中小企業政策審議会(第14回)・基本政策部会合同会議議事録
日時:平成24年4月6日(金) 14:59~17:00
場所:経済産業省別館10階1028会議室
議題:
(1)「平成23年度中小企業の動向に関する年次報告」(案)について
(2)「平成24年度において講じようとする中小企業施策」(案)について
(3)平成23年度における各部会の活動状況(企業力強化部会、経営安定部会、経営支援部会、取引部会)
(4)「中小企業経営力強化支援法案」について
(5)「“ちいさな企業”未来会議」について
議事録:
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間宮企画課長
それでは、定刻となりましたので、ただいまから「中小企業政策審議会・基本政策部会合同会議」を開会いたします。
本日は御多忙のところ、委員の皆様方には多数御出席いただき、誠にありがとうございます。なお、本合同会議の委員及び臨時委員は、中小企業政策審議会、基本政策部会それぞれ22名、15名であり、本日過半数の委員及び臨時委員の皆様に御出席いただいております。中小企業政策審議会令第8条第1項の規定に基づき、定足数を満たしております。まず、ここで新しく就任された委員を御紹介させていただきます。
高橋はるみ委員でございます。
なお、本日は御欠席されておりますが、小瀬?委員、國部毅委員も新しく就任されましたので、よろしくお願いいたします。なお、國部委員の代理として宮島様に御出席いただいております。
次に、審議会について御説明いたします。審議会につきましては原則として公開との方針がございますので、本審議会につきましても原則公開とし、資料及び議事録を公表させていただきます。ただし、皆さんにお配りしている資料のうち、中小企業白書に関係する資料6~資料7につきましては、4月下旬を予定しております閣議を経て公表することになりますので、それまでの間は委員限りの取扱いとさせていただきますので、御了解いただければと存じます。
それでは、本日の会議を始めるに当たり、大変御多忙の中、牧野経済産業副大臣に御臨席いただいておりますので、ご挨拶をお願いできればと存じます。よろしくお願いいたします。 -
牧野経済産業副大臣
それでは、会議に先立ちまして私の方から一言だけ挨拶をさせていただきますが、本日は第14回目の中小企業政策審議会・基本政策部会合同会議ということで、委員の皆様方には大変お忙しいところ、しかも遠路はるばるこちらまでお越しをいただいている委員もいらっしゃるわけでございまして、御協力いただきましたことを心から御礼申し上げる次第でございます。
笹山喜市委員でございます。
この会議の重要性を考えますと、枝野大臣が来まして皆様方にお礼を含めてのご挨拶をするのが筋かと思っておりますが、今、非常に国会の方が険しい状況の中でありますので、どうしても大臣から皆さんにご挨拶することができませんので、変わりまして副大臣の私、牧野が対応させていただきますが、その点は是非とも御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
本日の主な議題は、中小企業政策審議会の平成23年度の各部会の活動報告と、約半世紀にわたり国民の皆様に中小企業の実情や課題を示している、中小企業白書のことになるわけでありますが、皆様方のお知恵といいますか、英知が今、日本の中小企業に蘇生にかかっているわけでございますので、どうぞ熱心な忌憚のない御意見を是非とも展開をしていただければ大変ありがたい。こういうふうに思います。
私は時々皆様方の前で、自分のことを言って恐縮なんですが、私は八百屋の小僧で親父が八百屋なものですから、八百屋をやりながら25才から市会議員をやって県会議員をやって今、国会議員になっているわけですが、県会議員が終わるまではずっと市場も行って八百屋をやっていたんです。ですから中小企業とか商店街のことは、私どもはライフワークの1つなんですけれども、この白書は関係者、名だたる企業の皆さんとか中小企業とか商店街の皆さんだけではなくて、県庁とか市役所の職員さんみんな読んでいます。学生、地方議員もことあるごとに本屋に行って、意外と本屋に置いてある部数が少ないものですからすぐ売り切れてしまうんだけれども、みんなこれを一生懸命勉強して中小企業政策あるいは地域の経済のために活かそうと頑張っていますので、そういう意味では日本の経済を心配している、あるいは実際に仕事をしている人たちが、この白書というものをいかに参考にしているかということを、是非とももう一度御記憶いただきながら議論をお進めいただければ大変ありがたいと思っております。
本当にお忙しいところ御出席いただきましたことを併せてお礼を申し上げながら、冒頭の挨拶に代えさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。(拍手) -
間宮企画課長
牧野副大臣、ありがとうございました。それでは、これより先の進行は岡村会長にお願いしたく存じます。岡村会長、よろしくお願いいたします。 -
岡村会長
岡村でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、本日はまず平成23年度の中小企業の動向に関する年次報告の案について御報告いただくとともに、平成24年度において講じようとする中小企業政策案の2つについての御審議をいただくことになっております。双方とも中小企業基本法に基づきまして政府が国会に提出することとなっております。
それでは、まず平成23年度中小企業の動向に関する年次報告案につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。 -
小山調査室長
調査室長の小山と申します。
お手元の資料5~資料7を御用意いただければと思います。内容につきましては資料5で概略を説明いたします。併せて資料6、資料7について御参照いただければと思っております。
こちらの動向につきましては報告事項ではございますが、いただきます御意見につきましては今後の作業の中で十分踏まえてまいりたいと考えております。また、資料について十分な時間的な余裕を持って事前にお届けできませんでしたことと、本日いろんな議題がございますので、多少駆け足の説明になることをあらかじめおわびいたします。
資料6を1ページ開けていただきまして、中小企業の動向のポイントということで全体の構成をごらんになっていただければと思います。第1部は最近の中小企業の動向ということで、年次報告としての昨年度の中小企業の動向について触れております。
第2部は今回の中小企業白書の大きな中心の部分となっているところですが、今年のテーマといたしましては中小企業の潜在力について、震災復興における中小企業の潜在力の発揮であるとか、海外需要あるいは潜在需要の取り込みで強みを発揮している中小企業あるいは女性の事業活動を分析しております。
第3部は伝統的なテーマになりますけれども、中小企業の技術、経営を支える取組みとして、特に技術承継、経営支援について分析をしております。
概略を資料5に基づきまして御説明させていただきたいと思います。
1ページ左端にありますのは、青い線で折れ線になっておりますけれども、これは最近の中小企業の景況感の動きを示したものでございます。これを見ていただきますと震災後、景況感が落ち込みましたが、その後、緩やかに改善しているという状況でございましたけれども、直近になりまして改善の動きが鈍っていて、現在は横ばいの状況となっております。
上の段の真ん中をごらんになっていただければと思います。この背景にあります一番大きいものは、これまでの円高ということでございまして、直近になりまして80円台ということでやや円安の方に戻っていますが、昨年、一昨年を通じて想定為替レートを大幅に上回る円高が続いてきたということで、これが輸出を行っている中小企業だけでなく、コスト削減等の要請で内需企業にも影響を及ぼすという形で、大きな影響を及ぼしてきたということでございます。
この絵の中には触れておりませんが、本文等で原燃料価格の高騰が中小企業の収益を圧迫している状況。更にそれに加えまして資料5の右端になりますが、懸念材料といたしまして電気料金の引上げということがございます。この図を見ていただきますとおわかりになりますように、中小企業は大企業に比べまして電力の使用量が大きい。特に窯業・土石、プラスチック製品といった業種の中にはセメントあるいはガラス容器、プラ容器といったものを製造している中小企業が含まれていますが、こういった業種では特に購入電力量が多くなっているということで、こういったことが加わりまして、先行きに対する懸念もありまして、足元の景況感が悪くなっているということではないかと思います。
こういった厳しい状況の中にあるんですが、下の大震災からの復興ということで今後、中小企業が潜在力を発揮していくということで1つ触れておりますのが、震災復興の中での中小企業の役割ということで、左下を見ていただければと思いますけれども、東北地域のサプライチェーンの状況ということで鉱工業生産の動きを示しておりますが、東北地方の生産は震災で大きく落ち込みまして、その後、回復したんですけれども、夏以降は横ばい。最近になりまして素材産業の生産復旧あるいはコンパクトハイブリッドカーの生産の増加ということで、やや持ち直しているという状況でございます。
真ん中の段、東北地方の産業集積ということで、特に自動車産業と医療産業の集積が進みつつあるということについて、白書の中で分析をしております。左下、トヨタ自動車東日本株式会社の設立の動きという中で現地調達を増やしていく、あるいは中長期の人材育成をしていくということで、今後地元の中小企業が小ロットや短納期の潜在力を発揮して、地域経済の牽引力になることが期待されるのではないかということでございます。
内陸はこういった状況でございますが、右端に移っていただきまして沿岸部の状況でございます。こちらのグラフは今年1月に企業データベースにあります約5,000社に対しまして、浸水に遭った地域の事業再開の状況を調査したものでございます。これを見ていただきますと、津波の浸水地域で事業再開ができているのは7割に満たないという状況でございます。特に右端にあります水産加工業ではまだ半分も事業再開に至っていないという状況の中で、再開している企業でも大きく雇用を減らしているということで、非常に厳しい状況にあるんですが、下の囲みにありますとおり、こういった厳しい状況の中でもグループ補助金であるとか仮設工場といった支援策も活用いただいて、再起を図っている被災地の中小企業というものがございまして、これらは白書の中でいろんな形で紹介をしているところでございます。
2ページ、これは資料6で言いますと15ページ以降になっております。ここでは中小企業の海外展開ということで、今回は特に海外展開の現状、リスクあるいは課題というものについて、輸出と直接投資を分けて分析しております。左上の折れ線グラフと棒グラフを見ていただければと思います。中小企業の輸出企業の数と割合でございます。左上5,937ということで従業員4人以上の企業が対象になっているんですが、日本の中小企業で輸出を行っているのは約6,000社で、割合にしまして3%。
中段になりますが、これは直接投資を行っている企業の数なんですけれども、2009年右端で全業種になりますが、中小企業全体の中で5,630社ということで、中小企業420万社の中で占める割合は低いんですけれども、全体として拡大傾向にございます。
中小企業がなかなか海外展開できていない理由につきましては、本文等で触れておりますけれども、販路の問題でありますとか現地の情報の問題、資金の問題といったところがハードルになっておりますので、こういったことを乗り越えていく必要があるということでございます。
左側の真ん中に青い棒グラフがございます。こちらそういったハードルを乗り越えて海外展開をした企業の、海外展開の影響あるいは効果ということでございます。海外拠点を設けた前後での国内の雇用の動きを時系列で変化を見たものでございます。この青い折れ線を見ていただくとわかりますように、左側が海外展開をする前の雇用の状況でして、右側が海外展開後の雇用の状況ということで、これを見ていただきますとわかるように、海外展開をすることによって国内の事業が活性化されて、むしろ中小企業の場合ですと国内の雇用が増えている状況にございます。こちら2010年の白書で2000年を基準にして海外展開を行うことによって、その前後で雇用がどう変化するかのフォローアップ分析を行ったものでありますが、できるだけサンプルを増やして全体的な傾向を分析するということで、98年から2004年に開始した年を重ねてこういった分析をしております。
国内の雇用が増えている原因としましてはいろいろな要因があると思うんですが、真ん中の絵で示しておりますのは、国内と海外で事業の役割分担をすることによって効率化を図っていく。あるいは本文の中で触れておるんですが、海外の事業を国内からサポートするための人員を十分に確保する。あるいはこれはいろんな事例なんかでも出ているのですけれども、海外で取引先を新たに開拓することによって、国内でもその取引先との取引が始まるという形で、いろんな形で事業を活性化していることが現状の中小企業の海外展開の状況となっております。
左下、海外展開にリスクというものが伴っておりまして、輸出と海外直接投資両方に関して、事業環境面あるいは商取引面でのリスクについてアンケートを実施して分析しています。左下が企業が直面しているリスクということで、一番大きいのは為替の変動、次に経済情勢の変化ということでございます。
概要は19ページで少し詳しく分析しているのですが、中小企業の輸出のときに使われる通貨は円建てというのが多いのですけれども、円建てで取引することによって円高になったときに外国企業に比べて製品が割高になるものですから、そういった中でも海外展開を継続的にやっていくためには、自社の製品の差別化が必要で、現地向けの商品開発、研究開発を不断に取り組んでいくことが、海外展開を継続するためには重要ではないかということでございます。
右上に移っていただきまして、こちらは海外拠点のリスクでございます。為替変動というものがあるんですが、それ以外の部分ですと人件費の上昇、現地の人材確保、法制度等の不透明さということがございます。本文の中では国別にどういったリスクがあるかということについての分析をしております。中小企業はこうしたリスクを乗り越えて海外展開をしていくことが必要なんですが、乗り越えて海外の事業がうまくいったときの次の課題としては、海外で儲けたものをいかに日本に還元していくかということで、これはマクロ的にも非常に重要な視点になるんですが、右の真ん中のところに中小企業の視点で国ごとに資金還流について、どういった規制や障害があるかということでアンケートをとりましたところ、中国、ベトナム、インドネシア等ではいろんな意味でまだ障害があるということで、具体的に見てみますとロイヤルティの支払いについて認められなかったり、金額についていろいろなアクシデントが入ったりということで、こういった部分については二国間での話し合いの中でも十分に解決していく必要があるのではないかということでございます。
3ページ、成長戦略の中でも国内需要をどう掘り起こしていくかということで、今回分析しておりますのはある意味で質、量の両面で潜在力の大きい女性の事業活動ということで今回分析をしております。従来の白書の中では起業ということについてはいろんな形で分析してきているんですが、今回は特に女性の起業に注目しまして重点的に分析しております。
左側の中段を見ていただきますと、女性と男性の起業分野を比べてみますと、女性の場合ですと小売業でありますとか個人向けサービス業の起業分野が非常に大きく、成長が期待される分野での起業が大きいという現状があるのですが、左下を見ていただきますと、一方で男性に比べて起業家の数ということで言いますと半分程度ということで、この要因といたしましては資料6の中で少し詳しく分析をしているんですが、やはり比較的若い年齢で起業される方が多いであるとか、就業経験が男性に比べて短いとか、そういったことがございます。
そうしたこともございまして、起業時の課題あるいは必要な支援ということを見てみましても、男性と女性で比べると少し違った部分がございます。左側のページの一番下のところになるんですが、これを見ていただきますと経営に関する基礎的な知識であるとか、自分の事業のロールモデルになるような方々と同じような立場の方との交流の場が必要ということで、こういった部分は政策的な課題であると同時に、こういったところをソリューションビジネスとして新たに事業を生み出しているという契機としているような起業家もいまして、そういった方々に関しては本文の中で事例で紹介をしてございます。
右側のページは女性の就業でございます。就業状況を見てみますと女性の場合はM字カーブということで、育児とか家事が就業に影響している。潜在的労働力といたしまして342万人が存在すると推計されているのですが、過去8年間の男女の就業の状況を見ていますと、女性は全体として増えている中で、特に医療、子育て分野での女性の就業が増えているということで、女性の就業が今後重要になっていく中で、一番下になるのですけれども、女性の起業家が提供するサービスによって女性の就業する際の課題が解決されて、就業が促進される。あるいは就業した女性が起業するという形で、起業と就業の好循環が生まれてきているようないろんなケースがございますので、そういった意味でも女性の起業は重要ではないかと分析しております。
4ページ、最後になりますが、中小企業の技術あるいは経営を支える取組みということで、左側のページは中小企業のものづくり人材ということでございます。我が国の競争力の源泉であるものづくり技術を今後も支えていくためには、どういった課題があるかということを分析する必要があるんですが、アンケートをとりまして最近技術力が低下している理由を聞きますと、一番大きく挙げられるのが技術・技能承継がなかなかうまくいかないという中で、特に右側のグラフをごらんになっていただければと思うんですが、特に中小企業の中でもベテラン中心の企業ほど、なかなか技術承継がうまくいかないという現状になっております。
左下の円グラフについては、そうした中で若手をどうやって育成していくかということで、技術・技能の承継がうまくいっている企業とそうでない企業を比べてみますと、熟練技術のマニュアル化、IT化、OffJT、外部の研修等で人材育成をしているというところで、うまくいっていない企業との差が出てきているので、こういったところが重点的な取組みになるのではないかと思います。
右側の赤い棒グラフにつきましては若手人材の確保ということで、若手人材を採用できている企業がどういったことで採用できているかということを聞いているんですが、1つは景気の悪化によって大企業の求人が減っていることによって、自分の会社に来てくれているというところもあるのですけれども、大学、高校とのつながりを強化する、自社あるいはものづくりの魅力を伝えることによって若手を確保しているということですので、こういった中小企業の創意工夫といいますか、自助努力によって事業承継の問題を解決してきている部分というものがございますので、そういった創意工夫を活かしながらいろんな支援策を行っていくことによって、技術・技能承継をやっていく必要があるのではないかということでございます。
最後になりますが、右側の中小企業の経営を支える取組みということでございます。経営の課題といたしましてアンケートをとりましたところ、一番経営者が注力している分野といたしまして、営業力、販売力の強化あるいはここにありますように新たな顧客層の開拓ということでございます。
そのための手段として、いろんな経営課題に対して外部の専門家の助言を得ながら、そういった問題を解決していく必要があるということでございますが、本文の中では特に規模の小さい企業ほどなかなか経営相談ができていない、あるいは経営相談の効果を実感していないという分析もありますが、実際に経営相談している企業と、していない企業を比べてみますと、している企業の方が活気があるということで、さまざまな外部の専門家を活用しながら経営課題を解決していくことが重要ではないかということでございます。
?につきましては特に金融機関の経営支援について分析をしておりまして、現状では経営戦略の策定あるいは財務の改善という部分での取組みが多いんですけれども、今後、金融機関が必要だと思っている支援あるいは中小企業が金融機関に期待する支援としましては、ビジネスマッチングあるいは販路開拓という部分がございますので、こういった部分でも外部の機関と連携しながら、金融機関自身も経営支援として取り組んでいく必要があるのではないかということでございます。
少し駆け足になりましたが、私の方からの説明は以上になります。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、関連いたしますので、続いて平成24年度において講じようとする中小企業施策案について、これも事務局から説明をお願いします。 -
鍜治参事官
参事官の鍜治と申します。数分で御説明申し上げます。
皆様のお手元のこういう大きな白い冊子がございますけれども、こちらの311ページから簡潔に御説明申し上げます。
平成24年度、昨日予算が成立いたしましたが、何と申しましても東日本大震災に関する中小企業対策を講じることが第一でございまして、311ページに書かせていただきましたように資金繰り対策、具体的には東日本大震災の貸付けと緊急保証に関しまして予算規模882億円、事業規模0.75兆円の枠の確保をさせていただきました。
313ページ、大変地元の御要望も強い工場、商店街の復旧支援といたしまして、313ページの1ポツでありますけれども、いわゆるグループ補助金、集団で企業の施設復旧を行う際の補助金を24年度も500億円確保させていただいております。
2ポツでございますが、中小機構が整備をいたします仮設工場、仮設店舗の整備事業費も50億円確保したところでございます。
更に1枚おめくりください。次の柱が第2章で315ページですが、中小企業の下支え支援ということで資金繰りでございます。こちらにつきましても23年度の補正予算で大きな資金規模、20兆円以上の資金規模を確保してございますけれども、続きまして平成24年度、四角い枠の中に書いてございますが、セーフティネット保証5号に関しましては上半期について、全業種を対象業種として継続する措置を講じました。加えまして、先般成立いたしました中小企業金融円滑化法の1年最終延長と併せまして、金融庁とも連携し企業の再生支援を充実してまいりたいと思っております。
317ページ、中小企業税制に関しましては法人税の軽減税率を18から15に下げ、これは1.5%ほど震災関連の付加税が乗りますけれども、併せまして投資促進税制などを続けてまいります。
318ページでございますが、昨今さまざまなコスト増要因が引きも切りませんで、こういうことに関する下請け中小企業へのしわ寄せの懸念も高まっております。引き続き下請代金支払遅延等防止法の厳格な運用に努めてまいりたいと考えております。
322ページ、3つ目の柱といたしまして中小企業の潜在力活用ということでございまして、特に322ページに書かせていただいております経営支援の担い手の活性化に関しましては、後ほど御説明する新たな法的措置とともに、リレーションシップバンキングの充実でございますとか、経営支援の担い手の多様化に関連する人材育成措置などを新しく盛り込んでおります。
加えまして引き続き非常に重要な課題でございます、先ほども御説明がありました海外展開支援に関しましては323ページに書かせていただきますように、JETROや中小機構によるきめ細かな海外展開支援の事業などを、引き続き予算面からも充実してまいりたいと考えてございます。
最後に331ページでございます。商店街、中心市街地活性化。これがやはり非常に商店街、特に地域コミュニティの担い手としても大事だという認識を持っております。新しい新規の予算措置といたしまして331ページの2ポツがございますけれども、地域、商業再生事業に15億円を確保いたしまして、商店街におけるコミュニティ機能の充実による商店街自身の活性化をねらった新予算を展開しようと思っております。
極めて完結ですが、以上で御説明を終了いたします。 -
岡村会長 ありがとうございました。
それでは、ここで30分ほど時間をとりまして、皆様方からの御意見を承りたいと思います。時間の都合もございますので、また、たくさんの方々から御意見を伺いたいと思いますので、お一人2分をめどに御発言をいただければと思います。
それでは、澤部委員、どうぞ。 -
澤部委員
経団連の中小企業委員会で委員長を務めております澤部と申します。
白書について希望といいますか、2~3コメントさせていただきます。
1つは白書の構成に関することでございますが、前段の中小企業の動向に関する分析については例年どおり非常に詳しく、また詳細になされて非常にいいなと思うんですが、先ほど御説明になった後段の講じようとする中小企業の施策の方ですけれども、分析との関連が明確ではないというか、薄いのかなと思います。是非分析と施策の連動性を高めていただいて、次回はわかりやすいような形にしていただければいいのかなと思います。
2つ目は分析の内容に関してですが、今回の中小企業白書におきましては海外展開でかなりのページを割かれております。アジア並びにその他の新興国の海外の需要を取り込んでいくということは今まさに我々、企業の成長に欠かせないことで時宜を得ているわけでございますが、1点残念なことは、昨年とりまとめました中小企業海外支援大綱が今回の白書の中ではコラムでしか取り上げられていないわけであります。
大綱は昨年6月にまとめられたばかりでございますので、現時点で具体的な施策、評価等々についてするのが十分時間がなかったのかなとは理解できるわけでございますけれども、大綱は政府の実施する中小企業海外展開のベースでございますので、それに基づく各施策の実施状況あるいは効果をできるだけ分析、具体的に評価をいただきまして、白書に盛り込んでいただければありがたいなと思います。
最後にですが、先ほどお話がございましたように女性の起業支援は今回の白書に大きく取り上げられています。労働人口が減少していく中で女性の活力を生かしていく、論を待たないわけでございますが、一方で企業が直面している大きな課題は高齢者の活用がございます。2009年の審議会でも申し上げたことでございますが、キーマンが不足している中小企業と大企業のOBとのマッチングが、中小企業のいわゆる戦力の強化あるいは日本の技術の流出等に非常に効果的ではないかということで、中小企業における高齢者の活用の現状、そしてその課題あるいは大企業のOBとのマッチング等々につきまして、白書に今後盛り込んでいただければありがたい。
以上、希望を申し上げました。 -
岡村会長 ありがとうございました。
回答はもう少しお話を伺ってからにさせていただきます。
それでは、どうぞ。 -
眞中委員
労働組合の立場から2点ほどお願い方々したいと思います。
労働組合の仕事として今、労働条件の改善に取り組んでいるわけですが、その背景には業績の安定が不可欠だということから、下請取引の安定化に向けて、これまでも中企庁の方からは下請適正取引のガイドラインあるいは公正取引委員会からは、いわゆる優越的地位の濫用の指針が出ていますけれども、そういった上で23年度の報告を見ますと3,000件を超える相談が発生しているという報告がありますので、3,000件というデータが多いと思われているのか、あるいは少ないと思われているのかお聞きしたいのと、報告にありますように、これまでも説明会あるいは講習会を100回、200回という頻度でやられていますので、本年度も引き続きとなっておりますから、是非その点の充実をお願いしたいというのが1点です。
もう一点は、ものづくりの立場から人材の育成といいましょうか、確保といいましょうか、この中にはOBの皆さんに対する記載はありますけれども、実は我々労働組合の立場なんですが、厚生労働省から業界等が取り組む技能伝承活動の委託を受けていまして、組合費も使いながら工業高校を中心にいわゆる技能の伝承活動に取り組んでおります。ただ、費用もかかるもので3つの地域しかできていないというのが現実なんです。日本のものづくりをこれからも支えるんだという視点からすれば、やはりこの種の取組みは国家レベルの取組として全国に是非展開をいただくことによって、いわゆる技能の伝承活動を充実していただきたいというお願いでございます。
以上です。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、どうぞ。 -
小松委員
先ほど海外展開支援事業についての大変細かな御説明をいただきまして、全くそのとおりだと思います。
それに対しまして今回、中小企業の海外展開についてのオールジャパンということで、JETRO、JICAが連合して、総合支援をしてくださると書かれております。
そこで、現地で事業を営んでいる企業としては、その部分に現地での立場をもう少し深く考えていただきたいと思います。例えば中小企業の集積地のような形をとって、そこに日本の行政としての事務所を置いて、実際に事業の運営をする中での困り事を解決していく。小さな中小企業というのは現地に行くといじめられる一番簡単な存在で、大企業はそういう部分では余り現地の人たち、例えば税関職員とか税務署員が狙っていくことはないと思います。中小企業については何かにつけて現金を要求されます。ですから、その部分で中小企業の集積地として体制をとらないと、中小企業が頑張っても、何かにつけて苦労する状態です。中小企業が交渉できる体制をとってほしいと思います。
それと併せて品質管理という管理面においても、中小企業の支援として現地の人たちを日本に受け入れて教育するのではなくて、日本のコンサルタントないしそういう方々、日本の中小企業をまとめて指導するような人材教育というのを、現地に持っていっていただきたいと思います。企業一社一社の支援ではなく、もっと広い形で支援をしていただいた方が、効果があるのではないかと感じます。
中小企業のレンタル工場でやっている企業は同じような苦労をしております。それでも仕方ないという気持ちでやっているので、口には出しません。公表もしていないと思いますので、その部分を考えていただけたらありがたいと思います。
以上です。 -
岡村会長
ありがとうございました。
どうぞ。 -
西川委員
荒川区長の西川太一郎でございます。
実はERIAという組織がジャカルタに経済産業省の肝入りで、30億円もの巨費を投じて日本からトヨタの奥田さんが代表で行っておられるけれども、中小企業庁の西村君が事務総長で行っているわけでありますから、これがこの間、私が今、区長会会長を務めております23区区長会の総会においでいただいてお話を伺いますと、中小企業のオンリーワン企業と申しましょうか、その方々を国別に市場開拓のつてをつくってくださるという趣旨の御講演をいただきまして、今、東京で出荷高が一番多いのは板橋区でございます。2番が大田区。この両区を中心に是非いろんな国に産業の拠点を移すのではなくて、市場を開拓することによって、中小企業のメリットを広げていけるかということについての研究会を立ち上げているのでございますが、これは是非このたびの白書にもJETROさんにもお世話になり、JICAさんにも、前田理事長のところにもいろいろな意味でお世話になっていますが、できるだけそういう職種を広げてシンクタンクではあるけれども、そういう指導をしてくれるということを御紹介いただけたらと思いまして、あえて申し上げました。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、どうぞ。 -
鹿住委員
今日は1年生のガイダンスがございまして、遅れまして申し訳ございません。専修大学の鹿住でございます。
2点ほどございまして、遅れましたのでどなたかもうおっしゃっているかもしれませんが、震災復興の件で既存の中小企業さんの震災復興についてかなり白書の方で書き込んでいらっしゃっているんですが、現地の例えば被災をして失業された方というのがNHKの報道を見ますと12万人、自営業者も含めると20万人いらっしゃるということで、既存の企業さんの雇用増加だけに頼っていては、とても追いつかないような状況だと思うんです。
一方で創業による雇用創出というのは大きな影響がございますので、その辺り被災地での創業、それによる雇用創出、それに対してどういったサポートが必要かとか、どういった効果、成果があるのかといったことも、是非白書の方に書き込んでいただきたいと思っております。
NPOとか民間で大分現地のソーシャルビジネスも含めて創業支援が行われているようでございますので、そういった事例も含め少し書き込んでいただいて、今後の中小企業庁さんでの創業支援にもつなげていただければと思っております。
もう一点、後ろの方で女性の起業について大分ページを割いて分析をしていただいておりまして、大変評価をさせていただいているところでございますけれども、ここも表現あるいは内容等、分析について少し御検討いただきたいところがございます。
1点が138ページでございますが、下から2行目、女性の起業全体を平均値で見ると規模が小さい。あるいは比較的個人向けのサービス業等に集中をしているということはわかるんですが、ただ、2行目にございます家計に影響を与えないという文言。こちらはさっと聞くと、どちらかと言うと女性の起業というのは趣味の延長なのではないかとか、変な言い方ですが、女、子どものちょっとした思いつきではないかというようなイメージにも受け取られかねないと思います。
確かに創業時の創業資金、借入をしている企業さんは女性の起業家の場合少ないですが、勿論、業種の分野が例えば小売業とか飲食業とか、あるいは最近ですとITを使ったサービス業ということで、起業資金があまりかからない分野に偏っているというバイアスもあるでしょうし、借入に頼らず自己資金あるいは借入にしても家族、親戚からの借入といったことで、金融機関から借りていないといったこともあるかと思いますので、全体的な平均をとられて比較的小規模ということを踏まえているのであれば、特に家計に影響を与えないという表現は必要ないかと思います。
なぜ女性の起業が小規模か、あるいは問題点として経営知識等の不足というのが挙げられておりますが、そちらの分析をされる際に多少、女性の方が起業するときの年齢が若い、勤続年数が短いということが出ているんですが、実は勤続年数が同じでも管理職の経験とかプロジェクトリーダーの経験が女性の場合少ないんです。御存じのとおり管理職に占める女性比率、厚生労働省等の調査を見ましても係長クラスでも13%程度、部長クラスになりますと4.2%と非常に女性比率が低うございます。そういった管理職経験のない女性が起業するときに経営知識がない、マネジメント知識が不足しているということで支援が必要ということでございますので、分析の中で勤続年数が多少短い、あるいは男性とそんなに変わらないという記述があったんですが、そこだけではなくて起業直前の職位についても違いがあるということを、きちんと踏まえて分析をしていただきたいと考えております。
以上です。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほか、どうそ。 -
伊藤委員
日本電鍍工業の伊藤です。
今の鹿住委員に少しだけ関連するかもしれないんですけれども、女性の起業についてで、本当にいろいろな意味で環境も大分改善されてきているものの、どうしても起業というか経営を考えたときに、男性が経営をするというイメージですべての法律がつくられてきているような気がしまして、例えば1つ具体例を挙げさせていただくと、これから人口が減っていく中で女性がますます活躍しなければいけない。でも子どもも産んでもらいたい。しかし管理職とか経営というポジションになると、どうしても9 to 5では終わらなくて、それ以降のお付き合いであったり勉強であったり、勿論、仕事に関する動きというのが出てくる中で、子どもを誰が見るか。勿論、託児所とか夜遅くまでやっているところはあるかもしれませんけれども、夜遅くなるとやはり託児所まで迎えに行って、また起こして連れてくるというのは子どもにとってよくないので、ではベビーシッターさんを家に呼ぼう。そうすると3~4時間で1万円ぐらいかかってしまう。これは全部、今の法律で言うと個人が払うことになるわけです。 でも今後、今すぐは無理かもしれませんけれども、例えば会議費のように何か会社で少しコストを見ていただけるような法律ができるのか、もっと女性が活躍するためにどんな改善が必要か、改良が必要かというものを、実際に働いている女性たちの意見をもう少し掘り下げ、取り上げながら、さまざまなことを決めていっていただければと思いました。
以上です。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、お願いします。 -
鶴田委員
中小企業団体中央会の鶴田でございます。
東日本大震災からもう1年と1か月が過ぎたところでございますが、この間、私も何度か被災地に出向いてまいりました。その中で相互扶助、絆の力を活かしてという、復興に取り組もうとする中小企業の姿を多く見てまいったところでございます。
今年の中小企業白書の中にも同業者同士のつながりで、伝統工芸品の復興を目指す協同組合。これは白書の69ページにあるわけですが、地域内や地域を超えた企業との連携によるBCP策定、海外展開を目指す中小企業が連携する販路開拓、地域中小企業の人材確保、定着支援事業などの連携、絆の力を紹介していただいたところで大変感謝をしておるところでございます。本当にありがとうございます。
私ども全国中央会では組合の絆ルネサンスを合言葉に、被災地の中小企業と日本の経済の復興と組合の絆の再強化に取り組んでいるところであります。その取組みを加速化しまして、今年度も講じられた中小企業支援策を大いに活用させていただき、多くの中小企業が持っている潜在力を発揮できるよう、支援してまいる所存でございます。
私からは以上でございます。よろしくお願いします。 -
岡村会長 ありがとうございました。
それでは、もう一方お伺いいたします。 -
木村委員
要望になるかもしれませんけれども、中小企業の海外進出支援ということで、これからオールジャパンで新体制を確立するといわれておりましたが、たとえば単に海外での展示会を支援するとかいうことだけでなく、情報技術をもっと活用した支援が可能なのではないでしょうか。たとえばテレビ会議システムも随分活用が進んでおりまして、民間企業なんかはほとんど海外の支店とテレビ会議でつないでおられて、あたかも同じオフィスにいるような環境を整備されておられます。しかし中小企業にとってそういうインフラ整備はまだハードルが高いと思われます。ひとつの事例ですが、JETROさんは各国に事務所を設けられており、現地に深く入り込んで様々な活動をしておられます。JETROの各事務所にはテレビ会議システムも整備されているようですので、中小企業さんが活用できるような工夫ができないでしょうか。具体的には事前相談とか、あるいは情報提供とか、これから国を上げて支援をしていくということであれば、もっと情報機器をツールとして活用していくということをご検討いただければと思います。意外に低コストでいろんな活用が可能になると思います。少し要望になりますけれども、発言させていただきました。 -
岡村会長
ありがとうございました。
高橋委員、どうぞ。 -
高橋委員
今回の白書の女性の起業なり、海外進出の分析も大変興味深く拝見しておりました。
大震災からの復興と中小企業の役割のところで、本文はまだ拝見しておりませんが、基本的には東北の皆様方が大変な思いをされたので、その地域にフォーカス当てての分析だと基本的には思うわけでありますが、実は北海道含めて全国の中小企業もこの震災の影響を受けております。勿論、若干のプラスもございますけれども、マイナスの方が大きいと思っておりまして、例えば北海道では観光業が風評被害、とりわけ外国からのお客様が激減しまして、大変大きな影響が出て、観光関係というのは中小企業者がいっぱいいまして大変な思いをしたわけであります。
勿論、地域としての東北に注目した分析というのもよく分かるわけでありますが、こういった全国の中小企業の立場から見た大震災の影響などについても触れておられるのかどうか、あるいはその辺りがわかればお教えいただきたい。
もう一つは、施策のところで御説明がございました商業支援でございます。このことは私ども地域にとっては大変切実な問題になってきておりまして、単にと言ったら坪井会長に申し訳ないのでありますが、商業の売上を増やすとか、そういうことではなくて、まさに過疎化、高齢化が進んでいる、道内なんかは広大な中での179市町村の現状は、まさに地域のにぎわいづくりそのものが商業振興という意味でございまして、私どもは普通の住民の方々だけではなく、高齢者の方、障害のある方々、大変数が少なくなっている子どもたちなど、いろんな人たちが集う場というもの、町の顔をいかに作っていくかというような、そういった意味で商業支援を我々地方としてもやらせていただいているところでありまして、どうか高齢社会、過疎化社会の中における商業政策の位置づけを、もっとレベルが高い社会政策的なものになってきているという地域の声も是非聞いていただいて、そんなものは白書でやったということであれば、それはそれなんでありますが、今日的な課題として改めて捉えていただければと思います。
そして、私どもは地元の道としての単独条例を、商業について3月に作らせていただいたわけでありますが、その中では大きなお店の出店のところの調整というよりも、撤退の方がより深刻であります。過疎化あるいは商業の大きな目玉がすっといなくなるのは自由でありますので、ここについて一定のルールというものを導入しようということで作っているところでありまして、そういったことも含めて商業振興というのは単に中小企業の経済政策だけではなくて、もっと深いものがあるということを是非御理解いただければと思います。
以上であります。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、申し訳ございませんが、御意見はここで打ち切らせていただきまして、今いろいろ御提起いただいた問題について、事務局から回答していただきたいと思います。
いろいろなな御意見を伺いましたけれども、まず海外展開に関わる問題で、これは昨年度も冒頭澤部委員から話がございましたように、白書に関わる大きな問題と個別の問題でたくさん御指摘をいただいています。海外展開に対して集積地をつくって、そこで政府が主導するような施策をとったらどうかというお話もございました。
西川委員からは市場開拓を進めるためのJETRO、JICAとの協力をどうするのか。テレビ会議等でJETRO、民間に開放してやったらどうか。海外の問題に続いて震災の問題もございました。女性の起業に対して幾つか御質問いただいております。
最後に商業支援の問題について高橋委員からございました。その4つに分けて回答をしてもらいたいと思います。 -
小山調査室長
白書の記述に関連しまして、手短に。
先ほどいただきました海外展開につきましては、128ページでコラムという形で取り上げているんですが、これは従来から施策についてはコラムという位置づけになっております。ただ、白書の分析は今後の政策の概略の部分になりまして、今後の個別のいろんな対応というのは、ここをベースに進化していくということで御理解いただければと思っております。
ERIA等始め、いろんな事例については新しく調べるというのは難しいんですが、記述はできるだけやっていきたいと思っています。
全国の景況の状況につきましては、白書の紙面が限られている中で十分深掘りができておりませんが、我々と中小機構の方で四半期ごとに景況調査をやっておりまして、全体的な状況をそういったもので判断してまいっておりますので、引き続きそういった形で進めていきたいと思います。
女性の記述については、御意見をいただいているところがありますので、十分反映していきたいと思っております。 -
鈴木中小企業庁長官
ただいまちょうだいしました御意見で施策に関わるところで、最後の商業支援は牧野副大臣からお答えした方がいいかと思いますけれども、私ども全くそのとおりと思っておりまして、今回も新たな仕組みとして先ほど申し上げました新規の予算をわずかでございますけれども、講じてトライをしてみたいと思っています。地域コミュニティ、どうすればつながりが保てるのか。それを真剣に考えていかなければいけないと思っております。
海外展開でJETROのテレビ会議システム等の御意見を賜りましたけれども、これは私どももチェックをしてみようと思います。
海外展開で最初に言われました、中小企業の方が集積するようなところをつくったらどうかというお話がございましたが、実は私どもも中国、タイ、ほかのところといろいろと議論しておりますけれども、やはり出てきてほしいならばちゃんと集積ができるような貸し工場を作ってくれとか、そういう議論をやっております。
下請取引についても御指摘を賜りました。私どもやはり3,000件が多いか少ないかというところ、その評価はあえて避けたいと思いますけれども、なかなか下請取引法も使いにくいという点と、まだまだ意見を言うような雰囲気になっていないというところがございますので、今、下請けについては別途研究会を設けておりまして、どうすればいいのか、下請取引法の改正も含めて私どもは検討していきたいと考えております。
創業の仕組み、女性の方々にとって女性の起業と言っても仕組みそのものがなかなかできていないという点については、誠に申し訳ございませんが、後ほど御説明させますけれども、”ちいさな企業”未来会議というものを今、全国で行わせていただいておりまして、その場でも様々な御意見を頂戴しています。5月中にはとりまとめを行いたいと思っておりますけれども、その中で是非施策として反映をさせていただきたいと考えております。 -
岡村会長
ものづくりの人材育成について、政府からの支援を望むという意見が眞中委員からございました。 -
鈴木中小企業庁長官
ものづくりの人材育成について、私どもは実は補正予算でやりましたものが、最初インターンシップというものをやっておりました。このインターンシップもかなり有効で、1万5,000名の方をインターンシップとして派遣いたしまして、その結果、これは内定が取れていなかった人たちを出してみたですけれども、4割近い方が正職員としてできました。
今、行っておりますのは、その次の段階といたしまして、地域でこういうものづくりの人材をどういうふうに活かしていくのか。大卒、高卒、高専卒の方々がどういうふうに地域でものづくりの技術を伝承できるのかという施策を行っております。
ただ、今回の中小企業白書の分析で、その職場における訓練またさまざまのIT化、さまざまな標準化が有意義だということもわかりましたもので、このものづくり人材については施策体系を見直していきたいと考えております。 -
岡村会長 ありがとうございました。
それでは、申し訳ございませんが、白書と施策につきましてはこの辺で議論を打ち切らせていただきたいと思います。
それでは、23年度の中小企業の動向に関する年次報告の案及び24年度において講じようとする中小企業施策案について、細かな記述を含めまして私に御一任をいただきたいと思いますが、御了承いただけますでしょうか。(「異議なし」と声あり)
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
今の御発言の内容につきましては逐一記録にとどめておりますので、参考にさせていただきながら書き込んでいきたいと思います。
それでは、本審議会の下には各分科会及びそれに属する部会がございます。23年度の1年間に開催されました部会の活動状況につきまして、事務局から御報告をいただきたいと思います。
まず企業力強化部会について、お願いいたします。 -
鍜治参事官
資料8-1というワードの文書がございますが、こちらで御説明いたします。
企業力強化部会は、昨年3月に中小企業自らが勝ち残るための企業力を強化する方策を考えていこう。並びに地域経済の活性化について考えていこうということで設置をいたしました。本日も御出席の樋口美雄先生の下で部会をスタートいたしました。
実は発災直後に第1回を予定しておりましたので、これを6月に延期をいたしまして、6月から12月まで計6回、集中的に審議をいたしました。
内容は資料8-2に個別の会合の状況を書いてございますが、説明は省略いたします。本日もう既に出ておりますような海外展開、人材、商業活性化、これらについて幅広く現状の中小企業の企業力強化という観点で議論させていただきました。
この結果、12月9日に議論の内容を中間とりまとめということでまとめました。内容は3.に書かせていただいておりますとおり、中小企業の潜在力、底力を引き出すための具体的な方策といたしまして、経営支援の担い手の多様化・活性化、財務経営力の強化といった点、ものづくり技術基盤の強化、人材の確保・定着支援策、海外展開についての総合的な支援、企業成長に関する切れ目のない支援、先ほども御指摘がございましたとおり、地域のまちづくりの担い手としての商業基盤の強化。こういった御指摘をまとめました。
これを受けまして、大きく2つの取組が今、進んでおります。1つは法律の中で新しい担い手を活性化しようということで、後ほど御説明する経営力強化支援法案を今国会に提出中でございます。
先ほど御説明しました平成24年度予算案の中で、この企業力強化部会に関する論点に即した新規の予算の獲得、既存予算の充実強化を行ってございます。
御説明は以上であります。 -
岡村会長
ありがとうございました。
続いて経営安定部会について御説明をお願いします。 -
横尾経営安定対策室長
お手元にお配りしております資料9で御説明したいと思います。
経営安定部会につきましては、足立文彦委員に部会長ということで御就任いただいておりまして、23年度は1回開催しております。
審議事項は小規模企業共済制度に係ります、平成24年度の付加給付金の支給率ということで御審議いただきました。小規模企業共済制度といいますのは、個人事業主あるいは小規模な会社の役員の方々を対象といたしまして、あらかじめ掛け金をお納めいただいて、契約者が事業をお止めになったり退職されたりする場合に、事後の生活の安定を図るといったことを目的として共済金をお支払いするという制度であります。言わば経営者の退職金制度ということで運営してございます。現在、全国で121万人の方々に御契約いただいております。運営は中小企業基盤整備機構でございます。
本制度に基づく共済金の支払いに当たりましては、基本共済金ということで、これは予定利率が1%でございますが、これに加えまして制度の財政に剰余がある場合に、これを付加共済金ということで共済契約者に分配することが決められております。この付加共済金の支給率につきましては、毎年度経済産業大臣が審議会の意見を聞いて定めるという旨の規定が小規模企業共済法にございます。本件はこの法の規定によりまして、経産大臣から諮問をさせていただき、御審議いただいたということでございます。
御審議の結果といたしましては、23年度決算の見込み、今後の共済金の支払見込額を踏まえますと、類似の欠損金がこの制度にはございますので、即座にその決算金が解消に至る状況にはまだない。したがって、分配する財源がないということで24年度の支給率はゼロであることが適当という御意見、答申でございますが、いただいております。それが審議の結果でございます。
なお、この答申に基づきまして経済産業大臣が24年度の支給率をゼロと定めまして、3月21日に官報告示いたしております。
以上でございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。
続いて、経営支援部会についてお願いいたします。 -
丸山経営支援課長
続きまして、資料10-1、経営支援部会でございます。鶴田部会長の下で審議を行っていただいております。
資料をごらんいただきますと、平成23年度第1回の経営支援部会は書面審議でお願いをいたしましたが、毎年度中小企業経営支援計画を策定させていただいております。これは中小企業支援法に基づきまして国、各都道府県、中小機構それぞれの業務ございますけれども、それぞれの毎年度の役割分担、具体的な事業について計画にまとめ、これに基づいてそれぞれ協力、連携をして業務を行っていこうという位置づけのものでございます。
実は昨年3月に東日本大震災発災ということがございましたので、当初予算に基づく経営支援の内容だけでは不十分であろうということで、毎年度当初につくらせていただいておりますけれども、震災対応ということも含めてつくろうということで、9月の段階でそれらの事業も含めて昨年度は書面審議という形でお願いをしたところでございます。
続いて経営支援部会の下にあります第1回技術小委員会を開催させていただいております。詳しくはこの後、創業・技術課長から御説明をいたしますが、これはものづくり基盤技術高度化法に基づきます基盤技術の追加等々につきして、小委員会で御議論をいただいたところでございます。
第2回の経営支援部会は今、申し上げました技術関係の点についての御審議、御報告を書面審議させていただいていますということが1つでございます。
もう一つは議題(1)にございますが、地域産業資源の活用技術の促進に関する基本方針の変更についても諮らせていただきました。これは地域産業資源を活用した事業活動促進に関する法律について、地域分権、地方主権の関係でこの4月から既に法律改正をされております。中身につきましては基本構想というものを各県においてお決めいただく。それを主務大臣が認定するという形をとっておりましたが、この制度を廃止することになってございますので、基本方針につきましてもそれに従って変更をさせていただいているということでございます。
最後に括弧で書かせていただいておりますけれども、実はこの後、この会議に引き続きまして一部の委員の方々につきましては連続で恐縮でございますが、経営支援部会、今年度の第1回を開かせていただく予定になっております。平成24年度の中小企業支援計画についての御審議をお願いすることになっておりますので、よろしくお願いいたします。 -
佐藤創業・技術課長
引き続きまして資料10-1と資料10-2をごらんいただきたいと思いますが、技術小委員会での審議及びそのポイントだけ簡単に御説明させていただきたいと思います。
技術小委員会及び経営支援部会では、先ほどありました企業力強化部会の中間取りまとめを受けまして、技術に関わる指針の見直し、技術の追加を審議していただいた次第でございます。2つの技術の追加及び指針の全面見直しを御了承いただいたところであります。
併せまして技術開発のプロジェクトの最近の進捗状況について御報告をしたところでございまして、それが資料10-2でございます。この事業は戦略的基盤技術高度化支援事業という事業でございまして、中小企業で行う技術開発を国が支援するものでございますが、実際の評価は産構審の技術評価小委員会で行っておりますので、本中政審には御報告をしたということでございます。
簡単に中身を御紹介いたしますと、1ページ目をめくっていただきますと平成18年度から900億円弱、3年間で1億円の支援を行うというスキームでございまして、中小企業が行う中小ものづくり基盤技術(鋳造、鍛造、めっき)などの研究開発から試作までを支援するというものでございます。
2ページにありますとおり、5年間で約900億円、1,000プロジェクトの支援を行ってまいりまして、対象となっている分野が右側にあります分野でございますが、この分野に加えて今般、冷凍空調と塗装という2分野を追加するということを、先ほどの小委員会及び経営審議会で審議いただいたところでございます。
評価は3ページでございますが、目標が掲げられておりますけれども、研究開発目標として研究開発の達成度50%、事業化を5年後に50%達成しましょうという目標に対して、ほぼ目標を達成したということで御報告をさせていただいたところでございます。
4ページ、今後のプロジェクトに対して外部審査委員会のコメントとして極めて有効な制度であると高く評価する。また、本制度を強化し、長く続けることが必要であるという肯定的な御意見をいただくとともに、これからも多くの企業が使えるような様々な改善をしていただきたいという外部評価のコメントをいただいておりまして、併せて経営支援部会及び技術小委員会でも同じように多くの中小企業が活用できるように、是非お願いしたいということ。加えて、引き続きこのプロジェクトについて頑張ってもらいたいというようなコメントをいただいたところでございます。
後ろについては御参考でございますので、後ほどご覧いただければと思います。以上でございます。 -
岡村会長
どうもありがとうございました。
続いて、取引部会からお願いいたします。 -
桜町取引課長
取引部会における審議につきまして、御報告をさせていただきます。取引課長の桜町でございます。
資料11をご覧いただければと思います。中小企業のいわゆる民需の分野とともに官公需の分野につきましても、なるべく中小企業の受注を増やしていこうということで、官公需法に基づきまして毎年6月末をめどに、中小企業者に関する国等の契約の方針を閣議決定させていただいてございます。今年も24年度の契約の方針につきまして6月末の同時期に閣議決定をさせていただく予定でございます。
それに先立ちまして、取引部会におきましては村上部会長の下で、ちょうど先週になりますが、各委員の先生方の御意見をいただいたところでございます。さまざま御意見いただきました。契約の方針をきちんと今まで以上に地方に周知徹底すべきではないかなどいただきまして、こういった御意見をしっかり反映させ、今後、各府省と調整をいたしまして、6月末の閣議決定に持ってまいりたいと考えております。
以上でございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。
ただいま部会からの活動報告がございました。御意見や御質問がございましたらどうぞ御自由に挙手の上、御発言いただきたいと思います。どうぞ。 -
小野徹委員
全国中小建設業協会の小野といいます。
最後にお話になりました取引部会の方で、大変官公需法でお世話になっておりましてありがたいことだなと思っております。
ちょっとだけどういうことか、先日質問できなかったのでお話をさせていただきたいと思いますが、平成21年度の契約目標額は52.4%で、実績の方は53.1%で目標値よりやや上回ったと私は思います。平成22年度の目標は56.2%でしたが、実績は52.4%で随分下がりました。そこで平成23年度は平成22年度と同じく56.2%の目標を掲げられて、この結果はこれから出てくるわけですが、目標値と随分平成22年度下がってしまいまして、今年もこれからそういうことで目標を掲げられるわけですが、何とかこの目標値に実績が近づくように、何かお考えをいただいていればありがたいと思います。
以上です。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほかいかがでございましょうか。 -
笹山委員
中小企業診断協会の笹山と申します。
評価ということがちょっと出ましたんですが、例えば地域資源活用型事業があるわけですけれども、この評価が例えば新しい商品を開発して、その目標と売上げがどうだという評価をされるわけですが、地域資源と評価につきましては地域資源そのものの原料で売上げが上がるだとか、会社自体の売上げが上がるだとか、さまざまな効果があるわけですけれども、その効果測定について何かうまい方法というか、地域を応援するような形の評価。例えば物そのものが、例えばジャムが売れなくても、それによって周りの中小企業がそれに挑戦するという気概が生まれたり、そういうようなことがたくさんあるわけで、そこのところの評価は非常に難しいかと思いますが、ひとつお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほかいかがですか。 -
西村委員
大阪商工会議所の副会頭をしております、日本商工会議所の中小企業委員会の委員長を務めております西村でございます。
中小企業にとりましては、一番には資金繰りが基本でございますが、その次はやはり新製品を開発していくことが必要だと思っております。そういう意味では戦略的基盤技術高度化支援事業というのは、非常に心強いサポートだと思っております。単に技術で継承しなさいと言うだけではだめでございまして、何か目標があってそれにチャレンジするという意味で新しい技術が開発されますし、新しい人にそれをチャレンジさせることによって、その技術が伝承されるということでございますので、やはり何か目標をきっちり定めていくということが非常に大切なことだと思っております。
そういう意味ではこの高度化の制度というのは非常にありがたいことだと思っておりますが、ただ、金額的には中小企業は1つのプロジェクトは余り大きな金額ではないので、もっと数多く助成をしていただければ新しい事にチャレンジをしようと、中小企業も元気づけられるという気持ちがいたしております。
もう一つは、対象の分野が少し限られているような感じがいたします。もう少し幅広く対象の分野を広げていただければ、もっと幅広い中小企業が、より元気になるのではないかと感じております。
以上でございます。どうもありがとうございました。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほかいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。それでは、今、4名の方からお話を伺いましたので、それに対する回答を事務局からさせていただきます。 -
桜町取引課長
小野委員から官公需の中小企業の割合の目標と実績の関係につきまして、実績をきちんと積み上げるべきではないかという御意見をいただきました。全くおっしゃるとおりだと思っておりまして、官公需の契約の方針の中には、どうすれば中小企業がより受注しやすいか。様々な具体的なノウハウが各官署の会計担当官の目線で、随分様々書かれております。これが私どもがやっている実感では、まだまだ各発注官署に浸透し切っていないのではないかという感じがいたしておりまして、そこをまずしっかりやっていきたいと思っております。担当者も毎年変わったりするものですから、そういった状況も踏まえた上で、しっかりそれをやった上で、各会計の目線から見ますと効率的な発注ということが非常に大事だという意識が強いわけでございますけれども、その中でも中小企業を使うことによって、更に効率的な発注をしながらも品質の高い予算の使い方、調達ができるということをしっかり普及して、浸透させていきたいと考えております。 -
川田委員
大変厳しい環境が続いておりまして、その中で特に金融支援ということでいろいろと配慮していただいておりますが、その中で特にこのマル経でございます。これは非常に効果的で、中小企業の支援に最も効果的ではなかったかなと感じております。 -
岡村会長
ありがとうございました。 -
佐藤創業・技術課長
2点御質問がございましたが、1点目は評価のお話ですけれども、確かに評価は大変難しゅうございまして、今回は私どもの評価では売上げを中心にやらせていただきましたが、おっしゃるとおりさまざまな波及効果といいますか、例えば企業の皆さん、職員の皆さんが非常にやる気を出してやってもらっているとか、国のプロジェクトを採択したので非常に信用力が上がったとか、いろんな効果がございます。あるいは先ほどおっしゃられたとおり、自分自身ではなく周りへの波及効果、その辺も何とか測れないかということは、これからも少し検討を進めていきたいと思っておる次第でございます。
2点目の分野に非常に限りがあるのではないかということでございますが、今回そういう御指摘もあって2分野を追加したわけでございますけれども、これからもさまざまなニーズを踏まえながら、分野については引き続き検討を重ねていきたいと考えているところでございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほか御意見、御質問等ございますでしょうか。よろしければ、最後の議題に移らせていただきたいと思います。中小企業経営力強化支援法案と”ちいさな企業”未来会議について、事務局から御説明をお願いいたします。 -
間宮企画課長
お手元の資料12、A3のペーパーに基づきまして中小企業経営力強化支援法案の概要を御説明させていただきます。
正式名称はここに書いてある長い名称でございますが、通称、中小企業経営力強化支援法案と呼んでおります。
背景のところに書いてございますけれども、皆様ご存知のとおり中小企業の経営課題は非常に多様化、複雑化しております。グローバル化したり、あるいはファイナンス的な話しかり、そういった中で財務及び会計等の専門的知識を有する人、例えば既存の中小企業支援者、金融機関、税理士法人などでございますが、そういった方々に中小企業を支援していただくことを通じて、実際に事業計画の策定等を中小企業が行って、中小企業自身の経営力を強化していくことが非常に今、急がれる課題となっておるというのが1つございます。
もう一つ、先ほど来も議論に出ております海外の市場の取込と申しますか、中小企業の海外展開に当たりまして、実は海外の中小企業の現地法人が現地で資金を調達するのがなかなか難しい。先ほども現地での中小企業の信用度みたいな御発言がございましたけれども、そういった課題にどう対応するかというのがこれまた急務となっている。こういった背景に基づきまして、今般の法案では下の方に2つブルーの枠が囲ってございます。その右側に四角く図も書いてございますけれども、まずは中小企業を支援する支援事業の担い手の多様化、活性化をこの法案で図っていこうではないかというのが1つの柱。
2つ目の柱が、海外展開を伴う中小企業の資金調達を支援していこうではないかということで、大きくこの2つの柱からなってございます。
まず1本目の柱の中小企業を支援してくださる支援事業の担い手の多様化・活性化というところでございますけれども、この右側の下から2番目の箱、図にございますが、まず中小企業を先ほど話したような財務、会計等々の専門的な知識をもってサポートしてくださる方、例えば既存の中小企業支援者あるいは金融機関、税理士法人等でございますけれども、実際にこういった方々、中小企業の経営状況の分析、更には事業計画の策定、その計画の実施に至るまで、本当にきめ細かく支援をしてくださる方々を主務大臣、経済産業大臣と今のところは内閣総理大臣、金融庁長官になるかと思いますが、その認定をする。
そういった中小企業を支援してくださる機関を認定することによって、一番右側にありますのは、実際に中小企業に対して企業の診断、事業計画の策定及び実施に関するきめ細かな支援がなされる。そういった支援機関に対して中小機構による専門家派遣などの協力等々の支援策を講じることによって、認定、支援機関に対する支援といった措置を講じて、この中小企業を応援してくださる支援機関の多様化・活性化を図っていくことが、1つの柱でございます。
2番目の柱は、今まで親子ローンを通じた中小企業の海外法人に対する支援を今まで起こっておりました。親会社に対して資金を融資して、親会社が子会社に資金を送金するという形でございますけれども、しかしながら、例えば昨今では為替のリスクの問題、あるいは一部の国では送金規制があるといった問題。最近ですとタイの洪水なんかのときに工場を復旧したり人を改めて雇うときに、現地建ての通貨がどうしても急に必要になる。そういったときに現地の金融機関から資金を調達しようと思っても、中小企業の場合なかなか信用力がない。しかも海外の法人ということで、なかなか現地の銀行からお金を融通してもらえないといった状況を踏まえまして、長期の資金につきましては日本公庫がスタンドバイL/C、保証状を書く。あるいは短期の資金に関しては貿易保険をつけることによって、現地の金融機関から中小企業の海外現地法人が資金を調達しやすくするような仕組みを講じるということでございます。
なお、この海外展開に伴う資金調達支援につきましては、法律上も国内の事業基盤の維持をちゃんとやってほしいというような、国内事業基盤の維持に配慮といった明文で盛り込んでおりまして、言わば先ほどの白書でもございましたけれども、国内の事業拠点を活かしながら、海外市場を取り込んでビジネスを大きくしていくといった取組みを支援していければと考えるところでございます。
3月2日に閣議決定されまして、現在、国会に提出、審議を待っておる状況でございます。
以上でございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、続いて”ちいさな企業”未来会議につきまして御説明をお願いします。 -
鍜治参事官
資料13でございます。我が国の9割以上を占める非常に重要な存在、中小小規模企業の活性化を考えるために、特に青年層や女性経営者の皆様などの声をしっかり聞いていきたいという思いで、3月3日に発足をいたしました。枝野経産大臣、岡村中政審会長に共同議長を務めていただいております。3月3日の総会には110名を超えるメンバーがお集まりになりまして、野田総理も見学に来られました。
1枚おめくりいただきまして今後の進め方でございますが、3月3日の総会の後、ワーキングを既に1回行いました。地方では函館から那覇まで5か所で5つの地方会議を開催いたしました。今後も二十数か所で地方会議を開催予定でございます。6月にとりまとめと書いてございますが、先ほど鈴木長官も申しましたように、5月中にできるだけ大きな方向性が出たらよいかなと思っております。
出席された総会のコアメンバーリスト。本審議会の委員の方も複数名、さまざまなお立場で参画をいただいております。特に繰り返しになりますが、女性経営者の方、若手経営者の方、金融機関や税理士、公認会計士といった支援機関の方々、勿論、商工会、商工会議所関係者、県庁、金融機関の方々にも御参加いただいております。
最後の方にこれまでの1回の総会、5回の地方会議の声を非常に簡単に集約した資料を付けさせていただいております。2~3御紹介いたしますと、やはり中小企業政策がやや画一的ではないか。小規模企業の多様性、規模の小ささに対応した政策の在り方が必要ではないかという御意見でございますとか、先ほど出ておりました女性の問題に関しましては、女性が子育てなどで企業社会から離れているブランクの対策あるいは商店街などに育児施設を盛り込むだけでも、大分女性の社会進出を支援することになるのではないかといった御意見も出ております。
更には創業から企業再生、成長、いろんな企業のステージに応じた資金調達の在り方、与信供与の在り方などの御意見。ビジネスのマッチングや企業同士の連携を促進するような支援の在り方の御意見、下請けなどの取引の適正化を更に強化してほしい。更には予算の執行でございますとか、申請文書の煩雑さでございますとか、私どもの行政の対応に関する工夫を要求する御意見も多数頂戴しております。こういったものを更に声を聞かせていただきながら、とりまとめに向けて進めてまいりたいと思っております。
以上でございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。
今の2つの点につきまして御説明をさせていただきましたけれども、御質問、御意見がございましたらどうぞ御自由に。 -
三神委員
ジャーナリストの三神でございます。
前半の女性の起業支援とも少し重複するのですが、今後の起業が期待される層として、最初のM字カーブの資料を拝見しますと、団塊ジュニアの一番人口の多い層になっております。、しかし、この層は就職氷河期とぶつかっているために貧困率が高くシングル率も高いと考えられます。そして第一子出産年齢が高齢化しておりますので、子育てと介護が重なる可能性があります。ここに更に起業もしてくださいということになると、実は非常にリスクが高く、資金調達も難しい。負担が1か所に集まる状況が現実ではないかと感じております。
労働力率の理想形としてスウェーデンとの比較がありますが、北欧一般ということで言いますと、どこも女性がある程度第一子出産年齢が高齢化しているという人口統計学に基づいて、起業のバックアップあるいは女性のキャリアアップを支援している背景があります。経産省の領域からは少し外れますが、横断的に他国の場合は出産を補助する生殖補助医療、医学的なサポート、子育てから離れている間、それまでのキャリアにもとづいた一定年収規模を補助するといった生活費部分の補助金に近いような施策と、先ほども”ちいさな企業”のところでお話が出ておりましたが、キャリアが断絶している間の先端的な知識をリカバーするための効率的な方法が確立されております。しかし現在の日本は、例えばハローワークのようなところは高度ホワイトカラー職向けの情報が非常に足りていない。対照的に挙げられるアメリカの場合であっても、夜学で修了証単位で先端分野を横断的に、しかもカスタマイズする形でとっていけるコースで随時、知識を更新できる教育政策も同時にバックアップ体制としてあるがために、人口増と起業率、あるいはキャリアをつなぐ。これらが連動して実施されております。
特に団塊ジュニア世代は現在40歳に差しかかっております。出産以前に貧困状態であり結婚もできないという状況です。おそらくあと3年以内にはこうした施策を実施しないと、最後の人口のボリュームゾーンが出産するチャンスをのがし、労働人口は歴史的に取り返しのつかない問題を来すと考えます。社会システムとして横断的な政策を願います。勿論、個別に経営のスキームをヒアリングで集めるという取り組みも重要ではありますが、例えば、起業を望まれても、そもそも女子大における学部構成が全くマッチしていません。文学部等を否定するわけではありませんが、経営学や、あるいはマーケティング、プロデュース業務、PR分野といった、女性の適性が比較的認められ、しかも労働拘束時間ではなくプロジェクト単位で対価を得られる分野の教育が整備されていないのです。昨今、短大から4大への変更申請が文科省に対して多々、見られます。大学が子どもの確保競争になっているためです。先ほどの医療政策などと並行し、教育政策と産業政策を横断させ、社会経済システムとして整備をしていただくことを強く、私も団塊ジュニア世代ということもありまして、非常にここを切実に感じておりますので、是非とも考慮に入れていただけたらと考えております。 -
岡村会長
ありがとうございました。それでは、どうぞ。 -
鹿住委員
今のに関連もするんですけれども、1点教えていただきたいのですが、こちらの中小企業経営力強化支援法案の中に、新しい支援者の認定の基準とか、あるいは養成の方法というのは決まっておりますでしょうか。
実は税理士さんに限って言うと、税理士試験の税法の科目免除を受けるために、例えば私どもですと商学研究科ですとか法学研究科といった大学院修士課程に入られて、それで税理士の税法科目に代える、修士論文等で税法科目に代えるという形で税理士の資格を取ろうとしていらっしゃる方は結構いらっしゃるんです。
私もそういう方を学生に抱えていまして、中小企業経営を教えるわけです。そうしますと税理士の資格をお持ちで、しかも中小企業のこともある程度わかるという方が養成できるんですが、ただ、全く試験だけ受けて税理士になられる方というのは、実際の顧客は中小企業さんが多いにしても、中小企業について知識を得る機会が余りないかと思います。その辺、先ほどのインターンのところでも出てきたんですが、大学の果たす役割というのはある程度あるのかなと、お役に立てることもあるのかなと思いまして養成方法とか認定の基準を伺った次第です。
もう一点、女性の起業について”ちいさな企業”未来会議について、実は私の仲間というか、個人的なグループで女性の経営者の方のグループとかあるんですけれども、何人かの方はこの”ちいさな企業”未来会議を傍聴されている方もいらっしゃるんです。その方の感想をお伺いしたことがあるんですが、やはり最近の女性の起業というのは非常に様々な分野ございまして、白書の事例にも出ておりましたけれども、子育て中の女性の方が子育てに必要ないろんなグッズを開発され、販売をする。そういったことについて、どうも支援者側が男性ばかりですと、そういった新しい市場ニーズというか顧客ニーズになかなか気づいていただけない、理解していただけないということもありまして、是非この中小企業経営力強化支援法に基づく中小企業の新たな支援者には、そういった新しい分野のビジネスにも精通した方、知識をお持ちの方、理解のある方、そういった方を是非育てていただきたいと考えております。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほか御意見ございますでしょうか。 -
西村委員
支援事業の担い手の問題でございますけれども、商工会議所は経営指導員をたくさん抱えております。これは、以前は国からの、今は都道府県からの補助金で相談業務にあたっているものです。そういう意味では基本的に我々今までやってきているという自負もございます。その上にまた、別の認定制度が必要なのかという点については、少し屋上屋を重ねるような感じがしないでもないなという気がいたしております。
経営指導員そのものは中小企業の経営全般的な問題については、かなり相談に乗れますが、実際に税法でより深くとか、例えばより深く法律問題をということになったときには、現在は大阪商工会議所の場合ですと専門相談の方々を用意しておりまして、その方と相談をしていただくような、スペシャリストを御紹介するという形になっております。
先ほども少しお話が出ていましたように、ゼネラリストとスペシャリスト、税法とか法律とか金融とか、そういういろいろなことがございますが、少し分けられた方がよいのではないでしょうか。分野に関係なく同じ認定をぽんと与えると、実際に相談に行ったときに、全般的なお話ができる人と、限られた分野だけでしか御相談に乗れない方とがおられることになります。中小企業にとって、相談に行く者にとっては非常に迷う問題になってくるのではないかという感じがいたしております。その辺はもう少し整理をしていただければ非常にありがたいなと感じております。
以上でございます。 -
西村委員
支援事業の担い手の問題でございますけれども、商工会議所は経営指導員をたくさん抱えております。これは、以前は国からの、今は都道府県からの補助金で相談業務にあたっているものです。そういう意味では基本的に我々今までやってきているという自負もございます。その上にまた、別の認定制度が必要なのかという点については、少し屋上屋を重ねるような感じがしないでもないなという気がいたしております。
経営指導員そのものは中小企業の経営全般的な問題については、かなり相談に乗れますが、実際に税法でより深くとか、例えばより深く法律問題をということになったときには、現在は大阪商工会議所の場合ですと専門相談の方々を用意しておりまして、その方と相談をしていただくような、スペシャリストを御紹介するという形になっております。
先ほども少しお話が出ていましたように、ゼネラリストとスペシャリスト、税法とか法律とか金融とか、そういういろいろなことがございますが、少し分けられた方がよいのではないでしょうか。分野に関係なく同じ認定をぽんと与えると、実際に相談に行ったときに、全般的なお話ができる人と、限られた分野だけでしか御相談に乗れない方とがおられることになります。中小企業にとって、相談に行く者にとっては非常に迷う問題になってくるのではないかという感じがいたしております。その辺はもう少し整理をしていただければ非常にありがたいなと感じております。
以上でございます。 -
岡村会長 ありがとうございました。
それでは、どうぞ。 -
川田委員
福井県商工会議所連合会の会長をいたしております川田と申します。
中小企業経営力強化支援法案について、今お話がありましたが、これまでの施策は資金繰りとか資金調達、人材、雇用など単発的な経営支援でしたが、このようにトータル的に支援をいただくことは、中小企業の問題が多様化している中で、非常に重要であり、是非進めていただきたいと思います。
海外展開もこれまでは大企業中心でしたけれども、先ほどの資料にもありましたように、中小企業の海外進出が非常に多くなっております。全体の7割が中小企業といった数字も出ておりまして、そういう面でも中小企業の海外支援を積極的に法律化していただくことについて、非常にありがたいのですが、この2ついずれにしましても使いやすい手続となるようよろしくお願いしたい。
もう一つ、”ちいさな企業”未来会議について、先般、第1回目を福井で開催いただきました。鈴木長官直々に御出席いただき、本当にありがとうございました。特に若手、女性の経営者を中心に、直接いろんな問題点あるいはこれからの考えなども含めまして、長官と直接お話できたこと、長官からも非常に丁寧に対応していただいたことで、大変好評でございました。
現場の実態、声を長官直々に聞いていただいたことは、我々も非常にありがたいと思っておりますし、こういう会議がまた地方の活性化や、モチベーションアップにもつながるのではないかと思っており、改めてお礼を申し上げたいと思います。
以上でございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。そのほかいかがでございましょうか。 -
三神委員
前段に少し関連しますが、海外進出を支援するときの情報収集の方法として、現時点で中小企業が関心を持っておられるエリアであるアジアが中心になっておりますけれども、商材によっては子どもを中心に、子供向け商品であるとか、まだ女性向けの製品が行き渡っていないところ、そして人口構造が日本と正反対のところ、かつ、宗教あるいは国のイメージといったところで日本が優位に立つところと戦略的に考えていくと、中東、北アフリカ、インドマーケットに対する情報収集と支援というものが実は非常に遅れております。これは中国、韓国勢のほうがむしろ積極的に開拓している。勿論米国企業も行っているという状況です。地理的に近いということもあってアジア中心になるのは理解できますすが、他のエリアに向く商材分野に関しては、並行して情報収集をするべきではないか。むしろ中小企業にとってはまずはアジアがリスクが低いわけですが、アジアはすぐに高齢化しますので、先行的に国側が情報提供するというような、長期的な戦略性もあってよいのではないかと感じております。 -
岡村会長
ありがとうございました。
そのほかいかがでございましょうか。よろしければ今までの未来会議と支援の方法に対する御意見に対して、お答えをさせていただきます。 -
間宮企画課長
まず中小企業経営力強化支援法案に関して幾つか御質問等いただきましたので、お答えさせていただきます。
まず基準とか申請方法という話でございますけれども、法律ではこういった業務をやっていただきたいということで、経営の分析、中小企業の実際の事業計画の策定の支援、更にそれにとどまらず、それを実施するところのフォローのサポートまでやっていただける方を認定しますというふうになってございます。
実際の基準づくりというのは、これから法律に基づいて基本方針とか省令とか、そういった形で実際の基準をこれから詰めていくことになります。ですから、具体的な申請方法、特に申請はどこにすればいいんですかとか、更に細かい基準というものは勿論まだ定まっておりませんけれども、基本的には法律レベルではまさに財務とか会計の専門知識を有する方。そして、今の3つのことを少なくともちゃんとやっていただける方。更に逆に言うと、例えばそこから大体出てくる一般的な話としては、まず例えば知識、経験、実施体制をちゃんと継続してやってくれるところを認定する。逆に認定の申請について今のところ法律では特段何か規制と申しますか、この人だけをという話は受けておりませんので、まさにここに書いてあるようないろんな方々が手を挙げていただけるような仕組みにしたいと思っています。
先ほどのまさにスペシャリストの話、それから、川田委員からも海外展開とありましたけれども、まさに中小企業の立場に立って混乱がないように、あるいは使いやすいように、あるいは実際にやる気のある申請者の方をどういうふうに引き込んでいくか。詳細の検討に当たってはそういった観点を踏まえながら、実際の実施ですとか運用を考えていきたいと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
法案関係はとりあえず以上でございます。 -
鍜治参事官
未来会議関係で御指摘の中で、例えば女性の方、団塊ジュニアの方の就労や起業促進に関するさまざまな御指摘をいただきました。
文部科学省や厚生労働省との連携が必要な御指摘も多々あるかと思いますが、この会議を進めるに当たりまして関係省庁との協力を既に要請しております。しっかり関係省庁とも連携しながら対応策を講じてまいりたいと思っておりますし、女性向けの政策金融制度も既にございまして、お一人平均500万円ぐらいで既にこの十数年、二千数百億資金供与をなされていたと思いますが、こういう企業段階でのハイリスクなお金をどう出していくか、金融的措置あるいはエクイティを活用した措置なども含めまして、今、様々な御意見をいただいており、考えてまいりたいと思っております。
また、御指摘の中で女性にはやはり女性の視点という御指摘もあったかと思いますが、こういうこととの関係でも、企業経営者同士のネットワークでございますとかビジネスマッチングを是非促進してくれという御指摘も多々未来会議の中でいただいておりまして、こういう問題も考えてまいりたいと思っております。
海外展開に当たっての新しい新興マーケットについての取組みに関しましても、昨年6月、今年3月と海外展開支援会議、枝野経産大臣の下で関係省庁と一緒に連携体制を強化してきております。特にJICAでございますとか、さまざまな関係機関のツールをフルに活用いたしまして、新しいマーケットについての情報も収集してまいりたいと思っております。 -
岡村会長
ありがとうございました。
本日予定をしておりました議題はこれで終了いたしましたが、もう一つ御意見等ございましたら、どうぞ御自由に御発言いただければと思います。 -
三神委員
何度も申し訳ございません。退職される技術者の方と中小企業とのマッチングのお話が出ておりましたが、今年はちょうど団塊世代の、2007年に大量退職するはずだった方々が定年延長により今年一気に出てこられる。そして大企業の早期希望退職が、残念なことですが、募り始める動きが各所で出ており、相当数の技術者が社会に輩出されることが予測されます。この策として、特にマッチングのときに、これは是非ともデータベースのメタデータのつくり方をかなり慎重にやっていただきたいのですが、所属していた業界あるいは役職名だけではマッチングは成立しません。
専門の領域を考慮したとしても、どういう製品の担当だったかより、新産業の創出においてはむしろもともとどの学術分野に近いのか、というカテゴライズになります。例えば電池ひとつをとっても、従来とは違化学や製薬業界の方というような、全く違う専門分野の方がお入りになることで、むしろイノベーションスピードが速くなる事態が起きております。マッチさせる相手の業界の先端事例のヒアリング、一体どういう領域の方がおやりになっているのかということをかなり丁寧にやっていく必要があります。また、初めから正社員というマッチングは中小企業の今の経営状態では非常に難しいため、複数の専門領域の方3~4人を組ませて顧問契約から始めるといった、グレードを設けた実効性のあるマッチングシステムを、是非ともおつくりいただけたらと思います。 -
岡村会長
ありがとうございました。
是非今後の政策に反映させていただきたいと思います。では、どうぞ。 -
坪井委員
私は商店街の坪井でございます。今日は牧野副大臣もお見えでございますし、一番御理解いただいている副大臣でいらっしゃいますから、今日は黙って名古屋に帰るわけにはいかないものですから、一言だけ申し上げていきたいなと思います。
商店街を取り巻く環境は依然と厳しゅうございまして、長官もいろいろ御支援をいただいているわけでございますが、相撲で言うと死に体でございまして、体は土俵の中には残っておるんですが、本当の体は外に出ているというのが現状でございます。
いろいろメニューを作っていただくことはいいんですが、先般も作っていただいたものに対しまして、これを活用するのにはいろんなイベントも当然ながらやりなさいと、非常にありがたいことでやらせていただくわけでございますけれども、最後、費用対効果というようなところがございまして、レジまで見せろと。ここまで税金まで使うなら、それなりの成果を上げなければいけない。本当にできるのかという話でございまして、当初は皆さん手を挙げてやらせてください、結構な政策でございますと言って申し上げておったんですが、いざレジを全部見せろと言われれば、みんな下げてしまったというのが現状でございます。
商店街というのは副大臣よく御存じだと思いますけれども、市町村でございますが、税が一番高いんです。これは固定資産税なんです。固定資産税は商業の一、二というので一番たくさん払っているんです。その上にいろんなものがかぶさってきておるというのが現状でございまして、その辺のところも十分にひとつ御理解をいただきたいなと。私は名古屋からまいったわけでございますが、名古屋の安定収入は固定資産税なんです。どこの市町村も大体そうだと思うんですけれども、今は景気が悪いものですから45~46%の固定資産税なんです。それの80%が要するに我々の商業一、二で払っているんです。
それで今回高い税を、私は声が小さいものですから何も申し上げませんけれども、税の一体改革だということで、当然ながら将来の日本国をかんがみれば消費税の値上げだというお話でございまして、それは頭ごなしでだめだと言っているわけでもなくして、現状でどうかなと申し上げているわけでございますが、決して我々の零細小売商業者は協力をしないということはまさしくないわけでございまして、本当にいろいろ協力をさせていただいているということでございます。
その点も含めて先般の24年度の予算は副大臣に頑張っていただいたものですから、我々もありがたいなと思っているわけでございますが、あれでは焼け石に水というところもございまして、我々が払ったものぐらいは返してもらいたいというぐらいの気持ちがございますが、是非ともそこら辺のところをお願いしたいなということと、商店街頑張れというようなお話もございますが、頑張っておるんですけれども、今、一生懸命頑張ってもネット販売というのが非常に盛んでございまして、売上げは6兆円減にあるんです。それでまちづくりという観点から御協力いただいているかといったら、一銭たりともいただいていないというのが、要するにいろんな税はいただいていると言えども、我々が支払っているものについて固定資産税1つも大きな金額を払わなくてもいいわけでございますから、そういうところも非常にアンバランスなところがあるのではないかと思っておるわけでございます。
さらなる御支援をしていただいて、今回の大きな増税になりますと4~5%の商店街は崩壊するということを既に言っておりますし、大変な状況に追われているなと思っております。どうかひとつ、そこら辺のところを踏まえて長官一生懸命頑張ってやれと言って旗を振っていただいていますけれども、私もお話を聞くんですが、そのようなところでございますものですから、副大臣よろしくお願いを申し上げたいと存じます。ありがとうございました。 -
岡村会長
どうもありがとうございました。
それでは、時間がまいりましたのでここでまとめに入らせていただきますが、まず長官から一言。 -
鈴木中小企業庁長官
大変貴重な御意見賜りまして、また、さまざまな観点から御意見を賜りましてありがとうございます。大企業の方のOBとか、さまざまな技術を持った方をどういうふうに活用していくかということも、重要な観点と思います。
ただ、私どもが考えておりますのは、今の若者、これだけ就職難でいろいろな面で苦しんでいる若者、この人たちにまず希望を与えたいというのが私どもの希望です。したがいまして、財源に限定があれば何を優先するかとなりますと、私どもは若者に希望を与えるような政策に重点を当てたいと考えております。
これからも”ちいさな企業”未来会議を様々なところで行わせていただきまして、御意見を賜りますので、さまざまな御意見をお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 -
岡村会長
ありがとうございました。
それでは、牧野副大臣からおまとめの言葉をいただきたいと思います。 -
牧野経済産業副大臣
本当にお忙しいところお集まりをいただきまして、長時間にわたりまして熱心に議論をしていただき、ありがとうございます。
今日お集まりの委員の皆さんは、平素現場で活動されているわけですし、また、研究されているわけですから、そういう中から生まれた考え方といいますか経験に基づいた考え方、本当に血の通ったリアリティのある御意見だったなと本当に感銘しております。
皆様が出されましたいろいろな御意見、提言あるいは批判だとか疑問だとか、そういったものを一つひとつ大切にさせていただいて、これからの中小企業政策、商店街政策等に必ず活かさせていただきたいと思っております。
鈴木長官は優しい人ですので、多分皆さんの言われたことを本当に真剣にいつも受け止めて、一つひとつ反映させてくれると思っております。
私ども政務の方はもう少し粗っぽいものですから、長官にも言うし大臣とも話をしているんですが、本当にこういうときに政治のできるものは一体何かと言うと、突き詰めていくと金は出す、情報も出す、こうしてみんなと意見交換をする情報交換の場をつくる、規制緩和をする、そしてできるだけ大勢の皆さんのやる気を出してもらって頑張ってもらえるようにしていこう。全国回っていますとやる気はあるけれども、能力がない。その反対に能力はあるけれども、やる気がない。いろんな人がいるものですから、そういったところに行ってしっかりと支えていくという姿勢を示して、皆で頑張ってもらえるようにしていけばいいのかなと思っております。
あちこち回って集約すると、今のところ資金繰りと経営相談というものが非常に切実な問題だなというのもありますし、高度経済成長が終わって新しい時代になったときに、その中で迷っているというのもよくありますので、次なる時代に向けてどういうふうにしたら中小企業も商店街もよくなるのか。そんなことをしっかりと我々の方も提言し、指導できるように頑張っていきたいと思っております。
引き続き皆さんの御指導をくださいますように、心からお願いを申し上げまして、最後のお礼の挨拶にさせていただきます。本当に今日はありがとうございました。 -
岡村会長
副大臣、どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして中小企業政策審議会・基本政策部会の合同会議を閉会とさせていただきます。御協力いただきましてありがとうございました。