第4部 中小企業・小規模事業者の支援の在り方 

2. 自治体と中小企業支援機関の連携状況

第4-1-29図は、自治体と中小企業支援機関との連携状況を示したものである。なお、ここでいう「連携」とは、産学官連携や海外での展示会など、自治体と中小企業支援機関とが情報交換しながら、協力して中小企業を支援することを指している。これを見ると、全ての都道府県が中小企業支援機関と「多くの支援分野で連携している」又は「一部の支援分野で連携している」と回答しており、連携はうまく取れていることが分かる。市区町村では、中小企業支援機関と「多くの支援分野で連携している」又は「一部の支援分野で連携している」と回答した割合が5割未満であり、都道府県と比べて、連携がうまくいっていないことが分かる。他方で、「連携をする必要性を感じないため、連携はしていない」と回答した市区町村の割合は、1割未満であり、市区町村でも連携する一定の必要性は感じているのが分かる。

第4-1-29図 自治体と中小企業支援機関との連携状況
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では、自治体が連携する度合いの強い中小企業支援機関はどこなのだろうか。第4-1-30図は、第4-1-29図で、「多くの支援分野で連携している」又は「一部の支援分野で連携している」と回答した自治体と連携の度合いの強い中小企業支援機関を示したものである。これを見ると、都道府県では、「商工会・商工会議所等」、「その他の中小企業支援機関」と回答する割合が多い。なお、「その他の中小企業支援機関」のほとんどは、財団法人(都道府県・政令指定都市が保有している中小企業支援センター)であることから、実質的には、商工会・商工会議所との連携が中心であるといえる。また、市区町村では、8割以上が「商工会・商工会議所等」と回答している。以上より、商工会・商工会議所は、中小企業支援機関の中では、自治体と最も連携が取れているといえる。また、中小企業・小規模事業者と日頃から接点も多いため、自治体の施策などを中小企業・小規模事業者に適切に伝えていく役割に加えて、中小企業・小規模事業者の生の声を自治体に伝えていく役割も担っているといえる。

第4-1-30図 最も連携の度合いの強い中小企業支援機関
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第4-1-31図は、第4-1-29図で、中小企業支援機関との連携について、「どちらとも言えない」又は「連携する必要性は感じているが、連携はしていない」と回答した市区町村23が、中小企業支援機関との連携を推進する際の課題を示したものである。これを見ると、「連携するためのノウハウが不足している」、「連携するための財源が不足している」、「中小企業支援機関とのつながりがない」が多く回答されている。したがって、連携を推進するには、一市区町村で連携を模索するのではなく、既に連携した経験のある市区町村がまとまって、当該地域の中小企業支援機関(例えば、都道府県の中小企業支援センターや商工会・商工会議所)との情報交換会を行うなど、中小企業支援機関との接点を持つことが一つの解決策といえる。

23 第4-1-29図において全ての都道府県が「連携している」と回答しているため、第4-1-31図については、市区町村のみを記述している。

第4-1-31図 市区町村が中小企業支援機関との連携を推進する際の課題
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例えば、東京都の板橋区、豊島区、北区、練馬区、文京区では、都の中小企業支援センターである(公財)東京都中小企業振興公社や各区の中小企業支援センターと共催する形でビジネス商談会を持ち回っている24。板橋区や北区は製造業が集積しているため、商談会や交流会の形式が多く、練馬区や豊島区は、雑貨や飲食店が多いため、バイヤーとのマッチング形式での開催が多い。また、商談会には、商工会・商工会議所や信用金庫なども参加しており、自治体と中小企業支援機関が連携して中小企業の販路開拓を支援する体制が構築されている。

24 当該ビジネス商談会は、「ビジネスネット」という名前で運営している。1988年に板橋区と北区で活動を開始。1994年に練馬区と豊島区が、2013年に文京区が加わって、現在は5区で活動している。

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