第3部 日本社会の活力と中小企業 

2.親族による承継

(1)親族の承継意識

 中小企業が後継者の候補を検討する場合、第一の候補として考えるのはやはり経営者自身の子供であろう。特に小規模の企業では家業という性格があるため子供が後継者になっている割合が高い19。子供は親の経営している姿を見て育ってきていることから、従業員の場合と比べて承継には有利である。つまり、事業の経営とはどういうものか具体的なイメージを持って捉えることができるため、承継した後でイメージと違っていたということが従業員が承継した場合と比べて少ない。
 だが、実際には子供が事業を承継する割合は減少し、親族以外の者が承継する割合が増えている。「中小企業白書(2004年版)」によると、20年以上前に承継した者の場合は先代経営者の子供である割合が79.7%、親族以外の者の割合が6.4%であるのに対し、0〜4年前に承継した者の場合は子供が41.6%、親族以外の者が38.0%となっている。子供が事業を継がなくなっているのは何が理由なのだろうか。
 (株)ニッセイ基礎研究所が2004年12月に実施した「働く人の就業実態・就業意識に関する調査20」(以下、「就業意識調査」と言う。)では、親が事業を行っている就業者に親の事業の承継意思について聞いている。その結果を見ると「承継者は決まっておらず、自分は承継するつもりはない」と考えている就業者は49.5%になる(第3-2-9図)。男女別に見てみると、男性の方が「自分が承継することが決まっている」、「承継者は決まっていないが、自分が承継してもいいと思っている」と承継に対して前向きに考えている者の割合が高くなっているが、それでも承継するつもりはない者が45.8%と半数近くいることが分かる。


19 中小企業庁「人材活用実態調査」(2004年)では子供が後継者である割合は、5人以下の企業で79.8%、6〜20人で70.1%、21〜50人で64.2%、51〜100人で53.4%、101〜300人で46.2%、301人以上で41.2%となっている。
20 この調査はマイボイスコム(株)のモニターに対して行ったweb調査である。20歳〜59歳の民間企業で働いている15,120名を対象とし、有効回答は6,310名、回収率は41.7%である。


 
第3-2-9図 親の事業の承継について
〜親の事業を承継するつもりがない者が多い〜

第3-2-9図 親の事業の承継について〜親の事業を承継するつもりがない者が多い〜
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 第3節 後継者に関する課題

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