平成23年度において講じた中小企業施策 

第4章 業種別中小企業対策

第1節 中小農林水産関連企業対策
1.6次産業化の推進
(1)未来を切り拓く6次産業創出総合対策(農林漁業者の加工・販売への取組促進)のうち6次産業総合推進事業【23年度予算:15.7億円の内数】
 農商工連携を含めた6次産業化の取組を推進するため、国産農林水産物を活用した新商品開発や販路開拓等の取組の支援を行った。
(2)未来を切り拓く6次産業創出総合対策(農林漁業者の加工・販売への取組促進)のうち6次産業化推進整備事業【23年度予算:15.5億円の内数】
 農商工連携を含めた6次産業化の取組を推進するため、農林漁業者と食品事業者が安定的な取引関係を確立して行う食品の加工・販売等に取り組む場合に必要な食品の加工施設、農林漁業用機械等の整備の支援を行った。

2.中小農林水産事業者向け支援
(1)木材産業原料転換等構造改革緊急対策事業【23年度予算:2.0億円】
 国産材の加工に必要な加工設備の導入や経営の安定等に必要な資金の借入れに対する利子助成と、品質・性能の確かな木材製品を低コストで安定的に供給するための機械設備の導入等に対する利子助成やリース料への助成を行った。
(2)森林・林業・木材産業づくり交付金による木材産業の体制整備への支援【交付金】 地域の中小製材工場が中核工場と連携した生産品目の転換等のための施設や製紙用間伐材チップの安定供給体制整備を図るための施設整備等に対し支援を行った。
 品質・性能の明確な木材製品を低コストで安定的に供給する流通・加工施設の設備や乾燥材供給体制の整備、新たな総合利用システムのモデル的構築を図った。
(3)木材産業等高度化推進資金、林業・木材産業改善資金【23年度貸付枠:700億円】 木材の生産・流通を合理化するため、木材産業等高度化推進資金による融資を行うとともに、林業・木材産業の経営改善等を実施するため、林業・木材産業改善資金を融資した。
(4)水産物フードシステム品質管理体制構築推進事業【23年度予算:0.9億円】
 漁船、市場、加工場等水産物流通の全段階を通じたHACCP手法(食品の原料の受入れから製造・出荷までの全ての工程で危害の発生を防止するための重要ポイントを継続的に監視・記録する衛生管理手法)の導入や、欧米等への輸出を目指す水産加工場等へのHACCP手法の導入を支援した。
(5)産地活性化総合対策事業による乳業再編整備等への支援【23年度予算:107.0億円の内数】
 乳業工場の広域的な再編・合理化の更なる促進を図るとともに、高度な衛生管理水準を備えた乳業施設への生産集約等に対して助成した。

3.研究開発等横断的分野等における支援
(1)競争的資金等により、以下の事業を実施した。
〔1〕イノベーション創出基礎的研究推進事業【23年度予算:55.7億円】
 農林水産業・食品産業等のイノベーションにつながる技術シーズの開発及び開発された技術シーズを実用化に向けて発展させるための研究開発を推進するとともに、ベンチャーの育成に資する研究開発への支援を行った。
〔2〕新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業【23年度予算:51.5億円】
 農林水産業・食品産業の発展や地域の活性化に資するため、農商工連携にも配慮しつつ産学官連携による実用化に向けた技術開発を推進した。
〔3〕民間実用化研究促進事業【23年度予算:3.0億円】
 バイオマスの利活用等、農山漁村の6次産業化を推進するため、民間における実用化段階の技術開発及び実証試験への支援を行った。
(2)食品産業品質管理・信頼性向上支援事業【23年度予算:2.8億円】
 食品産業におけるHACCP手法の導入及び一般的衛生管理の徹底による食品の品質管理の向上やコンプライアンスの徹底、ガイドラインに基づく自主的な原料原産地表示の普及等を通じた消費者の信頼を確保し、国内市場の活性化を図るための取組を支援した。
(3)新事業創出人材育成事業【23年度予算:0.8億円】
 農林水産業及び農山漁村に由来する「資源」の画期的な活用方法の創出等、農林水産分野における新事業の創出に全国各地で携わる人材を育成するため、大学等における寄付講座等に向けた人材育成プログラムの開発等を実施した。
(4)日本公庫による各種融資【財政投融資】
 〔1〕特定農産加工業者の経営改善、〔2〕特定農林畜水産物の新規用途又は加工原材料用新品種の採用の推進、〔3〕食品製造業者等と農林漁業者等の安定的取引関係構築及び農林漁業施設の整備等、〔4〕乳業施設の改善、〔5〕水産加工業の体質強化等の推進に対して融資した。

第2節 中小運輸業対策
1.倉庫業への支援
 経済・社会環境の変化の中で高度化する物流ニーズに対応すべく、施設における物流機能の高度化の推進を行った。

2.自動車分解整備事業の支援
 自動車分解整備事業の近代化に必要な資金調達の円滑化を図るため、自動車整備近代化資金制度の適正な活用により、債務保証及び利子補給を行った(新規貸付は平成22年度末で終了。)。

3.内航海運・国内旅客船事業対策
(1)海上交通の低炭素化事業【23年度予算:5.5億円】
 モーダルシフトの主要な担い手である内航海運・フェリーについて、低炭素化等による競争力の確保・活性化を図るため、船舶運航事業者等が行う省エネ効果の高い機器の導入等に対して補助するとともに、省力化等、更なるコスト縮減に資する取組について支援を行った。
(2)内航海運暫定措置事業
 内航海運暫定措置事業の円滑かつ着実な実施を図るため、同事業に要する資金について政府保証枠の設定による支援措置を講じた。
(3)船舶共有建造制度を活用した環境にやさしく効率性の高い内航船の建造促進【財政投融資】
 内航海運業の活性化を図るため、鉄道・運輸機構の船舶共有建造制度を活用し、スーパーエコシップ等の環境にやさしく効率性の高い船舶の建造を促進した。スーパーエコシップについては、平成24年2月現在、20隻が就航済みであり、3隻が建造中である。

4.中小造船業・舶用工業対策
 景気対応緊急保証制度の特定業種指定を受け、経営の安定のためのセーフティネットの確保に取り組んだほか、経営技術の近代化に向けた講習会を全国7か所で実施するとともに、労働災害の防止に向けての統括安全衛生責任者研修会を全国6か所で実施した。【23年度予算:0.5億円の内数】
 さらに、船舶からの二酸化炭素排出削減に向けた省エネルギー技術等の開発支援(技術開発プロジェクト全22件のうち、中小企業の参加するプロジェクトは12件【23年度予算:7.5億円】)や、鉄道・運輸機構による新技術の実用化に向けた支援(4件)等を通じ、技術力の強化等に取り組んだ。また、今般の東日本大震災では、東北の太平洋側に位置する37の造船所全てと多くの造船関連事業者が壊滅的な被害を受けたところ。国土交通省では、中小企業庁等、関係省庁との連携により、「中小企業等復旧・復興支援(グループ化)補助事業」の活用支援や、設備の早期復旧に必要な資機材の調達支援を行った。また、地域に集積する造船産業の復興と将来の発展に向けて、各施設の共同化・効率化のための計画作りや、建造技能の高度化のための講習会等による「地域造船産業集積高度化支援事業【23年度補正予算:1.3億円】」を実施した。

第3節 中小建設・不動産業対策
1.成長戦略の担い手たる建設産業の育成と事業転換の促進【23年度予算:1.8億円、23年度補正予算:11億円】
(1)建設企業が連携の強化を図り、技能者等を新規に雇用することにより、維持管理、エコ建築、耐震、リフォーム等の成長が見込まれる市場の開拓を図る事業を支援する「建設企業の連携によるフロンティア事業」において、91連携体の取組を支援した。
(2)経営戦略相談窓口で相談を受け付けた建設企業に対し、建設業経営戦略アドバイザーによる電話・訪問アドバイスを行う「建設企業のための経営戦略アドバイザリー事業」を実施。特に新事業展開、企業再編・廃業等を目指す51企業に対しては、同アドバイザー等から構成される支援チームが一定の目標達成まで継続的に支援した。また、32道府県、82金融機関とパートナー協定を締結し、相談支援体制の強化を図った。(新規)
(3)中小建設企業の新事業展開、経営力の強化を支援するため、大手・中堅建設企業が有するノウハウ・技術を集約し、中小建設企業に対して〔1〕技術マッチング支援、〔2〕ノウハウアドバイス支援を行う「ノウハウ・技術移転支援事業」を実施した。(新規)
(4)リフォーム・メンテナンス及び太陽光発電の施工研修テキスト、カリキュラムを作成し、現場で働く技能労働者を対象に必要な技能・知識の習得を目的とした研修を実施した。

2.建設業における金融支援
(1)建設業の資金調達の円滑化を図るため、建設企業が公共工事等発注者に対して有する工事請負代金債権について、未完成部分を含め流動化を促進すること等を内容とした地域建設業経営強化融資制度を実施した。本制度を利用する建設企業は、金利負担等の軽減が図られる。なお、平成23年度末までの事業期間を平成24年度末まで延長した。
(2)下請建設企業又は資材業者の経営及び雇用の安定、連鎖倒産の防止等を図るため、下請建設企業等が元請建設企業に対して有する工事請負代金債権等に係る債権の支払をファクタリング会社が保証する場合に、下請建設企業等の保証料負担を軽減するとともに、保証された債権の回収が困難となった際の保証債務の履行のため、ファクタリング会社に発生する債権を保証することにより、下請建設企業等の有する債権の保全を促進する下請債権保全支援事業を実施した。なお、平成23年度末までの事業期間を平成24年度末まで延長した。

3.建設業の海外展開支援【23年度予算:0.2億円】
 意欲と能力のある地方・中小建設企業が海外への初めの一歩を踏み出すための支援として、海外事業に必要となる知識・ノウハウの乏しい地方・中小建設企業を対象として、専門家による海外展開支援アドバイザー事業及び海外展開セミナー(全国5か所)の開催、メールマガジンの配信等を実施した。

4.中小不動産業者に対する金融措置
 中小不動産事業者の信用を補完し金融を円滑化するため、中小不動産事業者の協業化円滑化資金等に対する債務保証事業を継続実施している(財)不動産流通近代化センターにて「地域再生事業等支援制度」を新設し、同制度による債務保証を行った。

5.不動産流通市場の整備【23年度予算:0.1億円】
 指定流通機構(レインズ)が保有する不動産取引価格情報を活用した情報提供の取組(不動産取引情報提供システム)について、開示情報を拡大するなどの機能拡充を実施し、不動産流通市場の一層の整備を促進した。

6.木のまち・木のいえ整備促進事業(木のいえ整備促進事業)【23年度予算:90億円の内数、23年度補正予算:50億円】
 中小住宅生産者による地域材等を活用した木造の長期優良住宅の整備に対して支援を行った。

7.木造住宅施工能力向上・継承事業【23年度予算:7.7億円】
 木造住宅の施工に関する住宅生産事業者の能力の向上及び技術の継承に対する支援を行った。

第4節 生活衛生関係営業対策
1.生活衛生関係営業対策【23年度予算:3.8億円】
 生活衛生関係営業(以下「生衛業」という)の振興を図るため、生活衛生営業指導センターにおいて、以下の事業を実施した。
(1)分野調整等協議会等事業:大企業等の事業進出計画等を的確に把握し、紛争の解決を図るための相談指導事業を行うとともに、当事者間の自主的な事業活動調整の促進及び分野調整全般についての調査検討を実施した。
(2)情報化整備事業:これまで生活衛生営業指導センターで蓄積した融資関係、統計関係等の情報を相互に利用できるネットワークシステムを運営し、適切かつ迅速に営業者に情報提供を実施した。
(3)後継者育成支援事業:生衛業の後継者確保に関する取組を支援するため、若年者の生衛業への就職促進を目的としたインターンシップ制を導入するためのモデル的事業を実施した。
(4)健康・福祉対策推進等事業:近年の新型インフルエンザ、レジオネラ症等感染症の発生に対応できる体制を整えることにより、生衛業における衛生水準の維持向上を図る事業を実施した。
(5)相談・指導事業:経営指導員等が生衛業者に対して経営上必要な融資、税務、労務管理等の相談や指導を実施した。

2.生活衛生関係営業に関する貸付【財政投融資】【23年度予算:15.3億円】
 日本公庫及び沖縄公庫において、振興計画に基づき営業を行う生活衛生関係営業者に対し、低利融資を行った。
 また、生活衛生同業組合や都道府県生活衛生営業指導センターの特別相談員や経営指導員が経営指導を行うことによって、日本公庫及び沖縄公庫が無担保・無保証人で融資を行った(衛経融資)。東日本大震災の対応として、融資限度額及び貸付金利の引下げ等の拡充を行った。


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