第1部 小規模事業者の構造分析

2 小規模事業者の経営課題

今後、我が国では、人口減少や少子高齢化による需要縮小が起こることが確実視されている。今後の都道府県の人口はどうなっていくのだろうか。第1-3-2図は、2014年版中小企業白書で取り上げた、都道府県別の2040年の人口増加率の予測を示したものである。これを見ると、2040年には、全ての都道府県で人口が減少することが予想されている。中でも、現在高齢比率の高い秋田県、島根県、高知県では、2040年には高齢者人口までもが減少する局面に突入することが分かる。

第1-3-2図 2010年と比較した2040年の都道府県別人口増加率及び年齢階級別寄与度
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第1-3-2図で見たように、人口流出は特に地方部において大きいが、このことと相まった需要の縮小は深刻である。こうした中で、2014年版中小企業白書において、目指す市場規模を「地域需要志向型1」と考える小規模事業者の割合が多いことが示されているが、地域に生きる小規模事業者の業況はますます厳しくなっていくことが予想される。こうした中で、同白書で示されているが、小規模事業者の経営課題として最大のものは「販路開拓」である。販路開拓の課題を乗り越え、「事業の持続的な発展」を実現できる小規模事業者が増えて行くことが我が国経済、特に地域経済のためにも重要であると考えられる。

1 「地域需要志向型」とは、今後目指す市場を「同一市区町村」。「隣接市区町村」、「同一都道府県」としている企業をいう。

第1-3-3図は、2014年版中小企業白書で取り上げた、類型ごとの小規模事業者の経営課題を示したものである。「地域型」では、「既存の営業力・販売力の維持強化」と回答する企業が多く、次いで「国内の新規顧客・販路の開拓」であった。

第1-3-3図 類型ごとの小規模事業者の経営課題
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これは、今ある販売先との関係強化や営業力強化の方が、新規顧客や販路開拓よりも課題となっていることが分かる。「広域型」では、「国内の新規顧客・販路の開拓」と開拓する企業が多く、次いで、「既存の営業力・販売力の維持強化」であった。これは、「地域型」とは逆で、新規顧客や販路開拓の方が、今ある販売先との関係強化や営業力強化よりも課題であることが分かる。

第1-3-4図は、2014年版中小企業白書で取り上げた、従業員規模別の商品の販売地域を示したものである。これを見ると、従業員規模が小さい企業ほど、「同一市町村」、「近隣市町村」、「同一県内」と地域内での販売が多く、地域の資金循環に貢献しているといえる。逆にいえば、小規模事業者は、商圏が限定されているが故に、人口減少による商圏の需要縮小や大規模小売店舗の進出等の影響を受けやすいともいえる。

第1-3-4図 従業員規模別の商品の販売地域
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第1-3-5図は、2014年版中小企業白書で取り上げた、小規模事業者の販路開拓を行う際の課題を示したものである。これを見ると、小規模事業者が販路開拓を行う際の課題は、「新規顧客へのアプローチ方法」、「販売すべきターゲット市場の選定」、「商品・サービスのPR」が多く回答されていることが分かる。

第1-3-5図 販路開拓を行う際の課題
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