平成30年度において講じようとする小規模企業施策

第6章 業種別・分野別施策

第1節 中小農林水産関連企業対策

1.6次産業化の推進

(1)食料産業・6次産業化交付金 【30年度予算:16.78億円】

農林漁業者等が多様な事業者とネットワークを構築して行う6次産業化の取組を支援する。

市町村の6次産業化等に関する戦略に沿って地域ぐるみで行う新商品の開発、販路開拓等の取組や加工・販売施設整備等を支援する。(新規)


(2)農林漁業成長産業化ファンドの積極的活用

農林漁業成長産業化ファンドを通じて、農林漁業者が主体となって流通・加工業者等と連携して取り組む6次産業化の事業活動に対し、出資等による支援を実施する。(継続)


(3)地理的表示保護制度活用総合推進事業 【30年度予算:1.7億円】

地理的表示(GI)の登録申請支援窓口の設置や申請に必要な調査に対する補助、GIに関する展示会等の開催による制度の普及啓発、国内外へ向けたGI産品の情報発信、海外における知的財産の侵害対策強化等の取組を実施する。(継続)

2.中小農林水産事業者向け支援

(1)木材産業等高度化推進資金、林業・木材産業改善資金 【30年度予算:638億円】

木材の生産・流通を合理化するため、木材産業等高度化推進資金による融資を行うとともに、林業・木材産業の経営改善等を実施するため、林業・木材産業改善資金を融資する。(継続)


(2)林業成長産業化総合対策のうち木材産業・木造建築活性化対策のうち新たな生産・加工・流通体制づくり推進対策のうち木材加工設備導入等利子助成支援事業 【30年度予算:0.03億円】

品質・性能の確かな木材製品を低コストで安定的に供給するため、製材業を営む企業等が実施する設備導入等と共に、川中事業者を核とする安定供給体制の構築に必要な借入金に対して利子助成を行う。(継続)


(3)林業成長産業化総合対策のうち林業・木材産業成長産業化促進対策のうち木材産業等競争力強化対策(うち木材加工流通施設等の整備) 【30年度予算:234.7億円】

川上から川下の事業者が連携し、生産・加工・流通コストの削減を図ることにより、木材製品の安定的な供給のための木材加工流通施設整備を支援する(新規)


(4)強い農業づくり交付金及び産地活性化総合対策事業による乳業再編整備等への支援 【30年度予算:強い農業づくり交付金201.5億円の内数】

(施策の目的)

(施策の概要)


(5)食品産業品質管理高度化促進資金

食品の安全性の向上と消費者の信頼を確保するため、食品の製造管理の高度化に関する臨時措置法に基づき

〔1〕HACCP導入のための施設、設備の整備

〔2〕HACCP導入の前段階の一般衛生管理や品質管理を行うための体制、施設・設備の整備(高度化基盤整備)への金融支援

を行います。(継続)


(6)海外需要創出等支援対策事業 【30年度予算:34.4億円】

(施策の目的)

(施策の概要)

(平成29年度からの変化)


(7)輸出環境整備推進事業(うち輸出環境課題の解決に向けた支援) 【30年度予算:4.6億円】

(施策の目的)

2019年の輸出額1兆円目標達成に向け、官民一体となって「農林水産業の輸出力強化戦略」(平成28年5月「農林水産業・地域の活力創造本部」取りまとめ)に基づく各種取組を実施。

(施策の概要)

「農林水産業の輸出力強化戦略」に掲げる重点品目等について、国際的に通用する認証の取得・更新(ISO22000等)、輸出対象国・地域が求める検疫等条件への対応(登録園地査察、ハラール認証等)、輸出対象国・地域において他国産との差別化が図られる規格認証の取得・更新(有機JAS認証等)等を行う取組への支援を行う。(継続)

3.研究開発等横断的分野等における支援

(1)「知」の集積と活用の場によるイノベーション創出推進事業 【平成30年度:43.9億円】

農林水産・食品分野におけるイノベーションを創出するため、様々な分野の多様な知識・技術等を結集した研究開発を重点的に推進する提案公募型研究を実施する。(新規)


(2)日本政策金融公庫による各種融資

〔1〕特定農産加工業者の経営改善

〔2〕特定農林畜水産物の新規用途又は加工原材料用新品種の採用の推進

〔3〕食品製造業者等と農林漁業者等の安定取引関係構築及び農林漁業施設の整備等

〔4〕水産加工業の体質強化、〔5〕農業生産関連事業の事業再編等に対して融資を行う。(継続)

第2節 中小運輸業対策

1.倉庫業への支援等

改正物流総合効率化法により物流の省力化・効率化を図るため、引き続き輸送機能と保管機能の連携した倉庫の整備を促進していく。

また、省エネ型自然冷媒機器の導入を支援するとともに、更なる環境負荷低減に向けた検討等を行う。(継続)

2.内航海運・国内旅客船事業対策(船舶共有建造制度) 【財政投融資】 【30年度予算:152.0億円】

鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度により、内航海運のグリーン化に資する船舶や離島航路の維持・活性化に資する船舶といった政策的意義の高い船舶の建造を促進する。(継続)

3.中小造船業・舶用工業対策 【30年度予算:[1]0.7億円の内数[2]160億円(平成25年度予算)[3]4.5億円[4]0.8億円】

(1)経営の安定のためのセーフティネットの確保に取り組むほか、[1]経営技術の近代化に向けた講習会を実施するとともに労働災害の防止に向けての統括安全衛生責任者研修会を実施する。(継続)


(2)東日本大震災では東北の太平洋側に位置する造船所のほとんどが壊滅的な被害を受けた。地域の基幹産業である水産業を支える地元造船産業の早期復旧・復興を図るため、国土交通省では、中小企業庁等関係省庁と連携し、各種支援制度を活用した支援を行ってきた。地盤沈下等により震災前と同様の操業を行うことが困難となっている造船事業者に対しては、協業化・集約化による本格的な復興のための造船施設の整備を支援する「造船業等復興支援事業費補助金」を平成25年度に創設し、平成26年度末までに、8件、19事業者に対して補助金を交付決定(補助額計114.2億円)の上、復興事業を推進している。平成29年度末までに7件の事業が完了したところ、残り1件の事業についても適正に実施する。[2]造船業等復興支援事業費補助金(継続)


(3)船舶の建造・運航における生産性向上のための技術研究開発費に対し補助を行う。[3]海事産業関連技術開発費補助金(継続)


(4)中小企業等経営強化法に基づき、中小造船業・舶用工業の生産性向上を図るため、「船舶産業分野に係る経営力向上に関する指針」に沿って中小企業・小規模事業者が策定した経営力向上計画の認定を進め、税制等の支援措置により設備投資等を促進する。【税制】(継続)


(5)造船分野の人材について、学生・生徒、教職員に対する造船業への理解を深め、地域の造船企業と教育機関のネットワーク強化を図ることを目的として、「造船事業者等の地域連携によるインターンシップ等実施ガイダンス」の普及を図る。また、高校における造船教育強化と造船教員の持続的な育成体制の構築を図るべく造船教員育成プログラム完成のためのトライアル事業等を行う。引き続き、外国人造船就労者受入事業の適正な運営を図り、外国人材の活用を促進する。[4]造船業における人材の確保・育成(継続)

第3節 中小建設・不動産業対策

1.地域建設産業における多能工化の推進 【30年度予算:0.6億円】

建設現場を担う技能者の専門技能の幅を広げることによる多能工化を推進することにより、中小・中堅建設企業の生産性を高めるため、中小・中堅建設企業で構成するグループ等による多能工育成・活用計画の策定と実施を支援する「多能工化モデル事業」を実施する。

加えて、上記モデル事業の取組等について、その成果や改善が必要なポイント等を取りまとめ、多能工化に取り組む際の手法についての手引きを作成し、中小・中堅建設企業に幅広く周知・啓発する。(新規)

2.建設業における金融支援の実施

(1)地域建設業経営強化融資制度の実施

元請建設企業の資金調達の円滑化を図るため、中小・中堅元請建設企業が工事請負代金債権を担保に、融資事業者(事業協同組合等)から工事の出来高に応じて融資を受けることを可能とする「地域建設業経営強化融資制度」を引き続き実施する。

なお、本制度では、融資事業者が融資を行うにあたって金融機関から借り入れる転貸融資資金に対して債務保証を付すことにより、融資資金の確保と調達金利の軽減を図っている。(継続)

(2)下請債権保全支援事業の実施

下請建設企業等の債権保全を図るため、中小・中堅下請建設企業等が元請建設企業に対して有する工事請負代金債権等をファクタリング会社が保全する「下請債権保全支援事業」を引き続き実施する。

なお、本事業では、ファクタリング会社に対して一定の損失補償を実施し、下請建設企業等が負担する保証料について助成を行っている。(継続)

3.建設業の海外展開支援 【30年度予算0.8億円】

独自の技術を有するわが国の中堅・中小建設企業の海外市場への進出を促進するため、国内セミナーの開催や訪問団派遣、海外見本市出展支援、海外合同就職説明会の開催等を通じて、技術の売り込みや現地関係者とのコネクション構築等を支援する。

あわせて、実務マニュアルやeラーニングコンテンツの作成により企業の実務能力向上を支援する。(継続)

4.中小不動産業者に対する金融措置

中小不動産事業者の信用を補完し金融を円滑化するため、中小不動産事業者の協業化円滑資金や地域再生のための事業資金等に対する債務保証事業を継続実施する。(継続)

5.地域型住宅グリーン化事業 【30年度予算:115.0億円】

地域における木造住宅の生産体制を強化し、環境負荷の低減を図るため、資材供給、設計、施工などの関連事業者からなるグループによる、省エネルギー性能や耐久性等に優れた木造住宅・建築物の整備に対して支援を行う。(継続)

6.地域に根ざした木造住宅施工技術体制整備事業 【30年度予算:4.5億円】

地域における木造住宅施工技術体制を維持・整備し、優良な住宅ストックを形成するため、民間事業者からなるグループが行う大工技能者育成のための研修活動の支援を行う。(継続)

第4節 生活衛生関係営業対策

1.生活衛生営業対策 【30年度予算:11.4億円】

理美容業、クリーニング業、飲食店営業などの生活衛生関係営業の経営の健全化、衛生水準の維持向上及び利用者又は消費者の利益の擁護を図り、もって安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進するため、生活衛生同業組合及び連合会、全国生活衛生営業指導センター、都道府県生活衛生営業指導センターに対して補助を実施する。

平成30年度においては、生活衛生関係営業の賃金水準の底上げを図るため、経営力や収益の向上等を目的とした中小企業診断士、社労士等の専門家によるセミナーの開催等などを重点的に実施する。(継続)

2.生活衛生関係営業者に関する貸付 【30年度予算:34.5億円】

生活衛生関係営業の資金繰り支援を行うことで公衆衛生の向上及び増進を図るため、日本政策金融公庫(生活衛生資金貸付)において、低利融資を行う。

平成30年度においては、設備資金のみが貸付対象となっている生活衛生貸付の災害貸付に、新たに貸付対象として運転資金を拡充し、引き続き生活衛生関係営業者の資金需要に適切に対応する。(継続)

第5節 環境・エネルギー対策

1.国内における温室効果ガス排出削減吸収量認証制度の実施委託費 【30年度予算:3.8億円】

J-クレジット制度は、中小企業等の設備投資による温室効果ガスの排出削減量等をクレジットとして認証し、当該クレジットを大企業等が低炭素社会実行計画の目標達成やオフセット等に活用する制度である。本事業では、制度事務局を運営するとともに、J-クレジット制度を活用した温室効果ガスの排出削減活動を実施する中小企業等に対し、プロジェクトの申請支援等を実施する。また、本事業では、カーボン・オフセットを促し、J-クレジット制度の下で創出されるクレジットの需要開拓も推進する。本事業により、中小企業等の省エネ設備投資等を促進するとともに、クレジットの活用による国内での資金環流を促すことで環境と経済の両立を図る。(継続)

2.環境・エネルギー対策資金(公害防止対策関連) 【財政投融資】

中小・小規模企業の公害防止対策を促進するため、貸付対象・利率を見直した上で、日本政策金融公庫による融資を引き続き実施する。(継続)

3.公害防止税制 【税制】

中小・小規模企業等の公害防止対策に対する取組を支援するため、本税制措置を引き続き実施する。(継続)

4.省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援補助金) 【30年度予算:600.4億円の内数】

工場・事業場における省エネ投資を促進してエネルギー消費効率の改善を促すため、対象設備を限定しない「工場・事業場単位」、対象設備を限定するが手続きが簡易な「設備単位」の2つの申請区分を設け、省エネ設備への入替支援を行う。(継続)

5.省エネルギー設備投資に係る利子補給金助成事業費補助金 【30年度予算:16.0億円】

資金調達が障壁になり二の足を踏んでいる事業者の省エネ投資を支援するため、新設・既設事業所における省エネ設備の導入に際し民間金融機関等から融資を受ける事業者に対し、融資に係る利子補給を行う。(継続)

6.中小企業等に対する省エネルギー診断事業費補助金 【30年度予算:12.0億円】

中小企業等の省エネ取組をきめ細かに支援するため、省エネポテンシャルの無料診断を実施するとともに、地域の専門家らが連携した省エネ相談拠点である「省エネ相談地域プラットフォーム」を全国に設置する。さらに「全国省エネ推進ネットワーク」にて省エネ支援窓口や省エネ情報を一元的に発信する。(継続)

7.地域低炭素投資促進ファンド事業 【30年度予算:48.0億円】

一定の採算性・収益性が見込まれるものの、リードタイムや投資回収期間が長期に及ぶこと等に起因するリスクが高く、民間資金が十分に供給されていない再生可能エネルギー事業等の低炭素化プロジェクトに民間資金を呼び込むため、これらのプロジェクトに対し、「地域低炭素投資促進ファンド」からの出資を行う。(継続)

8.エコリース促進事業 【30年度予算:19.0億円】

低炭素機器の導入に際して多額の初期投資費用(頭金)を負担することが困難な中小企業等に対し、リース料総額の一部を補助することによって、頭金なしの「リース」の活用を促進し低炭素機器の普及を図る。(継続)

9.エコアクション21

中堅・中小事業者にも取り組みやすい環境マネジメントシステムとして策定されたエコアクション21の有効性を高め、企業価値向上にも貢献できるようエコアクション21ガイドライン2017年版、産業廃棄物処理業、建設業、食品関連業の業種別ガイドラインを、認知・向上を図るため、全国5所で説明会と、環境経営向けシンポジウムを1か所で実施する。また、CO2削減に特化した環境マネジメントシステム導入事業をを引き続き実施し、全国への認知向上とエコアクション21等の環境マネジメントシステムへの働きかけ、大手企業のバリューチェーンへの導入促進を図っていく。(継続)

第6節 知的財産対策

1.特許出願技術動向調査 【30年度予算:8.3億円の内数】

市場を創出・獲得する可能性のある技術分野、科学技術政策等の国として推進すべき技術分野を中心にテーマを選定し、「市場動向」、「特許出願動向」等を調査する。そして、日本の産業界における研究開発戦略や知的財産戦略の立案に活用できる調査結果を、特許庁ホームページ等を通じて積極的に情報発信していく。(継続)

2.外国出願補助金(中小企業等外国出願支援事業) 【30年度予算:6.5億円】

中小企業等による戦略的な外国出願を促進するため、都道府県中小企業支援センター等及びJETROを通じて、外国への事業展開等を計画している中小企業に対し、外国への出願に要する費用(外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用等)の一部を助成する。(継続)

3.知的財産権制度に関する普及 【30年度予算:[1]INPIT交付金の内数[2]0.5億円】

知的財産権制度に関する知見・経験のレベルに応じて、[1]知的財産権制度の概要や基礎的知識について説明する初心者向け説明会と、[2]特許・意匠・商標の審査基準や、審判制度の運用、国際出願の手続等、専門性の高い内容を分野別に説明する実務者向け説明会、最新の法令改正事項を広く説明する法改正の説明会を開催する。平成30年度は、初心者向け説明会を47都道府県において、実務者向け説明会及び制度改正説明会を全国の主要都市で開催する。(継続)

4.中小企業等海外侵害対策支援事業 【30年度予算:0.9億円】

中小企業の海外での適時適切な産業財産権の権利行使を支援するため、JETROを通じて、模倣品に関する調査から模倣品業者に対する警告・行政摘発手続に要する費用を補助。また、海外で現地企業等から知財権侵害で訴えられた場合の弁護士等への相談費用や訴訟に要する費用、冒認商標無効・取消係争の実施に要する費用についても補助を行う。(継続)

5.特許戦略ポータルサイト 【30年度予算:0.1億円の内数】

特許庁ホームページ内の特許戦略ポータルサイトでは、パスワード交付申込みのあった出願人に対し、インターネットを通じて、自社の直近10年間の特許出願件数、審査請求件数、特許査定率等のデータが掲載された「自己分析用データ」を提供する。(継続)

6.中小企業向けの特許料等の軽減

積極的に研究開発を行う中小企業等に対し、審査請求料や特許料(第1年分から第10年分)を半額に軽減する措置を引き続き実施する。(継続)

全ての中小企業に対し特許料金を半減する制度を措置するため、特許法改正案を国会に提出する。(新規)

7.早期審査・早期審理制度

特許について、出願人や審判請求人が中小企業・小規模事業者の場合、「早期審査に関する事情説明書」や「早期審理に関する事情説明書」を提出することにより、通常に比べ早期に審査又は審判を受けられるよう早期審査・早期審理を実施する。また、ベンチャー企業の特許について、「早期審査に関する事情説明書」を提出することにより、原則1か月以内に1次審査結果を通知できる(「スーパー早期審査」)体制を平成30年度中に整える。意匠・商標についても早期審査・早期審理の要件を満たせば、早期に審査又は審判を受けられるよう早期審査・早期審理を実施する。(継続)

8.中小企業の知財に関するワンストップサービスの提供(知財総合支援窓口)

中小企業や中堅企業等が企業経営の中で抱える知的財産に関する悩みや課題に対し、その場で解決を図るワンストップサービスを提供するため、「知財総合支援窓口」を都道府県ごとに設置し、窓口に支援担当者を配置している。また、専門性が高い課題等には知財専門家を活用し解決を図るほか、中小企業支援機関等との連携、知的財産を有効に活用できていない中小企業等の発掘等を通じて、中小企業等の知財活用の促進を図っている。平成30年度は、「地域知財活性化行動計画(平成28年9月26日)」及び同計画に基づき設定された47都道府県ごとの地域特性を踏まえた目標の達成に向けて支援の質・量の両面を向上させるため、窓口の体制強化の一環として支援担当者を増員する。(継続)

9.営業秘密に関するワンストップ支援体制の整備(「営業秘密・知財戦略相談窓口~営業秘密110番~」)

平成27年2月2日に独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)に開設した「営業秘密・知財戦略相談窓口~営業秘密110番」においては、知財総合支援窓口とも連携して、主に中小企業を対象に特許としての権利化、営業秘密としての秘匿化を含むオープン・クローズ戦略等の具体的な知的財産戦略に加え、秘匿化を選択した際の営業秘密の管理手法、また営業秘密の漏えい・流出等に関する相談に専門家が対応しており、平成30年度もこれを継続する。特に営業秘密の漏えい・流出事案や情報セキュリティ対策、サイバーアタックについて、相談内容に応じて、警察庁や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)等との連携等を行っていく。さらに、平成30年度も引き続き、営業秘密・知財戦略セミナーやeラーニングコンテンツ等による普及・啓発活動を強化しつつ、本相談窓口の周知を行い中小企業による活用を促進していく。(継続)

10.新興国等知財情報データバンク

新興国等でのビジネスに関わる我が国の企業の法務・知財担当者等を対象に、各国の知財情報を幅広く提供することを目的とする情報発信ウェブサイトであり、新興国等を対象に出願実務、審判・訴訟実務、ライセンス実務情報、統計・制度動向等の情報を提供する。(継続)

11.海外知的財産プロデューサー派遣事業

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)において、海外での事業内容や海外展開先の状況・制度等に応じた知的財産戦略策定等、海外における事業展開を知的財産活用の視点から支援するため、海外での事業展開が期待される有望技術を有する中小企業等に対して、知的財産マネジメントの専門家(海外知的財産プロデューサー)を派遣する。(継続)

12.出張面接・テレビ面接 【30年度予算:0.3億円】

特許・意匠について、全国各地の中小・ベンチャー企業等の方々への支援を目的として、全国各地の面接会場に審査官・審判官が出張する出張面接を実施し、特許・意匠・商標について、インターネット回線を利用し出願人自身のPCから参加できるテレビ面接を実施する。また、平成29年7月に開設した「INPIT近畿統括拠点(仮称)」において「出張面接審査室」・「テレビ面接審査室」を設置し、出張面接の重点実施日を設定する。さらに、地域の中小企業やベンチャー企業、研究施設等が集まるリサーチパークや大学等といった企業等集積地域を対象に、出張面接審査と特許権に関するセミナーを同時に開催する「地域拠点特許推進プログラム」を実施する。(継続)

13.知財金融促進事業 【30年度予算:1.5億円】

中小企業の保有する特許等の知的財産を評価することが困難な金融機関のために、融資を検討している中小企業が保有する特許・商標等の知的財産権を活用したビジネスについてわかりやすく説明した「知財ビジネス評価書」を提供する等、金融機関からの知財に注目した融資につなげる包括的な取組を行う。(継続)

14.日本発知財活用ビジネス化支援事業 【30年度予算:3.3億円】

中堅・中小企業や地域団体商標取得団体の知的財産を活用した外国でのビジネス展開の促進を支援するため、JETROを通じて以下の取組を行う。(継続)

〔1〕国内外におけるセミナーの開催から現地専門家を活用したビジネスプランの作成支援及びビジネスパートナーへのプレゼンテーション機会の提供等に渡る包括的支援。

〔2〕海外見本市への出展及び現地における商談会等の開催によるビジネスパートナーとの商談機会の提供。

〔3〕本事業への参加企業を対象とした技術流出に配慮した上での多言語による情報発信。

〔4〕現地パートナー候補の発掘等、海外事業展開に必要な調査の実施。

15.地域中小企業知的財産支援力強化事業 【30年度予算:1.7億円】

中小企業の様々な課題や地域特性等に応じたきめ細かな支援により中小企業の知財保護・活用を促進するため、意欲の高い地域の支援機関等による先導的・先進的な知財支援の取組を経済産業局等を通じて募集し、その実施を支援する。(継続)

16.海外知財訴訟費用保険補助事業 【30年度予算:0.6億円】

中小企業等が海外知財訴訟への対抗措置を取ることができるようにするため、全国規模の中小企業等を会員とした団体を運営主体とする知財訴訟費用を賄う海外知財訴訟費用保険制度の取組に対し支援を実施する。中小企業等を会員とする全国団体に補助金を交付し、海外知財訴訟費用保険の掛金の1/2(継続して2年目以降も本補助金の対象となる場合は、1/3)を補助する。掛金負担を軽減することで、中小企業の加入を促進する。(継続)

17.地方創生のための事業プロデューサー派遣事業 【30年度予算:1.2億円の内数】

地方における事業化機能拡充のため、潜在ニーズを掘り起こして事業を構想し、金融機関を含む地域ネットワークを構築・活用しながらシーズのマッチングから事業資金調達、販路開拓までを含めた事業創出環境整備を支援する「事業プロデューサー」を3機関に1名ずつ計3名派遣する。(継続)

18.特許情報の提供

高度化、多様化するユーザーニーズに応えるべく、平成27年3月に特許情報提供サービス「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」の提供を開始。J-PlatPatは、国内で発行された特許・実用新案・意匠・商標の公報類に加え、主要国(欧米)で発行された公報や、審査・登録・審判に関する経過情報の確認が可能である。また、外国特許文献、特に急増する中国・韓国特許文献を日本語で調査できるように「中韓文献翻訳・検索システム」の提供を平成27年1月より、ASEAN等の日本企業の進出が著しい諸外国の特許情報を照会する「外国特許情報サービス(FOPISER)」の提供を平成27年8月より、それぞれ開始している。なお、いずれのサービスもインターネットを介して無料にて提供している。(継続)

第7節 標準化の推進

1.中堅・中小企業等における標準化の戦略的活用の推進

自治体・産業振興機関、地域金融機関、大学・公的研究機関(パートナー機関)と一般財団法人日本規格協会が連携し、地域において標準化の戦略的活用に関する情報提供・助言等を行う「標準化活用支援パートナーシップ制度」の下で、中堅・中小企業等向けに標準化の戦略的活用に関するセミナーを実施するなどの支援を引き続き行っていく。(継続)

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