第3部 中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来 

第2節 海外展開の成功の要因・失敗の要因

第1節で見たように、海外展開を実施する中小企業が増加していることが分かった。しかし、海外展開がうまくいっている企業、うまくいっていない企業がいるのも事実である。中には直接投資から撤退を経験し、国内の事業自体にも悪影響が出てしまう企業もいる。

それでは、海外展開の成功と失敗の分かれ道となる要因は何であろうか。ここからは、中小企業庁が委託し、損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント株式会社が2013年12月に実施した「中小企業の海外展開の実態把握にかかるアンケート調査」11を基に、中小企業の海外展開の現状を見ていく。

11 中小企業庁の委託により、損保ジャパン日本興亜リスクマネジメント(株)が、2013年12月に企業50,145社を対象に実施したアンケート調査。回収率8.7%。

1. 輸出企業の現状

まず、輸出を実施している中小企業(輸出企業)の成功と失敗の要因を見ていく。第3-4-11図は、輸出企業の今後の輸出の方針を見たものである。これによると、現在輸出に取り組んでいる企業の7割近くが、今後輸出を「拡大したい」と考えており、逆に「縮小・撤退したい」、「今後の計画なし」という企業はほとんどおらず、多くの企業が輸出に一定の手応えと将来性を感じていることが推測される。

第3-4-11図 輸出企業の今後の輸出の方針
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また、第3-4-12図は輸出企業の輸出を開始した時期を見たものである。これを見ると、中規模企業でも4割近く、小規模事業者の半数以上が2000年以降に輸出を開始しており、小規模事業者を中心に、近年になって輸出を始めた企業が多いことが見て取れる。

第3-4-12図 輸出企業が輸出を開始した時期
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第3-4-13図は、現在主力である輸出先の国・地域と今後輸出先として重視する国・地域を見たものである。これによると、現在主力である輸出先の国・地域は、中国と回答した企業が最も多く、次に北米と回答した中小企業が多くなっている。一方で、今後輸出先として重視している国・地域では、中国、台湾、韓国等は大きく減少している一方、タイ、ベトナム、インドネシアといったASEAN諸国では増加しており、今後の輸出先としてASEANを有望視している企業が多いことが分かる。また、ミャンマーやインドを有望視している企業の割合も大きく増加していることが注目される。

第3-4-13図 現在主力である輸出先と今後重視する輸出先の国・地域
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