第1節  経営革新(イノベーション)により発展成長する中小企業


 第1章では、起業家の特徴、企業の創業、創業間もない時期のパフォーマンス等について分析してきた。しかし、その時期を乗り越えた企業の成長度合いには大きな差が生まれる。本章では、経営革新が企業パフォーマンスに与える影響を分析し、創業期の危機を乗り越えた企業のみならず、あらゆる企業にとって経営革新(イノベーション)活動が重要であることを示していくとともに、活力ある中小企業の活動による経済活性化の道を示していく。
 経営革新(イノベーション)とそれを行う企業家の役割に光を当てたのは20世紀前半に活躍した経済学者シュンペーターである。彼は、「革新」こそが経済発展の原動力であると説いた。こうした力を持つ経営革新というと普通の中小企業には縁のない困難なものという印象がある。しかしながらそれは特別な企業だけが取り組む活動ではない。すなわち革新には、新商品・新技術の開発のような大きな取組もあるが、日々の企業活動の中で積み重ねられる、作業工程の見直し等の小さな活動も、立派な経営革新といえるのである(注63)
 シュンペーターによると経営革新は企業家に利潤をもたらす。しかし、こうした小さな積み重ねからなる経営革新も、本当に企業パフォーマンスを変化させる力を持つものであろうか。
 経営革新は、その性格上、実態やその効果を把握しにくい面がある。ここではこうした活動をとらえるために「企業経営革新活動実態調査」を活用し、企業の経営上の革新(「経営革新」(注64)という。)及びそれが企業パフォーマンスに与える影響について見ていこう。


前へ 次へ