中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会商業部会(第4回) 議事概要
- 日時 平成20年12月2日(火)15:00-17:00
- 場所 経済産業省 別館9階940会議室
- 出席委員 石原部会長、泉田委員、岩井委員、荻堂委員、黒田委員、坪井委員、西川委員、野坂委員、前田委員、宮下委員、渡辺委員
- 省内出席者 長谷川長官、高原次長、数井経営支援部長、横田参事官、和田商業課長ほか
- 議事概要
「資料4」「資料5」「参考資料1」に基づき和田商業課長から説明後、自由討議を行った。委員からの主な発言要旨は以下の通り。
- 商店街対大型店という見方ではなく、これからの商店街には大型店のノウハウが必要。それをいかにうまく取り上げるかが問題。
- 商店街には二つの類型がある。商圏が広く、人を吸引する力を持っている商店街と、そうでない商店街。前者の商店街でさえ衰退しているという現実がある。後者については、ほとんどシャッター通りで、後継者もいない。こういう商店街は、プランナーを入れてももう一回売り上げを増やすのは難しい。若い人は、商店街にアメニティの場、憩いの場、まちの顔としての機能を求めており、日用品を買うという機能を求めていない。このギャップを埋めないといけない。大型ショッピングセンターに比べ、商店街は駐車場問題等条件面で不利がある。まちの顔としての観光、福祉など、1つコンセプトを持つような、行政との一体化を持ったような取組をしないと難しい。
- 魅力ある商店がないというのは、魅力ある品ぞろえができていないということ。複数商店街の共同仕入れのようなことを支援してもらえるとずいぶん助かる。優良商店街もでてきているので、ぜひバックアップしていただきたい。
- 多くの商店街は規模を小さくしないといけないのではないか。コンパクトにまとめていくという考え方をはっきりだしてもいいのではないか。商店街は、地域ごとの雰囲気、空気をつくるという意味で地域コミュニティの中核であり、そういうことは大事。経済行為だけではない部分に政策的な支援の根拠があるのではないか。
- これからのまちづくりについては、大型店が一定の役割を果たしながら、商店街とどういうふうに協働していくかということが基本にならないといけない。この問題は大型店と商店街、自治体、それにそこで生活している生活者の方々との話の場ができるということが大事。ただ、大型店と話しあうにしても、商店街側に能力を持った人材がほとんどいない。そういうところを国が支援をしながら育てていく必要がある。その中で、地域コミュニティの担い手が育っていくのではないか。
- 今回、商店街そのものにスポットライトを当て、地域コミュニティの担い手すなわち公共的団体という本質を捉えて振興策の検討をしていることを高く評価する。今後の施策の課題としては?需要に即したきめ細かい支援?ノウハウや人材を提供する取組?商店街と商店街に係るさまざまな支援機関やパートナーをつなぐネットワークを構築することが必要。全国商店街支援センターの設立を検討すべきである旨の提言が研究会の報告書でもりこまれていたが、国による積極的な支援が必要。また、自信と誇りを失いかけている商店街・商店主のために、?商店街を公的団体の1つとして広くアピールし、商店主たちに語りかけること?懸命に頑張っている商店街を表彰するなど、モラルサポートが重要。
- 魅力ある商店街をつくるためには全体としてのビジョンづくりが大事。そのプランナー、マネージャーをどうやって地域で育成するか。育成できないなら外部から供給する仕組みが必要なのではないか。
- 商店街を再構築しようとしても、各商店主に拒否権があるため、まとめるのが難しい。先ほど商店街をダウンサイジングしたらいいという話もあったが、ある程度の多数をもって再構築できるような仕組みを検討すべきではないか。
- 今回の検討対象として、どういう社会的背景に対応した商店街を重点的に取り上げるのか、絞り込みが必要。先ほど、一番大事なのは魅力ある店とでていたが、魅力ある店とはどういう店を指すのか、どういうやり方でもって魅力ある店になるのか、それを一体誰が指導していくのか、といった取組の焦点、軸を明確にした商店街政策の報告書にしたらどうか。
- 個店の魅力を高める、商業集積としての魅力を高める、商業者と周辺とのネットワーキングづくりをどうするか。そういう意味で商業の機能をどう高めていくのかというところに焦点を当てた政策が必要。それと、PDCAのサイクルが回るような政策体系をつくってもらいたい。
- 地方の商店街は地域地域の情報の宝庫。大型スーパーは便利だが、情報の提供はない。今の人は利便性だけに走ってしまうが、心豊かな人情のある日本国民の気持ちを取り戻すのなら、地域地域の商店街の活力をつくりあげなければならない。行政にも長い目で、いろいろな角度から支援をお願いしたい。
- 省庁間の連携、国と自治体との連携が必ずしもうまくいっていない。どういう連携の仕組みがいいのか、議論して方向付けを明確にしてもらいたい。
- 地方の商店街のにぎわいに貢献した人、企業を国として表彰するということも効果があると思う。
以上
(問い合わせ先)
中小企業庁 経営支援部 商業課 TEL:03-3501-1929 FAX:03-3501-7809 |