第1部 小規模事業者の構造分析

第3章 小規模事業者の未来

第1章、第2章では、小規模事業者の多様性と事業基盤、その長期的な動向を中心に見てきた。本章ではこれまで見てきた小規模事業者を取り巻く経営環境の変化や事業基盤を踏まえ、小規模事業者の未来に向けた効果的な経営力の向上や、自らの持つ技術やスキルを拠り所に、組織に属さず個人で活動するいわゆる「フリーランス」などの新しい働き方について、見ていくこととする。

第1節 効果的な経営力の向上に向けて

本節では、小規模事業者にとっての効果的な経営力の向上について分析していくこととする。

1 小規模事業者を取り巻く経済の構造

第1-3-1図は、売上高経常利益率が上位・下位それぞれ25%の範囲に含まれる企業の利益率の推移(30年間(1983年〜2013年))を企業規模別に見たものである。

同一企業規模内で売上高経常利益率が上位25%の企業(以下「高収益企業」という。)と下位25%の企業(以下「低収益企業」という。)の売上高経常利益率の平均を比較すると、どの規模で見ても全産業でその差が拡大傾向にあることが分かる。

第1-3-1図 同一企業規模間における売上高経常利益率の比較
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また、低収益企業における大企業と中規模企業・小規模企業を比べると、大企業が底堅く推移しているのに対して中規模企業・小規模企業は悪化しており、特に小規模企業で大きく悪化している。これに対して、高収益企業においては、大企業、中規模企業・小規模企業ともに同様に高水準で推移しており、全体の平均値で見た際に観察される大企業と中規模企業・小規模企業の売上高経常利益率の差の拡大は、低収益の中規模企業・小規模企業の収益悪化によって生じている面もあるものと考えられる。

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