トップページ 審議会・研究会 審議会(平成25年6月30日以前分) 中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会取引部会 中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会取引部会(第15回) 議事要旨

中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会取引部会(第15回) 議事要旨


日時: 平成23年1月18日(火)10:00~12:00
会場: 経済産業省別館8階843号室
出席委員: 村上委員(部会長)、飯原委員、沖委員、小野委員、加藤委員、上山委員、川田委員、越田委員、今野委員、澤田委員、野尻委員、水上委員、渡辺委員
議題: (1)平成23年度中小企業者に関する国等の契約の方針の検討について
(2)下請取引の適正化に向けた取組について

議事概要

  • 事務局より出席委員の紹介。
  • 村上部会長の進行のもと議事に入り、事務局より「平成23年度中小企業者に関する国等の契約の方針の検討」について報告したところ、委員より次のような意見があった。
    なお、各委員の意見は、行政刷新会議公共サービス分科会における競り下げ入札に関する事項に集中した。

【官公需全般について】

  • 国の予算が少なくなる中であっても、インターネットなど合理的な方法には力を入れるべき。
  • ある地方公共団体では、入札に参加したすべての企業の応札額から算出した平均値の85%以下の者は失格とするような方法を試行しており、実際に失格者が出ている。低価格競争への警鐘ではないだろうか。

【行政刷新会議公共サービス分科会における検討(競り下げ等)について】

  • 需要が不足し低価格競争が続くなか、競り下げにより底値まで行うことが中小企業にとってどうなのか。このような選択をすれば中小企業者は市場から淘汰されてしまうのではないか。
  • デフレを助長するような政策(競り下げ入札の導入)をすることは疑問。
  • 中小の一番のよりどころである地方公共団体に競り下げ方式が波及して、地域の中小企業が深刻な影響を被る可能性があり、慎重な検討が必要。
  • 競り下げで安く落札した業者が下請けに丸投げし、コンプライアンスなど法令をなかなか遵守しないところに仕事がいってしまう例があると聞く。競り下げ方式を導入するにあたっては、何が適正な価格なのかを議論する必要がある。安ければ良いという話ではない。
  • 競り下げについて、基本的にはコスト削減という大きな題目に関しては反対ではない。ただし、安ければよいということが本当に正しいことなのか議論が必要。
  • 競り下げについては、地域の活性化や地方の雇用の確保等、地域の中小企業対策が、官公需の大きな役割の一つであることを再認識してから行うべき。
  • 競り下げについては、削減効果についても検証して欲しい。検証にあたっては、開始価格からではなく予定価格からの削減率や落札価格など従来の入札と競り下げ方式の同条件での比較により検証すべき。
  • 中小企業者がダンピングに苦しむなか、競り下げ方式の導入は、更なる不公正な競争になり一部の力のある大手企業に集中してしまうのではないか。検証が必要。
  • 競り下げを運営するに当たっては、運営会社への丸投げではダメ。また、政府がアウトソーシングするだけでコスト削減する、という大前提でいいのだろうか。開始価格の設定の妥当性や運営会社へ支払われる報酬が妥当なのかを含め、発注者である国が明確な責任を持つべきである。この運営会社が恣意的な行為をした場合、誰が責任を負うのか疑問である。
  • 競り下げ方式は地方では既に行われている例もあり、そのマイナス面もみられる。そうした方法を国が行うことには、中小企業基本法、官公需法などの政策と相反するものではないか。
  • 競り下げは、完成して採算が確定する建設業(請負)にはなじまない。現在は「公共工事の品質確保の促進に関する法律」による「価格+品質」という総合評価方式を採用しているが、競り下げ方式は価格だけの競争に逆行してしまうのではないか。
  • 競り下げにおいては、予定価格を大きく下回る場合、ダンピングではないかについて十分な検証が必要
  • 今の封印入札制度のどこが行けないのか、競り下げ方式を導入することでその問題点が少しでも解決できるのか、という視点で十分検討することが必要。
  • 官公需法は中小企業のビジネスチャンスを与え発展させ、参加しやすい環境を作るということであるから、効率化、合理化ありきで競り下げを導入することは危機感を感じる。数字的なことではなく、現場は苦境にあるなか競り下げを導入しても、トライしたくてもできないのではないか。安ければいいということではなく、国策として大切な付加価値政策を含めて考えることが重要。
  • 引き続き事務局より「下請取引の適正化に向けた取組」について報告した。
  • 最後に、事務局より委員に対し、審議への謝辞が述べられ、閉会となった。