第1部 平成25年度(2013年度)の中小企業・小規模事業者の動向 

8. 雇用

次に、雇用環境について見ていく。

完全失業率については(第1-1-31図)、2011年11月以降の横ばい状態から、2012年5月以降、低下傾向となったものの、2012年後半には4.1%〜4.3%の間で一進一退の動きとなった。しかし、2013年に入ってからは景気回復と共に、完全失業率は低下し、足下の2014年2月には3.6%となり、景気回復局面にあった2007年7月以来6年7か月ぶりの水準を回復した。

第1-1-31図 完全失業率の推移
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こうした完全失業率低下の背景にあるのは、従業員の不足感の高まりである。中小企業景況調査により、中小企業・小規模事業者の従業員過不足DIの推移を業種別に見ると(第1-1-32図上)、2012年に入り、製造業は横ばい傾向で推移していたが、非製造業では低下傾向が続いており、従業員の不足感が強まっていた。また、2013年に入ると、製造業でも急速に従業員の不足感が高まり、中小企業・小規模事業者の全産業で不足感が高まっていることが分かる。

第1-1-32図 中小企業・小規模事業者の従業員過不足DIの推移
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また、非製造業を、建設業、卸売業、小売業、サービス業に分けて詳細に見てみると(第1-1-32図下)、建設業での不足感が顕著である。これは、東日本大震災の復興需要に伴う人手不足が顕在化したことが主な要因であるが、足下では消費税増税による駆け込み需要や2020年のオリンピックに向けた人員・人材確保の必要性が高まっていることも要因であると考えられる。

また、有効求人倍率を見ると(第1-1-33図)、リーマン・ショックにより大幅に落ち込んだ後、徐々に回復していたが、2013年11月に、景気回復局面にあった2007年10月以来、6年1か月ぶりに1.00の水準を回復し、リーマン・ショック前の水準を回復している。

第1-1-33図 有効求人倍率の推移
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他方で、大学卒業予定者について、中小企業・小規模事業者の求人数及び中小企業・小規模事業者への就職希望者数の過去数年間の推移を見てみると(第1-1-34図)、中小企業・小規模事業者の求人数が足下では横ばいとなっており、中小企業・小規模事業者への就職希望者数も横ばいとなっている。その結果、中小企業・小規模事業者の求人倍率も横ばい状態が続いており、中小企業の雇用のミスマッチ改善に向けた動きは、やや足踏み状態となっていることがうかがえる。

第1-1-34図 中小企業の大学卒業予定者求人数・就職希望者数の推移
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