1,364億円(平成12年度予算額1,331億円)を計上。
うち39億円は、「日本新生特別枠」を活用。
※この他、大蔵省・労働省が612億円を計上(平成12年度612億円)。
-
政府系金融機関に対する出資等 (566億円:大蔵省)
-
勤労者退職金共済機構に対する補助( 46億円:労働省)
産業と雇用の担い手である中小企業が、現下の厳しい経営環境を克服し、活力ある
成長発展を遂げるよう、
?IT革命への対応、
?きめ細かな経営支援体制の充実、
?創業・経営革新の促進、
?中心市街地と中小商業の活性化、
?経営基盤の強化
に重点をおき、以下の施策を中心に概算要求を行う。
1.IT革命への対応 【66億円( 20億円)】
IT革命は、大企業のアウトソーシングや系列関係の見直し等と相まって、中小企
業に新たな可能性を与える。同時に、中小企業は、IT活用を進める際に情報、人材、
資金の不足等に直面し、いわゆる「デジタル・デバイド」を招く懸念がある。このた
め、個々の中小企業のIT活用とともに、中小企業が連携してITを利用する取組を
支援する。
《ITに関する啓発・情報提供・研修》
○「実践・IT活用」の作成 1.0億円( 新 規 )
IT革命の動向、中小企業によるIT革命への対応等を調査・分析し、中小企業経
営者向けにITの実践的な活用方法をわかりやすく紹介する。
○セミナー・研修等の開催、情報の提供 9.2億円( 0.8億円)
?セミナー開催:約10万人対象 2.3億円( 新 規 )
中小企業がIT革命に関する情報等を入手しやすいように、中小企業総合事業団
がITフォーラムを開催するとともに、都道府県等中小企業支援センターが、中小
企業団体等と連携を図り、中小企業経営者等を対象としたセミナーをITコーディ
ネーター等の専門家を活用しつつ、開催する。
(注)ITコーディネーター:経営者の立場に立って経営戦略の立案からそれを実行するシステム
構築・導入までを一貫してサポートする専門家。平成12年度内にITコーディネーターを
認定する民間機関を創設し研修及び認定を開始予定。
?研修:約3万人対象 5.3億円( 0.8億円)
中小企業総合事業団が、中小企業支援担当者等にIT活用型経営に関する研修を
行うための教材を開発するとともに、都道府県等中小企業支援センターが、中小企
業団体等と連携を図り、中小企業経営者等を対象とした研修をITコーディネーター
等の専門家を活用しつつ、実施。
?中小企業IT促進フェアの開催 0.5億円( 新 規 )
IT導入を図り経営革新に成功した中小企業の事例紹介、ITを活用した新商品・
技術の展示、有識者によるセミナーの開催等を通じ、中小企業経営者のIT革命へ
の対応を普及・促進するためのフェアを開催する。
?IT専門家の派遣 1.1億円( 新 規 )
中小企業総合事業団が、中小企業の依頼に応じ、IT導入に関する専門家(IT
推進アドバイザー)を派遣する。
○ポータルサイトの構築(J-net21) 7.4億円( 1.2億円)
中小企業支援に関する各種情報の探索等を総合的に行えるインターネット上の統一
画面(ポータルサイト)を構築し、中小企業及び中小企業支援担当者等がアクセスす
るだけで必要な情報源に到達できるサービス体制を構築する。
○ITに関する衛星放送研修 2.0億円( 新 規 )
・IT講義衛星放送事業
より多くの中小企業に対し、ITに関する研修を提供する手法として、衛星放送
による遠隔研修事業を試行的に実施する。
《ITを活用した経営革新に対する支援》
○ものづくりとITの融合化〔特別枠〕 13.0億円( 新 規 )
?ものづくりに携わる熟練技能者が保有する技能の客観化・マニュアル化・デジタル
化の促進
?CAD/CAM/CAEの統合に向けた共通フレームワーク(プラットフォーム)
の構築による中小製造業におけるIT化の推進
(注)IT社会資産の形成(デジタル・マイスター事業(52億円)の内数)
○IT活用型業務ソフトウエア開発事業 11.8億円(10.8億円)
製・配・販や下請等複数の中小企業が設立するコンソーシアム等に対し、業務アプ
リケーションソフトウェアの開発事業や近年急速に進展している新たな情報技術に対
応したソフトウェア開発等のためのF/S事業を支援する。
○インターネット活用情報交流事業 7.0億円( 7.0億円)
商工会、商工会議所、都道府県商工会連合会がインターネット上にホームページを
作成し、小規模事業者等の個別企業情報及び特産品等の地域情報の受発信を促進する
ことにより、地域の商工業者の事業機会の増大を図る。
《金融措置》
○戦略的情報技術活用資金の貸付 5.0億円( 新 規 )
IT革命に対応した中小企業による戦略的なIT活用の取組みを支援するため、担
保特例を適用した貸付制度を中小企業金融公庫に新たに創設する。特に、都道府県等
中小企業支援センターを通じて派遣されたITコーディネーター等の専門家が策定に
関与するIT活用計画に基づくIT関連投資については優遇金利によるインセンティ
ブを付与する。
○情報技術導入促進資金の貸付〔特別枠〕 10.0億円( 新 規 )
デジタル・デバイドの対策として、中小企業のIT導入を促進するための貸付制度
を国民生活金融公庫に創設する。また、都道府県等中小企業支援センターが関与した
ものについては優遇金利を適用する。
2.経営支援体制の一層の充実 【112億円(95億円)】
地域、県、国の3類型の支援センターは本年度から活動を開始したところ。これら
の体制整備を更に進め、民間の専門家を最大限活用して、中小企業の経営をきめ細か
く支援する。特に、ITコーディネーター等の専門家を活用することによりIT活用
に取り組む中小企業に対する支援を抜本的に強化する。
○地域中小企業支援センターの強化 . 25.4億円(18.1億円)
相談に当たるコーディネーターの複数配置、休日の相談対応を可能とするなど相談
体制を強化する。
○都道府県等中小企業支援センターの強化 70.8億円(63.9億円)
相談窓口に民間専門家2名を新たに置くことにより相談体制を強化しワンストップ
サービスの充実を図るとともに、中小企業の経営者等を対象としたITセミナー、I
T研修や商業に関する情報提供を強化する。
○中小企業ベンチャー総合支援センターの強化 15.5億円(13.3億円)
全国7ヶ所の地方センターに起業に関する専門家を配置するなど相談体制の強化を
図る。
3.創業・経営革新の促進 【155億円(134億円)】
中小企業の創業を促す環境作りや中小企業が行う新商品・新技術の開発等の経営革新
を促進・支援するため、創業ベンチャー国民フォーラムの開催、起業・新事業創出の総
合的な支援体制(地域プラットフォーム)の全国展開、インキュベータ(起業家に対し
総合的に支援を行う施設)整備の加速、創造的な技術研究開発の促進等を推進する。
《創業・経営革新の促進》
○中小企業の経営革新の支援 20.9億円( 27.1億円)
中小企業経営革新支援法に基づき、新商品・新技術開発、市場調査・販路開拓、人
材養成等の事業を支援する。
○創業ベンチャー国民フォーラム 3.5億円( 1.7億円)
創業ベンチャー国民フォーラムを全国的に展開し、起業家精神の発揮、高揚に向け
ての国民的議論の喚起、社会的諸制度の改革等の普及啓発活動を行う。
○経営革新の普及促進 1.4億円( 0.9億円)
新商品、新技術開発等による中小企業の経営革新の成果を発表して意見交換を行う
とともに、商談や企業間交流を促進するシンポジウムなどの事業を支援する(うちI
T促進フェアについては再掲)。
○地域プラットフォームの全国展開 25.0億円( 19.0億円)
創業・新事業創出の総合的支援を行うため、地域のリソースの発掘、産業支援人材
の養成、起業家講座の開設、国際提携ルートの開拓等、独自の地域構想に基づき地方
自治体が展開する多様な事業への支援を強化する。
○インキュベータ施設の整備〔特別枠として8億円〕 11.1億円( 0.4億円)
地方公共団体等が行うインキュベータ施設(貸事務所、貸工場、実験ラボ等)の整
備を推進することにより、地域における創業を促進する。
《技術開発の促進》
○課題対応型の技術革新の促進〔SBIR〕 31.6億円( 31.4億円)
経済・社会ニーズに即応する技術開発課題を提示し、研究調査・研究開発を中小企
業等に委託することにより、中小企業等による技術革新を促進する。
○創造的な技術研究開発の促進〔SBIR〕 18.3億円( 9.2億円)
中小企業が行う新製品や新技術等の研究開発の経費を国が一部補助することによ
り、中小企業による創造的な技術研究開発を促進する。
○地域活性化に資する創造的な技術研究開発の促進 27.0億円(32.4億円)
地域における中小企業が行う新技術等の研究開発や新製品の試作開発の経費を国及
び都道府県が一部補助することにより、製品化の実現可能性や市場性の把握、創造的
な技術研究開発を促進する。
○産業技術総合研究所における中小企業支援型研究開発〔SBIR〕6.0億円(6.0億円)
産業技術総合研究所の技術的知見及びネットワークを活用して、中小企業ニーズを
拾い上げ、大学等とも連携しながら、中小企業を支援するための研究開発或いは中小
企業の技術を発掘・改良するための研究等を実施する。
○中小企業の研究開発に資する技術シーズの発掘の促進〔SBIR〕6.5億円(3.0億円)
中小企業と連携して研究を行う大学の若手研究者又は若手研究チームに助成を交付
して、中小企業の研究開発、事業化に資する技術シーズを発掘する。
○中小企業関連情報流通円滑化研究開発事業 3.5億円( 3.2億円)
産業技術総合研究所が、中小企業の技術面での様々な問題点等の解決の手がかりと
なる「技術相談回答事例データベース」(テクノナレッジネットワーク)等を整備する。
また、中小企業等が同研究所のスーパーコンピュータ等を活用できる体制を整備する。
4.中心市街地と中小商業の活性化 【235億円(225億円)】
TMO構想の認定が80を超える等、中心市街地活性化対策は、施設整備やテナン
トミックス事業等を実施する段階に入る。このため、TMO構想の診断・評価などT
MO事業の支援を強化する必要がある。また、中小商業に対して、これまで以上にき
め細かな対応を強化する。
(注)TMO:中心市街地活性化法に基づき、商工会、商工会議所又は第3セクターが、市町村によ
り認定を受け、中心市街地における商業集積の一体的かつ計画的な整備を企画・調整・実施する機関。
《中心市街地活性化対策》
○中心市街地活性化への計画づくり等 18.5億円(16.7億円)
中心市街地活性化のために行う市町村の基本計画策定事業や、TMOの構想・計画
策定事業及び経営基盤確立のための事業に対して支援を行う。
○TMOの診断・評価 2.2億円( 新 規 )
TMOの各種事業の内容や組織・財政基盤等について、中小企業総合事業団が診断・
評価・アドバイスを行う。
○専門人材の派遣 6.9億円( 2.5億円)
TMO等が行う中心市街地活性化への取組みや、商店街振興組合等が行う商店街マ
ネジメントへの取組みを支援するため、中小企業総合事業団が専門家を最長180日
まで派遣する。
○各省庁統一窓口の支援機能の強化〔特別枠〕 2.1億円( 新 規 )
各市町村における中心市街地活性化事業が円滑かつ効果的に実施されるよう、関係
13省庁の統一窓口である中心市街地活性化推進室のソフト面での支援機能の強化を
図る。
○市町村が実施する複数の商業活性化事業に対する総合的支援 5.6億円(新 規)
〔特別枠〕
市町村が商業基盤施設、新規開業者向け店舗などの施設等のハード整備と空き店舗
対策やイベントなどのソフト事業等の複数の商業活性化事業を計画的に実施する場合、
パッケージとして一括して採択する「統合補助金」を創設し、総合的な支援を行う。
○商業基盤施設整備 21.8億円( 24.1億円)
市町村や第3セクターに対して、駐車場や多目的ホール等の商業基盤施設の整備に
対する補助を行う。
○中核的・先進的商業基盤施設整備(地域振興整備公団出資) 48.0億円(48.0億円)
中核的あるいは環境、高齢化、情報化等の先進的な要素が付加された駐車場、多
目的ホール、荷捌き場等の商業基盤施設の整備を行う第3セクターに対して、地域
振興整備公団を通じた出資による支援を行う。
《中小商業対策》
○商店街活性化のためのソフト事業 12.3億円(8.5億円)
空き店舗対策、IT対応等その他の商店街等活性化に向けた取り組みに対して支援。
商店街活動の充実・強化を図るために商店街マネジメント対策を創設するとともに、
チャレンジショップ等空き店舗を活用した創業支援対策を拡充。
○専門人材の派遣(再掲) 6.9億円( 2.5億円)
TMO等が行う中心市街地活性化への取組みや、商店街振興組合等が行う商店街マ
ネジメントへの取り組みを支援するため、中小企業総合事業団が専門家を最長180
日まで派遣。
5.経営基盤の強化 【503億円( 501億円)】
中小企業に対する資金供給の一層の円滑化を図るとともに、伝統的工芸品産業施策
の拡充、小規模企業支援事業等により、中小企業の経営基盤の強化を図る。
《中小企業金融対策》
○中小企業金融公庫への補給金 235.0億円(235.0億円)
中小企業金融公庫の安定した財務状況を維持し、円滑な業務運営を図るための収支
差補給金を交付する。
○信用保証協会への補助金 27.0億円(40.0億円)
中小企業に対する資金供給の円滑化を図るため、信用保証協会に財政援助を行う地
方公共団体に対し補助金を交付することにより、信用保証協会の経営基盤の強化を図
り、増大する保証需要に的確に対応するとともに、その保証債務の円滑な履行を確保
し、併せて求償債権回収体制の整備を図る。
○中小企業信用リスク情報データベース(CRD)の事業化 1.2億円( 新 規 )
担保に依存しない金融や直接金融のための基盤を整備し、中小企業に対する資金供
給の円滑化に資するため、平成11年度から開発中の信用リスク情報データベース(C
RD)の事業化に向けた実証実験・調査研究を行う。
○中小企業IT活用促進融資の創設(再掲)
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中小企業金融公庫 5.0億円( 新 規 )
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国民生活金融公庫〔特別枠〕 10.0億円( 新 規 )
《伝統的工芸品産業の活性化》
○伝統的工芸品産業施策の拡充 8.5億円(4.8億円)
産地活性化事業、産地プロデューサー事業、産地調査・診断事業を新たに創設する
など、伝統的工芸品産業施策を抜本的に拡充する。
《地域産業の活性化》
○地域産業集積の支援 12.0億円(12.7億円)
地域産業集積活性化法に基づき、商品開発や販路開拓等の事業を支援する。
○インキュベータ施設の整備(再掲) 2.1億円( 0.4億円)
《小規模企業支援事業》
○地域中小企業支援センターの強化(再掲) 25.4億円(18.2億円)
○地域ごとの先進性・独創性に富む事業に対する支援 8.3億円( 3.3億円)
商工会・商工会議所が提案する、先進性、独創性に富み、かつ地域の活性化に大き
く貢献する事業に対する支援を強化する。
○各種データベースの活用促進 0.5億円( 新 規 )
小規模企業の相談事例、支援人材情報や最新の市場情報のデータベース化・活用に
より商工会、商工会議所等の経営支援体制を強化する。
○情報提供事業(再掲) (注)9.2億円の内数(0.8億円)
IT革命に対応する上で、情報、人材等が不足している小規模事業者のIT活用を
促進するため、セミナー・研修会を開催する。
(注)前掲(P.2「○セミナー・研修等の開催、情報の提供」)の内数
○小企業等経営改善資金(マル経)融資制度 41.7億円( 40.9億円)
創業を促進する観点から、創業者に対する円滑な資金供給を行うため、小企業等経
営改善資金(マル経)融資制度における創業者に対する融資を恒久化する。
《取引適正化》
○中小企業取引に係る裁判外紛争処理制度(ADR)の普及事業 0.3億円(新規)
中小企業取引に係る紛争処理に関して、あっせん・調停・仲裁等の裁判外紛争処理
制度(ADR:Alternative Dispute Resolution)の浸透を図るため、積極的な普及活動
を実施する。
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