日時
令和4年3月3日(木)10時00分~13時00分
場所
Teams会議室
出席委員
細田委員長、海内委員、石川委員、櫻井委員、諏訪委員、長澤委員、引地委員、加藤委員、辻委員、堤委員、田辺委員、土志田委員、針生委員、堀田委員
事務局
中小企業庁事業環境部取引課
議題
令和3年度自主行動計画フォローアップ調査結果報告及び官公需政策について
- 事務局趣旨説明
- 各団体の発表
- 委員・事務局指摘
自主行動計画全体について
- 発注者サイドと受注者サイドの認識のギャップが大きな課題。今後、双方の認識の差異の原因を深掘りして、それを踏まえた対策を講じることが重要。
- ほとんどの業種の中で、今年度、調査に御協力いただいている企業者数が減ってしまっている。1次請、2次請、3次請というところが多いので、受注者の気持ちは分かるが、発注者になると、言われていることは分かるけれど板挟み的なところがあるものと理解。調査に協力したらどんなよい未来が開けるのか、調査データの共有ということだけでなく、実効施策に移すことが重要。
- 国内で閉じているサプライチェーンに入っている企業には下請法があるかもしれないが、グローバルのサプライチェーンにつながっている企業もたくさんある。そういったところも見ながら進めることが重要。
- 国を初め、関係機関、そして取組企業の努力により適正価格取引は浸透してきている。原材料や人件費高騰による価格転嫁において、素形材分野では中小企業、零細企業の数も多くて、改善の兆しはあるけれども、広く細部に届いていない。金属分野については、大手企業の構成比が高いため、取引条件の交渉ができている。大手企業は、1次、2次下請に対して、その先の取引先への価格交渉等の指導をしてもらえると、価格転嫁の意識が業界の末端まで行き届く。
自動車業界(日本自動車工業会、日本自動車部品工業会)
- 型の取引に関しては相当取組を進めていただいているのが数字でも表れてきているが、価格転嫁に関しては、全般的に厳しい状況にある。
- 自主行動計画の取引対価の決定のところに、下請中小企業の適正な利益を含むべきだという振興基準に書いてある文言が入っていないので改定をお願いしたい。
素形材業界(日本金型工業会、日本金属熱処理工業会、日本金属プレス工業協会、日本ダイカスト協会、日本鍛造協会、日本鋳造協会、日本鋳鍛鋼会、日本粉末冶金工業会)
- 自主行動計画により具体的なことが書いてあること、パートナーシップ構築宣言を多くの企業に宣言していただくことが、サプライチェーン全体にいる企業も含めて非常に重要。
- 取引対価について、金型製作に関しての手間、難易度等がなかなか価格に反映していないのではないかという声があり、こういうものについても自主行動計画でより深めていただきたい。
機械製造業界(日本建設機械工業会、日本産業機械工業会、日本工作機械工業会、日本半導体製造装置協会、日本ロボット工業会、日本計量機器工業連合会、日本分析機器工業会)
- 自主行動計画との関係で言うと、振興基準で下請中小企業の適正な利益を含むべきと書いてある点を足していただくなど、業界として合意を図っていただきたい。
- 環境対応コストなどが転嫁できないといった声もあるので、そういったことも自主行動計画の中で検討していただきたい。
航空宇宙工業界(日本航空宇宙工業界)
- コロナを契機に、特に民間航空機について、中小のみならず大手も非常に厳しい状況。サプライチェーンの支援活動として、「Wingサポートアクション」という、自主行動計画からさらに踏み込んだ取組を行っているところ。
- 取引対価と価格転嫁に関して、対価の決定方法の改善などについて、自主行動計画に明記していただくということで取組を進めていただきたい。
繊維産業界(日本繊維産業連盟、繊維産業流通構造改革推進協議会)
- 業界団体として取引適正化について、引き続き受注側を中心に地道に対応を促していくが、受注側業界として、小売業界、あるいは産業自体のユーザー業界の協力も必要であり、また、業界横断的な取組に向けた政府の対応も必要。
- 下請法において、60日を超える支払い期日は違法であり、その上で、その支払いを手形とする場合の手形サイトについても、2024年には60日以内とする方針。繊維産業界だけではなく各業界で取り組んでいただきたい。
電機・情報通信機器産業界(電子情報技術産業協会)
- 取引対価、価格転嫁については、全体的に言うと業界として、横並びを見ると状況として悪くはない。
- 環境コスト等の適切なコスト転嫁を進めていくということも自主行動計画の中で記載していただきたい。
情報サービス・ソフトウェア産業界(情報サービス産業協会)
- 取引単価に占める人件費の比率が高いといったことが業界の特徴としてあると思われる。そのため、労務費の問題や働き方の問題に関しては、論点が多い。
小売・流通業界(日本スーパーマーケット協会、全国スーパーマーケット協会、日本チェーンドラッグストア協会、日本ボランタリーチェーン協会、日本フランチャイズチェーン協会、日本DIY・ホームセンター協会)
- 業界として、取引適正化という問題に関しての取組のレベルを、全体的に上げていただきたい。
- 自主行動計画にも、取引先の適正な利益という点を書いた上で取組を進めていただきたい。
- 小売・流通業界に特徴的な話として、合理的な理由がない返品や、納入先が負うべきでない責任を負わせてしまっているという声がよく聞こえている。
建材・住宅設備業界(日本建材・住宅設備産業協会)
- 自主行動計画では、取引対価や価格転嫁、あるいは短納期発注などに関して、下請法の違法・合法というような解説はあるが、振興基準などの望ましい取引の在り方について記述がないため、踏み込んで書いていただきたい。
紙・紙加工業界(日本製紙連合会、全国段ボール工業組合連合会)
- 自主行動計画に関して、取引先の適正な利益を含むというような点について振興基準を参考に深堀りしていただきたい。
- 間に卸売がいるときに、仕入先と発注先で価格が決まってしまい、卸売が後からその価格を聞かされるというような取引の声が上がっており、そのような仕入価格の転嫁についても御議論いただきたい。
金属業界(日本電線工業会、日本鉄鋼連盟、日本アルミニウム協会、日本伸銅協会)
- 金属産業に関しては、価格転嫁の全般的な傾向として、原材料費に関しては変動制を採用し価格転嫁が比較的進みやすい一方、人件費やエネルギーコスト、運送費に関しては転嫁が難しいという声がある。
化学産業界(日本化学工業協会)
- 取引の適正化という観点からは、下請法の適用対象外か対象内かに区別があるわけではないため、それに関わらず適正に進めるべきものは進めるという方針で業界でも議論の上で、自主行動計画に反映していただきたい。
官公需政策について
- 最低賃金引上げに伴う価格転嫁が全政府的に議論になり、まず国が親企業になっている官公需において、国が率先して最低賃金の引上げ分の価格転嫁にきちんと応じるべきであるということが閣議決定された。また、国は官公需契約の相手方の中小企業に対し、最低賃金の引上げに当初の契約金額できちんと対応ができるかということについて、全ての発注先中小企業に対して確認を取っていくことが閣議決定されたことに伴って、フォローアップを行った。
- 毎年行っている官公需基本方針の閣議決定について、策定のスケジュール自体を見直す。今までは前年度が終わってから結果を夏くらいまでに取りまとめて、その前年度の実績値を使って当該年度の目標を作るという段取りで進めていたが、そうなると閣議決定できるのは夏~秋になってしまう。今年度の基本方針も9月末に閣議決定したが、1年の半分が終わっているところで年度の目標を定めるというのは、目標値自体がある種意味を減じているため、年度当初から目標値を持てるようにする。
<お問い合わせ先>
中小企業庁事業環境部取引課 電話:03-3501-1669 |