中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会取引部会(第17回) 議事要旨
日時: | 平成25年3月29日(金)15時00分~16時35分 |
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会場: | 経済産業省別館843号室 |
出席委員: | 村上委員(部会長)、浦上委員、沖委員、菊地委員、越田委員、今野委員、野尻委員、陽田委員 |
議題:
1.報告事項 |
(1)平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針の概要について
(2)競り下げの試行について |
2.審議事項 | 平成25年度中小企業者に関する国等の契約の方針に新たに盛り込む措置事項(案) |
議事概要
■事務局より出席委員の紹介。
村上部会長の進行のもと議事に入り、事務局より報告事項の(1)、(2)について報告。委員からの主な発言は次のとおり。
- 文具の世界では瑕疵担保責任は一年となっているが、現在の入札制度では、ランニングコストをトータルで判断するという概念が、全く考慮されていない。 最初から高品質の製品を購入したほうが、結果としてコストが押さえられることもあるのに、そのような制度設計を考慮していないのはおかしい。
- 競り下げ請負業者を競り下げで決めないことが、そもそもおかしい。 競り下げ業者が、思うように価格が下がらないと、更なる参加を何度も要請してくるという事例があった。この場合、業者は参加しないと次の入札に支障が出るので、参加せざる得ない。そのように無理に低価格で落札させられたにもかかわらず、翌年には前年の落札価格で競り下げがスタートすることになる。競り下げの制度は、デフレを助長するだけの制度であるので、絶対に止めるべき。
- 競り下げで、地域性、迅速性、融通性等を評価するのは困難である。
- 行政が競り下げ方式の試行を進めていくと、競り下げ業者は、次に民間にこの仕組みを売り込みに行き、結果として地元の商関係が分断されていく。そのような方式で、地域の供給力を損なっていくやり方を、国が率先して行っているということへの評価、検証も是非行うべき。
- 予定価格という上限は決まっているのに、最低価格という下限が決まっていないのは公平ではない。
- 建築等、地域の文化に関わるものを、価格の高低だけで決めるのは野蛮である。コンペとかプロポーザルを行ってから随契という形態があるのだから、理念としてこうあるべきというものを、契約の方針に是非盛り込むべき。
- 知的財産権については、やっと要請が通り感謝している。 契約の方針に明記していただけたことで、大分前進したと感じているが、特に地方自治体には著作権侵害が多く発生しているので、今後も徹底すべき。
- 価格だけで入札しているのではないかと思われる印刷物があるが、デザイン、編集、写真、イラストを含めたコンペをしてほしい。
■事務局より「平成25年度中小企業者に関する国等の契約の方針に新たに盛り込む措置事項(案)」について説明。委員からの主な発言は次のとおり。
- 県では誰でも参加できるオープンカウンター方式という入札制度を認めているが、新規創業といった方に配慮し過ぎではないか。 法人税等を全く納めていないNPOとか、社会保険経費がいらない方々と正規の事業者が競争することになるのは非常に不公平、まだ納税していない開業したばかりの会社でも応札できるというのは、配慮し過ぎである。
- 適格組合について、総合評価方式でいかに評価していただいても、一組合員が参加できる入札に、組合が参加することはできないので、そもそも組合は機会に恵まれていない。適格組合の受注に配慮をいただくのであれば、やはり随意契約しかない。随意契約を奨励してほしい。
- 新規開業、創意工夫、そういう方々への参入の配慮は、大変結構なことと思う。 官公需の入札には、デザイン等についてのコストをどのように評価していくかが不明瞭である。 それらは一般競争入札で評価するのは無理があるので、随意契約とか分割にしなければ評価できない。一般競争入札と同等に、随意契約や分割発注も公平なのだという措置事項にしてほしい。
- 実は競争している見積もり合わせ等の入札でも、世の中の言葉では随意契約になる。競争した結果、 一者と契約するから随意契約なのだという理屈や、入札不調で不落随契となったものまで、 まとめて随意契約であるとするのは誤解を招く。随意契約は不公正というイメージを払拭する方法等、抜本的な部分も検討いただきたい。
上記意見等について、委員と事務局との意見交換を行った。
村上部会長より「国等の契約の方針」の策定に当たり、各省庁の協議等の過程で変更がある場合の表現方法等について、一任いただきたい旨の発言があり、了承された。
最後に、事務局より委員に対し、審議への謝辞が述べられ閉会した。