第3部:平成26年度において講じた小規模企業施策

第6章 業種別・分野別施策

第1節 中小農林水産関連企業対策

1.6次産業化の推進

(1)6次産業化ネットワーク活動交付金【26年度予算:21.3億円の内数】【26年度補正:12.4億円の内数】

地域の創意工夫を生かしながら農林漁業者と多様な事業者が連携し、ネットワークを構築して取り組む新商品開発・販路開拓、農林水産物の加工・販売施設の整備等の取組を支援した。

(2)6次産業化支援事業【26年度予算:2.3億円の内数】

農林漁業者と多様な事業者が県域を越える広域のネットワークを構築して取り組む新商品開発・販路開拓、農林水産物等の高付加価値化等に必要な機械・施設の整備等の取組を支援した。

(3)農林漁業成長産業化ファンドの積極的活用

農林漁業成長産業化ファンドを通じて、農林漁業者が主体となって流通・加工業者等と連携して取り組む6次産業化の事業活動に対し、出資等による支援を実施した。

(4)知的財産の総合的活用の推進【26年度予算:1.5億円の内数】

知的財産マネジメントの普及やその能力を持った人材の育成、海外における知的財産の侵害対策強化等の取組を支援した。

(5)農山漁村活性化再生可能エネルギー総合推進事業【26年度予算:2.0億円の内数】

地域主導で再生可能エネルギーを供給する取組を推進し、そのメリットを地域に還元させることを通じて、地域の農林漁業の発展を促進した。

2.中小農林水産事業者向け支援

(1)木材産業等高度化推進資金、林業・木材産業改善資金【26年度予算:700億円の内数】

木材の生産・流通を合理化するため、木材産業等高度化推進資金による融資を行うとともに、林業・木材産業の経営改善等を実施するため、林業・木材産業改善資金を融資した。

(2)木材加工設備導入利子助成支援事業【26年度予算:0.1億円の内数】

木材製品の高付加価値化や経営の多角化等を図るための設備導入とそれに伴う施設・設備廃棄等に必要な資金の借入に対する利子助成を行った。

(3)森林・林業再生基盤づくり交付金(木材加工流通施設等の整備)【26年度予算:22.0億円の内数】

地域材の利用拡大を通じた林業・木材産業の振興、活性化を図るため、品質・性能の確かな地域材製品の安定的な供給を行う場合や、中小工場と中核工場等の連携により地域材製品の安定供給に取り組む場合等に必要となる木材加工流通施設等の整備に対し支援した。

(4)強い農業づくり交付金及び産地活性化総合対策事業による乳業再編整備等への支援【26年度予算:233.9億円の内数(強い農業づくり交付金)、28.8億円の内数(産地活性化総合対策事業)】

乳業工場の広域的な再編・合理化の促進を図るとともに、高度な衛生管理水準を備えた乳業施設への生産集約等に対して支援した。

(5)牛乳乳製品海外市場開拓支援事業による輸出の取組支援【26年度予算:0.1億円の内数】

国産牛乳・乳製品の新たな需要の創出を図るため、意欲はあるが経営基盤が脆弱な中小乳業者等を対象に、輸出に取り組む際に必要となる配送上の課題等の調査、試験的輸出の実施等、今後の本格的な輸出に向けた環境整備を行うために必要な経費について補助した。

(6)食品の製造過程の管理の高度化に関する支援

食品の安全性の向上と消費者の信頼を確保するため、食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法に基づき、〔1〕HACCP導入のための施設・設備の整備、〔2〕HACCP導入の前段階の理性・品質管理の施設・設備の整備(高度化基盤整備)への金融支援を行った。(食費産業品質管理高度化促進資金)

3.研究開発等横断的分野等における支援

(1)競争的資金等により、以下の事業を実施した。

〔1〕農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業【26年度予算:52.2億円の内数】(継続)

農林水産・食品分野の諸課題の解決や革新的な技術の開発につながる技術シーズ(新技術や新事業・アグリビジネスの創出につながる技術要素)を開発するための基礎段階、創出されたシーズを基に、実用化段階の研究開発に向けて発展的に進めるための応用段階、国の重要施策や農林水産・食品分野の多様なニーズに対応した技術の実用化段階の各段階における研究開発を推進。

平成26年度より新たに、産学官の技術力を活かし、実需者等の多様なニーズに応じた新品種の開発を支援。

〔2〕民間実用化研究促進事業(新規採択は平成22年度で終了)(継続)

(2)日本公庫による各種融資【財政投融資】

〔1〕特定農産加工業者の経営改善、〔2〕特定農林畜水産物の新規用途又は加工原材料用新品種の採用の推進、〔3〕食品製造業者等と農林漁業者等の安定取引関係構築及び農林漁業施設の整備等、〔4〕乳業施設の改善、〔5〕水産加工業の体質強化等の推進に対して融資した。

4.都市農村共生・対流総合対策交付金【26年度予算:21.0億円の内数】

都市と農山漁村の交流人口の拡大等を図るため、農山漁村の多様な農産物・特産品及び農山漁村との交流に関する情報発信基地として、商店街の空き店舗等を活用する取組についてモデル事例として1件支援した。

第2節 中小運輸業対策

1.倉庫業への支援

経済・社会環境の変化の中で高度化する物流ニーズに対応すべく、物流総合効率化法等により効率的な物流や3PL事業を促進し、施設における物流機能の高度化の推進を行った。

2.内航海運・国内旅客船事業対策(継続)【財政投融資】

(1)内航海運暫定措置事業

内航海運暫定措置事業の円滑かつ着実な実施を図るため、同事業に要する資金について政府保証枠の設定による支援措置を講じた。

(2)船舶共有建造制度を活用した環境にやさしく効率性の高い内航船の建造促進【財政投融資】

内航海運業の活性化を図るため、鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度を活用し、スーパーエコシップ等の環境にやさしく効率性の高い船舶の建造を促進した。スーパーエコシップについては、平成27年2月現在、24隻が就航済みであり、1隻が建造予定である。

3.中小造船業・舶用工業対策【〔1〕26年度予算:0.5億円の内数】【〔2〕25年度予算:160億円の内数】【〔3〕26年度予算:8.9億円の内数】

(1)経営の安定のためのセーフティネットの確保に取り組むほか、〔1〕【経営技術の近代化に向けた講習会を全国8か所で実施するとともに労働災害の防止に向けての統括安全衛生責任者研修会を全国1カ所で実施】した。さらに、鉄道・運輸機構による新技術の実用化に向けた支援(3件)等を通じ、技術力の強化等に取り組んだ。(継続)

(2)今般の東日本大震災では、東北の太平洋側に位置する37の造船所全てと多くの造船関連事業者が壊滅的な被害を受けたところ。国土交通省では、中小企業庁等、関係省庁との連携により、「中小企業等復旧・復興支援(グループ化)補助事業」の活用支援や、設備の早期復旧に必要な資機材の調達支援を行った。(継続)また、被災地域の水産業に大きく貢献する地元造船産業の復興を促進するため、地域基幹産業である水産業に貢献し、地盤沈下により復興が困難な中小造船関連事業者の集約等に対し、事業者により共有される建造・修繕施設、係留施設等の施設の建設費等に対して補助を行うための基金の利用促進を行った。〔2〕【造船業等復興支援事業費補助金】(継続)

(3)我が国海洋産業の戦略的育成のための海洋資源開発技術と船舶からのCO2を削減する世界最先端の海洋環境技術の技術研究開発費に対し34件(うち、中小企業の参加するプロジェクトは13件)補助を行った。〔3〕【海事産業関連技術研究開発費補助金】(継続)

第3節 中小建設・不動産業対策

1.建設企業等のための経営戦略アドバイザリー事業【26年度予算:1.9億円の内数】

社会資本の整備・維持管理や地域の防災・減災など、地域社会を支える中小・中堅建設企業及び建設関連企業(測量業、建設コンサルタント及び地質調査業)の体質を強化すべく、新事業展開等の経営上の課題又は施工管理等の技術的な課題の解決を支援するため、経営戦略相談窓口を設置し、中小企業診断士や技術士等の専門家によるアドバイス(相談支援)を実施した。

また、インフラメンテナンス分野への進出をはじめとする新たな事業展開や企業再編等の取組でモデル性の高い案件については、重点支援として専門家の支援チームによる経営改善計画の策定等の目標達成までの継続支援(チームアドバイス支援)や建設企業のもつノウハウを活かした地域の課題解決に資する事業に要する経費の一部支援(ステップアップ支援)を実施した。

2.建設業における金融支援の実施

(1)地域建設業経営強化融資制度の実施

元請建設企業の資金調達の円滑化を一層図るため、中小・中堅元請建設企業が公共工事の請負代金債権等を担保にして資金を調達する際に、当該調達資金の金利等について助成を行う「地域建設業経営強化融資制度」について、平成27年度末まで事業期間を延長した。

(2)下請債権保全支援事業の実施

下請建設企業等の債権保全及び資金調達の円滑化を一層図るため、中小・中堅下請建設企業等が元請企業企業に対して有する工事請負代金債権等をファクタリング会社が保全する場合に、そのリスクを軽減する損失補償を実施し、また、当該下請建設企業等が負担する保証料について助成を行う「下請債権保全支援事業」について、平成27年度末まで事業期間を延長した。

(3)建設業災害対応金融支援事業の実施

建設企業の災害対応能力の向上を図るため、国又は地方公共団体と災害協定を締結している中小・中堅建設企業等が借入・割賦により一定の建設機械を購入する際に、当該調達資金の金利について助成を行う「建設業災害対応金融支援事業」を実施した。

3.建設業の海外展開支援

中堅・中小建設企業の海外進出を支援するため、海外進出のためのセミナー(海外進出戦略策定セミナー)を開催するとともに、海外現地訪問団(ミッション派遣)を実施した。また、専門家による無料相談(アドバイザリー事業)及び日系ゼネコンOBなど現地事情に詳しい民間人材(通称「民間アタッシェ」)による海外建設・不動産情報の紹介を行った。

4.中小不動産業者に対する金融措置

中小不動産事業者の信用を補完し金融を円滑化するため、中小不動産事業者の協業化円滑資金や地域再生のための事業資金等に対する債務保証事業を継続実施した。

5.中古不動産取引における情報提供の促進

宅地建物取引業者が、他の専門事業者と連携して、〔1〕売主による物件情報開示や〔2〕買主による物件情報収集・解釈の補助等に取り組むモデル事業を支援した。

6.地域における木造住宅生産体制強化事業(地域型住宅ブランド化事業)【26年度予算:90.0億円の内数】

地域材等資材供給から設計・施工に至るまでの関連事業者からなるグループによる、木造の長期優良住宅等の整備に対して支援を行った。

7.木造住宅技能者育成・技術力向上事業【26年度予算:8.0億円の内数】

新規大工技能者の育成や大工技能者の技術力の向上に資する技術講習等の取組に対する支援を行った。

第4節 生活衛生関係営業対策

1.生活衛生営業対策【26年度予算額:10.0億円の内数】

理美容業、クリーニング業、飲食店営業などの生活衛生関係営業の経営の健全化、衛生水準の維持向上及び利用者又は消費者の利益の擁護を図り、もって安心・快適な生活環境づくりを衛生的観点から推進するため、生活衛生同業組合及び連合会、全国生活衛生営業指導センター、都道府県生活衛生営業指導センターに対して補助を実施した。平成26年度予算においては、特に生活衛生関係営業者が業種を超えた連携のもとで行う地域活性化のための事業(生活衛生関係営業地域活性化連携事業)等を重点的に実施した。

2.生活衛生関係営業に関する貸付【H26年度予算:18.8億円の内数】【財政投融資】

生活衛生関係営業の資金繰り支援を行うことで公衆衛生の向上及び増進を図るため、株式会社日本政策金融公庫(生活衛生資金貸付)において、低利融資を行った。平成26年度においては、衛経の貸付限度額をこれまでの1,500万円から2,000万円に引上げを図るなど貸付条件の改善を行い、平成26年度補正予算においては、創業関係融資の統合・拡充や原材料・エネルギーコスト高の影響を受ける者に対する貸付利率の引下げを行った。

第5節 環境・エネルギー対策

1.中小企業等の温室効果ガス削減量等を認証する制度(J-クレジット制度)における手続等支援【26年度予算:6.2億円の内数】

J-クレジット制度は、中小企業等の設備投資による温室効果ガスの排出削減量等をクレジットとして認証する制度であり、制度運営や事業計画の作成支援等を実施した。

また、本事業では、カーボンフットプリント(CFP)制度で「見える化」された、製品・サービスのCO2排出量をクレジットにより埋め合わせるカーボン・オフセットの仕組みの基盤整備を実施し、J-クレジット制度の下で創出されるクレジットの需要開拓も推進した。

本事業により、中小企業等の省エネ設備投資等を促進し、クレジットの活用による国内での資金環流を促すことで環境と経済の両立を図った。

2.CO2排出量の「見える化」とクレジットの活用による環境配慮型事業活動の促進【26年度予算:1.2億円の内数】

中小企業等の事業者が、製品やサービスの原材料の調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出されるCO2の量をカーボンフットプリントにより算定して見える化し、クレジットで埋め合わせたことを国が認証し、専用ラベル(どんぐりマーク)を貼付することでカーボン・オフセット製品等の普及を支援した。

さらにラベル集票により、学校などの地域団体に環境に優しい製品・サービスが還元される仕組みを運用し消費者に環境配慮製品の購買促進を図り中小企業・小規模事業者等の環境に配慮した事業活動を後押しした。本制度には33事業者53件が参加した。

3.環境・エネルギー対策資金(公害防止対策関連)【財政投融資】

中小企業の公害対策を促進するため、公害防止設備を導入する事業者に対して日本政策金融公庫による低利融資を行う制度である。平成26年度においては、必要な見直しを行い措置期間を平成27年3月31日まで延長した。

[融資実績](平成26年4月〜平成27年2月末)

(大気汚染関連 件数 4件、 134百万円

(水質汚濁関連 件数 4件、 407百万円

(産業廃棄物・リサイクル関連 件数 70件、3,166百万円

(自動車NOx・PM法関連 件数 8件、 160百万円

4.公害防止税制【税制】

公害防止税制は、中小企業を含む事業者の公害防止対策に対する取組を支援するため、公害防止設備についての固定資産税の課税標準の特例及び、公害防止用設備を取得した場合の特別償却の措置を講じるものであり、平成26年度においても、引き続きこれらの特例を措置した。

5.エネルギー使用合理化等事業者支援事業【26年度予算:410億円の内数】

工場・事業場における先端省エネ設備への入替や製造プロセスの改善等既存設備の省エネ改修に必要となる費用に対し補助を行った。平成26年度からは新たにエネルギーマネジメントシステムを用いた省エネの取組や電力ピーク対策に係る費用も補助対象に追加した。

6.エネルギー使用合理化特定設備等導入促進事業【26年度予算:24億円の内数】

産業分野等における省エネ設備の導入やトップランナー機器の設置を促進するため、民間金融機関等から融資を受ける際の利子補給を行った。平成26年度からは、地域民間金融機関等との連携を強化し、各地域で積極的に省エネに取り組む中小・中堅企業等の省エネ投資を強力に後押しした。

7.省エネルギー対策導入促進事業【26年度予算:5.5億円の内数】

中小企業者等に対し、省エネポテンシャルの導出をはじめとした診断事業等を実施した。また、中小企業者の省エネ活動を支援するため、金融機関等と連携を強化し診断事業で得られた事例や省エネ技術を様々な媒体を通じて情報発信した。

8.エネルギー使用合理化等事業者支援補助金(小規模事業者実証分)【26年度予算:3.8億円】

小規模事業者による省エネルギー性能の高い機器及び設備の導入に要する経費の一部を補助することにより、小規模事業者における省エネルギーを推進した。平成26年度においては、1,138件の取組を採択した。

9.地域低炭素投資促進ファンド創設事業【26年度予算:46.0億円の内数】

一定の採算性・収益性が見込まれるものの、リードタイムや投資回収期間が長期に及ぶこと等に起因するリスクが高く、民間資金が十分に供給されていない再生可能エネルギー事業等の低炭素化プロジェクトに民間資金を呼び込むため、これらのプロジェクトに対し、「地域低炭素投資促進ファンド」からの出資を行った。

10.家庭・事業者向けエコリース促進事業【26年度予算:18.0億円の内数】

低炭素機器の導入に際して多額の初期投資費用(頭金)を負担することが困難な家庭及び事業者(中小企業等)について、頭金なしの「リース」という手法を活用することによって低炭素機器の普及を図った。

11.エコアクション21

「エコアクション21」は、中堅・中小事業者等にも取り組み易い環境経営システムとして環境省が策定したもので、平成26年12月末時点で認証・登録事業者は8千弱となった。また、エコアクション21の仕組みを基礎に、CO2削減に特化したプログラムの試行事業を行い、250社の中堅・中小企業が環境経営を開始した。

12.地域工場・中小企業等の省エネルギー設備導入補助金【26年度補正:929.5億円の内数】

エネルギーコストの高止まりに苦しむ地域の工場・事務所・店舗等において、最新モデルの省エネ設備・機器の導入や既存設備の更新・改修による省エネの促進を支援する。特に、中小企業に対しては補助率を引き上げるなど手厚く補助する。また、地域できめ細かく省エネの相談に対応するプラットフォームを構築した。

第6節 IT化の促進

1.政府系金融機関の情報化投資融資制度(IT活用促進資金)【財政投融資】

中小企業におけるIT・デジタルコンテンツの普及変化に関連した事業環境の変化に対応するため、日本公庫による融資を着実に実施した。平成26年度(平成27年2月末時点)の貸付実績は、3,887件、421億円となった。

2.中小企業のIT経営促進【26年度予算:3.8億円の内数】

ITを活用した企業経営や新商品・新サービスの開発、企業間連携によるイノベーション創出を推進するため、中小企業IT経営力大賞の実施による成功事例の収集及び普及等を行った。

3.中小企業等省エネルギー型クラウド利用実証支援事業【26年度予算額:35.0億円の内数】

世界的に需要が高まるデータセンター分野において、逼迫する電力需給への対策を図るとともに事業継続性の向上及び国際競争力の強化を図るため、既存の自前(オンプレミス)の情報システムを省エネルギー性に優れるクラウド型データセンターへ移転する際の導入支援等を行った。

第7節 知的財産対策

1.特許出願技術動向調査【26年度予算:11.7億円の内数】

日本産業界の研究開発戦略や知的財産戦略の構築を支援するために特許出願動向等について調査を行い、特許庁ホームページ等を通じて情報発信している。

平成26年度は、「バイオミメティクス」等の社会的に注目を集めている技術分野や「パワー半導体デバイス」等の中国において出願が急増している技術分野等の20の技術テーマについて調査を実施した。

2.外国出願補助金(中小企業外国出願支援事業)【26年度予算:4.6億円の内数】

中小企業者の戦略的な外国出願を促進するため、都道府県等中小企業支援センター及び平成26年度からは新たに全国実施機関として独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)を通じて、外国への事業展開等を計画している中小企業に対して、外国への出願にかかる費用(外国特許庁への出願料、国内・現地代理人費用、翻訳費用等)の一部を助成した。総採択件数は559件であった。(1月末時点)

3.知的財産権制度に関する普及【26年度予算:0.8億円の内数】

知的財産権制度に関する知見・経験のレベルに応じて、知的財産権制度の概要や基礎的知識について説明する初心者向けと、特許・意匠・商標の審査基準や、審判制度の運用、国際出願の手続等、専門性の高い内容を分野別に説明する実務者向け、及び最新の法令改正事項を広く説明する法改正の説明会を行っている。

平成26年度は、47都道府県において初心者向け説明会を55回、全国の主要都市で実務者向け説明会を61回、法改正の説明会を15回開催した。

4.模倣品対策の助成(中小企業海外侵害対策支援事業)【26年度予算:0.6億円の内数】

中小企業の海外での適時適切な権利行使を促進するため、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)を通じて、海外で取得した特許・商標等の侵害を受けている中小企業に対し、模倣品の製造元や流通経路等を把握するための侵害調査や平成26年度からは模倣品業者への警告文作成、行政摘発までにかかる費用も新たに補助対象に追加し支援を行った。採択件数は11件であった。

5.特許戦略ポータルサイト【26年度予算:0.1億円の内数】

特許庁ホームページ内の特許戦略ポータルサイトでは、パスワード交付申込みのあった出願人に対し、インターネットを通じて、自社の直近10年間の特許出願件数、審査請求件数、特許査定率等のデータが掲載された「自己分析用データ」を提供している。パスワード交付申込みのあった企業数は、平成27年3月末現在で約1,300社となっている。

6.中小企業向けの特許料等の軽減

〔1〕積極的に研究開発を行う中小企業等を対象として、審査請求料や特許料(第1年分から第10年分)を半額に軽減する措置を引き続き実施した。

〔2〕中小ベンチャー企業・小規模企業等を対象として、審査請求料、特許料(第1年分から第10年分)、国際出願に係る手数料(調査手数料、送付手数料、予備審査手数料)を1/3に軽減する措置及び国際出願手数料や取扱手数料の2/3に相当する額を交付する措置を新たに実施した。(新規)

7.早期審査・早期審理制度

出願人や審判請求人が中小企業・小規模事業者の場合、「早期審査に関する事情説明書」や「早期審理に関する事情説明書」を提出することにより、通常に比べ早期に審査又は審判を受けられるようにする。(継続)

8.中小企業の知財に関するワンストップサービスの提供(知財総合支援窓口)【26年度予算21.9億円の内数】

中小企業等が企業経営の中で抱える知的財産に関する悩みや課題に対し、その場で解決を図るワンストップサービスを提供するため、「知財総合支援窓口」を都道府県ごとに設置し、窓口に支援担当者を配置した。また、専門性が高い課題等には知財専門家を活用し、協働で解決を図るほか、中小企業支援機関等との連携、知財を有効に活用できていない中小企業等の発掘等を通じて、中小企業等の知財活用の促進を図った。なお、平成26年度から、全窓口に弁理士及び弁護士を定期的に配置し、専門的な相談に迅速に対応できるように体制を強化した。平成26年度の支援件数は123,370件に上った(平成27年1月末現在)。

9.営業秘密に関するワンストップ支援体制の整備(「営業秘密・知財戦略相談窓口〜営業秘密110番〜」)【INPIT交付金】

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)に「営業秘密・知財戦略相談窓口〜営業秘密110番」を平成27年2月2日に新設し、知財総合支援窓口とも連携して、主に中小企業を対象に特許化/秘匿化等の知財戦略や営業秘密の管理に関する相談に専門家が対応する。また、営業秘密の漏えい・流出事案や情報セキュリティ対策、サイバーアタックについても、相談内容に応じて、警察庁や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)とも連携ができる体制を構築した。

10.新興国等知財情報データバンク【26年度予算:0.3億円の内数】

新興国等でのビジネスに関わる我が国の企業の法務・知財担当者等を対象に、各国の知財情報を幅広く提供することを目的とする情報発信ウェブサイトであり、新興国等を対象に出願実務、審判・訴訟実務、ライセンス実務情報、統計・制度動向等の情報を提供している。

平成26年度は、新たにASEAN、BRICs諸国(主にインド、インドネシア、タイ、フィリピン、香港)を中心に記事を作成した(平成27年2月末現在:掲載記事数1048件)。

11.知的財産情報の高度活用による権利化推進事業【INPIT交付金】

独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)において、海外での事業内容や海外展開先の状況・制度等に応じた知的財産戦略策定等、海外における事業展開を知的財産活用の視点から支援するため、海外での事業展開が期待される有望技術を有する中小企業等に対して、知的財産マネジメントの専門家(海外知的財産プロデューサー)を派遣している。

平成26年度は、6人の海外知的財産プロデューサーにより、211者(平成27年2月末現在)の支援を行った。

12.出張面接審査・テレビ面接審査【26年度予算:0.1億円の内数】

全国各地の中小・ベンチャー企業等の方々への支援を目的として、全国各地の面接会場に審査官が出張する面接審査、及び、インターネット回線を利用し出願人自身のPCから参加できるテレビ面接審査を実施した。

※出張面接予算:0.1億円、テレビ面接予算:0.02億円であるため、出張面接予算にテレビ面接予算も包含して記載している。

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