第1部 小規模事業者の構造分析

2 事業の好調期、不調期の要因

経営者が事業の好調期、不調期と認識している時期を見てみたが、それでは、事業が好調または不調となるのは、どのような要因によるものと経営者は考えているだろうか。第1-2-10図、第1-2-11図は、それぞれ事業の好調期、不調期の要因を聞いたものである。

第1-2-10図 事業が好調だった要因(複数回答)
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第1-2-11図 事業が不調だった要因(複数回答)
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事業が好調だったとする要因として、順に47.5%の経営者が「経済全体が右肩上がりに成長していた」、44.8%が「消費者の購買意欲が旺盛だった」などを挙げている。他方、事業が不調だったとする要因としては、順に59.3%が「経済全体が停滞・悪化している」、38.8%が「消費者の購買意欲が減退した」などを挙げている。

このように、外部環境である経済全体のマクロ的な好調・不調の動向に自らの事業の好調・不調も左右されるという、他律的な経営となる傾向が強く見られる。こうしたマクロ的な動向の中では、販売価格(単価)の上昇・下落も大きく影響している。「販売価格(単価)が上昇基調であった」ことが好調の要因とする経営者が25.6%、「販売価格(単価)が下落基調になった」ことが不調の要因とする経営者が28.7%存在した。このことから、経済全体がデフレから脱却することは、小規模事業者の経営にもプラスに影響するものと考えられる。

他方、個々の事業者の取組も、事業の好・不調に影響を与えており、例えば、「消費者や取引相手のニーズに対応した商品・サービスを提供していた」ことが好調の要因とする割合が22.3%、「消費者や取引相手のニーズに対応した商品・サービスを提供できていない」ことが不調の要因とする割合が14.5%であった。これは、個々の事業者の創意工夫・努力によって解決を図ることが可能なものであり、他律的な経営から脱するためにも、もう一度、消費者や取引相手のニーズや期待に応えた事業になっているかどうか、見つめ直すことが極めて重要であるといえる。

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