第3部 中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来 

2. ITを活用した資金調達のタイプ

ここまで、企業がITを活用して資金調達を行うために必要なプロセスと、出資検討者が出資を行うために必要なプロセスについて見てきたが、具体的な資金調達の仕組みには大きな違いがある。その違いの一つとして、資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受けるか否かということが挙げられる。

以下では、ITを活用した資金調達について、資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受けるものと、規制の受けないものに分類した上で、それぞれの特徴について見ていくこととする。

ITを活用した資金調達は、大きく四つのタイプ26に分類することができ、資金調達の目的や規模に応じて資金調達サイトを選択する必要がある(第3-5-38図)。資金調達サイトによって、プロジェクトを掲載する際の手数料27、得意分野、サポート体制等が異なるため、企業にとって資金調達サイトの選択は非常に重要である。

26 ITを活用した資金調達のタイプについては、現在、様々な分類方法が示されているが、本節においては、資金調達サイト運営事業者に対する法規制と実際の資金調達手段における特徴等を踏まえ、四つの分類を行うものとする。

27 資金調達が達成された時に初めて手数料が発生する(成功報酬制)資金調達サイトもあれば、初期調査費として資金調達サイトに掲載される前に手数料が発生する資金調達サイトも存在する。

第3-5-38図 ITを活用した資金調達の類型

まず、資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受けないものについて見ていく。資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受けないものとしては、「寄付型」の資金調達と、「商品・サービス購入型」の資金調達がある。

(1) 金融商品取引法の規制を受けないもの

(1)-〔1〕 寄付型

第3-5-39図は、「寄付型」の資金調達の仕組み(例)を示したものである。

第3-5-39図 寄付型の資金調達の仕組み(例)

〔1〕 出資に対する見返り

「寄付型」の資金調達とは、出資者に対する見返りを必要としない資金調達手段である。出資に対するお礼として、資金調達者から出資者に対してニュースレター等を送付する場合はあるが、基本的に企業から出資者に対して対価を提供する義務はなく、企業にとってみれば、寄付を受けることと同じである。一般的な寄付との違いは、インターネットを介して、世界中の人々に資金を募ることができ、街頭で資金を募る場合と比較し、圧倒的多数の人々に資金を募ることが可能になるということである。

〔2〕 資金調達の目的

寄付型の資金調達サイトを利用する目的としては、社会貢献活動や、環境保全活動のための資金調達として利用することが多い。企業の社会貢献活動や環境保全活動に対する思いに共感し、見返りがなくても出資をしたい、つまり出資すること自体に価値を感じる出資者が存在するためである。そういった意味では、「寄付型」の資金調達は、企業だけでなく、一般個人・団体でも広く利用できる資金調達であるといえる。実際に、このタイプの資金調達サイトを利用しているのは、主に一般個人・団体である。

〔3〕 資金調達規模・出資規模

寄付型の資金調達サイトでは、事業・活動規模にもよるが、数万円から数百万円までの資金調達が行われている。出資は1円単位で行うことができる場合もあり、出資者の裾野が広い資金調達手段といえる。2011年3月の東日本大震災以降、日本国内では、寄付に対するハードルが低くなっており、そういった意味でも「寄付型」の資金調達が拡大する環境が整いつつある(第3-5-40図)。

第3-5-40図 東日本大震災以外への寄付の動向
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〔4〕 資金調達サイト掲載に係る審査

「寄付型」の資金調達サイト掲載に係る審査は、一般的に後述する三つのタイプの資金調達サイト掲載に比べ比較的容易に掲載することができる傾向がある。資金調達サイトに掲載される条件として、「非営利の団体であること」や「Web上での財務報告」等を掲げている資金調達サイトも存在し、それほど厳しい条件となってはいないといえる。

〔5〕出資に対するリスク

この資金調達における出資者のリスクについては、ほぼないといえる。それは、そもそも出資に対する見返りを必要としない前提で出資しているためである。しかし、資金調達者が出資者の意に反し、調達した資金を予定していた目的以外に使用した場合には、これに対する救済措置はないため、あくまで自己の判断で出資するということに留意すべきである。

コラム3-5-3.

「寄付型」の資金調達にかかる税務上の取扱い

●資金調達者の税制について

寄付により資金調達を行った場合、資金調達の金額によっては、資金調達者には法人税や所得税が課税される場合もある(その場合、確定申告が必要)。

(1) 資金調達者が法人の場合…調達資金は法人税の対象

(2) 資金調達者が個人の場合…調達資金は所得税又は贈与税の対象

(注1) 資金調達者が法人の場合、その法人が公益法人等(NPO法人、公益財団法人等)であり、これら公益法人等が公益事業等のために受けた寄付については、課税対象とならない。

(注2) 資金調達者が個人の場合、法人から寄付を受ける場合は所得税が、個人から寄付を受ける場合は贈与税がかかる。寄付型の資金調達で提供を受ける資金のような一時所得に該当する場合の所得税については年間50万円までは非課税であり、贈与税については年間110万円までは(公益目的事業の用に供するものは、全額が)非課税となる。

●出資者(寄付者)の税制について28

寄付金を支出した場合、寄付先によっては、税制上の優遇を受けることができる場合がある(その場合、確定申告が必要)。

(1) 個人が寄付した場合

(注1)個人が、一般企業や認定を受けていないNPO法人に対して寄付(一般寄付)をした場合、所得控除等の税制優遇措置はない。

(注2)個人が、相続又は遺贈により取得した財産を国や地方公共団体、特定の公益法人等に贈与した場合、その財産に係る相続税は非課税となる。

(2) 法人が寄付した場合

※一般の寄付金の損金算入限度額

一般の寄付金の損金算入限度額

なお、法人が認定NPO法人や公益法人等に寄付した場合、一般の寄付金の損金算入限度額とは別に、特別の損金算入限度額が設けられている。

28 詳細は、国税庁ホームページ「税について調べる(寄附金を支出した時)」を参照。

29 「特定公益増進法人」とは、公益法人等のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献、その他公益の増進に著しく寄与する者で一定の者をいう。

(1)-〔2〕 商品・サービス購入型

第3-5-41図は、「商品・サービス購入型」の資金調達の仕組み(例)を示したものである。

第3-5-41図 商品・サービス購入型の資金調達の仕組み(例)

〔1〕 出資に対する見返り

「商品・サービス購入型」の資金調達とは、出資に対する見返りとして、企業が出資者に対して商品やサービス等を提供する資金調達手段である。資金調達を希望する企業は、出資の見返りとして提供する商品やサービスをあらかじめ決めておく必要がある。一般的には、出資額が少ない場合には、お礼のニュースレターやステッカー等比較的お金のかからないものが提供され、相応の出資額の場合には、主に資金調達した資金を用いて開発される商品やサービス等が提供される。そういった意味で、「商品・サービス購入型」の資金調達サイトで資金調達を行うということは、「商品の予約販売」を行っているといえる場合もある。実際に、この手法で資金調達を達成した場合には、その資金調達額を最終的に企業の損益計算書上の売上に計上する必要がある。

〔2〕 資金調達の目的

商品・サービス購入型の資金調達サイトを利用する目的は様々である。企業が利用する場合においては、新商品開発や、新サービス開発のための資金調達として幅広く利用されている。一般個人・団体が利用する場合においては、コンサートなどイベントを開催するための資金調達に利用されたり、本を出版するための資金調達に利用されたりする。

企業が、この商品・サービス購入型の資金調達サイトを利用することには、純粋に資金調達を行うこと以上の効果が期待されている。それは、商品・サービス購入型の資金調達サイトにプロジェクトを掲載することを通じて、その企業が開発した商品・サービスの真の価値や、潜在的な市場ニーズを世に問うことができるということである。自社では市場ニーズがあるかどうかについて判断がつかないような商品やサービスであっても、資金調達サイトにプロジェクトを掲載することで、広く人々に出資する価値があるかどうかの判断を直接人々(市場)に仰ぐことができる。短時間で資金調達を達成した場合には、その商品やサービスに一定の価値や市場ニーズがあることが確認でき、逆に資金調達に時間がかかったり、資金調達が達成されなかった場合には、その商品やサービスに対して共感が得られなかったり、市場ニーズが少なかったということが確認することができる。商品を量産する前段階において、その市場ニーズを確認できるということは、企業が余分な在庫を抱えるリスクを抑制することができる。企業にとって、新しい商品・サービスの価値や市場ニーズの把握を行うのには相応の費用がかかり、経営資源の乏しい中小企業・小規模事業者にとっては負担が大きい。そういった意味で、商品・サービス購入型の資金調達サイトを、資金調達を主たる目的にするのではなく、新しい商品・サービスの価値や市場ニーズの把握を主たる目的として利用することも可能であるといえる。

〔3〕 資金調達規模・出資規模

商品・サービス購入型の資金調達サイトでは、寄付型の資金調達サイトと同様に数万円から数百万円の資金調達が行われている。出資は、千円程度から出資することができる場合が多い。

〔4〕 資金調達サイト掲載に係る審査

商品・サービス購入型の資金調達サイトの主な審査項目としては、プロジェクトが魅力的で共感を得られるかどうか、プロジェクトを実行する能力があるかどうか、過去の実績があるかどうか、という点が挙げられる。

商品・サービス購入型の資金調達サイトでは、一般的に資金調達目標額を設定する必要があり、資金調達目標額を達成できない場合は、資金調達できない仕組みとなっている。この場合、出資を行った出資者に対しては、出資した資金が返還され、実際にプロジェクトも実行されない。この仕組みは、資金調達目標額を達成しない状況で事業をスタートした場合、予定通りの商品やサービスの提供ができないということを防ぐために取られている。資金調達目標額を達成した際は、資金調達サイトを経由して、資金調達を希望する企業に資金が渡る仕組みとなっている。その後、資金調達者はその資金を利用しプロジェクトを実行し、そのプロジェクトにより生み出される商品やサービスを、出資者に対し、出資額に応じて提供する。

〔5〕 出資者のリスク

この資金調達における出資者のリスクについては、出資に対して予定されていた商品やサービスの提供が受けられないということが考えられる。急激な業績の悪化により事業が継続できなくなった場合や、そもそも予定していた商品が開発できなかった場合など、商品・サービスを受け取れないリスクは存在する。これに対する法的な救済措置はないため、あくまで自己の判断で出資するかどうかの判断が求められる。

以上、ここまでは、資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受けない資金調達手段について見てきた。ここからは、資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受ける資金調達手段について見ていく。資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受けるものとして、「貸付型」の資金調達と「事業投資型」の資金調達がある。

これらの資金調達においては、一般に「匿名組合契約30」のスキームを用いて資金募集が行われる。資金調達サイト運営事業者が匿名組合契約のスキームを用いて資金募集を行うためには、第二種金融商品取引業への登録が必要であり、「貸付型」の資金調達サイト運営事業者は貸金業への登録も必要となる31。第二種金融商品取引業者は、「顧客に対する誠実義務」、「広告等の規制」、「取引態様の事前明示義務」等の義務を負っており、その規制の中で資金調達サイトを運営しなければならない。

30 コラム3-5-4を参照。

31 事業に対する匿名組合出資の範囲を超え、実質的に貸付けを行っていると認められる場合は、個人についても貸金業への登録が必要になる。

(2) 金融商品取引法の規制を受けるもの

(2)-〔1〕 貸付型

第3-5-42図は、「貸付型」の資金調達の仕組み(例)を示したものである。

第3-5-42図 商品・サービス購入型の資金調達の仕組み(例)貸付型の資金調達の仕組み(例)

〔1〕 出資に対する見返り

「貸付型」の資金調達とは、出資に対する見返りとして、金銭が提供される資金調達手段である。一般的に、提供される金銭は、資金調達者の業況や資金調達規模などによってあらかじめ算出された金利によって決まる。例えば、5%の利率が定められているプロジェクトに対して出資した場合は、最終的には出資金に5%の金利が上乗せされて、出資者に分配されるという仕組みである32

〔2〕 資金調達の目的

貸付型の資金調達サイトを利用する目的は、企業が日々の運転資金を含む資金調達を行うためであり、特に付き合いのある金融機関以外の資金調達先を確保したい場合や、事業評価が困難、会社設立から日が浅い、必要額が少額であるなどの理由のため、金融機関が融資に消極的になるような場合などに利用されることが多い。

〔3〕 資金調達規模・出資規模

貸付型の資金調達サイトでは、数十万円から数千万円の資金調達が行われており、「寄付型」、「商品・サービス購入型」の資金調達よりも比較的金額の大きい資金調達が多いという特徴がある。出資も、1万円単位から出資できる場合が多い。この貸付型の資金調達においては、あらかじめ出資金に対する金利が決まっており、その金利は一般的な定期預金の金利よりも高い金利が設定されている場合が多いため、出資者は利回りの高さに魅力を感じて出資する場合が多いと考えられる。

〔4〕 資金調達サイト掲載に係る審査

資金調達サイト運営事業者は、企業の事業内容・取引先、現状の収益・財務状況、今後の収益予想などを調査し、資金調達者たる企業に返済の見込みがあると判断されれば、資金調達サイト上での資金の募集を開始する。ここで集まった資金を、資金調達サイト運営事業者が資金調達を希望する企業に融資することにより、企業が資金調達を達成する仕組みとなっている33。その後、資金調達者はその資金を利用しながら事業活動を行い、事業活動から得られる収益を元に資金調達サイト運営事業者に対して借入金の返済を行う。資金調達サイト運営事業者は、資金調達者からの返済金を元に、出資者に対して出資額に応じた分配金の配当を行う。

〔5〕 出資者のリスク

この資金調達における出資者のリスクについては、資金調達者が業績不振に陥り、資金調達サイト運営事業者に対して借入金の返済が滞った場合に、出資者が分配金を受け取ることができなくなるということである。この場合、出資者は資金調達サイト運営事業者や資金調達サイト運営事業者が融資を行った企業に対して出資金の返金を求めることはできないため、資金調達サイトに掲載されている企業の状況や、その他のリスクについて十分に認識した上で、出資するかどうかの判断をする必要がある。

32 出資者が分配金を受け取る場合、所定の手数料や源泉所得税等が控除された金額を受け取る。

33 企業が資金調達サイト運営事業者から融資を受ける際には、企業の業績等により、不動産担保や人的担保が必要になる場合もある。

(2)-〔2〕 事業投資型

第3-5-43図は、「事業投資型」の資金調達の仕組み(例)を示したものである。

第3-5-43図 事業投資型の資金調達の仕組み(例)

〔1〕 出資に対する見返り

「事業投資型」の資金調達とは、出資に対する見返りとして、「貸付型」の資金調達と同様に金銭が提供される資金調達手段である。一般的に、提供される金銭は、資金調達者の業績に応じて変動する。例えば、年間1,000万円の売上を損益分岐点34として予想したのに対して、1,000万円以上の売上が計上されれば、出資した金額よりも多い分配金を受け取ることとなり35、逆に売上が1,000万円に満たない場合は、出資した金額よりも少ない分配金を受け取ることとなる。

〔2〕 資金調達の目的

事業投資型の資金調達サイトを利用する目的は、企業が、新規の事業を立ち上げる際や、通常の運転資金を含む資金調達を行うためである。特に、事業を通じて顧客やファンの獲得を図ろうとする場合や、事業開始から売上計上までに時間が掛かるために資金調達後すぐの償還が困難である事業に取り組もうとする場合などに利用されることが多い36

〔3〕 資金調達規模・出資規模

事業投資型の資金調達サイトでは、数百万円から数千万円の資金調達が行われており、「貸付型」と同じく「寄付型」、「商品・サービス購入型」の資金調達よりも資金調達規模が大きいという特徴がある。出資も1万円単位から出資できる場合が多い。

〔4〕 資金調達サイト掲載に係る審査

資金調達サイト運営事業者は、企業の事業内容・取引先、現状の収益・財務状況、今後の収益予想等の調査のみならず、いかに人々の共感を得ることができる事業であるどうかという点についても考慮して、資金調達サイトへのプロジェクトの掲載可否を決定する。資金調達サイトへの掲載が決定すると、企業は、資金調達サイト運営事業者の協力によりファンドを組成し、資金の募集を開始する。その後、資金調達が達成されれば、企業はその資金を利用しながら事業活動を行い、事業活動から得られる収益を元に出資者に対して分配金の配当を行う。

分配金の配当を行う際に、企業は出資者に対して、企業が生産する商品を提供する場合もある。例えば、酒類製造業者が資金調達を達成した場合には食品としてのお酒が提供され、水産加工品製造業者が資金調達を達成した場合には、水産加工品が提供されるといったように、金銭以外の特典が付く場合がある。

この特典が提供されることによって、企業は出資者に対して直接的に自社商品や自社の事業の取組をPRすることができるため、資金調達を実現しながら顧客やファンの獲得も同時に実現することができる。また、出資者にとっても、出資先である企業と直接的なつながりを持つことにより、その企業をより応援したいと考えるようになる。資金調達達成後も、企業は定期的に出資者に対して業績や自社の事業の取組状況を出資者に報告する場合もあるため、事業投資型の資金調達は、資金調達者である企業と、出資者である個人の距離感がより近い資金調達手段ともいえる。

〔5〕 出資者のリスク

この資金調達における出資者のリスクについては、資金調達者が業績不振に陥り、予想通りの売上が計上できなかった場合に、出資者が出資した資金と同等の分配金を受け取ることができなくなるということである。出資者は、「貸付型」の資金調達と同様に資金調達サイト運営事業者や、自らが出資をした企業に対して出資金の返金を求めることはできないため、資金調達サイトに掲載されている事業内容やその他のリスクについて十分に認識した上で、出資するかどうかの判断をする必要がある。

34 ここでいう「損益分岐点」とは、出資した資金と同等の額が分配金として受け取ることができる売上高のことをいう。

35 出資者が分配金を受け取る場合、所定の手数料や源泉所得税等が控除された金額を受け取るため、損益分岐点を上回る売上があったとしても、必ずしも出資した金額よりも多い分配金を受け取ることができるとは限らない。

36 プロジェクト開始後、例えば3年後以降に初めて売上が計上される事業を行おうとする場合、分配金の配当を3年後に設定することもできる。

コラム3-5-4.

匿名組合契約

資金調達サイト運営事業者が金融商品取引法の規制を受ける「貸付型」、「事業投資型」の二つのタイプの資金調達においては、一般に匿名組合契約のスキームが用いられる。匿名組合契約とは、出資者(匿名組合員)が特定の「営業者」の「営業」のために出資を行い、その営業による生じる利益の分配を受けることを約束する契約形態である。「貸付型」、「事業投資型」における匿名組合契約の当事者と、特定の営業者が行う営業については、コラム3-5-4図のとおりである。

コラム3-5-4図 匿名組合契約の仕組み

コラム3-5-5.

資金調達者の確定申告について

資金調達手段によって、資金調達者が調達した資金の税務上の取扱いが異なる。

●寄付型…調達資金は、損益計算書上の雑収入等(収入勘定)に計上される。

●商品・サービス購入型…調達資金は、損益計算書上の売上(収入勘定)に計上される。

●貸付型…調達資金は、貸借対照表上の借入金(負債勘定)に計上される。

●事業投資型…調達資金は、貸借対照表上の匿名組合預り金(負債勘定)に計上される。

(注)金融機関は、「事業投資型」の匿名組合預り金について、一定の条件下のもとで資本とみなして融資の評価することができる。

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