第2章 新陳代謝の促進
第1節 創業支援
1.創業・事業承継補助金(創業) 【29年度予算:11.0億円の内数】
地域で新需要を創造する新商品・サービスを提供する創業者の創業費用を支援するとともに、事業承継を契機として経営革新等や事業転換に取り組む中小企業に対し、設備投資・販路拡大・既存事業の廃業等に必要な費用を支援する。創業補助金については、事業実施期間中に1人以上の雇用を要件化した。(継続)
2.創業支援事業者支援事業 【29年度予算:11.0億円の内数】
産業競争力強化法における特定創業支援事業を行う創業支援事業者が、認定創業支援事業計画に基づき行う創業支援(兼業・副業を通じた創業ニーズにも対応)や創業支援の質の向上を図る取組等を支援した。(継続)
3.新創業融資制度 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、新たに事業を開始する者や事業を開始して間もない者に対し、無担保・無保証人で融資を実施した。(継続)
4.再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資) 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、事業に失敗した起業家の経営者としての資質や事業の見込み等を評価することにより、再起を図る上で、困難な状況に直面している者に対して融資を実施した。(継続)
5.創業者向け保証
民間金融機関による創業者への融資を後押しするため、信用保証協会において、これから創業する者又は創業後5年未満の者等を対象とする保証制度を実施した。(継続)
6.ファンド出資事業(起業支援ファンド、中小企業成長支援ファンド)
民間の投資会社が運営する投資ファンドについて、中小企業基盤整備機構が出資(ファンド総額の1/2以内)を行うことで、民間資金の呼び水としてファンドの組成を促進し、創業又は成長初期の段階にあるベンチャー企業(中小企業)や新事業展開等により成長を目指す中小企業への投資機会の拡大を図る事業である。起業支援ファンドについては、累積出資先ファンド数100件、出資約束総額1,824億円、累積投資先企業数2,532社に至った(平成29年3月末現在)。また、中小企業成長支援ファンドについては、累積出資先ファンド数94件、出資約束総額6,118億円、累積投資先企業数1,174社に至った(平成29年3月末現在)。(継続)
7.グローバル・ベンチャー・エコシステム連携強化事業 【29年度予算:3.5億円】
起業家や、大企業等で新事業開拓を担う社内起業家の候補等を、世界をリードするイノベーション先端地域であるシリコンバレー等に派遣して、グローバル市場への進出や社会課題の解決といった事業目線の高い新事業を創出する人材の育成や現地関係者とのネットワーク形成等を図った。また、起業家やベンチャー支援人材、大企業等からなる「ベンチャー創造協議会」において、ビジネスマッチングの開催や広範なネットワーク形成の場を提供するとともに、イノベーションの創出に大きく貢献したベンチャー企業を称える「内閣総理大臣賞」の授与等を行い、新事業創出のための基盤形成を図った。(継続)
8.潜在的創業者掘り起こし事業 【29年度予算:11.0億円の内数】
国で定めた一定水準のカリキュラムを実施する創業スクールを公認し、創業者の基礎的な知識習得を支援する。加えて、潜在的創業者の掘り起こし等に繋げるとともに、将来の地域の創業者を日本全国で増やす観点から、全国的なビジネスプランコンテストを開催する。(継続)
9.エンジェル税制 【税制】
創業後間もないベンチャー企業への個人投資家(エンジェル)による資金供給を促進するため、一定の要件を満たす中小企業に対して、個人投資家が投資を行った時点と、当該株式を譲渡した時点において所得税の優遇を受けることができる制度。(継続)
10.企業のベンチャー投資促進税制 【税制】
企業が、産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けたベンチャーファンド(投資額の5割以上を地方に所在するベンチャー企業へ投資する場合に限る。)を通じてベンチャー企業に出資した場合に、その出資額の5割を限度として損失準備金を積み立て、損金算入することができる制度である。平成25年度の制度創設から平成30年1月末までに、9件のベンチャーファンドに係る投資計画を認定した。(継続)
11.経営革新支援事業
中小企業等経営強化法に基づき、中小企業が新たな事業活動を行うことで経営の向上を図ることを目的として作成し、承認された経営革新計画に対し、低利の融資制度や信用保証の特例等の支援策を通じ、その事業活動を支援した。(継続)
12.地域における創業支援体制の構築
地域の創業を促進させるため、産業競争力強化法において、市区町村が民間の創業支援事業者と連携して創業支援事業計画を作成し、国の認定を受けた場合、計画に基づく創業支援を受けた創業者に対し、信用保証の拡充、税制(登録免許税半減)等の支援を行うとともに、創業支援事業者に対し信用保証等の支援を行った。(継続)
13.中小企業・小規模事業者経営力強化融資・保証事業 【29年度予算:16億円、財政投融資】
日本政策金融公庫が、認定経営革新等支援機関による指導及び助言を通じ経営革新又は異分野の中小企業と連携して新分野の開拓等を行う中小企業の経営力や資金調達力の強化を支援するため、必要な資金の貸付を行った。(継続)
14.ローカル10,000プロジェクト(地域経済循環創造事業交付金) 【29年度予算18.7億円の内数】
産学金官の連携により、地域の資源と資金(地域金融機関の融資)を活用して、雇用吸収力の大きい地域密着型企業の立ち上げを支援するため、民間事業者等が事業化段階で必要となる経費について、地方公共団体が助成を行う場合、その助成に要する経費の一部を交付する。(継続)
15.女性起業家等支援ネットワーク構築事業 【29年度予算:1.9億円の内数】
女性の起業を支援するため、平成28年度に全国10箇所に形成した地域の金融機関や産業・創業支援機関等を中心とした女性起業家等支援ネットワークを通じて、女性起業家支援コンテストによる支援事例の発信や潜在起業希望者等に向けた起業の普及に関するイベントを開催し、女性の多種多様なニーズに応える支援環境を整備した。(継続)
16.生涯現役起業支援助成金 【29年度予算:3.5億円】
中高年齢者の雇用機会の創出を図り、生涯現役社会の実現を推進するため、中高年齢者が起業を行う際に必要となる、募集・採用や教育委訓練にかかる経費の一部を助成した。(継続)
17.創業・事業承継補助金(事業承継)
事業承継(事業再生を伴うものを含む)を契機として、〔1〕経営革新等に取り組む中小企業、〔2〕事業転換に挑戦する中小企業に対し、設備投資・販路拡大・既存事業の廃業等に必要な経費を支援した。(継続)
第2節 事業承継支援
1.小規模企業共済制度
小規模企業共済制度は、小規模企業者である個人事業主や会社等の役員が掛金を積み立て、廃業や引退をした際に共済金を受け取れる制度であり、いわば小規模企業の経営者のための「退職金制度」である。平成28年12月末現在で137.1万人が在籍しており、平成29年4月から12月までの新規加入者は8.1万人に上った。(継続)
2.中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業(事業引継ぎ支援事業) 【29年度予算:61.1億円の内数】
各都道府県の各認定支援機関に設置されている「事業引継ぎ支援センター」において、後継者不在に悩む中小企業・小規模事業者に対して、事業引継ぎ等に関する情報提供・助言等を行うとともに、M&A等によるマッチング支援を実施した。
平成29年4月~12月の間に、6,340件の相談に対応し、489件成約した。(継続)
3.非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予・免除制度(事業承継税制) 【税制】
事業承継税制は、後継者が非上場会社の株式等を先代経営者から相続、遺贈又は贈与により取得した場合において、都道府県知事の認定を受けたその後継者が事業を継続することを前提に、相続税・贈与税の納税を猶予し、後継者の死亡等の一定の場合には猶予税額を免除する制度である。平成21年度より事業承継税制の適用の基礎となる認定を開始し、平成29年12月末までに、相続税に係る認定を1,183件、贈与税に係る認定を864件実施した。(継続)
4.経営承継円滑化法による総合的支援
経営承継円滑化法には、遺留分の制約を解決するための民法の特例をはじめとした総合的支援が盛り込まれており、平成29年12月末までに、民法特例の適用の基礎となる経済産業大臣の確認を166件実施した。(継続)
5.事業承継円滑化支援事業
全国各地で中小企業の事業承継を広範かつ高度にサポートするため、中小企業支援者向けの研修や事業承継フォーラム等による中小企業経営者等への普及啓発を実施した。(継続)
6.創業・事業承継支援事業(事業承継ネットワーク構築事業) 【29年度予算:11.0億円の内数】
各都道府県に拠点を置く支援機関等による、地方自治体等と連携した、地域における事業承継支援ネットワークを構築することにより、地域で行う事業承継支援を19都道府県で実施した。(継続)
7.創業・事業承継支援事業(事業承継補助金) 【29年度予算:11.0億円の内数】
地域経済を活性化させるため、経営者の高齢化等の課題を抱える中小企業の世代交代・再活性化を進める観点から、事業承継(事業再生を伴うものを含む)を契機として経営革新等や事業転換を行う中小企業に対し、その新たな取組に必要な経費を支援した。(継続)
第3節 資金繰り支援、事業再生支援
1.セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金) 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化を来たしている中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援。平成29年度の貸付実績は、約10万件、約1.5兆円となった(平成29年12月末時点)。(継続)
2.小規模事業者経営改善資金融資事業 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、小規模事業者を金融面から支援するため、商工会、商工会議所、都道府県商工会連合会の経営指導を受けている小規模事業者に対して、無担保・無保証・低利で融資を行った。(平成29年度の実績は、35,514件、2,168.7億円(平成29年12月末時点)。)(継続)
3.小規模事業者経営発達支援融資事業 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、事業の持続的発展に取り組む小規模事業者を支援するため、経営発達支援計画の認定を受けた商工会・商工会議所による経営指導を受ける小規模事業者に対し、低利で融資を行った。(平成29年度の実績は、353件、36.8億円(平成29年12月末時点)。)(継続)
4.資本性劣後ローンの推進 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、新事業展開や経営改善に取り組む中小企業・小規模事業者に対し、財務体質を強化するとともに、民間金融機関からの資金調達を円滑に図るため、金融検査上自己資本とみなし得る一括償還の資金(資本性資金)を供給することで、中小企業・小規模事業者の資金繰りを支援。平成29年度の貸付実績は、約870件、約490億円となった(平成29年12月末時点)。(継続)
5.(再掲)中小企業・小規模事業者経営力強化融資・保証事業 【財政投融資】
日本政策金融公庫が、認定経営革新等支援機関による指導及び助言を通じ経営革新又は異分野の中小企業と連携して新分野の開拓等を行う中小企業の経営力や資金調達力の強化を支援するため、必要な資金の貸付を行った。(継続)
6.借換保証の推進
信用保証協会が、複数の借入債務を一本化し、足元の返済負担の軽減を図るための借換保証を推進。平成29年度(平成29年12月末まで)の保証承諾実績は、130,058件、約2兆4,517億円となった。また、経営者に事業改善の意欲があるにもかかわらず、返済条件の緩和実施による前向きな金融支援を受けることが困難な中小企業・小規模事業者を支援するため、平成28年に条件変更改善型借換保証を創設。平成29年度(平成29年12月末まで)の保証承諾実績は、310件、約106億円となった。(継続)
7.セーフティネット保証
信用保証協会が、取引先の倒産、自然災害、取引金融機関の経営合理化等により経営の安定に支障を生じている中小企業・小規模事業者に対し、通常の保証枠とは別枠での保証を実施した(保証割合100%。保証限度額は無担保8,000万円、最大2億8,000万円。)。平成29年度は、九州北部地方の大雨災害(4号)、台風21号による災害(4号)等により発動されている。また、セーフティネット保証5号は、引き続き最近3か月間の月平均売上高等が前年同期比で一定割合以上減少等の基準を満たす業種を指定した。平成29年度(平成29年12月末まで)のセーフティネット保証全体の保証承諾実績は、10,792件、約2,665億円となった。(継続)
8.信用保証協会による経営支援 【29年度予算:13.0億円】
信用保証協会の利用者又は利用予定している創業(予定)者、経営改善に取り組む中小企業・小規模事業者に加えて、平成29年度より事業承継を予定している場合や生産性向上を目指す中小企業・小規模事業者についても新たに支援の対象として追加。これらの中小企業・小規模事業者に対して、信用保証協会が地域金融機関と連携して、専門家派遣をはじめとした経営支援を実施し、経営支援と一体となった資金繰り支援を実施した。平成29年度(平成29年12月末まで)は、約16,000回の専門家派遣を実施している。(継続)
9.認定支援機関による経営改善計画策定支援事業 【29年度補正予算:30.0億円】
借入金の返済負担等の財務上の問題を抱え、金融支援を含む本格的な経営改善を必要とする中小企業・小規模事業者等に対して、中小企業等経営強化法に基づく認定支援機関(税理士、公認会計士、金融機関等)による経営改善計画策定支援や当該計画に係るフォローアップに要する費用の一部を負担(2/3)した。平成29年12月末における相談件数は4,983件、新規受付件数は1,511件となり、制度発足時(平成25年3月)から平成29年12月末までの実績は、相談件数45,463件、新規受付件数は14,812件となった。また、平成29年5月からは、資金繰り管理や採算管理などの早期の経営改善計画の策定を必要とする中小企業・小規模事業者に対して、認定支援機関による早期経営改善計画策定支援に係る費用の一部の負担(2/3)を開始し、平成29年12月末までに相談件数5,126件、新規受付件数は4,598件となった。(継続)
10.中小企業再生支援協議会 【29年度予算:61.1億円の内数】
各都道府県の商工会議所等に設置した中小企業再生支援協議会において、事業の収益性はあるが、債務超過等の財務上の問題を抱えている中小企業・小規模事業者に対し、窓口相談による課題解決に向けたアドバイスや、関係金融機関等との調整も含めた再生計画の策定支援を行った。平成29年4月から12月末までの実績は、相談件数1,315件、再生計画の策定完了件数589件となり、制度発足時から平成29年12月末までの実績は、相談件数39,877件、再生計画の策定完了件数12,687件となった。(継続)
11.中小企業承継事業再生計画(第二会社方式)
産業競争力強化法に基づき、中小企業承継事業再生計画の認定を行い、その計画に従った事業の承継を行う場合に、許認可承継の特例措置及び金融支援を実施した。計画認定件数は平成29年12月末までの実績は2件、産業活力再生特別措置法に基づき措置された制度創設時(平成21年6月)から合計すると41件となった。(継続)
12.中小企業再生ファンド
再生に取り組む中小企業の経営支援や必要な資金供給を実施するため、中小企業基盤整備機構と地域金融機関、信用保証協会等が一体となって、中小企業の再生を地域内で支援する地域型ファンドや広域的に支援する全国型ファンドの組成・活用を促進する取組を行った。平成29年9月末までに51件のファンドが創設され、ファンドの総額は約1,681億円に上った。また、当該再生ファンドによる投資実績は平成29年9月末までに445社、約894億円に上った。(継続)
13.「経営者保証に関するガイドライン」の利用促進等 【29年度予算:1.0億円】
平成25年12月5日に公表された「経営者保証に関するガイドライン」の一層の周知・活用の促進を図るため、中小企業基盤整備機構地域本部等による相談窓口やガイドラインの利用をご希望の方への専門家派遣、中小企業・小規模事業者等を対象としたダイレクトメールや政府広報による広報等を行った。(継続)
14.金融行政における小規模事業者に対する経営支援の強化等
金融行政方針に基づき、金融機関に対し、担保・保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)することを通じて、企業に有益なアドバイスとファイナンスを行うよう促した。(継続)
16.沖縄の中小企業金融対策 【財政投融資】
沖縄振興開発金融公庫を活用した沖縄の中小企業対策は、日本政策金融公庫が行う業務・取組について、同様に行うとともに、沖縄の特殊事情を踏まえ独自の貸付制度の拡充を実施した。(継続)
17.「中小企業の会計に関する基本要領」の普及・活用
中小企業の経営状況の明確化、経営者自身による事業の説明能力の向上、資金調達力の強化を促す観点から、「中小企業の会計に関する基本要領」の普及・活用を推進した。
18.金融行政における中小企業に対する経営支援の強化等
金融行政方針に基づき、金融機関に対し、担保・保証に過度に依存することなく、取引先企業の事業の内容や成長可能性等を適切に評価(事業性評価)することを通じて、企業に有益なアドバイスとファイナンスを行うよう促した。
第4節 人材・雇用対策
1.地域中小企業人材確保支援等事業 【29年度予算:16.7億円の内数】
経営資源の乏しい中小企業・小規模事業者の人材の確保を支援することを目的に、地域特性に合わせ、各地の中小企業・小規模事業者が必要とする人材を地域内外から発掘、紹介、定着等人材確保支援を実施した。(継続)
2.中小サービス業中核人材の育成支援事業 【29年度予算:0.95億円】
次世代の経営者を育成・確保するため、中小サービス事業者の次世代経営人材と優良企業等のマッチングし、実地研修(一定期間の“修行”)を組成することで、経営等の成功の鍵を体得する機会を提供するものである。平成28年度までは、連続する2週間の研修が求められ、その中に事前学習・成果報告会も含まれており、中小サービス事業者・優良企業ともに負担が大きかったが、平成29年度は、最低3日(事前学習・成果報告会を除く)で研修を開催することを可能にすることで、柔軟性を高めている。また、修行の様子や成果を紹介するなど、修行のイメージや成果が明確になるよう努めている。(継続)
3.スマートものづくり応援隊等事業 【29年度予算:1.67億円の内数】
製造現場の経験が豊富な人材や、IoTやロボットに知見を有する人材等が指導者としての汎用的なスキルを身につけるための研修を実施し、育成した指導者を製造業等の中小企業・小規模事業者の現場に派遣することで、こうした企業の生産性向上や新規事業開拓を促進することを目指す。平成29年度は25拠点を整備した。(継続)
4.中小企業・小規模事業者人材育成支援(カイゼン指導者育成事業) 【29年度予算:0.195億円】
サービス産業の現場で活躍する人材が、顧客に対する高度なおもてなしを実践するために必要とする知識や語学等のサービススキルを習得するための基盤を整備することを目指し、サービススキル習得のためのスクールの設立・運営及びサービス業の現場で必要とされるスキルについて、おもてなしスキル・スタンダードの策定を含めたカリキュラムの作成等を行うものである。平成29年度は、補助率を2/3(平成28年度)から1/2へ変更を行った。(継続)
5.小規模事業者支援人材育成事業 【29年度予算:16.7億円の内数】
商工会・商工会議所の経営指導員等が行う、経営指導の能力向上に向けた研修を全国各地で実施した。(継続)
6.中小企業等支援人材育成事業 【29年度予算:1.2億円】
開業・経営に必要なスキルや空き店舗対策、合意形成の手法等のまちづくり特有のスキルの習得を図る座学研修及びインターシップ型実地研修を実施することで、まちづくりを牽引するタウンマネージャー等を育成した。(継続)
7.中小企業大学校における人材育成事業
全国9か所にある中小企業大学校において、中小企業の経営者、管理者等を対象に経営課題の解決に直接結びつくような研修等を実施。また、地域の事業者からのアクセス改善に向けた研修の拡充や、高度実践プログラムの導入などを試験的に実施した。(継続)
8.ふるさとプロデューサー育成支援事業 【29年度予算:13.5億円の内数】
地域の関係者を巻き込み、地域資源を活かした魅力ある産品を「地域ブランド化」し、海外市場を見据えて販路開拓を行う取組の中心的担い手となることができる人材育成の取組を支援した。(継続)
9.労働者の雇用維持対策 【29年度予算:79.5億円】
景気の変動等に伴う経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業、教育訓練又は出向により、労働者の雇用の維持を図った場合に、雇用調整助成金を支給した。また、本助成金については、不正受給防止対策にも積極的に取り組んでおり、不正受給を行った事業主名等の公表、実地調査の実施等、本助成金のより一層の適正な支給に努めた。(継続)
10.魅力ある雇用創出に向けた雇用管理の改善の支援 【29年度予算:108.0億円】
職場定着支援助成金において、企業の雇用管理改善の取組を支援し、魅力ある雇用創出を図るため、中小労確法に基づき各都道府県知事に改善計画の認定を受けた中小企業団体(事業協同組合等)が労働環境向上事業を行った場合に助成を行った。また、中小企業・小規模事業者等が就業規則・労働協約等を変更し、雇用管理制度を新たに導入した場合及び従業員の離職率を低下させた場合に助成を行った。加えて、介護福祉機器を導入した場合の助成及び従業員の離職率を低下させた場合に助成した。さらに、保育事業主及び介護事業主が、賃金制度の整備を通じて従業員の離職率を低下させた場合にも助成した。(継続)
11.人材不足分野における人材確保のための雇用管理改善促進事業 【29年度予算:5.4億円】
人材不足分野の事業を営む事業主が、人材確保のために従業員の処遇や職場環境の改善などの雇用管理改善を行う場合に、雇用管理制度の導入支援等を実施し、「魅力ある職場づくり」を支援した。(継続)
〔1〕モデル調査コース
事業主が取り組むべき雇用管理の内容が明確となっていない分野を対象として、雇用管理上の課題を抱える事業主に対し、その課題の解消に資する様々な雇用管理制度をモデル的に導入・運用するためのきめ細かなコンサルティングを実施する。このコンサルティングの過程で得られたモデル取組事例について、その導入効果やノウハウ等の検証・分析を行い、分野ごとの特性を踏まえた効果的な雇用管理改善方策を整理し、これを普及・啓発した。
〔2〕啓発実践コース
人材不足分野のうち、建設分野について、雇用管理改善の実践段階に課題を抱える事業主に対し雇用管理改善等アドバイザーによる相談支援を行い、業界ぐるみで雇用管理改善の実践を促進した。
12.地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース) 【29年度予算:33.9億円】
地域における雇用の創出及び安定を図るため、雇用機会の不足している地域等において事業所の設置又は整備を行い、併せて地域の求職者等を雇い入れる事業主に対して、設置等の費用及び雇入れ人数に応じて助成を行う地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)を支給した。(継続)
13.地域活性化雇用創造プロジェクト 【29年度予算:51.2億円】
地域における安定した良質な雇用の創出に向けた取組を推進するため、産業政策と一体となって正社員雇用の創出に取り組む都道府県を支援する地域活性化雇用創造プロジェクトを実施した。(新規)
14.雇用促進税制 【税制】
雇用促進税制については、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの期間内に始まる各事業年度において、一定の要件を満たした事業主で、雇用機会が不足している地域(地域雇用開発促進法に基づく同意雇用開発促進地域)において、質の高い雇用(無期雇用かつフルタイム)を創出させた場合、その増加雇用者1人当たり40万円の税額控除を行うことができる施策を引き続き実施した。(継続)
15.失業なき労働移動の促進 【29年度予算:96.7億円】
労働移動支援助成金(再就職支援コース)により、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者等(再就職援助計画対象者等)に対して、その再就職を実現するための支援を民間職業紹介事業者に委託等して行う事業主に対して助成を行った。
また、成長企業が、再就職援助計画対象者や移籍により受け入れた労働者に対して行う能力開発や賃金アップをした場合の助成を拡充するとともに、中途採用者の能力評価、賃金、処遇の制度を整備した上で、中途採用者の採用を拡大させた成長企業への助成を行った。(継続)
16.福祉人材確保重点プロジェクト 【29年度予算:16.3億円】
福祉(介護・医療・保育)分野におけるサービスを担う質の高い人材の安定的な確保のため、全国の主要なハローワークに設置する「福祉人材コーナー」を中心に、きめ細かな職業相談・職業紹介、求人者への助言・指導等を実施した。(継続)
17.若者応援宣言事業の促進 【29年度予算:7.2億円の内数】
若者の採用・育成に積極的で、企業情報当を積極的に公表する中小企業について、「若者応援宣言企業」として情報発信の後押しを行った。(継続)
18.若者雇用促進法に基づくユースエール認定制度 【29年度予算:7.2億円の内数】
若者の雇用管理が優良な中小企業について、「青少年の雇用の促進等に関する法律」(昭和45年法律第98号)に基づき、厚生労働大臣が「ユースエール認定」企業として認定し、中小企業の情報発信を後押しすることにより、当該企業が求める人材の円滑な採用を支援した。(継続)
19.特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース) 【29年度予算:5.3億円】
いわゆる就職氷河期に正社員就職の機会を逃したこと等によりフリーター等として離転職を繰り返してきた者(長期不安定雇用者)を安定所等の紹介により正規雇用労働者として雇い入れた事業主に対して「特定求職者雇用開発助成金(長期不安定雇用者雇用開発コース)」を支給した。(継続)
20.特定求職者雇用開発助成金(3年以内既卒者等採用定着コース) 【29年度予算:18.3億円】
既卒者や中退者の新規学卒枠での応募機会の拡大及び定着・促進を図るため、既卒者等が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を行い、初めて既卒者等を新卒扱いで採用し、一定期間定着させた事業主に対して「特定求職者雇用開発助成金(3年以内既卒者等採用定着コース)」を支給した。(継続)
21.最低賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者支援 【29年度予算:12億円】
最低賃金の引上げに向けた中小企業・小規模事業者の生産性向上等のための支援として、
〔1〕経営改善と労働条件管理の相談等にワンストップで対応するため、「最低賃金総合相談支援センター」を全国(47カ所)に設置し、無料の相談対応・専門家派遣を実施する。
〔2〕全国規模及び都道府県規模の業種別中小企業団体を対象として、賃金の引上げに向けた販路拡大等のための市場調査や新たなビジネスモデル開発等、生産性向上のための取組に要した経費を助成する。
〔3〕全国47都道府県の中小企業・小規模事業者を対象として、生産性向上のための設備投資等を行い、事業場内の時間給1000円未満の労働者の賃金を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資などに要した費用の一部を助成(助成率7/10、企業規模30人以下の小規模事業者は3/4)する。(継続)
22.キャリアコンサルティングの普及促進
民間職業紹介・就職支援機関や企業の人事管理・人材育成部門、学校におけるキャリア教育などにおいて、キャリアコンサルティング(労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと。)の活用について普及促進を進める。平成28年4月には、キャリアコンサルティングを行う専門家として「キャリアコンサルタント」を国家資格化したことから、当該資格の周知を進める。また、企業等に対しては、労働者のキャリア形成における「気づき」を支援するため、年齢、就業年数、役職等の節目において定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を設定する仕組みである「セルフ・キャリアドック」の導入を推進した。(継続)
23.所得拡大促進税制
〔1〕給与等支給額の総額が平成24年度から一定割合以上増加、〔2〕給与等支給額の総額が前事業年度以上、〔3〕平均給与等支給額が前事業年度を上回るという3要件を満たす場合に、給与等支給額の平成24年度からの増加額の10%を税額控除する(法人税額の10%(中小企業者等は20%)が上限)措置を講じた。また、平成29年度税制改正にて、中小企業者等については、平均給与等支給額が前年度比2%以上増加する場合に、給与等支給額の前年度からの増加額について、税額控除を12%上乗せすることとした。
24.ものづくり中核人材育成事業 【29年度予算:0.27億円】
技術・技能の伝承等の促進を目的として、ものづくり中小企業・小規模事業者が、現場の中核人材に対して、技能・技術の向上等に関する講習等を受講させる際の経費の一部の補助を行う。(継続)