2019年版 中小企業白書の概要 

2019年版 中小企業白書の概要

第1部では、最近の中小企業の動向についての分析に加え、中小企業の人手不足や開廃業の状況などについて分析を行う。

第2部では、経営者の高齢化を踏まえ、引退する経営者や、新たに経営者になる者について、その現状や課題などについて分析する。

第3部では、社会が大きく変化する中で、中小企業・小規模企業の経営者に期待される自己変革や、周囲の関係者との関わり方の再構築について、検討材料を提供する。また、その典型例として、災害対策について分析を行う。

第1部 平成30年度(2018年度)の中小企業の動向

●中小企業の動向

我が国経済は緩やかな回復基調にあり、これに伴い、中小企業の経常利益が昨年に引き続き過去最高水準にあるなど、改善傾向にある中小企業の景況などを分析する。

●中小企業の構造分析

中小企業の企業数の増減や、それに伴う従業者数及び付加価値の変化を分析する。足下の4年間で、存続している企業が付加価値を伸ばすことで、廃業した企業による減少分を上回って、全体で見ると成長していることなどを示す。

●財務データから見た中小企業の実態

(一社)CRD協会のデータを用いて、中小企業の黒字/赤字や資産超過/債務超過の経年変化、業績のばらつきの拡大などを示す。また、設備投資が財務パフォーマンスに与える影響について、その因果関係を示す。

●人手不足の状況

中小企業の人手不足の状況を、従業員過不足DIや有効求人倍率などから概観し、大企業と比較して労働生産性が伸びていないこと、賃金や休暇などの待遇面に差があることなどを示し、人手不足解消のための材料を提供する。

●開廃業の状況

開廃業の国際比較、業種別、都道府県別の状況などを示す。

第2部 経営者の世代交代

●経営資源の引継ぎ

事業承継や、廃業に伴う経営資源の引継ぎについて、特に引退する経営者に着目して分析する。具体的には、若い世代への事業承継が企業の業績にプラスの影響を与えること、事業承継や経営資源の引継ぎのためには早めの準備が必要であることなどを明らかにする。

●次世代の経営者の活躍

起業や事業承継により、新しく経営者になる者に着目して分析する。具体的には、経営資源を引き継いでの起業や事業承継の際の課題や取組、売上高の成長や雇用の拡大を志向する企業の傾向などについて示す。

第3部 中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革

●構造変化への対応

人口減少、デジタル化、グローバル化といった経済・社会構造の変化の中で、中小企業や小規模企業の経営者がどのように行動変容すべきか、また、ステークホルダーとの関係をどのように再構築していくべきか、データや事例を用いてヒントを示す。

●防災・減災対策

近年多発している自然災害における中小企業の被災や復旧の状況を分析し、災害に関するリスク把握や損害保険加入を含む事前対策の進捗や、実施に当たっての課題などについて示す。

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