2. 中小製造業の販売価格及び仕入価格動向
●上昇が続く中小製造業の仕入価格
では、こうした物価動向の中で、中小製造業の置かれた状況はどのようなものであったか見ていこう18。第1-1-37図は、1975年以降の中小製造業の販売価格上昇率と仕入価格上昇率の推移を見たものである。これを見ると、70年代半ば以降の中小製造業では、仕入価格の上昇に追随する形で、販売価格を上昇させていたことが分かる。しかしながら、2000年以降は、販売価格が仕入価格の上昇に追いつけない状況となっている。その格差は、リーマン・ショック直前の2008年第3四半期にピークに達している。2009年に入ると、仕入価格、販売価格ともに下落に転じたが、2010年に入ると、仕入価格は再び上昇に転じた。一方で、販売価格は2010年を通じ下落を続けた。2011年以降も、中小製造業の販売価格は低迷を続け、足下の2013年第4四半期では、仕入価格が前期比1.9%上昇したのに対し、販売価格はわずか同0.4%しか上昇していない。