第2部 潜在力の発揮と中小企業の役割 

第1節 大震災が中小企業にもたらした影響

 大震災は、東北地方及び関東地方北部を中心に、建造物の損壊、生活への影響等、様々な被害等をもたらした。多くの企業が地震や津波の影響を受け、生産活動が停滞し、農林水産業も大きな被害を被った。
 本節では、津波等被災地域に立地する企業数及び大震災後の東北地方を中心とした地域の中小企業の景況について見てみる。

■津波等被災地域の中小企業数
 第2-1-1図は、津波等被災地域の企業数を示したものであるが、大震災による津波及び原子力発電所事故の影響を大きく受けた地域に立地していた中小企業数は、約4万社であり、津波浸水地域では、約3万8千社、警戒区域等1では、約3千社であった。また、津波等で被災した市区町村に所在する中小企業数は、約12万社であった2。津波等被災地域にある企業の99.9%が中小企業であり、津波等は、数多くの中小企業に大きな影響を与えたことが分かる。

1 原子力災害対策特別措置法に基づいて設定された警戒区域、計画的避難区域を集計している。2011年9月30日に解除された緊急時避難準備区域を含めると約5千社であった。
2 県別の事業所数、従業者数等については、付注2-1-1付注2-1-2を参照。
 
第2-1-1図 津波等被災地域の企業数

第2-1-1図 津波等被災地域の企業数
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■東北地方の中小企業の景況感
 第2-1-2図は、東北地方の中小企業の業況判断DIの推移を示したものである。業況判断DIは、大震災の影響で大きく落ち込んだ後、サプライチェーンの回復や復興需要等により、持ち直してきているが、県によって、持ち直しの勢いには、差が見られる。
 
第2-1-2図 東北地方の中小企業の業況判断DIの推移

第2-1-2図 東北地方の中小企業の業況判断DIの推移
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コラム2-1-1 東北地方における建設業及び宿泊業の動向

 東北地方における中小建設業の業況判断DIを見ると、2011年7-9月期以降2四半期連続でマイナス幅が縮小した。他の地方と比べても、東北地方の建設業の業況判断DIの改善幅は、大きかった。
 東北各県においても、同年7-9月期以降2四半期連続で、6県全てでマイナス幅が縮小した。がれき撤去作業や震災復旧のための公共投資等により、人手不足が一方で懸念されているが、大震災後の業況は、改善傾向にあるといえる。なお、2012年1-3月期には、東北地方、秋田県でマイナス幅が若干拡大し、福島県でプラスからマイナスに転じているが、岩手県、宮城県では大きくプラスとなっている(コラム2-1-1図〔1〕)。
 
コラム2-1-1図〔1〕 地域別・県別の建設業の業況判断DIの推移

コラム2-1-1図〔1〕 地域別・県別の建設業の業況判断DIの推移
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 コラム2-1-1図〔2〕は、岩手県、宮城県、福島県(以下「東北3県」という)の宿泊者数等の動向を示したものであるが、東北3県の宿泊者数は、避難民やボランティアの受入れや、復旧作業のための労働需要等から、大震災後の2011年4月及び5月は大きく増加した。その後、宿泊者数の増加は落ち着きつつあるものの、東北3県のビジネスホテルの客室稼働率は、同年4月以降、全国的に見ても、上位となっている。
 
コラム2-1-1図〔2〕 東北3県の宿泊者数等の動向

コラム2-1-1図〔2〕 東北3県の宿泊者数等の動向
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