第2部 多様性が織りなす中小企業の無限の可能性 

5.債務の整理方法

 債務超過であった場合に、どのような債務整理方法を選択すれば、債務の整理が円滑に進むのであろうか。第2-3-82図は、債務超過であった者に対して、債務整理の方法と現在の債務の整理状況を尋ねた結果である。ここから分かるように、最も債務の整理が進んでいるのは「当初条件通り返済していくことにした」と回答しているグループである。このグループは、廃業から数年しか経過していない調査時点までに当初条件通りに債務の返済を行って整理を終了していることから、債務超過とはいえ借入の額が少額であった可能性や、事業外で十分な資産を有していた可能性がある。
 
第2-3-82図 債務超過者の債務の整理方法と債務の整理が終了している割合
〜当初条件通りの返済と法的手続を利用して債務整理を行った者が債務の整理が進んでいる〜

第2-3-82図 債務超過者の債務の整理方法と債務の整理が終了している割合〜当初条件通りの返済と法的手続を利用して債務整理を行った者が債務の整理が進んでいる〜
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 次に債務の整理が進んでいるのは「法的手続を利用して返済条件の変更や債務の減免を受けた」とするグループである。このグループは、裁判所の関与によって債務の整理を行っていることから比較的迅速な債務の整理が可能であると考えられ、債務の整理が進んでいるのは、予想される結果である。最も債務の整理が進んでいないのは、「債権者と交渉して返済条件の変更や債務の減免を受けた」グループであり、債権者ごとの交渉となることから、手間も掛かり債務の整理にはある程度の時間が必要となる。
 しかし、債務の整理方法と現在の生活や収入に対する満足度の関係を見てみると、法的手続を利用したグループで満足度が最も低くなっていることが注目される(第2-3-83〜84図)。このことから、債務の整理を進めることは重要であるが、それ以外にも様々な事情を考慮して債務の整理方法を選択する必要があることが推察される。
 
第2-3-83図 債務の整理方法と現在の生活満足度
〜法的手続により債務を整理した元経営者は現在の生活に不満であるとする割合が高くなる〜

第2-3-83図 債務の整理方法と現在の生活満足度〜法的手続により債務を整理した元経営者は現在の生活に不満であるとする割合が高くなる〜
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第2-3-84図 債務の整理方法と現在の収入満足度
〜法的手続により債務を整理した元経営者は現在の収入に不満であるとする割合が高くなる〜

第2-3-84図 債務の整理方法と現在の収入満足度〜法的手続により債務を整理した元経営者は現在の収入に不満であるとする割合が高くなる〜
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