第1部 平成25年度(2013年度)の中小企業・小規模事業者の動向 

2. 生産・輸出の動向

次に、最近の生産及び輸出の動向を見ていく。

第1-1-7図は、我が国の生産・輸出の推移を見たものである。

第1-1-7図 我が国の生産・輸出の推移
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東日本大震災により大きく落ち込んだ後、順調な回復を続けていた我が国製造業の生産活動は、欧州政府債務危機を背景とした海外景気の減速や経済対策効果の減退等により、2012年5月以降は、2010年の水準である100.0を下回り、後退に転じたが、2013年2月以降は持ち直しの動きがみられるようになっている。

こうした動きを、鉱工業生産指数のうちの「製造工業」によって見てみると(第1-1-7図上)、東日本大震災の発災により、発災前の2011年2月には102.7の水準にあった生産指数は、震災が発災した3月には85.8にまで落ち込んだ。その後、2011年8月に100.4を記録して以降はおよそ100.0を超える水準で推移し、緩やかに持ち直していたが、欧州政府債務危機を背景とした海外景気の減速や経済対策効果の減退等により、2012年5月に98.8を記録し、それ以降は100.0を下回る水準で推移するようになった。しかし、2013年に入って、再び持ち直しの動きがみられるようになり、足下の2014年2月では101.5と100.0を上回る水準にまで回復してきている。また、鉱工業生産指数に対する寄与度の大きい「輸送機械工業(船舶・同機関、鉄道車両、航空機を除く)」についても見ていくと、やはり東日本大震災による影響は著しく、震災前の2月に100.1の水準にあった生産指数は、震災発災直後の4月には49.0と大きく落ち込んだ。その後、2012年4月に114.1まで上昇したものの、それ以降は弱含みで推移した。2013年に入ってからはおよそ100.0を超える水準で推移し、足下の2014年2月では106.3となっている。

こうした生産活動の動きの背景にあるのは、自動車を始めとする輸送機械工業を中心とした輸出の動きである。これを輸出額の前年同月比で見てみると(第1-1-7図下)、東日本大震災により大きく落ち込んだ後も、東日本大震災の大幅減の反動により一時的に前年同月比プラスになっている月はあるものの(2012年4月)、欧州政府債務危機による海外景気の減速と円高方向への動きにより、2012年も概ね前年同月比マイナスで推移した。しかしながら、2013年に入ってからは前年同月比プラスに転じている。

特に、輸送機械工業の輸出は、東日本大震災により2011年4月に▲51.5%と大幅な落ち込みを見せた後、順調に回復し、2012年4月には東日本大震災の反動により、前年同月比113.1%と大幅な増加を記録した。しかし、同年5月以降は急速に減速し、とりわけ同年9月以降は、4か月連続で前年同月比マイナスとなった。しかしながら、2013年に入ってからは、輸送機械工業は前年同月比でプラスに転じ、輸出全体の伸びに寄与している。

第1-1-8図は、我が国の輸出の推移を地域別に見たものである。

第1-1-8図 我が国の輸出の伸びと地域別寄与度の推移
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これを見ると、東日本大震災により、大幅に落ち込んだ我が国の輸出は、欧州政府債務危機の顕在化等を背景とする海外経済の減速と円高方向への動きによって、2012年に入っても厳しい状況が続いた。しかし、2013年に入ってからは、輸出環境が回復に入るとみられたが、2月に輸送用機器及び一般機械での中国向け輸出が減少し7、アジア向け輸出が大きく減少したことを受けて前年同月比で減少した。その後は、海外景気の底堅さ等を背景に、輸出環境が改善に向かい始めたこと等を受けて、我が国の輸出は円高方向へ推移していた2012年に比べて大きく増加した。地域別に見てみると、アジア、米国向けの輸出が好調であり、かつ、欧州政府債務危機から回復しつつある欧州向けの輸出も伸びたことにより、とりわけ、同年5月以降は、前年同月比でおおむね10%以上の伸びを示している。

7 中国の春節が2012年は1月だったのに対し、2013年は2月であったという特殊要因によって輸出数量の前年比伸び率が押し下げられたと考えられる。

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