トップページ 白書・統計情報 小規模企業白書 2021年版 小規模企業白書(HTML版) 令和2年度において講じた小規模企業施策 第6章 災害からの復旧・復興、強靱化

第6章 災害からの復旧・復興、強靱化

第1節 被災地の中小企業・小規模事業者対策

1.被災中小企業への資金繰り支援(政策金融)【財政投融資】

東日本大震災及び熊本地震により被害を受けた中小企業・小規模事業者への資金繰り支援として、日本政策金融公庫及び商工組合中央金庫において、「東日本大震災復興特別貸付」及び「平成28年熊本地震特別貸付」を継続的に実施している。本制度の運用開始後、2020年12月末までの貸付実績は、東日本大震災復興特別貸付が、約30万4,000件、約6兆1,000億円、平成28年熊本地震特別貸付が、約1万8,000件、約2,400億円となった。また、東日本大震災においては、原発事故に係る警戒区域等の公示の際に当該区域内に事業所を有していた中小企業・小規模事業者や、地震・津波により事業所等が全壊・流失した中小企業・小規模事業者に対して、県の財団法人等を通じ、貸付金利を実質無利子化する措置を引き続き実施した。さらに、平成30年7月豪雨や令和元年台風第19号等、また令和2年7月豪雨により被害を受けた中小企業・小規模事業者への資金繰り支援として、日本政策金融公庫において「平成30年7月豪雨特別貸付」、「令和元年台風第19号等特別貸付」、「令和2年7月豪雨特別貸付」を実施。本制度の運用開始後2020年12月末までの貸付実績は、平成30年7月豪雨特別貸付が約1,600件、約180億円、令和元年台風第19号等特別貸付が約1,600件、約240億円、令和2年7月豪雨特別貸付が約150件、約20億円となった。

2.信用保証協会によるセーフティネット保証4号

令和2年度は、令和2年7月豪雨等の自然災害により被害を受けた中小企業・小規模事業者を対象として、既存の一般保証とは別枠のセーフティネット保証を実施(令和2年7月豪雨に伴う災害に係る保証実績(2020年11月末まで)の保証承諾実績は、5件、約1.9億円 。)。

3.「産業復興相談センター」及び「産業復興機構」による再生支援【令和2年度当初予算:7.7億円】

東日本大震災の被災各県における中小企業再生支援協議会の体制を拡充するかたちで2011年度に設置した総合相談窓口である「産業復興相談センター」と、債権買取等を行う「産業復興機構」による中小事業者等の事業再生支援を引き続き実施。産業復興相談センターでは、2021年2月28日までに事業者からの相談を累計6,873件受け付けており、関係金融機関等による金融支援の合意を取り付けた案件は累計1,415件(うち産業復興機構による債権買取決定案件は累計339件)となった。

4.再生可能性を判断する間の利子負担の軽減

東日本大震災及び原子力発電所の事故による被害を受けた中小事業者等が産業復興相談センターを活用した事業再生に取り組む際に、再生計画策定支援等の期間中に発生する利子を補填することにより、早期の事業再生の実現を図ることを目的とする事業であり、2011年度に創設した。本施策については、2020年度も引き続き実施した。

5.原子力災害に伴う「特定地域中小企業特別資金」

原子力発電所事故の被災区域に事業所を有する中小企業等が福島県内において事業を継続・再開する場合に必要な事業資金(運転資金・設備資金)に対する長期・無利子の融資を行った。

6.中小企業組合等協同施設等災害復旧事業【R2年度当初予算:140.4億円】

東日本大震災に係る被災地域の復旧及び復興を促進するため、

〔1〕複数の中小企業等から構成されるグループが復興事業計画を作成し、地域経済や雇用維持に重要な役割を果たすものとして県から認定を受けた場合に、計画実施に必要な施設・設備の復旧にかかる費用に対して、国が1/2、県が1/4の補助、

〔2〕商工会等の中小企業者のための指導・相談施設等の災害復旧事業にかかる費用に対して、国が1/2の補助

を実施し、被災した中小企業等のグループ等の施設の復旧等に対して支援を行った。

7.施設・設備の復旧・整備に対する貸付け

東日本大震災により被害を受けた中小企業者が、県から認定を受けた復興事業計画に基づいて、その計画を実施するために必要な施設・設備の復旧・整備を行う場合に、中小企業基盤整備機構と県が協力して、必要な資金の貸付けを行った。

8.なりわい再建支援事業【R2年度予備費:275.7億円/R2年度3次補正予算:30.0億円】

令和2年7月豪雨に係る被災地域の経済・雇用の早期回復を図るため、復興事業計画に基づき、計画実施に必要な施設・設備の復旧にかかる費用に対して、主に国が1/2、県が1/4を補助し、被災した中小企業等の施設の復旧等に対して支援を行った。

9.なりわい再建資金利子補給事業【R2年度3次補正予算:0.5億円】

令和2年7月豪雨の被災地域において、中小企業等が行う施設復旧等の費用を補助する、なりわい再建支援事業を措置し、当該事業を活用して復旧する事業者に対して、自己負担分の借入に係る利子補給を3年間実施することで、融資の実質無利子化を行った。

10.マル経・衛経融資の貸付限度額・金利引下げ措置の拡充【財政投融資】

東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、令和元年台風第19号等、新型コロナウイルス感染症及び令和2年7月豪雨災害により直接又は間接的に被害を受けた小規模事業者に対し、無担保・無保証人・低利で利用できる日本政策金融公庫によるマル経・衛経融資の貸付限度の拡充や金利の引下げを実施した。

11.被災小規模事業者再建事業(持続化補助金)【R2年度予備費:113.5億円/R2年度3次補正予算:11.4億円】

令和2年7月豪雨により直接又は間接的に被害を受けた小規模事業者が事業再建に関する新たな経営計画を早期に作成する際、その計画に沿って取り組む販路開拓等の経費の一部を支援した(2021年2月時点の採択件数:700件)。

12.商店街災害復旧等事業【R2年度予備費:2.9億円の内数】

令和2年7月豪雨による被害を受けた商店街等に対し、〔1〕被災したアーケードの改修、共同施設の改修、街路灯の設備の改修等に要する費用に対する支援(施設復旧事業)、〔2〕商店街のにぎわいを取り戻すための事業に係る費用に対し支援(にぎわい創出事業)、〔3〕被災した中小企業者等の早期事業再開を支援するため、自治体が整備する仮設店舗等の費用を中小企業基盤整備機構が助成する事業(仮設施設整備支援事業)を行った。令和3年3月上旬時点において、〔1〕施設復旧事業については、5件交付決定、〔2〕にぎわい創出事業については、4件採択、〔3〕仮設施設整備支援事業については、1県2市1村に4件交付決定した。

13.下請取引についての親事業者への配慮要請

令和2年7月豪雨に関し、被災地域の経営基盤の弱い中小企業・小規模事業者に対する影響を最小限とするため、経済産業大臣名(他省庁所管の業界については主務大臣との連名)で、業界団体代表者に、不当な取引条件の押し付けがないよう、親事業者の必要な配慮等について要請文書を発出した。

14.官公需における被災地域等の中小企業者に対する配慮

令和2年7月豪雨の被災地域の中小企業・小規模事業者に対する官公需における配慮について、2020年8月28日付で中小企業庁長官から各府省等あてに要請文書を発出した。また、東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、令和元年東日本台風及び令和2年7月豪雨の被災地域の中小企業・小規模事業者に対する官公需における配慮について「令和2年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に盛り込み、周知徹底を図った。

15.仮設施設整備事業・仮設施設有効活用等助成事業【令和2年度当初予算:15.2億円の内数】

東日本大震災の被害を受けた中小企業者等の早期事業再開を支援するため、中小企業基盤整備機構が仮設工場や仮設店舗等を整備し被災市町村あて譲渡を行い、当該市町村が被災事業者に原則無償で区画を貸し出す仮設施設整備事業を実施。2021年2月末までに6県53市町村648案件の施設を設置した。また、2014年4月より仮設施設の本設化、移設、撤去に要する費用の仮設施設有効活用等助成事業を実施し、2021年2月末までに174案件の助成を行った。

16.特別相談窓口等の設置

被災地域等の中小・小規模事業者に対して、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会、中小機構地域本部等及び経済産業局に設置した相談窓口において被災中小企業者等からの経営・金融相談等にきめ細かく対応した。

17.中小企業電話相談ナビダイヤルの実施

どこに相談したらよいか困っている中小企業のために、一つの電話番号で最寄りの経済産業局につながる「中小企業電話相談ナビダイヤル」を実施した。

18.放射線量測定指導・助言事業【R2年度当初予算:0.3億円】

避難指示区域等の見直しにより原子力災害被災企業の事業再開や企業立地の進展が見込まれることから、福島県内企業等からの要請に応じて、専門家チームを派遣するとともに、福島県内の事業所において、工業製品等の放射線量測定等に係る指導・助言を行い、工業製品等に係る風評被害払拭に取り組んだ。

19.福島イノベーション・コースト構想 地域復興実用化開発等促進事業【R2年度当初予算:57.0億円】

ロボット技術等の福島イノベーション・コースト構想の重点分野(*)について、地元企業との連携等による地域振興に資する実用化開発等の費用の補助を行った。

(*)廃炉、ロボット・ドローン、エネルギー・環境・リサイクル、農林水産、医療関連、航空宇宙の分野を言う。

20.自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金

東日本大震災及び原子力災害によって産業が失われた浜通り地域等において、工場等の新増設を支援し企業立地を促進することにより、被災者の「働く場」を確保し、雇用の創出及び産業集積を図り、自立・帰還を加速させた。加えて、住民の帰還や産業の立地を促進するため、商業回復を進めた。

21.中小・小規模事業者の事業再開等支援事業【156.4億円(基金)】

福島県の原子力被災12市町村で被災した中小事業者の自立を集中的に支援し、当該地域における働く場の創出や、買物をする場などまち機能の早期回復を図るため、事業再開等に要する設備投資等の費用の一部を補助した。

22.創業促進・企業誘致に向けた設備投資等支援事業【R2年度当初予算:1.2億円】

福島県の原子力被災12市町村内における創業や12市町村外からの事業展開等に際して必要となる設備投資等の費用の一部を補助した。

23.輸送等手段の確保支援事業【R2年度当初予算:1.1億円】

福島県の原子力被災12市町村において、生活関連商品等の提供や移動サービスの提供に必要な輸送手段・移動手段、企業活動に必要となる製品等の共同輸送の支援を行った。

24.人材マッチングによる人材確保支援事業【R2年度当初予算:6.5億円】

福島県の原子力被災12市町村において、被災事業者等の人材不足を解消するため、人材コーディネーターが被災事業者の人材ニーズをきめ細かく把握し、インターネット等を通じて求人情報を発信し、人材確保支援を行った。

25.6次産業化等へ向けた事業者間マッチング等支援事業【R2年度当初予算:4.0億円】

被災事業者の販路開拓や新ビジネス創出等のため、事業者間のマッチングに加え、マッチング後の事業が円滑に進むように専門家による被災事業者のサポートを行った。

26.福島相双復興官民合同チーム専門家支援事業【82.0億円】

官民合同チームが行う訪問・相談支援を通じて、原子力被災12市町村の被災事業者の事業・なりわいの再建、事業者の自立等を促進するため、被災事業者が直面する個々の事情に応じたきめ細かなコンサルティング支援を行った。

27.地域の伝統・魅力等の発信支援事業【R2年度当初予算:1.9億円】

原子力被災12市町村の地域の魅力や伝統工芸品・特産品等の復興・振興や地域経済の活性化に資するため、原子力被災12市町村の地域の魅力や伝統工芸品・特産品等を国内外に発信するために行うイベント等の開催及び広報活動等を支援した。

28.「株式会社東日本大震災事業者再生支援機構」による再生支援

被災事業者の二重ローン問題に対応するため、東日本大震災事業者再生支援機構では旧債務に係る返済負担の軽減等の支援を実施した。平成24年3月5日の業務開始以来これまでに2,939件の相談を受け付けており、そのうち745件の事業者に対して、債権買取等の再生支援を行う旨の決定をした(令和3年2月末現在)。

29.被災地の人材確保対策事業【R2年度当初予算:5.9億円】

本事業のうち、専門人材等の幅広い人材を呼び込む施策(企業間専門人材派遣支援モデル事業、2017年度〜2019年度実施)については、当該施策のフォローアップ調査を実施した。

30.事業復興型雇用確保事業

被災地の深刻な人手不足等による雇用のミスマッチに対応するため、産業政策と一体となった雇用面での支援を実施した。

31.特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)【R2年度当初予算:0.8億円】

東日本大震災による被災離職者等の方を、ハローワーク等の紹介により、継続して1年以上雇用することが見込まれる労働者として雇い入れる事業主に対して、助成金を支給した。また、対象労働者を10人以上雇い入れる事業主に対して助成金を上乗せした。

32.原子力災害対応雇用支援事業【R2年度当初予算:6.6億円】

民間企業・NPO等への委託により、福島県の被災求職者に対して一時的な雇用・就業機会を創出した上で、人材育成を実施し生活の安定を図った。

第2節 防災・減災対策

1.中小企業等経営強化法(事業継続力強化計画)

中小・小規模事業者が策定する自然災害等に対する防災・減災の取組をまとめた「事業継続力強化計画」を認定し、認定を受けた事業者に対して金融支援や税制措置など計画を実行するための支援措置を講じた。令和2年12月末までに約2万件の計画を認定した。

2.中小企業強靱化対策事業【中小機構交付金の内数】

中小企業に対し、自然災害に対する事前の取組を促進するため「事業継続力強化計画」等を普及啓発するためのシンポジウムやセミナー、計画策定を支援するための専門家派遣等を実施した。

3.中小企業防災・減災投資促進税制【税制】

中小企業等経営強化法における「事業継続力強化計画」又は「連携事業継続力強化計画」の認定を受けた中小企業・小規模事業者が、当該計画に記載された、自家発電設備や止水板等の防災・減災設備の取得等をし、事業の用に供した場合に、特別償却(20%)の税制措置を講じた。

4.社会環境対応施設整備基金(BCP融資)【財政投融資】

中小企業による、災害発生時の事業継続の観点から防災に資する設備等の整備を支援するもので、中小企業が策定したBCP(事業継続計画)や、国から認定を受けた事業継続力強化計画に基づき、防災・減災に資する施設等の整備を行うために必要な整備資金及び長期運転資金の貸付を行った。

5.中小企業BCP(事業継続計画)普及の促進

自然災害等による事業中断を最小限にとどめることを目的に、BCP(事業継続計画)の策定を促進することを目的に「中小企業BCP策定運用指針」を作成し、公表。

6.中小企業・小規模事業者自家用発電設備等利用促進対策事業【R1年度補正予算:39.0億円の内数】

災害・停電時においても生活必需品等を扱う中小・小規模事業者の事業所等の社会的重要インフラの機能を維持するために、中小・小規模事業者向けに自家発電設備の導入を支援した。

7.小規模事業者支援法による事業継続力強化支援計画の推進

小規模事業者支援法第5条に基づき、商工会・商工会議所が、地域の防災を担う市町村と連携し、事業継続力強化のための支援を行う計画を作成し、都道府県知事が認定する。2021年1月末時点で、44都道府県においてガイドラインを策定し、各都道府県のガイドライン等に基づき408計画が認定された。