○印刷は、役務と物品の販売に分かれるところ、物品販売として契約される場合が多い。役務について、破壊的な価格の歯止めとなるよう、発注の場合の最低制限価格の設定を発注機関にお願いしたい。
○全体としてトーンに異論はない。
個々にいえば、契約目標という用語については、法的拘束力がない、努力義務であることを明確に打ち出すべき。契約目標は、中小企業向け市場開放度を測る一つの指標であることをもう一度確認すべき。場合によっては、「契約目標」という言葉遣いも検討の余地があるのかもしれない。
政策評価としての機能については、これは、制度の本来の趣旨であるが、各省庁でも大きく割り込んでいる省庁もある。
「情報開示」にかかる記述は、こと分離分割発注に限らず、まとめて発注する場合についても、発注者側からの情報開示が必要。外部監査、情報公開の流れがある中、分離分割発注に限らず、積極的に広めるべきもの。
国家的インフラの整備を対象から外すという意見があったが、そのような国家的インフラを100%仮に大企業が受注しても全くおかしいものではなく、むしろ、はっきりと分けて示すことにより、誤解が生じないだろう。
意欲ある中小企業の参入促進策に関する記述については、具体的にどのような促進策があるかを検討して欲しい。
○中小建設業者の立場からは、地域生活基盤整備、災害対策、地域雇用確保など、地域に密着するものであり、中小企業の受注機会の確保は、重要な国家施策であることを強調したい。こうした点をこれまで訴えてきたが、骨子案では、十分踏まえて書かれたものと確信している。官公需法の堅持、目標達成を強く切望したい。
○要因分析の部分で、官公需の中小企業向け実績比率が近年急速に上昇している理由は、大企業向け工事の減少にあるとしているが、最初の発注段階で分離分割され、細かくされれば、大規模工事にはならないのではないか。そういうみかけ上の話と、本当の意味で減ったというのがどのように区分できるのか、説明をお願いしたい。
政策評価の指標という記述との関係では、数値目標が今日まで一貫して上がっていることを踏まえれば、政策評価という以上、いかなる根拠、合理的な裏付けによってこの数値となっているのかが明らかにされるべきではないか。そうした根拠が明確にされないまま、政策評価としての意味合いを強く有する、と言い切れるか疑問に思う。国家的インフラの点については、産業の再生、国家としての競争力の基盤をなす港湾、空港などの国家インフラについては、適用除外とすることを検討すべきであると前回も申し上げたが、市場を分けて検討というのはどのような意味か。
大企業が受注しても、契約関係で7割近くが下請けという形で中小企業に還元されているとの実態もあり、数値にこだわるなら、下請けまで含めるのが適当ではないか。
分離分割について、九州の県におけるケースをもとに、発注者側の発注能力の向上を指摘しているが、公取との連携といった問題も一つの課題としてあるのではないか。規制緩和が進むほど、公正競争の確保が重要であり、競争政策との連携を取るのだということを記載して欲しい。
全体を通して、中小企業向けの官公需についてのメリットが強調されているが、デメリットもあるはずであり、公正に両方を並べて議論をしないとフェアではないのではないか。
○参考資料を見ると、平成12年度から平成14年度にかけてのトータルでの工事金額の減少のうち、20億円以上の工事の減少が、37.2%の寄与をしているが、その一方で、工事件数で見れば、中小企業が参入していると見られる1億円未満の工事について、件数は大きく減少している。こうしたことから、中小企業向けの実績比率が近年上昇をしている理由として、大規模工事の減少が最大の要因と推測されるものである。ただ、これ以上の細かなデータというものが得られないので、他にデータがあれば提供していただきたい。
次に政策評価という点については、中小企業の受注機会の確保を中小企業施策として行い、これを達成したかどうか、なぜできないかを分析し、その上で次年度の計画を作るという意味合いである。
国家的インフラの点については、国家的インフラであればすべて大企業というものではなく、高速道路でも、中小企業が入れる分野があり、競争促進となるものがある。これまでの委員会のヒアリングでも、本来的にそうであるもの、そうでないものという話があった。工事の性格によるものであり、得意分野という表現となっている。
大企業が官公需を受けても下請けという形で中小企業に還元されるという点については、これまでの委員会の審議の場では、ネガティヴに捉えられていたと評価している。
分離分割発注については、長崎県のケースを念頭に置いているものである。公取との連携については、公取でも検討会が開催され報告がまとめられており、これまでも意見交換を行ってきているところ。
○よくまとめあげてもらったと思う。
官公需に関する情報提供の着実な推進については、誰に何をどのようにするかということが明確になった方がいい。官公需適格組合の部分も同様。
官公需適格組合について、競争条件の向上というが、運用の見直しで十分なのかどうか、問題点を把握した上でのわかりやすい表現と内容にして欲しい。
○契約目標を政策評価の指標(ベンチマーク)とする書きぶりは、慎重のうえにも慎重を重ねたほうがいい。閣議決定するということとの関係を考えると、目標を下回ると、施策がうまくいかなかった、ということになる。市場開放の指標ということとするなら、米国なら、開放されていないといわれかねない。
契約目標の細分化したレベルでの数字の開示については、発注主体としてどのようなことを開示したらよいのかが不明確。事務作業が大変でコストが非常にかかる作業を押しつけることにもなり、今までのやり方で対応できるものなら構わないが、新しいことをさせられるのではたまらない。襖張りについて分離分割発注をやっているが、合理性を説明せよとなると、どちらに転ぶかは怖い話。中小にやってもいいと思っている発注について説明をせよということになると、発注主体としてはかなりの負担であり、実際の基準を作る際には配慮をして欲しい。
○むしろ、発注機関からの必要な情報の開示は必要だと考えている。発注方法、入札件数などはっきり書いてある部分もあり、他方、もう一歩慎重な所もある。例えば、分離分割で議論があるのは、舗装の道を幾つかに分けるかということより、もっと大きなところの話であり、こういう部分について、発注機関側からの情報提供が必要だ。
○内容的には、骨子案でいいと思う。
ただし、今まで実施してきた官公需施策の評価を示し、今回の検討において、どのような環境変化の下で競争政策の観点から問題提起がされたかという点を、どこかに記述しておいて欲しい。
また、分離分割については、具体的に書いて欲しい。外部人材の登用については、ヒアリングで出ていたケースだから我々には分かるが、外向けには具体的に書かないと分からない。
技術力評価についても、どうやって行うのか、具体的な施策を示していった方がいいのではないか。
アンケートを含め、資料については本文に入れ込んだ方がいいのではないか。
末尾の部分については、平成16年度の官公需施策を検討する時期に来ていることから、答申を官公需施策にどう活かすのかをまとめておいていただきたい。
○基本法の理念からは、中小企業の自助努力や異分野進出への政策支援が重要。また、技術を持っていない企業も「技術を研鑽する」という内容が重要。中小企業の大半も、技術の研鑽に励んで欲しいということを表現して欲しい。
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