第4部 中小企業・小規模事業者の支援の在り方 

2. 今後の中小企業・小規模事業者支援の体制の在り方

「よろず支援拠点」の設置により、中小企業・小規模事業者のあらゆる相談に総合的に対応することのできる体制が全国的に整備される。他方、一人の優秀なコーディネーター及び複数名のアシスタントを抱える各都道府県に一つの支援拠点だけでは、385万者の中小企業・小規模事業者からの全ての経営相談に対応するには不十分である。

そこで、長年、地域に密着して中小企業・小規模事業者支援を行ってきた商工会・商工会議所としっかりと連携していくことが極めて重要である。商工会・商工会議所は、第4-1-21図にあるように、「地域に密着した「顔の見える」支援」、「幅広い相談に対応可能」、「小規模企業支援のノウハウを持っていること」が強みであり、第4-1-30図にあるように、都道府県や市区町村との連携も取れているため、地域の中小企業・小規模事業者からのあらゆる相談に対応する「かかりつけ医」的な最前線の拠点としては最適である。事例4-1-5事例4-1-6事例4-1-7事例4-1-8のように、独自の取組や経営指導員の育成を行い、職員の能力の向上に努め、かつ、他の中小企業支援機関とも連携していくことで、地域の最前線での中小企業・小規模事業者支援の「中核拠点」としての機能をさらに強化していくことが求められる。

さらに、都道府県の中小企業支援センターとの連携も重要である。なぜなら、中小企業・小規模事業者385万者のうち商工会・商工会議所の会員以外の者の一時的な相談窓口としては、都道府県の中小企業支援センターの活用が考えられるからである。また、都道府県の中小企業支援センターは、第3節で述べた「プロジェクト型の連携」を推進しているケースが多く、その意味でも、都道府県の中小企業支援センターと協力することが不可欠といえる。

そして、何より重要となるのは、地域の中小企業・小規模事業者や自治体との信頼関係を構築することであろう。

第4-1-35図は、以上のような「よろず支援拠点」を含めた今後の中小企業・小規模事業者を支援する体制を示したものである。また、第4-1-36図は、第4-1-35図を中小企業・小規模事業者の目線から見た支援体制(中小企業・小規模事業者の目的別の主な相談先)を示したものである。以上のような総合的な支援体制を確立し、確実に機能させていくことで、全国津々浦々の385万者の中小企業・小規模事業者に施策を届けていくとともに、第2部、第3部で見てきたような経済・社会構造の変化の中で、力強く生き抜く中小企業・小規模事業者をオールジャパンで支援していかなければならない。

第4-1-35図 今後の中小企業・小規模事業者への支援体制
第4-1-36図 中小企業・小規模事業者の目的別の主な相談先
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