日時
令和元年12月9日(月)9時30分~12時00分
場所
経済産業省別館9階944共用会議室
出席委員
細田委員長、小正委員、諏訪委員、長澤委員、引地委員
事務局
奈須野事業環境部長、松山取引課長補佐
議題
令和元年度自主行動計画フォローアップ調査結果報告と今後の取組について
部長挨拶
事務局趣旨説明
各団体の発表
委員・事務局指摘
<日本自動車部品工業会>
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価低減要請については、進捗している。一方で、型管理については、受注側との認識のギャップが明らかになっているので、今後どう対応するのか考えてほしい。
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大企業間取引における支払条件について、現金払い0社であるが、実態をどう認識しているか。大企業間取引が進まないと、大企業と中小企業との間の取引での改善が進みにくいと考える。
→長年手形払いを行っているところもあり、変えづらい状況。大企業と中小企業との間の取引について、まず現金化を進めるべきと考えている。他方、大企業の中にも差があり、資金繰り等個社の都合にもよるため、一律に変更することは難しい。しかし、周知の徹底を行い、各社の理解を深めていきたい。
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受注側と発注側の認識のズレをどう埋めるのか。
→ギャップについては、その原因分析が必要。現状、具体的な深掘りまではできていないが、素形材業界との懇談会を予定しているので、今回のギャップについて意見交換を行い、ギャップを埋めていく努力をしていきたい。ただ、自身の業界で指導を行い、会員企業にいかに着手を始めていただくかというところが基本であると考えている。
<日本建設機械工業会>
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全体としては、改善しているものの、支払条件については、建設機械では「割引手数料を勘案して手形を用いているか」との設問について改善しているが、この割引手数料の勘案は具体的にどのようなことを行っているのか。また、手数料を支払ってまで手形払いを続ける理由は何か。
→手数料の勘案方法については、今回の調査からは把握できていないが、恐らく受注側の方々と協議をして、納得をされた上でお支払いをしてこのような回答になっていると考えている。また、手形払いを続ける理由は、現金を用意するにもコストがかかるため、キャッシュフローの関係だと感じている。まだ徐々に改善していく過程ではないかと思う。
<日本工作機械工業会>
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支払条件について、現金比率が低い状況にある。納入まで時間がかかるつらい状況は理解できるが、その負担を下請側に降ろすのは問題ではないか。
→あらゆる製造業を取引先に持っているため、それぞれの慣習が影響してしまっている可能性はある。ただ、現金化は進んでいるという印象はある。ヒアリングでも、サイトを120日から90日、60日、30日と徐々に短くするアクションプランを立てている企業もあれば、営業部門においてe-learningを実施している企業もあると聞いている。
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今後の取り組み2つ目に「取引の中間にいる商社と意見交換等を実施」と具体的に書かれているが、この商社の問題というのはあるのか。
→会員7割が中小企業のため、商社を経由して、部品調達や工作機械の販売を行っていることが大半。支払い形態も千差万別で、特に中小商社であれば手形支払いといった傾向があるため、そのような意見交換を行う。
<日本半導体製造装置協会>
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支払条件について、資料に記載がないが、結果は。
→現金払いの状況については、発注側では4割、受注側では3割の結果となっている。製造装置業種を専業にする企業と別な業種を併せ持つ企業があり、それらの業種の慣習の影響を受けていることが想定される。ただ、大企業間取引が、手形であるため、会社全体の取引としても手形を使わざるを得ないという声も聞く。
<日本航空宇宙工業会>
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本年度が初めてのフォローアップであるためか、対象企業そのものが少ないが、今後は下請けの立場にもきちんと耳を傾け、フォローアップの幅を広げてほしい。2回目のフォローアップの対象企業はどのように考えているか。
→本年度にかけて自主行動計画の展開を図っているので、来年のアンケート調査は正会員企業全てに対して、アンケートを実施していきたい。
<電子情報技術産業協会>
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取組にある常設委員会については、調達部門が多いが、受注側の側面も持つ企業もあり、受注側、発注側双方の認識をすり合わせるものになっている。サプライチェーン全体での浸透を図るうえで、重要な対応策になると思うので、他業種の団体でも、参考になるものだと思う。
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支払条件について両極化している。現金化は拡大しているが、その一方で、全て手形支払いというところは、過去3年で比較的固定化しているように見えるがどのように受け止めているか。
→来年度に向けて、2020年度、先ほど言及のあった常設委員会の中身を検討している。支払条件については、課題が多く、大手の企業は対応できているものの、裾野が広いので、個社含めて、取組むことがポイントと考える。取引に関しては、取組をやめてしまうと戻ってしまうので、継続的に取り組んでいきたい。
<情報サービス産業協会>
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ソフトウェアの支払条件について、現金化と手形払いで二極化が進んでいるのではないか。
→多重下請構造にあり、同業種間での取引は、現金化が進んでいるものの、他業種との取引においては、手形払いとなっている可能性が高い。大元の発注者、もしくは元請の親会社の業種の特性によって、一部で手形というのがあると認識。ただ、多くの場合、同業者間での取引はほぼ現金。
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働き方改革の影響を転嫁した適正な価格の支払いについては、発注者が9割、受注者が8割取り組まれている。ただ、お金の問題ももちろんだが、受注先の極端な残業などを避けるということも重要。発注側からの配慮など対応状況を認識をされているのか。
→働き方改革に関しては、長時間労働のイメージが業界として強いため、それを払拭するよう取り組んできたところ。結果として、現在、残業時間の平均が20時間程度に抑えられてきている。
これからは、労働時間を抑えて生産性をいかに維持するかという働き方そのものの中身の改革に取り組んでいきたい。そこでは、発注側、受注側ともに、一緒にプロジェクトを組み、問題意識を共有して取り組んでいるという実態がある。それと同時に、働き方改革に関する事業を実施しており、発注者、受注者お互いの生産性を上げるためのよりよい関係づくりのための意識合わせのため、議論を始めている。
<繊維産業団体>
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取引の課題について、発注元からの様々な問題が根源にはあると思うが、同じ業界内での発注なのか、それとも繊維業界の外からの発注なのか。また、他業種である場合、発注元に対して意見交換や改善を求める機会はあるのか。
→過去には、取引でルール外のことが非常に多く、当時基本契約書を取り交わすというのは15%しかない状況であった。サプライチェーンを構築するには、取引のルールを正常化することが必要ということで、平成15年に経営トップ合同会議を設けた。その取り組みが元で、ガイドラインが設けられ、自主行動計画までつながっている。これらのフォローアップは、聞き取り調査で行っており、取組が不十分な企業は、いつまでにそれを改善するかまで求めている。取引については、地道な活動が第一。特に、最近では、歩引き取引は繊維業界では一切やってはいけない行為だと明記し、結果的には歩引き取引はだんだん減ってきたという状況。
発注側と受注者側との乖離については、現在、日本繊維産業連盟の会員団体の傘下の企業が約6,500社だが、加盟していない網にかからない企業が約4,000社程度いるためであると考える。
<流通業団体>
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取引構造上、受注者側へのフォローアップは難しく、調査結果には受注者側の見解はあまり反映されないわけだが、納入業者からの声を聴収する取組はあるのか。
→特に、団体としてそのような納入業者との協議を行う場は設けていないが、食品産業センターのような食品メーカー団体内のアンケート結果を共有いただいている。また、食品産業センターや中小企業者であるメーカーやスーパーの取組についての意見交換を年に数回やっている。なお、その都度問題があった場合は、その内容を会員企業に周知を図っている。
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スーパーは特に扱っている商品が千差万別。そのような状況の中で、労務費等コストアップがあった場合転嫁できたとの回答だが、どのように実現しているのか。
→最近、納入業者や卸売業者が集約をされてきており、規模が大きい企業も多いため、お互いコンプライアンスに関しては非常に整備されており、反映しやすい状況と考える。ただ、例えば物流費が高騰しており、トラックドライバーがいないからもう運べなくなると言われるなど、周りの社会情勢が厳しくなっているため、自社でどうしても飲み込まなくてはならないところもあるのが実態である。そもそも最終利益が1%出るか出ないかという業界であり、非常に厳しいが、各社競合等の関係もあって、頑張っているというのが実情である。
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フォローアップ調査の項目について、やや製造業側寄っているというような御指摘も以前あったが、来年の実態調査を見据え、調査項目については別途議論をさせていただきたい。
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飲料配送研究会の内容は、どちらかというと小売に関係ないというような印象を持たれるかもしれないが、先日行われたフォローアップにあたる当該研究会の場では、小売業について議論の中心になっていたことも踏まえ、ぜひ問題意識を持っていただきたいと考えている。
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<お問い合わせ先>
中小企業庁事業環境部取引課
電話:03-3501-1669
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