2018年版小規模企業白書の概要

2018年版小規模企業白書の概要

第4回目となる小規模企業白書(※)では、全体で3部構成としている。

第1部では、最近の小規模事業者の動向についての分析に加え、小規模事業者の労働生産性等について分析を行う。

第2部では、小規模事業者の生産性向上に向けた取組について分析を行う。具体的には、業務の見直し、IT利活用、設備投資、企業間連携等について分析する。

第3部では、地域課題に対応しながら成長する小規模事業者やいわゆるフリーランス等の「新しい働き方」としての小規模事業者について事例を取り上げる。


※小規模企業白書が対象とする「小規模企業」とは、小規模企業振興基本法(第2条第1項)に定義された、おおむね常時使用する従業員の数が20人以下(商業又はサービス業は5人以下)の事業者のことである。なお、本白書の本文中では、「小規模企業」に、会社のみならず、個人事業者も含まれることをわかりやすく記すため、「小規模企業」のことを「小規模事業者」としている。

第1部 平成29年度(2017年度)の小規模事業者の動向

●小規模事業者の現状

我が国経済の緩やかな回復基調にあり、これに伴い、経常利益が回復基調にあるなど、改善傾向にある小規模事業者の景況等を分析する。

●小規模事業者の構造分析

小規模事業者の全体像について示した上で、小規模事業者の強み、課題等について明らかにし、小規模事業者の多様性を示す。

●小規模事業者の労働生産性分析

小規模事業者と大企業・中規模企業間の労働生産性の規模間格差は拡大傾向にあるものの、小規模事業者の中には、大企業・中規模企業を上回る労働生産性を発揮する者も存在することを明らかにする。

第2部 小規模事業者の労働生産性の向上に向けた取組

●小規模事業者の人手不足と業務の見直し

小規模事業者における人手不足感の高まりについて概観するとともに、多くの小規模事業者が経営者の労働時間を増加させることで対応していることを明らかにし、経営者の業務を効率化する重要性を示す。

●小規模事業者のIT利活用による労働生産性の向上

小規模事業者のIT利活用の現状と課題について確認し、間接業務を中心にIT導入を進めることで経営者の業務負担を軽減し、労働生産性を向上させる重要性を示す。

●小規模事業者の設備投資による労働生産性の向上

小規模事業者の設備投資の現状について確認し、小規模事業者の設備投資が力強さに欠ける背景として後継者の不在等があることや積極的に投資を実施することで労働生産性向上につながること等を明らかにする。

●小規模事業者の企業間連携及び事業承継による労働生産性の向上

小規模事業者の企業間連携の現状について確認し、特に異業種との企業間連携を実施することで労働生産性向上につながること等を明らかにする。

加えて、事業を承継した小規模事業者は成長志向が強く、収益力も高いことを明らかにし、事業承継が労働生産性向上にもつながり得ることを示す。

第3部 活躍する小規模事業者の姿

●地域課題に対応しながら成長する小規模事業者

地域産品の開発等の地域経済に波及効果のある事業者や、買い物弱者支援など地域コミュニティを支える事業者の取組事例を紹介する。加えて、小規模事業者に対して地域の支援機関同士が連携しながら支援する事例等を紹介し、地域ぐるみできめ細やかな支援を行う重要性を示していく。

●「新しい働き方」としての小規模事業者

兼業・副業としての小規模事業者の事例や、出産・育児等のライフイベントに応じ働き方としての小規模事業者の事例を紹介し、小規模事業者が多様な働き方の受け皿となっていることを示していく。

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