第2部 経済構造変化と中小企業の経営革新等 

(2)中心市街地と商業集積に対する消費者意識

 このように、中心市街地とその商業集積の現状は厳しい環境下にある。しかし、中心市街地に対する、消費者意識をアンケート結果から探って見ると、消費者・生活者の中心市街地に対する期待は依然大きいことが分かる。

〔1〕中心市街地に対する消費者のニーズ
 まず、消費者から見た中心市街地への必要性については、「まちなかや中心市街地のにぎわいのために大切」47%、「買い物をするために大切」37%、「何となく大切」21%など、中心市街地に買物場所だけではない意義を認める意見が多く、「大切ではない」を選んだ人はわずか5%となっている(第2-3-43図)。

 
第2-3-43図 まちなかや中心市街地の必要性

第2-3-43図 まちなかや中心市街地の必要性
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 次に、中心市街地の魅力として最も上位に挙げられた項目は「多数の商業施設の集中」であり、特に若年層ほどその傾向が強い。一方、「公共施設の充実」の他、「交流によって事業や文化を生み出す場」「まちの顔としての価値」なども幅広い年齢層で選択されている(第2-3-44図)。

 
第2-3-44図 まちなかや中心市街地の魅力

第2-3-44図 まちなかや中心市街地の魅力
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 また、中心市街地に行く理由として、買物、飲食を主な目的とする回答が高い率で選択されている(第2-3-45図)。

 
第2-3-45図 まちなかや中心市街地に行く理由

第2-3-45図 まちなかや中心市街地に行く理由
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 こうした結果から、消費者は中心市街地を必要と思っている割合が高く、大切さの認識もなされており、中でも中心市街地は買い物をする場であることが来街動機や魅力となっている。

〔2〕買物動向
 消費者は中心市街地を買物先として重視しているが、購買行動を見ると、最寄り品については、身近な商業集積が90%、郊外が7%、その他が3%であり、身近な商業集積の詳細は、商店街及びスーパーが65%、商店街及び百貨店が20%、商店街及び中小小売店は2%となっている。その理由としては、家に近いから(73%)、品揃え、価格などが挙げられている。他方、買回り品については、身近な商業集積が58%、郊外が23%、その他が19%という選択で、身近な商業集積の詳細は、商店街及び百貨店(44%)、商店街及びスーパー(13%)、商店街及び中小小売店(2%)となっている。また、高齢層ほど「身近な商業集積」の選択比率が高く、逆に若年層ほど「その他の中小小売店」の選択比率が高い。買物先選択理由においては、品揃え(60%)、価格(34%)、自動車利便(31%)、品質(31%)、家に近い(30%)という順になっている。
 こうしたアンケート結果で、最寄り品は90%が居住地周辺の商業集積が選択されているが、買回り品では40%が居住地以外の商業集積を選択し、居住地以外の過半数は郊外の商業集積である。また、全体として中小小売店よりも大型店を選択する傾向にあるものの、商品選択時の重要性が高まる傾向にある買回り品については、若年層を中心に「その他の中小小売店」を選択する比率が高く、大型店以上の魅力を有する店舗が評価されているものと見られる。

〔3〕中小小売店への評価と期待
 大型店との比較という形での中小小売店に対する消費者の評価を見ると、「接客態度・接客サービス」は大型店を上回ったが、「アフターサービス」、「品質や鮮度」、「価格」、「営業時間の長さ」、「品揃え」の順に中小小売店の評価は大型店よりも低くなっていっており、特に「価格」、「営業時間の長さ」、「品揃え」の3項目では、大型店の方が魅力的とする評価が高い(第2-3-46図)。

 
第2-3-46図 中小小売店に対する評価

第2-3-46図 中小小売店に対する評価
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 消費者が中小小売店に期待する項目としては、「接客態度・接客サービス」「身近に立地」「価格」「品質や鮮度」等が高い率で挙げられている。男女別にみると、女性は「価格」「品質や鮮度」を重視し、男性は「身近に立地」「接客態度・接客サービス」を重視する傾向にある。いずれにせよ、消費者は大型店と比較しつつ、中小小売店ならではのサービスや魅力の発揮を期待しているといえよう(第2-3-47図)。

 
第2-3-47図 中小小売店への期待

第2-3-47図 中小小売店への期待
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 第3節 中心市街地と商業の活性化

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