第1部 小規模事業者の構造分析

3 事業の好調期、不調期の生計

第1-2-12図、第1-2-13図は事業の好調期・不調期の生計について、経営者に聞いたものである。事業の好調期に「事業の収入のみで、生計を立てていた」とする回答は83.9%に及ぶが、事業の不調期には63.6%と約2割低下する。このことから、事業の不調期にも持続的な経営を行うために、他の生計の途を念頭に置くことが重要といえよう。

第1-2-12図 事業が最も好調だった時期の経営者の生計
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第1-2-13図 事業が最も不調だった時期の経営者の生計
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第1-2-12図、第1-2-13図で「事業収入とそれ以外の収入も併せて、生計を立てていた」とする経営者においては、どのような手段によって得ていたのであろうか。この内訳を聞いたものが、第1-2-14図である。

第1-2-14図 事業が最も好調、不調だった時期に事業収入以外に得ていた収入(複数回答)
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まず、事業の好調期の生計手段は、「事業以外の勤労収入(家族が他の会社で働いて得た給与等)」、「所有する不動産の賃料」とする回答が際立つ。

他方、事業の不調期には、これらが若干下がり、代わりに「年金」、「貯蓄の取り崩し」が生計手段として加わる様相となっている。

以上から、好調期には、家族の勤労収入や、所有不動産からの賃料収入が生計の源泉となっているのに対し、不調期には、経済全体の動向も厳しくなる傾向にあることから、家族が他の会社で働いて得る給与や所有不動産の賃料も減少し、年金や貯金の取り崩しが、生計手段の中で重要なウェイトを占める様子がうかがえる。

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