中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会取引部会(第16回) 議事要旨
日時: | 平成24年3月27日(火)15:00~17:00 |
---|---|
会場: | 経済産業省別館8階843号室 |
出席委員: | 村上委員(部会長)、飯原委員、浦上委員、沖委員、小野委員、川田委員、今野委員、澤田委員、野尻委員、陽田委員 |
議題:
1.報告事項 |
(1)平成23年度中小企業者に関する国等の契約の方針の概要について
(2)各府省等が公表した低入札調査制度に基づく調査情報の取りまとめ及び提供について (3)一括調達又は共同調達を行う場合の分析事例について (4)平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針作成に向けての意見募集結果の概要 |
2.審議事項 | (1)平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針に新たに盛り込む措置事項(案) |
3.報告事項 | (1)競り下げの試行について |
議事概要
■事務局より出席委員の紹介。
- 村上部会長の進行のもと議事に入り、事務局より報告事項の(1)~(4)について報告。委員からの主な発言は次のとおり。
【低入札価格調査について】
- 国等が低入札価格調査を実施して履行できないとの判断で契約しなかった事例は、ほとんどないのではないか。地方公共団体では、入札価格が一定程度下回った場合には、失格にするなどという要件を設定しているところもあるので、国等でも制度がきちんと機能するようにすべき。
- コピー機の保守・賃貸は通常「役務」に分類されるが、一部の自治体では「物品」として取り扱い、低入札価格調査の対象となっていない。印刷などでも同様の事態が生じており、「物品」と「役務」の区分の境界が分かりにくくなっている実態を踏まえ、適切に対処すべき。
- 設計業務はダンピングで品質が保証されない顕著な業種であり、人件費が低い業務でなくてもダンピング対策に加えるべきではないか。
- サービス業は約7割が人件費であり、ビルメンテナンス業務のように警備、清掃、電気保守など幅広い分野を一括した業務の調達においては、中小企業は入札の参加が困難であるため、何らかの対策が必要ではないか。
【意見募集結果の概要について】
- 去年の震災時にも官公需適格組合を大事にしていたところは上手く調達できていた。安ければどこでも良いということではなく、平時から官公需適格組合などを有効に活用すべき。
- 福島では震災を含め去年3回ひどい災害にあったが、そういう時こそ地元の中小企業の活用が必要となってくる。災害の工事となると1社では対応できないので、国土交通省の団体や協会などのネットワークをもっと有効に活用すべきではないか。
■事務局より「平成24年度中小企業者に関する国等の契約の方針に新たに盛り込む措置事項(案)」について説明。委員からの主な発言は次のとおり。
- 契約の方針に明記されている地域要件や地域精通度などの用語について、もう少しかみくだいてわかりやすい表現にすべき。
- 著作権や版権などの知的財産権の取り扱いについて、日本は諸外国に比べてルーズである。通常は事業者に版権があるという基本が不徹底である。知財の取り扱いの明記は是非実施すべき。
- 規模が小さい市ほど予定価格を設定する際に歩切りが行われているので、歩切りをやめることを徹底して欲しい。人口10万人以上の自治体には契約の方針についての実施要請を行っているようだが、人口10万人以下の自治体へも周知徹底すべき。
■事務局より「競り下げの試行について」を報告。委員からの主な発言は次のとおり。
- 競り下げ方式に代表されるような中小企業者の体力を消耗させる施策は国としてはやるべきではない。
- 競り下げの試行では、コスト削減や新規参入者の促進等の効果の検証を行うこととなっているが、品質やサービスの低下が伴うものはコスト削減とは言わないのではないか。
- 国土交通省は、技術と品質、価格をあわせて判断するので、工事については価格だけでの競り下げはやらないと言っており、品質やサービスに影響のあるものでの競り下げはすべきではない。
- 官公需の対象となる物品等のうち、中小企業が製造する割合が多く、また、国等の調達に対する依存度が高く、当該製品を供給する中小企業者の受注機会を増大することが必要であると認められ指定されている「中小企業官公需特定品目」は競り下げ試行の対象にすべきではない。
最後に、事務局より委員に対し、審議への謝辞が述べられ閉会した。