第3部 中小企業・小規模事業者が担う我が国の未来 

第4章 海外展開 ―成功と失敗の要因を探る―

アジアを始め新興国の成長は著しく、人々の生活水準は向上し続けている。一方で、我が国の人口は2011年から減少に転じ、今後も引き続き減少が見込まれている。国内での需要減少や産業構造、市場の需要の変化等に直面し、新たな市場を求めて、様々な困難やリスクを乗り越え、海外市場に活路を見いだそうとする中小企業もいる。第4章では、中小企業の海外展開の現状を分析し、成功と失敗の要因を探るとともに、今後の海外展開支援の在り方について検討をする。

なお、ここでいう「海外展開」とは、輸出(直接輸出1・間接輸出2含む)、直接投資3(対外直接投資)をいう。輸入、海外企業との業務提携、外国人観光客の誘致等も海外展開に含まれることもあるが、本稿では主としては扱わない。

1 「直接輸出」とは、企業が自己又は自社名義で通関手続きを行った輸出をいう。

2 「間接輸出」とは、輸出相手は分かっており、自国内商社や卸売業者、輸出代理店等を通じて行った輸出をいう。

3 「直接投資」とは、出資により海外に法人を設立すること、及び、企業が海外現地法人に資本参加することをいう。

第1節 成長する海外市場、挑戦する中小企業

1. 我が国の現状と成長する海外市場

第2部第1章で見たように、我が国の人口は、2011年から減少に転じており、中長期的に今後も減少することが見込まれている4。一方、海外に目を向けると、先進国の中間層・富裕層人口はほぼ横ばいであるものの、南西アジア、ASEAN、中国等、アジアでは、中間層・富裕層人口の増加が見込まれている5。また、IMFの予測ではあるが、日本のGDPの増加が今後ほとんど見込まれない一方で、中国を始めとするアジアでは大幅なGDPの増加が見込まれており6、企業が成長していくためには、積極的に海外の需要を取り込んでいく必要がある。

4 前掲第2-1-7図を参照。

5 前掲第2-1-9図を参照。

6 前掲第2-1-10図を参照。

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