中小企業政策審議会小規模企業部会(第1回) 議事録 |
平成13年2月2日
中小企業庁経営支援課
日時:平成13年2月2日(金)
場所:富国生命ビル(28F)第2会議室
○事務局(真鍋小規模企業参事官)
それでは定刻になりましたので、ただいまから中小企業政策審議会第1回小規模企業部会を開催いたしたいと思います。私、事務局を務めております中小企業庁小規模企業参事官の真鍋でございます。
まず初めにお手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。席次表のあと、配付資料一覧という紙があろうかと思いますけれども、資料1の議事次第から始まって資料6、第6回小規模企業政策小委員会、昨年暮れの委員会でございますが、それの議事の概要が配付されていようかと思います。どうぞご確認ください。
それでは本日の議事でございますけれども、確認させていただきたいと思います。お手元の資料1でございます。議事次第というのがあると思いますけれども、まず初めに、きょう、小規模企業部会の第1回でございますので、小規模企業部会長の互選をいたしたいと思っております。その次に3でございます。昨年暮れの中間とりまとめにつきましてパブリックコメントにかけたところでございますけれども、その結果についてご報告申し上げたいと思います。それから4の商工会組織に関する制度整備についてということで、とりまとめに向けてのご審議をお願いいたしたいと考えております。 日時:平成13年2月2日(金)場所:富国生命ビル(28F)第2会議室
以上、議事次第でございます。
続きまして、小規模企業部会の委員のご紹介をさせていただきたいと思います。ご承知のとおり、先般の中央省庁等改革に伴いまして、国の審議会につきましても整理合理化がなされました。その一環といたしまして、中小企業政策審議会についても再編が行われたところでございます。その再編に関しましては資料2でございますけれども、中小企業政策審議会の体制という表があろうかと思います。このような体制になっております。その中の中小企業経営支援分科会の中に本日、開催されております当部会、小規模企業部会が属していると、こういった体制になっているところでございます。
また、これに伴いまして新しい審議会の委員につきましても任命が行われまして、小規模企業部会の委員といたしましては資料3でございます。資料3にございますとおりの委員の方々のご指名がなされたところでございます。
それでは本日、お集まりいただきました委員の皆様のご紹介をさせていただきたいと存じます。まず井上裕之委員でございます。上野和彦委員でございます。大友晶雄委員でございます。金子和夫委員でございます。木下博生委員でございます。鯉江盈委員でございます。都村忠弘委員でございます。それから柏木武美委員の代理といたしまして、八並行橋市助役にご出席いただいております。佐伯昭雄委員の代理といたしまして、原川全国中小企業団体中央会企画部長にご出席いただいております。橋本昌委員の代理といたしまして、福田茨城県商工労働部次長にご出席いただいております。あと、関根重男委員と南条俊二委員につきましては、本日、あいにくご都合悪く、ご欠席ということになっております。委員の皆様方におかれましては、ご多忙中にもかかわらずご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
続きまして議事の2でございますけれども、中小企業政策審議会令第6条第3項に基づきまして、部会長の互選をお諮りいたしたいと存じます。どなたか、ご推薦はございませんでしょうか。金子委員。
○金子委員
今までございました小規模企業政策小委員会におきまして、小委員長として、主としてとりまとめに当たられました上野委員が最適ではないかと考えます。したがいまして、上野委員を新しい部会長としてやっていただければとご推薦いたします。
(「異議なし」の声あり)
○事務局(真鍋参事官)
ありがとうございました。それでは異論もございませんようでございますので、上野委員に部会長をお願いいたしたいと存じます。上野委員、恐縮でございますけれども、部会長席の方へお越しいただければと思います。
○上野部会長
皆さんからご推薦いただきまして、前回の小委員会から引き続き、とりまとめ役をさせていただきたいと思います。どうぞ、活発なご意見をいただくとともに、審議の円滑化にご協力をよろしくお願いいたします。
次に、中小企業政策審議会令の第6条第5項において、部会長の代理について、部会長の指名によるところとなっておりますので、木下委員に部会長代理をお願いしたいと思います。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
それでは、本日、中村中小企業庁長官においでいただいておりますので、ごあいさつをよろしくお願いします。
○中村長官
おはようございます。中小企業庁長官の中村でございます。
中小企業政策審議会につきましては、最初に事務局からございましたように、省庁再編に伴いまして、新しい体制の下で、今回は第1回の小規模企業部会でございますが、ご承知のように、昨年からご審議をいただいていたわけでございます。先日の中小企業政策審議会でも近々とりまとめをいただくということでご案内をいたしまして、いろいろご意見をいただいたところでございます。今回、とりまとめをいただきまして、中小企業のために、ニーズに合った商工会活動をしていくためにどうしたらいいかという観点からご審議をいただいてきたわけでございます。そのために、私どもは商工会の広域化を図るべきであろうという観点から今後、例えば商工会の合併を促進するための手続規定等を設けた法改正をいたしたいと考えているわけでございます。
この法律につきましては、このとりまとめを踏まえまして、国会に提出して成立を図りたいと考えております。本日はぜひ、忌憚のないご意見をいただきまして、いただいたご意見を法律に反映させて、その成果を上げたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。本日は大変お忙しい中、ご出席をいただきまして、ありがとうございました。
○上野部会長
どうもありがとうございました。
続きまして、中小企業庁の紹介をお願い申し上げます。
○事務局(真鍋参事官)
それでは私の方から中小企業庁からの出席者をご紹介させていただきます。あいさつさせていただきました中小企業庁長官の中村でございます。中小企業庁次長の羽山でございます。中小企業庁経営支援部長の鈴木でございます。経営支援部経営支援課長の近藤でございます。私、小規模企業参事官の真鍋でございます。経営支援課課長補佐の山澄でございます。商業課の開出企画官でございます。それから商工会議所の主管部局でございます経済産業省の経済産業政策局から商工会議所専門職の上山でございます。
以上でございます。
○上野部会長
ありがとうございました。
それでは早速審議に入らせていただきます。
本日は既にご案内のように、昨年の12月21日の小規模企業政策小委員会でとりまとめていただきました中間とりまとめにつきまして、皆さんのご審議をいただいて、当部会として本日、とりまとめを行えればと思います。まず、若干委員の方々も入れかわっておりますので、これまでの審議のまとめを私が2、3分やって、それで前回の中で論点になっているといいますか、いろいろご意見があった点についてご紹介をさせていただいて、その後、パブリックコメントについてご紹介をいただき、そしてとりまとめ案についてまたご審議をいただくというような順番でさせていただきたいと思います。
中小企業基本法が改正になった後の動きについては、既に委員の方々もご承知かと思います。特に一昨年の中政審、あるいは小規模企業政策小委員会において、中小企業基本法の改正に伴うさまざまな小規模企業政策のあり方についてご審議をいただいてきたところでありますけれども、その中でも特に商工会といいましょうか、地域に密着した形での商工行政のあり方について、どのようにしたらいいのかということで、商工会の中における小規模企業政策の実施の体制のあり方についてご議論をいただき、中でも商工会の広域化、あるいは合併制度についてのご議論をいただくという形で審議を進めてきたところです。商工会の小規模化、あるいは小規模化に伴うさまざまな課題があり、また一方で商工会を取り巻くニーズが非常に多様化しておりまして、それにもどのように対応するのかということが、この委員会の中でも議論されてきたところだと思います。
そこで、方法として広域化をする、あるいは合併するというような業務が出てきまして、その広域化、合併化の動きに対応して、都道府県商工会の連合会でも既にいろいろご検討されているところでもありますし、それからこの委員会の方向に沿いまして、各都道府県においてもマスタープランづくりを進めていただいているということで、合併の制度的な枠組み、いわゆる法的な整備をしておくということが必要だということで、この委員会の議論が進んできたところだと思います。
そこで、具体的に前回の委員会の中でもかなり議論になったのは、合併後の商工会の地区割りの問題について、いろいろご意見をいただいたかと思います。1市町村といいますか、1行政体の中で1商工会というのが極めて原則的なことでありますけれども、従来から1つの行政区域の中においても、その前の市町村合併によって幾つかの商工会が併存しているところがあります。今回もまた市町村合併の動きがありますけれども、それに伴って、1つの市町村の中で2つ、部分的に合併をしたいというようなことの動きも聞いているわけです。そのような商工会が出てきたときにも、どういう原則的な手続でやっていくのかということについて、部分合併の許容という問題について前回の委員会の中でも申し上げて、特例的な経過措置のさらなる特例として、合併後の商工会の区域の一部を地区とするような合併を認めるという方向でありました。ただ、その合併の仕方が、特例のまた特例でありますので、商工会の地区に隣接をしていること、それから合併によって十分な効果が上がること、それから市全体の商工業の発展に支障がないことということを原則にし、またこういう手続の担保として都道府県知事が、こういった商工会の設立の認可に関して関係市町村の意見を反映させるというような要件を考慮することが必要ではないかということについて、前回お示しをして、いろいろご意見をいただいたところだと思います。
そこで、特に中間とりまとめ案のうち、市町村の合併などがあった場合における区域の一部を地区とする商工会同士の合併について幾つかのご意見をいただいたと思います。南条委員から、「原則は1市町村1商工団体であり、今回の措置が市町村の廃置分合に伴う特例的な経過措置であるということであれば、その措置が本来のプロセスの途中のものであるということを書き込めないか」というようなご意見があったかと思います。商工会は、私としては自主的な団体であって、合併するかどうかということについてはそれぞれの商工会における商工業者の意見に基づいて自主的に判断をされるというのが基本でありますので、したがって、強制的に1市町村1商工団体というように明記をするということについても、一本化するのはかなり難しいのではないかということで特例的な措置をどのように講じるかということを考えなければいけないと。今回、整備する合併規定は特例でありますので、市町村の商工行政との整合性ということからみても不適当な場合もあり得ますけれども、部分合併については通常の設立要件の充足に加えて、例えば合併する商工会が隣接をしている、合併による十分な効果が上がることとか、商工業の発展に支障がないということを確認をしていただいておけば、改めて書き込む必要はないのではないかというように判断をしているところです。
それから小寺委員の代理の群馬県の池田参事からのご発言で、「合併については必ずしも隣接型の合併だけではなく、飛び地の合併についても認めてもよいのではないか」というご発言があったかと思います。近藤委員からも同じような趣旨のご発言があったかと思います。この発言に対して小池委員からは、「商工会については隣接地域を基本として、市町村行政の一環として考えていくことが必要ではないか。実際、商工会からは隣接していた方がスムーズであると聞いている」というご発言もあったと思います。それから小寺委員の発言に対する反論ではありませんけれども、金子委員からも「合併としてでき上がるものについて、不自然な形になるものは避けるべきだ」というご発言もあったと思います。後でお手元の議事録をご確認いただければと思います。
私といたしましては、地区割りの問題というのは商工会の活動とか商工会議所の活動をどうとらえるのかという問題でもありますし、商工会や商工会議所の活動がまさしく地域的な活動として地域的に一体感があって、その中から盛り上がってきて1つの団体がつくられるというようなことを基本に考えますと、非常に初歩的な、原則的なことからいえば、隣接しているというのはかなり重要な要素ではないかと考えています。飛び地というのは、従来の廃藩置県の時代に、どこか領地を飛び地化させるとか、行政的な論理というのも1つあるかと思いますし、経済的なものも、このインターネット時代に、ちょっと離れていても仕事がうまくいくのではないかということもありますけれども、商工会が総合的な地域の経済団体だというとすると、やはり法律的な、あるいは合併手続のための法改正の理念としましては、地域的なまとまりというものを大事にしていくべきではないかと考えているところであります。
そういう議論を、前回までにご意見をいただきまして、中間とりまとめを一応させていただきまして、そしてパブリックコメントを求めたところであります。後でまたいろいろご意見をお伺いしたいと思いますが、そういう議論の流れの中で、きょう、ご審議をいただくということになると思います。
それでは次に、パブリックコメントについての説明を事務局からお願い申し上げたいと思います。
○事務局(真鍋参事官)
それではパブリックコメントの結果、その後、とりまとめ案につきまして、資料4、それから資料5でございますけれども、事務局から説明させていただきたいと思います。
まず資料4でございます。中小企業政策審議会小規模企業政策小委員会中間とりまとめ・パブリックコメントの結果でございます。最初にどのような手法でパブリックコメントを行ったかということでございますけれども、昨年、中間とりまとめをいただいた翌日から1月12日まで通産省のホームページ、あるいは中小企業政策トピックス等に告知をいたしまして、電子メール、Fax等で意見を提出していただいたということでございます。その間に6通の意見が寄せられております。
意見の内訳等でございますけれども、送っていただいた主体別、機関別にみますと、団体からが4通、企業からが1通、行政からが1通ということでございます。またその6通の意見を内容別に、いろいろな内容が中に混ざっているものもございましたので、内容別に分類してみますと、おおむねこの9件ということで分類できるかなと考えております。広域化・合併に関するもの4件、経営指導員の設置定数に関するもの2件、補助金に関するもの、人材に関するもの、商工会の活動に関するもの、それぞれ1件ということでございます。それらのパブリックコメントの意見の概要、それからそれに対する事務局としての考え方でございますけれども、それらを今申し述べました内容別にまとめたのが2ページ以降でございます。
まず最初に (1)でございますけれども、広域化・合併に関するものということで、?でございます。合併規定の整備について、商工会法のみ整備するのではなくて、商工会と会議所の合併も視野に入れて、会議所法も含めて法整備が必要ではないかというご意見が寄せられました。それに対する考え方でございますけれども、商工会と会議所というものは、選挙権の行使、組織率等組織運営上の相違点、あるいはその事業面においても中小企業関係事業のウエイト等の違い、こういった差異がみられるということでございまして、こうした点を背景として、現段階においては両者の合併に関する特段の要望は寄せられていないということで、商工会と商工会議所の合併にかかる法整備、これを現時点で行う必要性はないものと考えているということでございます。
?でございます。商工会の広域化・合併は、「直接の当事者である商工会の自主的な取り組みに加えて、県連や全国連による指導・調整が不可欠」、このかぎ括弧の中は中間とりまとめの中に記述がございますけれども、行政指導でなければ混乱すると危惧するという意見でございます。それに対する考え方といたしましては、商工会はあくまでも自主的に設立運営がなされる組織であるということでございますので、その合併についても県連、あるいは全国連の指導のもと、自主的に取り組みがなされることが必要であるという考え方をとらせていただいております。
意見の?でございます。北海道のような広大な地区を有する市町村では、商工会が合併したとしても、結局はといいましょうか、旧商工会地区に支部を設置するので、中間とりまとめにあるような組織・事業の効率化、経費削減が図られるとは思えないという意見でございました。それに対しましては、支部等が置かれる場合があったとしても、人事管理の一元化による適正な経営指導員の配置などを通じて組織・事業の効率化、あるいは経費の節減につながる場合もあると考えられるということでございます。いずれにしましても、合併するか否かはおのおのの商工会における商工業者の意見に基づき、自主的に決定されるべきものであるという考え方をとらせていただいております。
3ページに移りますけれども、?でございます。商工会の合併については、各都道府県における市町村合併の進捗状況を踏まえて検討されるべきであると考えると。あわせて会員ニーズの多様化・高度化への対応や、事務局の効率化・合理化を、広域連携事業等の具体的推進、機能分担・強化の中で実現していく必要があるという意見でございます。それに対しましては、市町村合併に先行して商工会が合併するケースもあり得るけれども、ご指摘のとおり、市町村合併の状況をみつつ、商工会の合併を進めていく方法も妥当性を有すると考えられる。その際、ご指摘のとおり、合併以前の段階で商工会が広域的に連携をとって、効果的に事業を実施することは重要と考えられるということでまとめさせていただいております。
それから次の意見でございますけれども、 (2)経営指導員の設置定数に関するものでございます。それに関する意見の?でございますけれども、小規模で指導員の少ない商工会は事業実施能力においておのずと限界があるとはいうものの、例えばすぐれた経営指導員が1人でもニーズに十分対応している場合もあり、経営指導員の設置定数だけで議論するのはいかがなものかという疑問でございます。それに対しましての考え方でございます。もちろんといいましょうか、小規模であっても十分に事業者のニーズに対応している商工会もあると考えられるけれども、全国連等が調査いたしまして、まとめました「商工会等変革への提言」によれば、多くの商工会では事業規模拡大によってニーズに、より適切に対応できると考えているということでございまして、今回のとりまとめというのは、このような商工会があくまでも自主的な判断により合併しようとする際の環境整備について検討しているものであるという考えでまとめさせていただいております。
次の?でございますけれども、経営指導員の設置定数の要件については、広域を所管している地区について特例的な措置を検討いただきたいという要望でございます。それに対しましては、商工会経営指導員の人件費については都道府県の一般財源となっておりまして、各都道府県の裁量となっております。したがいまして、地域の実態に応じて検討されるべきものであるというのが考え方でございます。
4ページ目でございますけれども、補助金に関する意見でございます。中間とりまとめの中では、統合によって経営指導員数・補助金が減少していないと書いてあるけれども、補助金の減少は避けられないのではないか、市町村補助金は間違いなく減少するのではないかということでございます。財政面について、商工会に対し、国から適正な補助金の検討をお願いしたいという要望意見でございますけれども、それに対しまして、最近の商工会の合併の事例をみると、必ずしも減少していない。合併後についても適正な事業を実施するため、必要な額が補助されているものと理解しているということでまとめさせていただいております。
(4)人材に関するものでございます。支援センターの人材を充実すべきということでございますけれども、ご指摘のとおりでございまして、国、県、地域の中小企業センターのスタッフを広く募り、人材を充実することは必要なことであり、行政としても、その実現に必要な支援を実施することが重要と考えるということでまとめさせていただいております。
(5)商工会の活動に関するものでございます。意見でございますけれども、商工会はお役所的で、活動も十分でなく、会員から批判が相次いでいる。補助金の支給基準を見直し、地域の特性が生かせるような事業を行うべきということでございます。それに対する考え方といたしまして、今回のとりまとめに示された広域化・合併を通じまして、商工会が効果的な事業を実施することが重要な課題であると。また、我々も機能別予算という考え方のもと、補助事業について、地域の特性、実情に適した事業実施をできるような制度、これを引き続き実施していくことが適当であると考えるということでまとめさせていただいております。
以上、昨年末の中間とりまとめに対するパブリックコメントの内容、そしてそれに対する考え方の概要でございます。
事務局といたしましては、このようなパブリックコメントの内容を踏まえまして検討いたしましたところ、資料5になるわけでございますけれども、昨年末にとりまとめていただいた中間とりまとめの内容、これを特に変更する必要はないと考えまして、本日、配付させていただいておりますとりまとめ案は、中間とりまとめの内容そのものになっているということでございます。
以上でございます。
○上野部会長
パブリックコメントについて、何かご質問はございますでしょうか。
それでは、次にとりまとめ案のご審議をいただきたいと思いますが、中間とりまとめと同じでございますので、あらためてご説明をするよりも、ご意見をいただいた方がよろしいのではないかと思うのですが、それぞれの委員の方々からご意見なりご質問をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○都村委員
商工会の都村でございます。当事者でございますので、最初に意見を申し上げたいと思います。
まず、合併や広域連携につきましては、私どもの県でも市町村で平成15年に合併していこうとの動きもあり、もう都市の名前まで決まっているところも出てきている段階ですから、この国会に商工会法改正法案を早く提出していただいて、できるだけ早期に成立させていただきたいと思っております。
それからもう1つ、パブリックコメントの3ページや4ページに、統合によって経営指導員数、補助金が減少するとの懸念が出ております。この点についてなのですが、これは各県におきまして、県と商工会連合会とで商工会のあり方委員会をそれぞれつくりまして、合併後における経営指導員の定数など、いろいろなことについて検討している状況です。まだ各県ともにはっきりととりまとめはできておりませんが、例えば職員の定数からいきますと、必ず、合併すると減る懸念があるわけです。例えば、小規模事業者数 300人以下の地区に指導員が1名ということになりますと、仮の話、100人の商工会が3つ合併をしたら、1名の指導員というような職員の設置数になるわけです。そういったことの是正について一番大きな問題になっているのは事実なのです。それで、いろいろ聞いておりますと、県の考え方というのは、やはり市町村の合併の特例法に基づいて10年か11年の間はそのまま継続するけれども、その間に定年になったときには、もう補充はしないというものです。また10年以降は、何年間か毎に、職員を減らしてくださいというような漸減的な方向というのが大体普通に出てきているような状況です。職員の設置定数については、都道府県の裁量ということですが、各県によってそれが違ってきてもいいのかどうか、全国的に共通する何らかの基準が必要なのではないかということをお伺いしたい。それとやはり職員の側からいきますと、職員の削減という方向が出てきますと、合併とか広域化をしない方がメリットがあるわけです。ただ、地方で進んでおります市町村の合併に向けての運動というものは、必ず私ども商工会の若い方々とか青年部とか女性部とかが中心になって推進している。それが親会にどんどん話を進めてきて、その後、指導員も推進していくというような方向が普通なのです。そういったときに、指導員だけの立場から考えたら、合併してどんどん指導員が減ってしまうことが果たしていいのかどうかという質問をよく受けます。やはり国で大体の線を出していただければ、一番ありがたいのですが、いかがでしょうか。
○事務局(近藤経営支援課長)
今の問題は大変難しい問題だと思います。それで、まさしく各県レベルで商工会連合会の方と議論をしていただくことを、ただ、どこを合併させるとかいう議論ではなくて、今もお話があったように、その後の体制をどうしていくかとかいうことを含めて議論いただくことを各県にもお願いをしております。ただ、今のように合併したら必ず減員するとなると、結局3人体制にした途端に1人に減らされると、また1人の商工会ができてしまうという、元も子もない状態があるものですから、やはり私ども、県の方にはプランをつくる中で、そういう問題とされたところを集約しまして、各県とお話し合いをしていきたいと思っています。例えば、合併後そのままの形でいるのではなくて、やはり合併した後に、今、おっしゃったように基準上はそんなに要らないような状態になるときに、どのように商工会側も今の経営指導員の方々を効率的に、あるいは強化して、事後内容をこのようにしてうまくやっていくのだという、多分、そういう積極的な提案をいただくことが考えられます。今の人が3人、従来のままで座っているというだけですと、なかなか県のサイドも難しいと思います。その中で、例えば役割分担を変えて、一人専門家をこういう分野に置いて、研修にも出して強化して、従来の地域担当二人と、あと一人専門担当にするなど、そういうことも提案をしていくということで、従来通りのままの職員の抱え込みではなくて、その中での職員の新たな役割分担等を踏まえた改善によって経営指導を強化していくという具体案を示しながらやっていくというようなことも少しお考えいただくと良いのではないか。私どもも県の方に、そういうところはよく内容をみて、ただ一律に切るとしないでほしい。もちろん総務の事務みたいな合理化できるところは多分、会員の方々も合併して、会費としても少し余裕が出るという方がうれしい話だと思いますが、これからプランづくりの中で出てきた各県の動きを私どももフォローいたしまして、それで少し全県と相談して、できればみんなのコンセンサスがとれればよろしいかなと思っております。いろいろなそういう議論している中での問題点、あるいは心配事みたいなものを、どんどん私どもにまたフィードバックしていただきまして、一緒に考えていきたいと思っております。
○都村委員
具体的にいいますと、設置基準というのがありますが、合併等に関する場合には、その設置基準を少し弾力的に考えていただくなどの方向が必要ではないかと思うのです。
○上野部会長
今回の、例えば合併をするという形になったとしても、理念的には、その合併による、ある面での商工会の経営指導員の方々の規模を維持しながら、ただ、先ほど課長が申し上げたように、経営指導員1人の地区をなるべくなくすと。そういう枠組みの理念的なものがあるので、それを具体化するために今、県とも相談をしながらやっていくと。ただし、事務的な部門については、例えばコンピュータ化する、あるいは記帳指導の合理化を図るというような形での問題というのはあるわけで、もう1度商工会側としても商工会の仕事の役割分担、新しい役割について精査をしていただいて、プレゼンテーションをしていただくというような形で解決をしていくほかはないのではないかと。
今回の議論は、とりあえず合併に至るまでの手続規定をどうするかという問題なのですけれども、その後の具体的な作業をどうしていくかということについてのご意見をいただいたので、もう1度、企業庁の方でも具体的にどう進めていくかということについての検討もしていただきたいという要望を聞いておきたいと思います。
○橋本委員代理(福田茨城県次長)
茨城県でございますけれども、今回、初めて出席をさせていただきました。とりまとめ、今、ちょっとみさせていただきまして、うちの県も他の都道府県と同様、市町村の合併を促進しておりまして、その結果として、1つの市町村の中に商工会が複数になったり、あるいは商工会議所と商工会が併存したりとかいうような事態が出てきております。これは法の趣旨とか事業の実施の効率性からみて、余り望ましい姿ではないということで、できるだけ早い時期に解消が必要かなということで、我々県の立場としても商工会といろいろご相談をさせていただいて、できるだけ合併の方向にというような努力をしているのですけれども、実態的には固定化しつつあるような、そういう状況にあります。そういう意味で、今回の審議会の議論の中で、環境整備をするということは大変有意義なのかなとは思っていますけれども、ただ今回の議論の中で、1つの市町村の中にさらに部分合併のような、そういう特例を設けるということにつきましては、どうも私どもの考え方からしますと、一層固定化をする要因になるのではないかという懸念をもっております。法律の7条の1市町村1団体という大原則をゆがめる恐れがあるのではないかというような考え方をもっております。
ただ、これまでの審議会のご審議の経過の中で、前回もそういうご議論がなされたということでございますので、2点ほど、ちょっとお願いをしたいなと思っています。
1つは、今回の審議会の答申の中で、やはり商工会法第7条第1項の1市町村1商工会、これが大原則だろうと。そして、併存は特例措置だったら、それを是正することが必要なのだということを、できれば審議会の答申の中にきちっとうたっていただきたいなというのが1点でございます。
それから、前回の審議会の議事録を読ませていただきまして、委員さんの中にもお考えがあったように思いますけれども、法整備をするときもそうした考え方を、法律の条文の中に明記をしていただければ非常にありがたいと考えております。それが2つ目でございます。
さらにもう1つ、先ほどのパブリックコメントの中でも現在、そういう要望は出ていないという話だったのですが、実態的には商工会議所と商工会という組み合わせ、あるいは商工会議所同士の組み合わせ、そうした形も市町村合併に伴いまして出てまいっております。その辺につきましても、あわせて環境整備という考え方でご検討いただければ非常にありがたい。場合によっては、その辺も法制化についてご議論いただければ、この部会の権限はないかもしれませんけれども、お願いしたいと思っております。
○事務局(真鍋参事官)
まず最初の部分合併のところでございます。このとりまとめの内容につきましては、一応、私どもといいますか、中間とりまとめの段階でもそうでございますが、7ページのところに、ご意見にありましたような、あくまで特例といいましょうか、基本原則は1市町村1商工会であるというようなところ、ここがもう既にかなり十分に記述されているのではないかと、事務局としては考えております。具体的には、例えば資料の5の7ページの一番下の段落の1行目、「商工会法の基本原則を変更するものではない」でありますとか、その3行目でございますけれども、「市町村の廃置分合に伴う特例的経過措置のさらなる特例として」といったような記述がございますので、そこのところは十分にあらわれているかなと考えております。
また法律の内容の方で、条文の方でもその辺をということでございますけれども、そちらの方につきましても、中間とりまとめをいただいた以降、法制局等ともいろいろ議論してきておりますが、その辺のところをクリアに記述するというのはちょっと難しい、法の条文上難しいというところがございまして、そこの精神をこのとりまとめの中でどういった位置づけになるのかということを書くことによって補っていると考えております。
また、会議所と商工会の関係でございます。これは先ほどのご意見の中にもございましたが、確かにこの部会だけでどうこうするというのは難しいところがございますので、その辺の意見につきまして、将来の検討課題というようなことで議事録にとどめさせていただくということでご理解いただければと考えております。
○橋本委員代理(福田茨城県次長)
「原則を変更するものではない」という既存のものの考え方では少し弱いのではないかと。むしろ是正すべきだというような考え方をうたっていただいた方がいい。私も読ませていただいて、多分ここだろうと思ったのですけれども、変更しないというのは当たり前のことでございますので、そうではなくて、特例措置であるものを是正するのが本来の趣旨なのではないかと。そして、今の社会経済情勢からすれば、広域化・合併というものをうたうとするならば、やはり是正の方向に行くのが本来の趣旨であるというような考え方だけれども、実態として、長年固定化してきたものを直す、その1つのプロセスとして特例の特例を認めるのだというような、そのようなうたい方でないと、7条の精神が生きないのではないかと私どもは考えておりますので、もしご検討できればよろしくお願いしたいと思います。
○事務局(近藤課長)
ただいまの意見は、実は最初の案のときに、南条委員からも、また商工会議所委員からも同じ意見をいただきました。事務局の当初の表現はもう少しこの基本原則の打ち出しとかが弱い状態だったのでございますけれども、むしろそこは原則をきちっともう1回再確認すべきであるというところで、いろいろなご意見がございますので、そこで両方の意見を取り入れた形でここを書いたということでございます。そういう意味では同じ趣旨のご意見がもう既に出ておりまして、他の委員の意見とも合わせて今、こういう表現になっているということをご理解いただければと思います。
それから、前回も南条委員から同じような、法文上の一本化へ向けての条文を書いたらどうかということがございました。条文の問題はこの前もご説明いたしましたけれども、51条の3項に、不適切と思えば知事が地区変更を勧告できるという規定が既にございまして、今、お話がありましたように是正をしたいというのであれば、勧告をする、あるいは、それを踏まえた事前のご指導でできるということで、条文上はかなり強いものが置いてあるものでございますから、それ以上の訓示規定・すなわち一本化しましょうという程度の話では、法制局ではそれは無意味ではないか、何で勧告をしないのだという議論になりまして、やはりなるべく一本化しましょうというぐらいの条文だったら、それはちゃんと勧告権の発動をすべきであると。そういうことで、ちょっと条文上は書けないというご審議をいただきまして、そういう意味ではもっと強い権限がございますので、逆にいうと、そこに法律の姿勢があらわれているといわれてしまっているということでございます。
申しわけございませんけれども、私ども、この前もご説明しましたが、マスタープランづくりとか、そういった中で行政サイドの方の意見、あるいは意向というのをある程度、関係団体、商工会、商工会議所も一緒に議論をいただくということですから、そこにお示しをいただき、その中でコンセンサスを得るようにしていただきたい。むしろその実態上の作業が一番大事ではないかと思います。ただ条文にぱっと書けば、すっとそう動くという世の中ではないと思いまして、今までも、基本的には市内に残存する複数商工会、あるいは商工会議所というのは、ある意味では特例措置の経過措置だというのは条文にも書いてあるわけです。そう書いてあっても20年、30年動かないというのが実情でございますから、ちょっと条文をどうしたからといって動くものではなくて、やはり実際の話し合いの中でそういう形を実質上やる方が大事ではないかと思います。今回はマスタープランづくりも各県にお願いしておりますけれども、そういう場を設定して、そこで議論を積み上げていって、条文はその中で仕上がった結果を法律上の合併という手続を使っていただくのをやりやすくしておくということで整理をさせていただければと思う次第でございます。
○上野部会長
そういういろいろなご意見がありまして、7ページの下の方には、とりまとめ案としては、なかなかそこのところをうまく表現するというか、法律上の問題なども詳しく書くということも、今、課長の方から説明がありましたように、できませんでしたので、そこで「都道府県知事の認可に際し」という言葉をきちんと明記をして、関係市町村の意見を反映させることの要件で合併手続、あるいはどことどのような形でやっていくのかということについて書いてあるという趣旨で、なかなか苦しいところですが、ご理解いただきたいと思います。
○橋本委員代理(福田茨城県次長)
これまでの議論の経過は理解いたします。ただ、勧告というような法律はありますけれども実態的にはやったケースはないと思います。抜かずの宝刀だろうと思います。それを、県の知事がもっているのだから、それで担保されるという言い方をされますと、都道府県サイドとしては非常に困るかなと。要するに、今まで国がもっていても抜かなかったものを、都道府県がもたされたら、お前、抜けよといわれたのでは、これはやはり制度として、都道府県サイドにすれば、なおさらできない。極端な言い方をすれば、4年に一遍、選挙の洗礼を受ける知事が抜けるか。これは抜けないだろうと思います。ですから、そうではなくて、考え得る措置の中で、やはり抜かなくてもいいように、あるいは商工会も地域の総合的な経済団体として発展するような、そういう趣旨の部分を考えていただきたいということでございますので、よろしくお願いいたします。
○上野部会長
いかがでしょうか。
○井上委員
私も今回から初めて参加をさせていただきました。今、橋本委員(福田代理)からのお話、私ももっともだというように思います。これから地方分権の時代、市町村合併、当然行われるべきだと。 3,300を 1,000ぐらいまでもっていこうというような話も出ているように――その場合には、当然商工会も1つのものになっていくべきであると思います。ただ、地元と密着しているというのは非常に大事な、サービスというのはそうでないといけないと思うのです。1つに合併したけれども、もとのところに支部的な、経営指導員が1人でも駐在しているとか、何かそのようなサービス機関があっていいのではないのかなと。
それともう1つ、最近、経営指導員もどんどん減らされているというような感じが私はしております。商工会議所においてもそうなのですが、地方財政が逼迫しているというようなことから、合理化というのは結構だけれども、指導員はもっとふやさなければいけないのではないかと。今、現状からいって、記帳だけの指導ではない、これからはインターネット、ITの時代になる。そうするとパソコンというものの使い方、これは別にあるからというのではなくて、経営の中に取り入れていかなければいけないわけです。当然、商工会でもそういう指導ができる人間がいなければいけないと、私は思います。そうなると、指導員は逆にふやさなければ、これはまずいと思うのです。今、中小企業は大変な思いをしているわけですので、その辺では、合併はさせるけれども、その地域での密着型の何かを置いておく、残しておくといいますか、残すというとちょっといかんかもしれませんが、サービスができる体制をとるということは必要だろうと思いますので、その辺もお酌みいただきながら、やはり伝家の宝刀を抜くというのは、まず私も難しいことだろうと思います。そういった点で、この辺、もう少し工夫した方がいいのではないかという感じがするのですが、いかがでしょうか。
○事務局(近藤課長)
先ほどの伝家の宝刀の方は、法制局の法律上の議論なので、私どもも余り実質的な効果が出るということは難しいと思っております。そういう意味で、今回、域内の合併につきましては、要件を加重いたしまして、単なる普通の合併ですと、もう少し緩い要件で合併ができますけれども、ここにありますように、本当に合併の中身がいい合併かどうか。それから市全体の、先ほどの行政との関係でどうかという要件が入りまして、今、ご懸念の、まさしく全体をどうもっていくかという、市長さん、あるいは町長さんの考え方をそこに反映できるようにしておりますので、前回もそういう議論で、そこの中できちっと入れていけばいいではないかということになったわけです。現に市長さんの中には、部分合併を推進したいという市長さんもおられまして、むしろそういう要望に基づいて、この規定のもともとの発想があります。すべての自治体の方が同じ考えではないものですから、逆の考えをもっておられる、商工会を大事にしていきたいと思っておられる市長さんもおられて、他方、一本化していきたいという市長さんもおられて、両論ございます。地方運営の中で意見を反映していただくという、まさしく分権で、一方に決めるのではなくて、もちろん法律の大きい方向はなるべくまとまっていただきたという思いはございますけれども、そこまで一方に寄った意見は書きにくいと思いまして、その中でそれぞれ知事さんなり、市長さんとご相談いただきながら、域内合併を認めていくのか認めていかないのか、あるいは合併させるにしても、こういう範囲でやっていこうとか、既存の商工会議所といろいろ連携しながら事業を組みながらやるとか、いろいろな実態の話がございますので、そこの中でやっていただければ私ども、一番いいことが出てくるのではないかと考えております。
○上野部会長
この件に関してほかにご意見、いかがでしょうか。
橋本委員代理、あるいは前回の小委員会でも出ているような、そういった文章を少し訂正をしたらいいのではないかというようなご意見が強ければ、もう一度検討させていただくというような形になるかと思いますけれども、その場合には、多分、7ページの下の段落ぐらいのところで、「基本的にはこういう状況を是正すべき方向にあるが」とかいうような形で入れるかどうかにかかっているかと思うのです。これはかなり両論併記的な書き方をして、是正すべきということについての意見が強ければ、そういったところを、軟らかい表現で少し修文をさせていただくというようなことの方法も事務局と私で、またご相談をさせていただきたいと思いますけれども、その点について何かほかの委員の方のご意見はいかがでしょうか。金子委員、どうぞ。
○金子委員
その件は大分前回から議論されていますので、皆さん、十分理解しておられるところだと思っております。例えば市町村合併だからこうだとか、都道府県の立場からこうだという見方が1つございますが、私はどちらかというと、新しい時代の変化に対応した商工会のあり方はどうしたらいいかという観点からみていくべきだと思っています。そういう意味では、広域化する時代の変化のニーズにどう対応していったらいいかということで、早くこういう制度をつくるべきだという観点から、この案に賛成してきたつもりでございます。そういう意味では7ページの議論が焦点になっておりますが、いろいろ議論がある中で、この文章は非常にうまくできているのではないかと、私は考えております。というのは、商工会法の基本原則を変更するものではない、これは当たり前でございまして、今、商工会法自身をいじろうとか、その原則をいじろうという議論は全くする必要もないし、していませんし、そういうことでやっていけばいいというもとで、いろいろな条件、例えば市町村の商工行政との整合性等の観点から不適当な場合があるから、商工会が隣接している、あるいは十分効果があることとか、そのような条件をつけて、その手続的な担保もうまくついているのではないかというような文章になっていると思うのです。これで早く具体的に広域化して、実態に則した商工会活動ができるようにというのが私の希望でございまして、原案でいいのではないかという感じがしております。
○上野部会長
都村委員、いかがでしょうか。全国連の立場から……。
○都村委員
今のご意見はいろいろ、ごもっともだなと思いますが、廃置分合の特例がそもそもどうして特例になったのかといえば、もう大分前の話ですが、いろいろと事情があって、それからずっと引き続いてきている問題ですから、それをこの際どうにかしようということはなかなか難しいのではないかというような気がしております。
それと今、井上委員からお話がございましたが、例えば私どもも合併というものを、商工会として進めていかなければいけないということになっている。そうしたら、その場合にしないところよりもしたところが、こういうところがいいのだというものを出していった方がいいのです。その例として、例えば広域化していくための広域化の指導員を、またITを進めていく指導員を、合併するようなところには定数とは別に一人配置するというようなものがこれから出てくればありがたいと考えております。
○上野部会長
木下委員、どうでしょうか。
○木下委員
前回からいろいろとご意見が出ている部分なのですけれども、直接こういう問題にタッチする立場に、私どもの仕事としてはないわけでございますが、市町村合併の動きがずっと進んでいる段階で、余りに原則にこだわっていくと、1つの市に――埼玉県でも今度市が合併するわけですが、商工会議所はどうなるのかなと思っております。そちらも同じ問題だと思うのですけれども、市町村合併にあわせて全部それにやっていくべきだというのは、原則としては正しい、基本的には正しいことであっても、現実問題として、なかなか難しいのではないのかなと。先ほど金子委員もおっしゃったのですが、都道府県知事の認可に際し、関係市町村長の意見を反映させるということで、その地方自治体の事情はそこで反映させることはできるのではないのかなという感じがしているのです。先ほど茨城県の方からお話がございまして、実際上はなかなか都道府県知事の認可で伝家の宝刀を抜くことは難しいということをおっしゃったのですが、これは逆にいうと、今、地方自治の動きが進んでいるときに、国で何か方針を示していった方がいいというような感じになるのは、若干逆行することになるのではないかと。だから本当に都道府県、あるいは市町村における実情が、この合併の動きと合わないということであるならば、そこは県なり市町村でいろいろと意見を出していただいて、調整していただくということではないのかなという感じがしているわけです。
○上野部会長
佐伯委員代理、どうですか。
○佐伯委員代理(原川全国中央会部長)
代理でございますけれども、さっき金子委員からも話がありましたように、問題はこのような急激な環境変化の中で、地域の中小企業の発展を支援する中核団体として商工会がどのように中小企業のニーズにこたえていくのか。今回の法整備というのは、そういうための組織、あるいは機能の強化につなげるということの意義が大きいのではないかと思うのです。このような視点からみると、できることから組織の改善ということを目指す商工会が多いと聞いておりますので、そういったニーズにこたえられるような法整備は早急に行う必要があるのではないかと思います。
この場合に、法律の整備という面と、法律ができた後の手続面の簡素化というようなことを含めて、運用面の弾力化といいますか、配慮ということも1つ重要なことであると思います。制度整備が行われても、硬直的な運用がなされるというのはマイナスだと思いますので、要するに運用面の整備ということにも配慮していただきたいと思います。
○上野部会長
市町村の立場で何かございますでしょうか。先ほどの合併の形態ということについて、いかがでしょうか。。
○柏木委員代理(八並行橋市助役)
先ほど事務局の方からもお答えいただきましたので、私としては非常にありがたいなと思ったのですが、前回だと思いますが、うちの市長の柏木の方から、今、お話があります市町村の合併を急激に進めなければならない時期に来ているということで、今、私どもがおります北九州の1地方で市と町、2市2郡ですけれども、そこらでいろいろな議論をしているところです。その中で商工会議所と商工会についても、いろいろな面でそれに加わってきておりますので、できれば、商工会だけではなくて商工会議所も考えていただきたいというお話をしておりました。それに対して、先ほど、ある程度、その趣旨は酌んでいきたいと。将来の課題としていきたいというお話がございましたので、それは私どもとしては非常にありがたく思っています。
その背景として、都村委員さんも申されましたように、合併問題は首長とか議会だけではなくて、特に商工会議所とか商工会の若手が合併問題に対して非常に大きく議論をしております。行橋の場合も、行橋の商工会議所の青年会議所と郡部の青年会議所が一緒になって1つの組織をつくっていまして、それが同じ合併問題で走り出しているわけです。そういうのから考えますと、やはり将来的には、商工会議所と商工会というのは1つのものになっていくような、そういう背景がありますので、それは将来展望としてきちっとみていただければと思います。
それから、これは全然違う観点で申しわけないのですけれども、合併問題というのは、商工会だけではなくて、農協もしかりですし、森林組合もしかりですし、もう10年、20年と非常に長い間の議論を重ねた中で、なかなか進まないという経過があります。そういう意味では、やはり法的なバックアップがきちっとあって、そして商工会連合会もおっしゃっていますけれども、きちっとした指導をしていきながら合併問題を促進をしていただかないと、実勢に任せるということがありますが、これは非常に難しいところもありまして、そういう意味ではいろいろな指導を、国、県、あるいは実際の行政の県だけではなくて、商工会連合会の県の方からもきちんとした指導はしていただきたい。状況をみた上で、その辺が促進できるような指導方をお願いしたいと思っています。市町村も、今の状況をみた上で、いろいろな面で話し合いの中に入っていきたいと思っていますし、促進していきたいと思っていますので、今後の指導方をよろしくお願いしたいと思います。
○上野部会長
鯉江委員、いかかがでしょうか。
○鯉江委員
パブリックコメントをいただいたり、いろいろ地道にお積み上げいただきましたご意見がほぼ固まってきた。手術した後、私の意見といわれたって、後の絆創膏を張るみたいな意見になりますが、お許しいただきまして、やはり1つの潮流というのは、企業も合従連衡など重ねておりますし、また市町村もそういう大きな1つの潮流がございます。省庁再編も1月の6日に終わったところでございます。これがスタートされている。しかし、新世紀の幕は開いたけれども、結局はきょうはきのうの続きであったというのでは情けないと思うのです。やはりそういった1つの潮流に合わせながら、せっかく積み上げてきましたこの政策のまとめを、これから1つ基礎にして生かしてほしいなと思っております。
絆創膏の話でございますけれども、1つ絆創膏から申し上げますと、商工会議所と商工会は、市町村が合併しますと、必ずどこかでアライアンスのコラボレーションをしなければならないわけです。そのときに、全く政策とか力に乖離があったのでは、どうもうまくいかない。そこら辺のコラボレーションがうまくいくような仕組みを今後、考えていただくという視野がどこかに入っていれば、後の実際の作業はスムーズにいくのではなかろうかと。1歩踏み出しませんと2歩出ませんので、2歩踏み出したところから、また見直し、検討していくというようなことも肝要かなと、かように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○上野部会長
そのほか、ご意見ございますでしょうか。
橋本委員代理からも強いご意見が出ましたけれども、大方は今までの議論の経過、あるいは市町村、あるいは商工会の立場を考えますと、原案に沿った形でのとりまとめでよろしいかというような形に議論は進んでいるかと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○橋本委員代理(福田茨城県次長)
私どもとしては、今回、初めて出させていただきましたので、前回までの議論もございますので、立場としては何とか答申の中の文言なり、あるいは法律の条文化の中で、本来の趣旨である1市町村1商工会、これが大原則だろうと思います。そこの部分がどんどん崩れていくようになると、今回のご議論の趣旨は、やはり広域化して、商工会の力をつけて、そして本来の地域の経済団体として地域に貢献していただくということだろうと思いますので、その辺の部分が生かされるのならいいのかなと思っております。
○上野部会長
その点に関しては、この委員会の中でも、基本的には合併したとしても、でき得る限り1市町村の中で商工会の合併をしていただいて、行政と地域振興に関しても、さまざまな事業についても1対1の対応が望ましいということについては、この委員の方々も、基盤としては了解をされていることであります。2つの市町村があって、いろいろなパターンを、今まで資料の中でも示しましたけれども、その中でも歯どめとして、今までどうしても解決できない部分があるので、できなかった商工会もあるので、そういったことを特例的な形として残していると。ですから、今度改めてまた合併をするときに、どうしてもという場合についての議論が、こういう形でかかわってくるのであって、今、橋本委員代理のご趣旨のように、今までの委員会の中では、原則としては1市町村1商工会ということは崩さない。なるべくそういう形でご指導していただいたり、マスタープランの中でも反映をしていただくというようなことで進んできた趣旨でありますので、できればそういう形で少し議事録も整理をしていただいて、残しておきたいというように思います。
それから商工会議所の問題については、これはまさに私的な見解ではありますけれども、事務局とも私ども、かなりやり合ってきたところなのです。今回については、将来の多様な問題についてどう対応するかという第一歩であるというような意識もありまして、この合併手続規定をつくらないことには、次の段階でどういう議論が進んでいくのかというのはちょっとわかりませんけれども、同じような問題が出てくるかもしれませんので、そういうことでとりあえず商工会議所と商工会の関係については、先ほどの課長の話で、そういう問題が出ているということにとどめさせていただいて、次への課題に残しておくと。ここの委員会がやるかどうかというのはまた別の問題でありますので、ただ、そういうご意見があって、どうしなければならないかというようなことについては、私自身としては認識しているとところです。
そのほか、何かご要望なり、ご意見はございますでしょうか。
○事務局(真鍋参事官)
ちょっと補足をさせていただきたいと思います。少しくどいようでございますけれども、会議所を絡めた問題につきましては、やはり先ほども申し上げましたとおり、この部会の検討課題の域を出ているところがございますので、いずれにしましても、今、議事録にきちっと、そういった意見があったということをとどめておくということで対処したいと考えております。
○上野部会長
ありがとうございました。
それでは、大方、この文章で、この部会のとりまとめとしておきたいと思いますが、よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。これで、一応、この部会のまとめとさせていただきます。
事務局の方から何か連絡はございますか。
それでは最後に、長官の方からまた一言、ごあいさつをいただければと思います。
○中村長官
どうもありがとうございました。きょう、ご議論いただいたことは我々、この諮問をするかどうか、法律を出すかどうか随分議論をしたわけでございます。基本的には、部会長におまとめいただきましたように、基本原則は崩さない中で一歩前進だと、こういう判断をして、この案を出しているわけでございます。
鯉江委員からもありましたように、一歩前進したところで、また次の議論があるだろうということで、現実にタブーに挑戦したところがあるものですから、ご議論が出たわけでございますけれども、商工会議所と商工会の関係、あるいは商工会議所自身も同じような問題が合併したところにはあるわけでございます。1つの市の中に2つも3つもあるところは幾らでもあるわけでございまして、同じような議論が出てくる。先日も稲葉会頭が、商工会議所の方もいろいろ検討するのだという話を中政審の総会でされておりましたけれども、今後、そうした問題についても議論されてくるだろうと思っております。
いずれにしましても、この問題は原則論をやりますと、かなり両極端の意見がございまして、そもそも、確かに1つの市町村に1つの商工会、あるいは商工会議所が望ましいというのはそのとおりですが、一番極端な意見の国会議員の先生は自由にしろとすら言っているわけです。そういう中で今後の方向までやり出しますと、とてもすぐには結論は出ない。ただ、これによって、少なくとも現在の商工会の会員の皆様方に対するサービスの向上につながるし、よりよい方向に議論が進展するだろうと、こういう判断をいたしまして、今回、こういうご審議をお願いしたわけでございます。若干、ご不満の部分もあるかもしれませんが、とりあえずこのような形で法案化させていただきまして、進めさせていただきたいと思っていますので、引き続きご支援をよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○上野部会長
それでは、予定された時間よりちょっと早目ではございますけれども、以上をもちまして中小企業政策審議会の第1回の小規模企業部会を終わらせていただきたいと思います。本日はお忙しいところ、お集まりいただき、傍聴いただきまして、ありがとうございました。
――了――
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