第3部:平成26年度において講じた小規模企業施策

第3章 地域経済の活性化に資する事業活動の推進

<小規模企業振興基本計画における目標(3)>

(3)地域経済の活性化に資する事業活動の推進
−地域のブランド化・にぎわいの創出−


地域に根差して事業活動を行う小規模企業の活力向上には、個々の事業者の支援のみでなく、地域全体が面的に活性化することが必要である。同時に、小規模企業の事業が活性化することにより、地域が活力を取り戻すという側面もあり、小規模企業の振興と地域経済の活性化は表裏一体である。多様な機能を有する地域のコミュニティが持続し、地域を活性化するためには、地域に存在する魅力を掘り起こし、面的・横断的に捉え、創造的な発想・取組により、地域の魅力を内外に対して広く浸透させていくことが重要である。これにより、地域のブランド化を進め、にぎわいを創出する。その際、国の関係省庁、地方公共団体及び支援機関等が適切に連携を図ることにより、効果を高める。

これらの取組により、小規模企業とともに持続・発展する地域づくりを進める。

第1節 地域資源の活用

1.(再掲)小規模事業対策推進事業【26年度予算:18.8億円】

地域の小規模事業者による全国規模の市場に向けた事業展開を促進するため、商工会・商工会議所等が事業者と協力して進める、特産品開発や観光開発及びその販路開拓等の事業(調査研究事業:87件、本体事業(1年目:83件、2年目:39件)に対し、幅広い支援を行った。

2.(再掲)小規模事業者支援パッケージ事業【26年度補正:252.2億円】

小規模事業者が商工会・商工会議所と一体となって販路開拓に取り組む費用を補助する「小規模事業者持続化補助金」により約1万3,000件の支援を行った他、地域資源等を活用した商品の物産展やアンテナショップ等を通じた販路開拓支援の実施等、小規模事業者の持続的な経営を支援する予算を措置した。また、小規模事業者等のニーズに対応した施策情報の提供等のための小規模事業者統合データベースを整備するほか、ITを活用した販路開拓促進のためのe-learningやオンライン相談等を実施した。

3.JAPANブランド育成支援事業【26年度予算:14.6億円の内数】

中小企業の海外販路開拓の実現を図るため、複数の中小企業が協働し、自らが持つ素材や技術等の強み・弱みを踏まえた戦略の策定や、当該戦略に基づいて行う商品の開発や海外見本市への出展等の取組みについて、支援を行った。平成26年度においては、78件のプロジェクトを支援した。

4.地域資源活用新事業展開支援事業【26年度予算:14.6億円の内数】

中小企業地域産業資源活用促進法に基づき、地域産業資源(農林水産物、生産技術、観光資源等)を活用して行う新商品・新サービスの開発・販売等の事業計画に対して認定を行い、補助金による支援を行うとともに、融資、保証の特例等により総合的な支援を実施した。平成26年度においては、120件の事業計画の認定を行った。

5.ふるさと名物応援事業【26年度補正:40.0億円の内数】

地域資源を活用した「ふるさと名物」などの開発・販路開拓等に対する取組を支援するとともに、プロデューサーの人材育成、「ふるさと名物」の情報発信などの取組を支援することとした。加えて、これら地域資源を海外展開させるための取組を支援する予算を措置した。

6.地域資源活用ネットワーク構築事業【26年度予算:2.0億円の内数】

各地域に眠っている地域資源を掘り起こし、それらを融合・ネットワーク化した新たなビジネスモデルの構築により、交流人口の増大や、消費・投資の活性化に繋がる取組に対して支援を行った。

7.伝統的工芸品の指定

伝統的工芸品産業の振興に関する法律(以下「伝産法」という。)に基づき、伝統的工芸品への指定の申出があった工芸品について調査、検討を行った後、産業構造審議会の意見を聴いて、以下の品目について、伝統的工芸品の指定を行った。

・東京都「江戸硝子」平成26年11月26日指定

8.伝統的工芸品産業振興関連補助事業【26年度予算額:12.6億円の内数】

(1)伝統的工芸品産業の振興に関する法律(以下「伝産法」という。)に基づき、伝統的工芸品産業の振興のため以下の支援を行った。

〔1〕産地の製造協同組合等が実施する以下の事業に対する補助

〔2〕伝産法第23条に基づく一般社団法人・一般財団法人が実施する以下の事業に対する補助

(2)被災3県(岩手県、宮城県、福島県)の国指定の伝統的工芸品の震災復興のための以下の支援を行った。

〔1〕被災3県について実施する後継者育成・需要開拓・意匠開発・情報発信などの産地活性化事業

〔2〕被災3県における伝統的工芸品の生産活動を震災前の水準にまで戻すことを目的とした設備整備や原材料確保などの生産基盤確立・強化事業

9.伝統的工芸品の普及・推進事業

伝統的工芸品に対する国民の理解を増進するため、毎年11月を「伝統的工芸品月間」とし、伝統的工芸品月間国民会議全国大会の開催等の普及・啓発事業を実施。平成26年度においては、佐賀県で全国大会を開催した。

第2節 商店街・中心市街地の活性化

1.地域商店街の活性化に向けた総合的支援

地域商店街活性化法に基づき、商店街振興組合等が作成した商店街活性化事業計画等を国が認定し、支援措置を講じた。

2.全国商店街支援センターによる人材育成等

中小企業関係4団体が共同で設立した「全国商店街支援センター」において、人材育成、ノウハウ提供等の支援を行った。

3.中心市街地活性化協議会運営支援事業【中小機構交付金の内数】

中心市街地活性化協議会の設立・運営にあたって、独立行政法人中小企業基盤整備機構(「以下「中小機構」という。)に設置された中心市街地活性化協議会支援センターを中心に、各種相談対応、HPやメールマガジンでの情報提供、交流会の開催によるネットワーク構築支援等を行った。

4.中心市街地商業活性化アドバイザー派遣事業【中小機構交付金の内数】

中心市街地活性化協議会が抱える様々な課題に対応するため、中小機構に登録された商業活性化に関する各分野の専門家を派遣した。

5.中心市街地商業活性化診断・サポート事業【中小機構交付金の内数】

中心市街地活性化協議会等が行う中心市街地における商業活性化の取組を支援するため、中小機構における専門的ノウハウを活用し、セミナー等の企画・立案支援・講師の派遣や、個別事業の実効性を高めるための助言・診断・課題整理・情報提供等を行った。

6.土地譲渡所得の特別控除【税制】

地域商店街活性化法の認定を受けた商店街振興組合等に対し、認定商店街活性化事業計画等に基づく事業の用に供するために土地等を譲渡した場合には、土地等の譲渡所得に係る1,500万円特別控除の対象とする措置を引き続き講じた。

7.中心市街地活性化事業(中心市街地再興戦略)

「日本再興戦略」に掲げる、民間投資の喚起を軸とする中心市街地活性化を前倒して実現するとともに、消費増税により深刻な影響が懸念される地域の商店街への支援を図るため、地域経済において重要な役割を果たす中心市街地に対して、事業を絞って重点的に支援を行った。具体的には、中心市街地の核となり、周辺商店街へ効果が波及する高度な商業施設等の整備及び高度な商業施設の整備等の前に実施する事業化可能性調査に対し支援を行った。

8.中心市街地再生事業【26年度補正:22.0億円】

市町村が策定した中心市街地活性化基本計画に基づき、民間事業者が実施する地域の中心市街地活性化に必要な施設の改修・リノベーション(例:集客力向上のための街並や景観の統一)等、雇用や地域の消費活性化に対して即効性が期待できる事業であって、中心市街地及び周辺地域も含めた経済活力を向上させる事業に絞って支援を行う。また、過疎地対策やコンパクトシティ化を進める中で不可欠となる買物弱者対策について、一刻も早い全国展開を図るための支援モデルを早期に構築する予算を措置した。

9.地域商業自立促進事業【26年度予算額:39億円の内数】

地域経済循環の促進に資する、インキュベーション施設の整備や店舗誘致等の地域住民のニーズに合った商店街の新陳代謝を図る取組やコミュニティスペース等の地域経済を循環させる基盤となる地域コミュニティの形成に向けた取組に対して支援を行った。

10.中心市街地再興戦略事業【26年度予算額:6.9億円の内数】

地元住民や自治体等による強いコミットがあり、当該中心市街地だけではなく、周辺地域の経済活力を向上させる波及効果の高い民間プロジェクト(商業施設等の整備)を支援した。また、地域の拠点となるにふさわしい魅力ある中心市街地の形成を図るためのソフト事業、専門人材活用等を支援した。

11.中心市街地活性化のための税制措置【税制】

中心市街地活性化法の改正により創設した「特定民間中心市街地経済活力向上事業」に基づいて行われる、

〔1〕建物及び建物付属設備、構築の取得に対し、5年間30%の割増償却制度、〔2〕不動産の取得に対し、その不動産の所有権の保存登記等に対する登録免許税の税率を1/2とする措置を創設した。

12.中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律

平成26年7月に中心市街地の活性化に関する法律の一部を改正する法律を施行した。

第3節 その他の地域活性化

1.地域の企業立地の促進【26年度予算:25.0億円の内数】

企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律(平成19年法律第40号)に基づき、地域が自らの特色を活かした企業立地を促進し、地域産業活性化を目指す取組を支援するため、施設等整備にかかる経費の一部補助や、工場立地法の特例措置、日本公庫を通じた中小企業向け低利融資、企業立地に係る地方交付税措置を実施した。

2.(再掲)地域経済循環創造事業交付金【26年度予算:15.0億円の内数】

産学金官地域ラウンドテーブルを構築し、地域の資源と資金(地域金融機関の融資等)を活用して、雇用吸収力の大きい地域密着型企業を立ち上げる「ローカル10,000プロジェクト」を推進するため、民間事業者が事業化段階で必要となる初期投資費用等に対して、地方自治体が助成する経費に対し、交付金を交付する。

3.新産業集積創出基盤構築支援事業【26年度予算:8.5億円の内数】

新たな産業クラスターを構築するため、地域の中核企業を中心とした産官学のネットワークの形成活動や新製品開発に向けた市場シーズと技術ニーズのマッチング等の支援を行った。

4.連携中枢都市による新たな広域連携の構築等【26年度予算:1.3億円の内数】

地域において相当の規模と中核性を備える圏域において市町村が連携し、コンパクト化とネットワーク化により、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成するため、国が積極的に支援して先行的なモデルを構築した。

5.企業活力強化資金【財政投融資】

中小商業者・サービス業者等の経営の近代化及び流通機構の合理化、中小企業者のものづくり基盤技術の高度化の促進並びに下請中小企業の振興を図るため日本政策金融公庫が必要な資金の貸付を行った。平成26年度(平成27年2月末時点)の貸付実績は、14,406件、1,422億円となった。

6.機能連携広域経営推進調査事業【26年度予算:1.0億円の内数】

市町村域を越えた圏域において、産学金官民が連携し、産業振興や雇用確保に資する拠点等を構築することにより、人・モノ・金等の流れを生み出し圏域の活性化を図る事業に対し支援を行った。

7.観光地ビジネス創出の総合支援【26年度予算:0.7億円の内数】

観光地域づくりの取組を進める主体が自ら着地型旅行商品の販路を開拓し、収益をさらなる着地型旅行開発に充てることが可能となるビジネスモデル構築のための取組を推進した。平成26年3月に、調査対象地域として45地域を選定し、地域間のノウハウ共有のためのポータルサイト構築、研修機会の提供、商談会等を実施し、観光地域づくりの取組を自立的かつ継続的なものとする取組を支援した。

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