事業展開、事業再生に取り組む中小企業への支援、起業・再起業を促す環境の整備などの諸施策の強化・遂行といった中小企業対策に全力を尽くしてまいります。

 本白書が、中小企業の経営者や中小企業の施策に携わる皆様の羅針盤ないしは道標として、さまざまに活用されることを期待しています。

 最後に、本書の作成に当たり、中小企業の経営者を始めとする多くの方々から多大な御協力を頂きましたことに対し、厚く御礼申し上げます。

  平成19年6月
経済産業大臣 甘利 明

2007年版 中小企業白書の発刊に当たって

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