平成26年度において講じようとする中小企業施策 

第3章 下請構造から脱却し、自ら積極的に成長分野に参入する

〈行動計画の内容〉(再掲)

多くの中小企業・小規模事業者は、長らく大企業の下請けとして企業活動を行ってきた。ただし、大企業の業態変化や海外展開が進んでいくことで、中小企業・小規模事業者自身が商品開発から市場開拓まで一貫して行う必要が生じている。

特に、今後将来にわたって成長が期待できる分野である環境・エネルギー、健康・医療、航空宇宙等の分野に中小企業・小規模事業者が参入していくためには、技術開発支援の方向性を変えていくとともに、国際認証や許認可手続きといった参入障壁のハードルを下げていく必要がある。

また、新分野展開を促進するためには、大企業や異業種企業も含めた企業間連携をより一層推進していく必要がある。企業間連携はお互いの弱みを補完するだけではなく、強みの相乗効果を生み出し、企業にとって新しい分野への進出を後押しする。併せて、適切な担い手の確保・育成が必要不可欠である。

〈国のアクション〉(再掲)

○大企業の下請生産技術を前提とした中小ものづくり高度化法の22技術分野を見直し、医療、環境分野などの成長分野に中小企業が直接参入しやすくする。

○国際認証の取得に向けた業界経験者等の長期派遣や相談支援、支援機関、ITポータルサイト等を通じた情報提供を強化する。また、中古設備も含めた専用設備等の導入を支援する。

○中小企業と医療機関等との連携を支援する専門家の派遣と育成、薬事相談・申請費用の支援などにより、中小企業による医療機器開発・審査に係る費用低減と期間短縮を進める。

○「企業間連携促進会議」の設置や支援ポータルサイト・展示会の活用等により、大企業や異業種企業とのマッチングの場の整備と連携を促進する。

○地域の核となる人を発掘し、情報交換や交流の場を設けることにより、新分野展開に重要となる知識の共有と人的ネットワークの構築を図る。

○小規模な事業者の活用を念頭においた新商品開発に対する補助金制度を拡充する。

○下請中小企業の連携による取引先の自立的な開拓の取組等に対する補助金制度を拡充する。

○優れた技術・技能を有する外部人材を活用することで、ものづくり現場における技術・技能の継承を地域が一体となって支援するとともに、優秀な人材を確保するための職場実習(インターンシップ)の支援を行う。

【具体的施策】

第1節 技術力の強化

1. 中小企業のものづくり基盤技術の高度化に向けた総合支援

中小ものづくり高度化法に基づき、高度化指針に沿った特定研究開発等計画について認定を行い、認定された中小企業に対して戦略的基盤技術高度化支援事業や日本公庫による低利融資などの支援を実施する。(継続)

2. 新製品・新技術の試作開発や販路開拓等に取り組む中小企業への低利融資【財政投融資】

中小ものづくり高度化法に規定する特定ものづくり基盤技術を活用し、新製品・新技術の試作開発(既存技術の転用や隠れた価値の発掘(設計・デザイン、アイディアの活用等を含む。)を含む。)及び当該試作開発の成果に係る販路開拓等に取り組む者に対し、事業計画の審査により日本公庫が低利融資を実施する。(継続)

3. 研究開発税制(中小企業技術基盤強化税制)【税制】

中小企業・小規模事業者等が行う研究開発活動に対して、試験研究費の12%相当額の税額控除ができる措置(税額控除限度額は当期の法人税額の30%(平成26年度末まで))を引き続き講じる。上記に加え、〔1〕要件を満たす場合において、試験研究費の増加額の一定割合を税額控除できる制度又は〔2〕平均売上金額の10%相当額を超える試験研究費の額の一定割合を税額控除できる制度のいずれかを選択して適用できる措置(税額控除限度額は当期の法人税額の10%を上限)を3年間延長するとともに、〔1〕については新たに試験研究費の増加率が5%を超えることを要件とし、増加額に増加率(ただし、上限30%)を乗じた額を税額控除できる制度に改組する。(平成28年度末まで)。

4. ものづくり中小企業・小規模事業者等連携事業創造促進事業【26年度予算:126.0億円】

中小企業・小規模事業者が大学、公設試等の研究機関と連携して行う、特定ものづくり基盤技術(精密加工、立体造形等の11技術)の高度化に資する、製品化につながる可能性の高い研究・開発及び販路開拓への取組を一貫して支援する。また、技術の市場価値を評価できる専門家の目利きを踏まえて行う、大企業や大学等の知を活用したシーズ発掘・橋渡し研究も支援する。(新規)

5. 中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業

革新的なものづくり・サービスの提供等にチャレンジする中小企業・小規模事業者に対し、地方産業競争力協議会とも連携しつつ、試作品開発・設備投資等を支援する。また、金融機関から借入を行い老朽化に対処した大規模設備投資を行う場合、金融機関のモニタリング実績に応じ、借入額の1%相当を上限に設備投資費を補助を実施する。

第2節 販路開拓支援

1. 販路開拓支援地域力活用新事業創出支援事業【26年度予算:14.6億円】

地域の小規模事業者による全国規模の市場に向けた事業展開を促進するため、商工会・商工会議所等が事業者と協力して進める、特産品開発や観光開発及びその販路開拓等の事業に対し、幅広い支援を行う。(継続)

2. 各種展示会や商談会等による販路開拓支援

中小機構が農商工連携や地域資源活用等により開発した商品・サービス等や、魅力ある隠れた地域産品等について、展示会や商談会等の開催を通じて、販路開拓・拡大を支援する。(継続)

3. 販路開拓コーディネート事業

新事業活動促進法に基づいて経営革新計画の承認を受けた中小企業者等に対し、中小機構に配置されている商社・メーカー等出身の販路開拓の専門家(販路開拓コーディネーター)が新たな市場開拓につなげるための支援を行う。(継続)

4. 販路ナビゲーター創出支援事業

中小機構が、豊富なネットワークを有する企業OB等を販路ナビゲーターとして登録し、販路紹介や販売代行業務等につなげるための中小企業と販路ナビゲーターとのマッチングの機会を提供する。中小機構主催のマッチングイベントであるマッチングプレゼンテーションを実施するとともに、都道府県等

中小企業支援センター主催のマッチングイベントへの販路ナビゲーター派遣等を実施する。(継続)

第3節 新分野・新事業展開、異業種連携

1. 中小企業技術革新制度(SBIR制度)に基づく支援

新産業の創出につながる新技術開発のための特定補助金等の指定、支出の目標額、特定補助金等を利用して開発した成果の事業化支援措置等の方針の作成等により、引き続き、国の研究開発予算の中小企業・小規模事業者への提供拡大、及び技術開発成果の事業化を図る。さらに、技術開発成果の事業化を促進するため、特定補助金等の採択企業の技術力をPRするデータベースや日本公庫による低利融資等の事業化支援措置を中小企業・小規模事業者等に周知し、利用促進を図るとともに、特定補助金等への多段階選抜方式の導入拡大を図る。(継続)

2. 中小企業・小規模事業者促進支援事業

〔1〕新連携支援事業【26年度予算:10.8億円の内数】

中小企業新事業活動促進法に基づき、異分野の中小企業が連携し、その経営資源(技術、販路等)を有効に組み合わせて行う新商品・新サービスの開発・販路開拓等の事業計画に対して認定を行い、補助金による支援を行うとともに、融資、保証の特例等により総合的に支援する。(新規)

〔2〕農商工等連携促進対策支援事業【26年度予算:10.8億円の内数】

農商工等連携促進法に基づき、中小企業者と農林漁業者とが有機的に連携し、それぞれの経営資源を有効に活用した新商品・新サービスの開発・販路開拓等を行う事業計画に対して認定を行い、補助金による支援を行うとともに、融資、保証の特例等により総合的に支援する。(新規)

3. 新事業創出支援事業

中小機構の全国10支部・事務所にマーケティング等に精通した専門家を配置し、中小企業新事業活動促進法、中小企業地域産業資源活用促進法、農商工等連携促進法の枠組みにより、新事業に取り組む中小企業等に対して一貫してきめ細かな支援を行う。(継続)

4. 医工連携事業化推進事業【26年度予算:30.5億円】

医療現場が抱える課題に対する有効性評価や臨床評価を担う医療機関、開発・改良を実現するためのものづくり技術を有する中小企業、製造や販売を見据えて目利きする企業・コーディネーターにからなる「医工連携」による医療機器の事業化に向けた開発・改良、臨床評価、薬事承認対応等を支援する。平成26年度は前年度における課題解決型医療機器等開発事業からの継続分とあわせて50件程度の医療機器実用化を支援。(新規)

5. グローバル農商工連携推進事業【26年度予算:6.8億円】

農林水産物・食品の輸出促進に向けて、商工業の先端技術・ノウハウ等を活用した生産・加工・流通システム(植物工場・コールドチェーン等)の構築と海外市場でのブランド構築を図るコンソーシアムによる実証事業を数件程度支援する。(新規)

第4節 下請脱却支援

1. 下請代金法の運用強化【26年度予算:5.7億円の内数】

下請代金法に基づく書面調査や立入検査を引き続き実施する。下請代金法の執行を強化し、これまで以上に、同法の厳格な運用に努めていく。(継続)

2. 相談体制の強化と下請取引適正化に関する普及啓発【26年度予算:5.7億円の内数】

全国48か所に設置した下請かけこみ寺において、中小企業の取引に関する相談に対応する。また、下請代金法の違反行為を未然に防止するための講習会を開催する。(継続)

3. 下請中小企業・小規模事業者の自立化支援【26年度予算:7.0億円の内数】

下請中小企業振興に基づき、取引依存度の高い下請中小企業・小規模事業者が連携して課題解決型ビジネスを行う事業計画の認定を行い、補助金、融資、保証の特例により支援を実施する。また、親事業者の生産拠点が閉鎖(予定も含む)された地域における下請中小企業等が行う新分野進出等に対する補助金により支援を実施する。(継続)

4. 下請取引あっせん、商談会による販路開拓支援【26年度予算:0.5億円の内数】

新たな取引先を開拓したい下請中小企業に対して、ビジネス・マッチング・ステーションによる取引あっせんを行う。また、広域的に新たな販路開拓を支援するため、広域商談会も開催する。(継続)

5. 下請事業者への配慮要請等【26年度予算:5.7億円の内数】

下請中小企業の経営基盤の強化を図るため、下請事業者及び親事業者がよるべき一般的基準(振興基準)等について、講習会等で周知を図る。(継続)

第5節 技術・技能の伝承

1. 小規模事業者等人材・支援人材育成等事業

認定支援機関の支援事例等の調査等を通じ、他の認定支援機関のモデルとなる優良な取組を選定し、事例を取りまとめて広く認定支援機関等に共有することにより、認定支援機関の更なる質の向上を図ると共に、中小企業・小規模事業者自身が認定支援機関を評価した上で最適な支援機関を選定できる体制の整備を図ることとする。また、ものづくり小規模事業者等の製造現場において中核として働く人材が、技術・技能の継承に係る講習を受ける際の費用や、現場において技術・技能の継承の指導を受ける際の費用の一部を補助することとする。さらに、地域人材育成コーディネーターを核とする「地域人材育成コンソーシアム」を組成し、複数の中小企業・小規模事業者間での出向や共同研修の開催等の実証を行うことで、地域の企業における人材育成を推進することとする。【25年度補正:3.1億円】

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