平成23年度において講じた中小企業施策 

第2章 中小企業の下支えとなる支援

第1節 資金繰り支援
 東日本大震災により被害を受けた中小企業者に対する資金繰り支援のみならず、円高やタイ洪水等による経済環境の悪化リスクに備えた支援策も講じてきた。
 まず、東日本大震災や円高等の影響を踏まえ、平成23年度上半期及び下半期において、セーフティネット保証5号の対象業種を原則全業種(82業種)とする措置を実施した。また、平成23年度3次補正予算編成以降、円高、タイ洪水、欧州債務危機等を背景として、経済の先行きに不透明感が広がってきたことを受け、年度末に向けて必要な資金に不足が生じないよう、平成23年度4次補正予算で予算額7,413億円、追加事業規模9.25兆円を確保し、セーフティネット保証・貸付等の支援を行った。さらに、中小企業金融円滑化法の期限が更に1年延長され、民間金融機関における中小企業者向け貸付にかかる貸付条件変更等の実行率は、前年度に続き9割を超える水準となっている。加えて、日本公庫や商工中金においても、中小企業金融円滑化法の趣旨等を踏まえ、同様の対応が行われた。

具体的施策
1.セーフティネット保証(5号)の対象業種の拡大(再掲)

2.セーフティネット貸付【23年度4次補正:3,402億円】
 セーフティネット貸付は、社会的、経済的環境の変化の影響等により、一時的に売上高や利益が減少しているなどの影響を受けている中小企業者に対して、7億2,000万円(日本公庫(中小企業事業)、商工中金)、4,800万円(日本公庫(国民生活事業))の範囲内で融資を実施するものである。また、円高、タイ洪水等による経済環境の悪化リスクに備え、所要の要件を満たした場合の金利減免措置を講じた。本措置の平成23年度の貸付実績は、37,393件、6,701億円であった。

3.中小企業金融円滑化法の実施状況及び期限の最終延長等
 中小企業金融円滑化法では、金融機関が、貸付条件の変更等を適切に行っているかなどについて、検査・監督を通じて検証を行った。こうした中、金融経済情勢や中小企業者等の資金繰り、金融機関の金融の円滑化への対応状況等を鑑み、中小企業金融円滑化法の期限(平成24年3月末)を1年間再延長することとした。

4.劣後ローン貸付の推進
 日本公庫(中小企業事業、国民生活事業)において、創業や企業再建等への取組を行い、地域経済の活力の維持、向上に資する事業を行う中小企業者に対して、当該企業の財務体質を強化し、民間金融機関からの資金調達の円滑化を図るために、劣後ローン制度1を通じて融資を行った。平成23年度の貸付実績は、450件、212億円であった。また、日本公庫(中小企業事業)において、東日本大震災復興特別貸付制度における特例制度として、自己資本が毀損した中小企業者を対象に、資本性を有する長期資金(一括償還型)を提供する新たな制度も創設した(平成23年12月12日から措置。)。

1 期限一括償還型の貸付制度で、融資を受けた中小企業者が法的倒産となった場合に貸付金の償還順位を他の債権に劣後させるもの。中小企業事業においては、毎期の決算の成功度合いに応じて金利を変更するなどの制度設計とすることにより、当該劣後ローンは、金融検査上自己資本とみなすことが可能となっている。

5.マル経融資制度【23年度予算:36.0億円】
 小規模事業者を金融面から支援するため、商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員が経営指導を行うことによって日本公庫が無担保・無保証人で融資を行った。また、〔1〕貸付限度額の上限を1,000万円から1,500万円、〔2〕貸付期間を、運転資金は5年以内から7年以内に、設備資金は7年以内から10年以内、〔3〕据置期間を、運転資金は6か月から1年に、設備資金は6か月から2年にそれぞれ拡充する措置を、引き続き実施した。平成23年度は、35,159件、1,543億円の融資を実施した。

6.小規模企業設備資金導入制度(設備資金貸付・設備貸与)【財政投融資】
 信用力や資金調達力が脆弱である小規模企業の創業及び経営基盤の強化に必要な設備導入を促進するため、各都道府県の貸与機関を通じ、設備資金の無利子貸付及び設備貸与を実施した。平成22年度は、資金貸付は401件、設備貸与は757件行った。

7.中小企業投資育成株式会社による投資
 中小企業投資育成株式会社は、中小企業の自己資本の充実を促進し、その健全な成長発展を図るため、株式、新株予約権、新株予約権付社債等の引受けによる投資事業及び経営相談、事業承継支援等の育成事業を実施している。平成24年1月末時点の投資残高は、2,194社、706億円となっている。

8.貿易保険が付保された中小企業の輸出代金債権の流動化促進
 商工中金等の関係機関と連携し、中小企業から金融機関へ譲渡した付保輸出代金債権に係る保険事故後の回収義務(保険事故が発生し、保険金を受け取った後も、金銭の回収に努める義務)等の被保険者義務をNEXIが一部免除すること等により、中小企業に対する資金供給を促進した。

9.沖縄の中小企業対策【財政投融資】
 沖縄振興開発金融公庫(以下「沖縄公庫」という)を活用した沖縄の中小企業対策については、日本公庫が行う業務・取組について沖縄公庫の業務範囲に対応するものについては、同様に行うとともに、沖縄の特殊事情を踏まえた独自の貸付制度の拡充等を実施した。

10.中小企業の会計に関する基本要領
 中小企業の経営状況の明確化、経営者自身による事業の説明能力の向上、資金調達力の強化を促す観点から、「中小企業の会計に関する検討会」を開催し、中小企業の実態に即した会計制度として、平成24年2月1日に「中小企業の会計に関する基本要領」を公表した。

第2節 財務基盤の強化
1.中小軽減税率の特例【税制】
 中小法人に係る法人税の軽減税率(年所得800万円以下の部分に適用)について、22%から18%への引下げ措置を平成24年3月31日まで延長した。

2.中小企業基盤等強化税制【税制】
 卸売・小売・サービス業を営む中小企業が、機械装置等を取得した場合に、取得価格の30%の特別償却又は7%の税額控除を認める措置の適用期限を平成24年3月31日まで延長した。

第3節 下請取引の適正化
 親企業に比べて弱い立場にある下請中小企業に不当なしわ寄せが生じることがないように、適正な取引を推進するため、不公正な下請取引を取り締まるとともに、法律違反を未然に防止することで下請中小企業を守っていく必要がある。
 平成23年度においては、公正取引委員会と連携しつつ下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号、以下「下請代金法」という)に基づく書面調査の実施等により、下請代金法を厳格に運用した。また、平成23年4月22日に東日本大震災で影響を受けている下請中小企業との取引に関する配慮を要請する文書を、平成23年11月21日に急激な円高の影響によるしわ寄せ防止及び年末の金融繁忙期に向けた下請事業者の資金繰りの確保について下請代金法及び下請中小企業振興法(昭和45年法律第145号、以下「下請振興法」という)に基づく下請取引適正化の要請文書をそれぞれ発出し、親事業者に対する周知徹底を図った。さらに、下請かけこみ寺による相談体制の強化、下請適正取引等のためのガイドラインの普及啓発を実施した。

具体的施策
1.下請代金法の運用強化【23年度予算:6.0億円の内数】
 下請取引の公正化、下請事業者の利益保護のため、公正取引委員会と中小企業庁が密接な協力関係のもと、下請代金法を執行した。また、平成23年度においても、公正取引委員会及び中小企業庁が親事業者等に対して書面調査等を実施した。
 さらに、11月に実施した「下請取引適正化推進月間」においては、「円高の影響が現れやすい違反をした親事業者」や「過去に同様の改善指導を2回以上受けている親事業者」等を対象に、特別事情聴取を実施し、下請代金法の厳格な運用を図った。また、急激な円高の影響によるしわ寄せを防止する点及び年末の金融繁忙期に向けた下請事業者の資金繰り確保の点から、親事業者代表取締役(35,145社)及び関係事業者団体代表者(637団体)に対し、経済産業大臣、公正取引委員会委員長又は各事業所管大臣の連名で、下請代金法及び下請振興法に基づく下請取引の適正化の要請文を発出し、同法の周知徹底を図った。
 加えて、4月には、東日本大震災で影響を受けている下請中小企業との取引に関する配慮を要請する文書等を、親事業者に対して発出した。

発出文書の概要
(1)取引の維持・再開について(親事業者22,000社)
 今回の災害の影響を受けた下請中小企業が事業活動を維持、又は今後再開するに当たり、できる限り取引関係を継続し、又は優先的に発注を行うこと。
(2)風評被害の防止について(親事業者22,000社)
 原子力発電所事故に関して、科学的・客観的根拠に基づき適切に取引を行うこと。
 また、昨年夏の節電に係る下請代金法遵守に向けて、啓発のためのチラシ等を親事業者に対して送付し、法令遵守の徹底を促した。

2.相談体制の強化と下請取引適正化に関する普及啓発【23年度予算:6.0億円の内数】
 全国48か所に設置した下請かけこみ寺において、中小企業の取引に関する相談に対応した(平成23年度の相談件数は4,178件、無料弁護士相談610件)。
 また、下請代金法の違反行為を未然に防止するための講習会を開催した。親事業者の調達担当者を対象とした講習会を113回、経営者層を対象とした講習会を50回開催し、下請代金法及び下請振興法の一層の周知を図ったほか、全国8会場で親事業者の取組事例等を紹介し、広く下請代金法の遵守を呼びかけるシンポジウム等を開催した。
 さらに、親事業者と下請事業者の望ましい取引関係を構築するためのガイドライン(下請適正取引等の推進のためのガイドライン)を、平成23年は、2業種(繊維、情報サービス・ソフトウェア)が改訂を行うとともに、15業種のガイドラインの説明会を238回開催した。

3.下請中小企業の振興【23年度予算:6.0億円の内数】
 下請中小企業の振興を図るため、以下の事業を実施した。
〔1〕下請取引あっせん、商談会による販路開拓支援【23年度予算:6.0億円の内数】
 新たな取引先を開拓したい下請中小企業に対して、「ビジネス・マッチング・ステーション(BMS)(http://biz-match-station.zenkyo.or.jp/)」により、自社の希望する業種、設備、技術等の条件に合った製造委託等の企業間取引の受発注情報の提供を行った。平成24年3月末現在の登録企業数は23,910社である。また、新たな販路開拓を支援するため、緊急広域商談会を4会場で開催した。
〔2〕下請事業者への配慮要請等【23年度予算:6.0億円の内数】
 下請振興法に基づく下請事業者及び親事業者がよるべき一般的基準(振興基準)等について、講習会等で周知を図った。加えて、下請事業者への配慮等を行うよう、平成23年11月21日に関係事業者団体(734団体)の代表者宛てに要請文を発出した。

第4節 官公需対策
 官公需についての中小企業の受注機会の確保については、非常に重要な課題である。このため、関係府省と連携を図り、平成23年度「中小企業者に関する国等の契約の方針」を平成23年6月に閣議決定し、中小企業の受注機会の増大のための措置を規定するとともに、中小企業向け契約目標比率を56.2%と設定した。あわせて、地方公共団体に対して、国の施策に準じて必要な措置を講じるよう文書による要請をするとともに、全都道府県で説明会を開催した。

具体的施策
1.「中小企業者に関する国等の契約の方針」の策定【23年度予算:6.0億円の内数】
 官公需における中小企業者向け契約目標比率等を策定するものであり、平成23年度においては、その比率を56.2%とし、6月28日に閣議決定を行った。
 また、中小企業者の受注機会増大のための措置として、東日本大震災の被災地域等の中小企業者に対する配慮、調達・契約手法の多様化における配慮、ダンピング防止対策の充実、特殊会社に対する努力要請等を盛り込んだ。
 また、中小企業者の受注機会の増大のために、以下の施策を実施した。
(1)平成23年6月28日、経済産業大臣から各府省等の長、都道府県知事、人口10万人以上の市の長及び東京特別区の長に対し、「中小企業者に関する契約の方針」の閣議決定に係る要請を行うとともに、中小企業者の受注機会の増大を講じるよう要請した。また、復旧・復興のための公共事業費が盛り込まれた補正予算成立時の5月と11月に同様の要請を行った。
(2)地方における「契約の方針」の周知徹底を図るための全国説明会(官公需確保対策地方推進協議会)を7月から8月にかけて51回開催した。
(3)「官公需契約の手引き」を作成し、国等の機関、地方公共団体等の機関及び商工関係団体等に配布した。

2.中小企業の受注機会増大のための「官公需情報ポータルサイト」【23年度予算:6.0億円の内数】
 中小企業者が官公需に関する受発注情報を入手しやすくするため、国等がホームページで提供している発注情報等を中小企業者が一括して入手できる「官公需情報ポータルサイト」を運営した。平成24年3月末までのアクセス件数は159,537件に上った。

第5節 経営安定対策
 中小企業の経営の安定を図るため、連鎖倒産を防止するための共済金の貸付を行う中小企業倒産防止共済制度及び小規模企業の個人事業主又は会社等の役員に対して廃業や転業等をした場合等に、共済金を支給する小規模企業共済制度の両共済事業の着実な運営と推進を行った。
 災害・倒産対策としては、平成23年台風第12号等の被災中小企業等への支援措置として、三重県、奈良県、和歌山県等の商工会議所、都道府県商工会連合会、都道府県中小企業団体中央会、公的金融機関等に特別相談窓口を設置するとともに、災害関係保証等の金融支援を実施した。また、エルピーダメモリ(株)の会社更生手続開始の申立てを受け、同社に関連する中小企業者への支援策として、同様に特別相談窓口を設置するとともに、セーフティネット貸付等の金融支援を実施した。

具体的施策
1.中小企業倒産防止共済制度(経営セーフティ共済制度)【中小機構交付金】
 中小企業倒産防止共済制度は、取引先企業の倒産により売掛金債権の回収が困難となった場合に、積み立てた掛金の額に応じて、無利子、無担保、無保証人で共済金の貸付けを行う制度である。平成23年12月末現在で31万社が在籍しており、平成23年4月から12月までの新規加入者、新規貸付金額はそれぞれ、2万社、130億円となっている。また、平成22年4月21日に公布された中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律(平成22年法律第25号)の関連措置として、共済事由に私的整理の一部を追加するとともに(同年7月1日施行)、貸付上限額を3,200万円から8,000万円とする措置等を講じた(平成23年10月1日施行)。

2.小規模企業共済制度【中小機構交付金】
 小規模企業共済制度は、小規模企業者である個人事業主や会社等の役員が掛金を積み立て、廃業や引退をした際に共済金を受け取れる制度であり、いわば、小規模企業の経営者のための「退職金制度」である。平成23年12月末現在で122万人が在籍しており、平成23年4月から12月までの新規加入者は5万人に上った。

3.経営安定特別相談事業【平成23年度予算:0.37億円】
 経営の危機に直面した中小企業の経営上の様々な問題の解決に資するため、全国の主要な商工会議所及び都道府県商工会連合会に「経営安定特別相談室」が設置されている。本相談室において倒産防止に関する幅広い分野の経営相談が円滑に実施されるよう、日本商工会議所及び全国商工会連合会の実施する指導事業等を支援した。

4.中小企業BCP普及の促進
 災害等による事業の中断を最短にとどめ、早期に事業復旧するための事前の取組であるBCP(事業継続計画)について、BCP策定の資料とするため、中小企業における災害対応の事例集を作成、配布するとともに、東日本大震災の教訓等を踏まえ、現行の中小企業BCP策定運用指針の改訂を行った。また、中小企業者が策定したBCPに沿った防災施設の整備に対して日本公庫(中小企業事業)において低利融資を実施した。平成23年4月から平成24年2月までの融資実績、融資額はそれぞれ64件、75億円となっている。

第6節 事業再生・事業承継への対応
 中小企業の事業再生については、産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(平成11年法律第131号、以下「産業活力再生特別措置法」という)に基づき、各都道府県の商工会議所等に中小企業再生支援協議会を設置し、企業再生に関する知識と経験を持つ常駐専門家が、中小企業の事業再生に関する相談を受け、課題解決に向けたアドバイスを実施した。また、相談案件のうち、再生のために財務や事業の抜本的な見直しが必要な企業に対して、常駐専門家と中小企業診断士、公認会計士、弁護士等の外部専門家とで編成される支援チームが、財務面・事業面についての調査(デューデリジェンス)等を行い、再生計画策定と金融機関との調整を支援した。
 中小企業の事業引継ぎ支援については、平成23年5月の産業活力再生特別措置法の一部改正により、47都道府県に設置されている認定支援機関の業務に事業引継ぎ支援業務を追加し、事業診断、事業継続に係る情報提供・助言等を行う「事業引継ぎ相談窓口」を設置するとともに、事業引継ぎ支援の需要が多く、支援体制が整った認定支援機関に「事業引継ぎ支援センター」を設置した。
 さらに、地域経済の活力維持や雇用確保の観点から、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(平成20年法律第33号、以下「経営承継円滑化法」という)に基づく支援(民法特例、金融支援、税制措置)及び事業承継制度の普及啓発等による中小企業の事業承継の総合的な支援を実施した。

具体的施策
1.中小企業再生支援協議会【23年度予算:42.0億円】
 各都道府県の商工会議所等に設置した中小企業再生支援協議会において、収益性のある事業を有しているが、財務上の問題を抱えている中小企業に対し、窓口相談による課題解決に向けたアドバイスや、関係金融機関等と調整も含めた再生計画の策定支援を行った。平成23年4月1日から12月末までの実績は、相談件数1,252件、再生計画の策定完了件数169件となり、制度発足時から平成23年12月末までの実績は、相談件数23,392件、再生計画の策定完了件数3,114件となった。
 また、47都道府県に設置されている認定支援機関の業務に、事業引継ぎ支援業務を追加し、事業診断、事業継続に係る情報提供・助言等を行う「事業引継ぎ相談窓口」を設置するとともに、事業引継ぎ支援の需要が多く、支援体制が整った認定支援機関に「事業引継ぎ支援センター」を設置した。「事業引継ぎ支援センター」については、平成24年2月時点で、東京、大阪、名古屋、静岡、札幌、福岡の全国計6か所に設置済みである。

2.中小企業承継事業再生計画(第二会社方式)
 産業活力再生特別措置法に基づき、中小企業承継事業再生計画の認定を行い、その計画に従った事業の承継を行う場合に、許認可承継の特例措置、金融支援及び税負担の軽減措置を実施した。計画認定件数は、平成23年度の実績は2件、制度創設時(平成21年6月)から合計すると8件となった。

3.中小企業再生ファンド
 再生に取り組む中小企業の再生計画上、必要な資金供給や経営支援を実施するため、中小機構と地域金融機関、信用保証協会等が一体となって、地域内の中小企業の再生を支援する地域型ファンドや広域的に中小企業の再生を支援する全国型ファンドの組成を促進する取組を行った。平成15年3月の創設以来、平成23年12月末までに23件のファンドが創設され、ファンドの総額は818億円に上った。また、当該再生ファンドによる投資実績は平成23年12月までに172社、約353億円に上った。

4.経営承継円滑化法による総合的支援
 経営承継円滑化法には、遺留分の制約を解決するための民法の特例を始めとした総合的支援が盛り込まれており、平成24年1月までに、民法特例の適用の基礎となる経済産業大臣の確認を47件実施した。

5.事業承継円滑化支援事業【中小機構交付金】
 全国各地で中小企業の事業承継を広範かつ高度にサポートするための事業承継支援ネットワーク体制の形成、中小企業支援者向けの研修や事業承継フォーラムによる中小企業経営者等への普及啓発を実施した。

6.事業承継融資【財政投融資】
 日本公庫において、事業承継に要する資金(株式・事業用資産の買取資金等)を必要とする中小企業及び代表者個人に対する低利融資を実施した。

7.非上場株式等に係る相続税・贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)【税制】
 事業承継税制は、後継者が経済産業大臣の認定を受けた非上場会社の株式等を先代経営者から相続、遺贈又は贈与により取得した場合において、その後継者が事業を継続することを前提に、相続税・贈与税の納税を猶予し、後継者の死亡等の一定の場合には猶予税額を免除する制度である。平成21年度より事業承継税制の適用の基礎となる認定を開始し、平成24年1月までに、相続税に係る認定を334件、贈与税に係る認定を151件実施した。


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