第4部 中小企業・小規模事業者の支援の在り方 

2. 自治体の施策活用状況、評価

以上で見てきたように、自治体の施策の認知という点についていえば、市区町村は国よりも他の自治体の施策情報の認知度が高く、それとは対照的に、都道府県は他の自治体よりも国の施策情報の認知度が高いことが分かった。

そこで次に、自治体による、他の自治体及び国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、すなわち自らの施策の立案時にどれだけ参考にしているかという活用状況とその評価について見ていくこととする。

第4-2-21図、第4-2-22図は、市区町村の他の自治体及び国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、評価を示したものである。他の自治体の中小企業・小規模事業者施策を実際に「施策の立案時に参考にしたことがある」と回答した市区町村は約6割、国の中小企業・小規模事業者施策を実際に「施策の立案時に参考にしたことがある」と回答した市区町村は約4割となっており、国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況は半数を割り込んでいる。しかし、実際に「施策の立案時に参考にしたことがある」と回答した市区町村に対して、施策の評価を聞いてみると、他の自治体の施策、国の施策ともに、約7割が「高く評価している」もしくは「評価している」と回答しており、「全く評価していない」もしくは「あまり評価していない」と回答した割合は1割にも満たない。つまり、実際に施策の立案時に参考にしたことがある市区町村のほとんどが、施策をある程度は評価しているといえる。

第4-2-21図 他の自治体の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、評価
第4-2-22図 国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、評価

また、第4-2-23図、第4-2-24図は、都道府県の他の自治体及び国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、評価を示したものである。他の自治体の中小企業・小規模事業者施策を実際に「施策の立案時に参考にしたことがある」と回答した都道府県は約7割、国の中小企業・小規模事業者施策を実際に「施策の立案時に参考にしたことがある」と回答した都道府県は10割となっており、国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況はアンケートに回答した全ての都道府県が活用しているという結果になった。さらに、実際に「施策の立案時に参考にしたことがある」と回答した都道府県に対して、施策の評価を聞いてみると、他の自治体の施策は約7割、国の施策は約8割が「高く評価している」もしくは「評価している」と回答しており、「全く評価していない」もしくは「あまり評価していない」と回答した割合は1割にも満たない。つまり、実際に施策の立案時に参考にしたことがある都道府県のほとんどが、施策をある程度は評価しているといえる。

第4-2-23図 他の自治体の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、評価
第4-2-24図 国の中小企業・小規模事業者施策の活用状況、評価

第3節を通じて、自治体の中小企業・小規模事業者の施策認知度、活用状況、評価を見てきたわけであるが、市区町村は国の施策情報よりも他の自治体の施策情報を、都道府県は他の自治体の施策情報よりも国の施策情報を認知、活用していることが分かった。しかし、それぞれの施策の評価を聞いてみると、実際に他の自治体及び国の施策を施策立案時に参考にしている市区町村及び都道府県に関していえば、どの行政機関であるかを問わず、当該行政機関の中小企業・小規模事業者施策を評価している割合は高い(約7〜8割)。したがって、今後、国・都道府県・市区町村が互いに連携していくことが求められるが、その第一歩は、「施策マップ」を国・都道府県・市区町村でしっかりと完成させていくとともに、行政機関の職員が「施策マップ」を自由自在に使いこなし、国の施策や他の自治体の施策をしっかりと学んでいくことが求められよう。その上で、Face to Faceの施策説明会や施策の勉強会を国・都道府県・市区町村で頻繁に行い、顔が見える関係を構築していくことが求められる。その際、経済産業局や「よろず支援拠点」がそのいい「触媒機能」を果たしていくことを期待して、第4部第2章の締めとしたい。

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