平成26年度において講じようとする中小企業施策 

第4章 海外に打って出る

〈行動計画の内容〉(再掲)

地域に根付く中小企業・小規模事業者の更なる販路開拓のためには、海外需要の獲得も重要である。“ちいさな企業”成長本部でも、積極的に海外に打って出る力強い声が多く聞かれた。国内とは言語・商習慣が異なる海外に進出することは、経営資源が限られている中小企業・小規模事業者にとってリスクが高く、企業経営を左右する課題となっている。また、中小企業・小規模事業者の現地活動の拡大、新たな業態による海外展開により、今まで以上に多様な支援ニーズが生まれてきている。

中小企業・小規模事業者は、積極的に海外需要を獲得することを目指し、支援機関と国は、ビジネスマッチングなど一層の広がりと深化を持った海外展開支援を行っていく。

〈国のアクション〉(再掲)

○企業等OB人材を活用し、海外展開を目指す企業をハンズオンで一貫支援する体制を拡充・強化し、新たに1,000社支援する。

○認定支援機関(金融機関等)への研修を通じ、国内相談窓口を強化するとともに、支援機関が連携し、有望企業を積極的に発掘・支援する。

○海外向けホームページ・決済・物流をパッケージで支援し、中小企業の情報を多言語で発信し、海外企業をターゲットにした新分野展開を促進する。

○現在、8か所・10拠点に整備中の「中小企業海外展開現地支援プラットフォーム」を他の主要拠点(先進国市場、新興国市場、生産拠点)に拡大させる。

○法務・労務・知財問題等の専門サービス支援や万一の縮小撤退等のトラブルにも対応する。

○中小企業官民合同ミッション等の活用を進める。

○日本公庫が行う現地金融機関からの資金調達支援の強化を図る。

【具体的施策】

第1節 海外展開の支援

1. 中小企業・小規模事業者海外展開支援事業【26年度予算:8.0億円】

独立行政法人日本貿易振興機構(以下「ジェトロ」という。)及び中小機構が連携し、海外販路や技術等を有する外国企業とのマッチングやASEAN等での展示会・商談会の開催等を通じて、海外販路開拓を支援するとともに、中小企業海外展開現地支援プラットフォームにより海外での法務・労務等の課題解決や移転・撤退等を支援する。また、中小機構において、認定支援機関などの民間支援機関に対する海外展開支援研修や、優れた支援機関へのインターンシップによる実践的な支援ノウハウの習得を図る研修を実施する。(継続)

2. 中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業【26年度予算:22.8億円】

ジェトロ及び中小機構が連携して、中小企業の海外展開を支援する。具体的には、中小機構が、海外展開を目指す中小企業の裾野拡大のため、海外展開戦略策定支援や実現可能性調査支援等、海外展開に向けた準備支援を実施するとともに、多数の海外バイヤーが訪れる国内見本市における支援を実施する。また、ジェトロにおいては、広範なネットワークを活用し、中小企業に対する海外見本市への出展支援や海外バイヤーを招へいした商談会の開催、海外における常設展示場の設置、ビジネスマッチングの機会提供、海外市場等に関する各種情報の提供や現地における各種支援等を実施する。

3. 海外情報提供事業【26年度予算:0.5億円】

日台間の産業協力を促進するため、交流協会が行う台湾企業の情報収集・提供や日台間の企業連携のためのセミナー・商談会を支援する。(継続)

4. 新興市場開拓人材育成支援事業【26年度予算:12.1億円】

開発途上国の経済発展と我が国企業の海外事業展開を支援するため、経営・製造・オペレーション等に従事する開発途上国の管理者・技術者等に対し、官民連携の下、日本への受入研修、専門家派遣による指導等を支援する。(継続)

5. 貿易投資促進事業【26年度予算:19.6億円の内数】

今後の急成長が見込まれる新興国市場獲得のため、以下2事業を実施する。

〔1〕インフラ受注率を高めるための、我が国技術等の優位性の理解促進を目的とした研修及び専門家派遣

〔2〕中小企業の海外展開やインフラビジネス獲得に向けた「国際即戦力人材」育成のための、我が国若手人材の海外インターンシップ

6. 青年海外協力隊事業の活用及び民間連携ボランティア制度【JICA運営費交付金】

国際協力機構においては青年海外協力隊事業を活用し、特定の途上国を熟知した人材と企業が必要とする人材のマッチング促進を行うとともに、各企業のニーズに合わせ、社員を青年海外協力隊・シニア海外ボランティアとして途上国に派遣する民間連携ボランティア制度を活用し、グローバル社会で活躍できる人材の育成に努める。(継続)

7. 海外展開資金【財政投融資】

経済の構造的変化に適応するために海外展開をすることが経営上必要な中小企業の資金繰りを支援するため、日本公庫(中小企業事業、国民生活事業)による融資を実施する。(継続)

8. 海外子会社の資金調達支援等

中小企業経営力強化支援法に基づき、日本公庫が、新事業活動促進法の経営革新計画の承認等を受けた中小企業者の海外子会社等の現地金融機関からの借入れに対して債務保証を実施する。(継続)

9. 中小企業の貿易保険利用における企業信用調査料の減免措置

中小企業の貿易保険を活用した輸出支援のため、貿易保険を利用する際に必要な取引先の信用情報の提供について、独立行政法人日本貿易保険(以下「NEXI」という。)がその費用を負担する措置を引き続き講じる。(継続)

10. 中小企業による貿易保険の利用促進のための普及・広報活動(セミナー・相談会等)

中小企業による貿易保険の利用を促進するため、NEXIが主催するセミナーや個別相談会を開催するとともに、中小企業関係機関等が主催するセミナーや提携地方銀行等の行員勉強会などにNEXIから講師を派遣し、貿易保険の普及啓発を行う。(継続)

11. 貿易保険へのアクセス改善

中小企業の海外展開を支援するため、NEXIは、平成23年12月に地方銀行11行との提携による「中小企業海外事業支援ネットワーク」を発足。両者が提携して全国的なネットワークを形成することを通じて、地域の中小企業の貿易保険へのアクセス改善等、利便性の向上を図る。(継続)

12. 安全保障貿易管理の支援

外国為替及び外国貿易法が求める安全保障上懸念のある貨物の輸出や技術の提供についての管理の実効性向上のため説明会の開催や、中小企業・小規模事業者ワンストップ総合支援事業等と連携した専門家派遣等を通じ、大量破壊兵器等の開発等に転用可能な製品・技術を有する中小企業における安全保障貿易管理に係る自主管理体制の整備を支援する。(継続)

13. BOPビジネスの推進【ジェトロ交付金】

BOPビジネスを推進するために、事業フェーズに応じた支援(ニーズ調査、試行展開等)の提供、現地コーディネーターの拡充を通じて、企業への個別支援を強化する。また、視察ミッションや試験販売を企画し、BOPビジネスへの積極的な参入を促進する。さらに、アフリカに拠点設立を目指す企業を支援するための、実証事業を新たに実施する。(継続)

14. 中小企業製品・技術とODAのマッチング事業(継続)

〔1〕ニーズ調査【26年度予算:2.0億円】

〔2〕案件化調査【26年度予算:21.5億円】【JICA運営費交付金】

〔3〕普及・実証事業【26年度予算:22.0億円】【JICA運営費交付金】

15. 中小企業海外高度人材育成確保支援事業【26年度予算:0.5億円】

中小企業・小規模事業者の優秀な現地人材の確保のため、タイ、ベトナム、インドネシアの大学・高専等との連携による現地でのジョブフェア、企業文化講座を実施する。

16. 中堅・中小・小規模事業者新興国進出支援専門家派遣事業【26年度予算:15.0億円】

引き続き、新興国進出に取り組もうとする中堅・中小・小規模事業者に対し、新興国でのビジネス経験・ノウハウが豊富な企業OB等のシニア人材を派遣し、事業リスクの高い新興国への進出支援を行う。(継続)

17. 中小企業ノン・プロジェクト無償資金協力【26年度予算:24.0億円】

途上国の経済社会開発に必要な物資の輸入のための資金を途上国政府に無償で供与するODA事業で、我が国の中小企業の製品を途上国に供与。具体的には、途上国の開発ニーズに基づく中小企業の製品リスト(個別の商標名のリストではない)を医療や農業、職業訓練等の分野ごとにパッケージとして途上国側に提示し、途上国側の要請内容に基づいた製品を供与。途上国で当該製品が使われることで、認知度の向上などの効果も期待できる。(継続)

18. グローバルニッチトップ支援貸付制度【財政投融資】

特定分野に優れ世界で存在感を示す企業(グローバルニッチトップ企業)を目指す中堅・中小企業等に対して、戦略的な海外展開を支援するために、商工中金がグローバルニッチトップ支援貸付制度を創設し、長期・一括返済・成功利払い型の融資を実施する。(新規)

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