第4部 中小企業・小規模事業者の支援の在り方 

第2節 中小企業支援機関の施策認知度、活用状況、評価

本節では、中小企業支援機関の視点から、中小企業・小規模事業者施策が、どのように認知され、活用され、評価されているかについて、分析を行うとともに、中小企業・小規模事業者と行政機関の仲介役として重要な役割を担う中小企業支援機関に、施策情報が届く課程でどのような問題が生じているのかを確認し、その解決策を考えていく。

1. 中小企業支援機関の施策認知度

中小企業支援機関が、中小企業・小規模事業者を支援するに際しては、行政機関が実施する中小企業・小規模事業者施策を活用することが主となろう。したがって、中小企業支援機関に施策情報が適時適切に伝わっていないことが、中小企業・小規模事業者に施策情報が適時適切に伝わっていないということになる可能性が高い。その意味においては、中小企業・小規模事業者と同様に、中小企業支援機関にも、施策情報をしっかりと認知してもらうことが極めて重要であるといえる。そこでまず、施策情報の入手先の明確さ、入手先、入手方法という三つの観点から、中小企業支援機関の施策情報の入手経路について見ていくこととする。

まず、施策情報の入手先の明確さについて、第4-2-8図を見てみると、国及び都道府県の施策情報については、入手先が「明確ではない」もしくは「あまり明確ではない」と回答した割合が約2割、施策情報の入手先が「とても明確である」もしくは「明確である」と回答した割合が約5割となっている。したがって、中小企業支援機関にとって、国及び都道府県の施策情報の入手先はある程度は明確であり、入手先が明確ではないために施策情報が認知できていないわけではないといえる。他方で、市区町村の施策情報については、入手先が「明確ではない」もしくは「あまり明確ではない」と回答した割合が約3割、施策情報の入手先が「とても明確である」もしくは「明確である」と回答した割合が約4割と拮抗しており、中小企業支援機関には、国及び都道府県の施策情報に比べて、市区町村の施策情報の入手先が明確ではないと認識されている。

第4-2-8図 中小企業・小規模事業者施策の情報入手先の明確さ
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どの行政機関の施策情報であるかによって、施策情報の入手先の明確さにばらつきはあるものの、中小企業支援機関にとって、施策情報の入手先はある程度は明確であることが分かった。それでは中小企業支援機関は具体的にどこから施策情報を得ているのだろうか。

第4-2-9図は、中小企業支援機関における、国の施策情報の入手先を示したものである8。これを見ると、現在及び今後、施策情報を「入手していない(しない)」という割合は非常に低くなっていることから、中小企業支援機関は、施策情報を入手しようと努力していることが分かる。そして、国の施策情報を「国」から、現在入手している、もしくは、今後入手しようとする割合が、約6〜7割を占めており、中小企業・小規模事業者施策を実際に企画立案、実施している行政機関にアクセスし、そこから施策情報を直接入手しようとしていることが確認できる。また、中小企業支援機関が「中小企業支援機関」から、施策情報を現在入手している、もしくは、今後入手しようとする割合も高くなっている。このことから、中小企業支援機関同士がうまく連携し、お互いに把握できていない施策情報を交換、補完し合うことができるような体制を構築することも重要であるといえる。今後、経済産業局や「よろず支援拠点」等が、中小企業支援機関同士の連携や施策情報の共有化等の動きを支援していくことが求められる。また、中小企業支援機関が幅広く施策情報を認知していることが重要であるという意味においては、「施策マップ」を活用して、国・都道府県・市区町村の施策情報を一元的に中小企業支援機関に届けていくことが必要といえよう。

8 市区町村、都道府県の施策情報の入手先については、国の施策情報の入手先と同様の結果が得られたため、ここでは割愛し、付注4-2-7付注4-2-8に掲載することとする。

第4-2-9図 中小企業・小規模事業者施策の情報入手先
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続いて、国の施策情報の入手方法について見てみる9と(第4-2-10図)、中小企業支援機関は、現在の施策情報の入手方法として、中小企業・小規模事業者と同様に、「ホームページ」や「施策のチラシ・パンフレット」を活用している割合が高く、また、今後も活用したいとする割合についても同様に高くなっている。また、今後の施策情報の入手方法として、「メールマガジン」や「施策説明会」を活用したいとする割合も高まっており、ホームページや施策のチラシ・パンフレットによる情報提供を基本としつつも、メールマガジンにより、中小企業・小規模事業者のみならず、中小企業支援機関に対してもタイムリーな情報を頻度よく提供すると同時に、前述したFace to Faceの施策説明会により、よりきめ細かな説明を行っていく必要がある。

9 市区町村、都道府県の施策情報の入手方法については、国の施策情報の入手方法と同様の結果が得られたため、ここでは割愛し、付注4-2-9付注4-2-10に掲載することとする。

第4-2-10図 中小企業・小規模事業者施策情報の入手方法
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中小企業支援機関が施策情報を入手する段階において、入手先の明確さ、入手先、入手方法という三つの観点から、施策情報の入手経路について見てきた。入手方法については、中小企業・小規模事業者とほぼ同様に、「ホームページ」や「施策のチラシ・パンフレット」を活用している割合が高い。しかし、中小企業・小規模事業者に比べて、情報の入手先は明確であり、実際に施策情報を入手している割合も高いことが分かった。それでは、以下、中小企業支援機関が施策情報を入手したという前提に立って、中小企業支援機関に届いた施策情報が、中小企業支援機関にはどのように感じられているのかを、情報量、情報を得られるタイミング、情報のわかりやすさという三つの観点から見ていく。

まず、施策情報の情報量について、第4-2-11図を見ると、情報量が「どちらとも言えない(ちょうどよい)」と回答した中小企業支援機関が約6割存在する一方で、「非常に多すぎる」もしくは「多すぎる」とする割合が、国の施策情報については約3割、都道府県の施策情報については約2割、市区町村の施策情報については約1割となっている。他方で、情報量が「少なすぎる」もしくは「やや少なすぎる」とする割合は、国の施策情報については約1割、都道府県の施策情報については約2割、市区町村の施策情報については約3割となっており、好対照な結果となっている。この結果から、国の施策情報については、情報を整理してわかりやすくする工夫が必要であり、市区町村の施策情報については、わかりやすい情報を情報量を増やして広報していく必要があるといえよう。

第4-2-11図 中小企業・小規模事業者施策の情報量
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また、施策情報を得られるタイミングについて見てみると(第4-2-12図)、国及び都道府県の施策情報については、「とてもタイムリーに得られる」もしくは「タイムリーに得られる」と回答した割合は約4割、「タイムリーに得られない」もしくは「あまりタイムリーに得られない」と回答した割合が約2割となっていることから、国及び都道府県の施策情報について、中小企業支援機関には相対的に時宜を得た情報が届いている。他方で、市区町村の施策情報については、「とてもタイムリーに得られる」もしくは「タイムリーに得られる」と回答した割合は約4割、「タイムリーに得られない」もしくは「あまりタイムリーに得られない」と回答した割合が約3割と拮抗していることから、中小企業支援機関には、国及び都道府県の施策情報に比べて、市区町村の施策情報はタイムリーに届いていないと認識されている。

第4-2-12図 中小企業・小規模事業者施策の情報を得られるタイミング
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続いて、施策情報のわかりやすさについても見ていくと(第4-2-13図)、どの行政機関の施策情報であっても、「とてもわかりやすい」もしくは「わかりやすい」と回答した者の割合は約3割、「わかりにくい」もしくは「ややわかりにくい」と回答した者の割合も約3割と拮抗した結果となっている。したがって、時宜を得た施策情報を入手できたとしても、その施策情報が中小企業支援機関にとっては、わかりにくい情報になっている可能性がある。

第4-2-13図 中小企業・小規模事業者施策の情報のわかりやすさ
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情報量、情報を得られるタイミングという問題に対しては、やはり、「ミラサポ」、「施策マップ」を活用して、整理され、かつ、適切な量の施策情報をタイムリーに届けていくことが求められる。さらに、「メルマガ」を活用して、例えば、補助金の公募時期等をタイムリーに直接、中小企業支援機関に届けていくことが求められる。それと同時に、情報のわかりにくさという問題を解消するために、中小企業庁では、前述のように、実際に施策を企画立案した担当者が、動画で当該施策の内容のみならず、施策立案の背景や想いを説明するプロジェクトを進めようとしている。このような動きが、中小企業庁のみならず、他省庁や都道府県、市区町村にも広がっていくことを期待したい。

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