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産業構造審議会流通部会中小企業政策審議会中小企業経営支援分科会商業部会合同会議専門調査会(第3回) 議事要旨

 平成16年11月17日
中小企業庁


日 時:平成16年11月5日(金) 13:30~15:30
場 所:経済産業省本館17階 第一特別会議室
出席者:上原座長、浅野委員、石原委員、久保田委員、橘委員、中上委員、
藻谷委員、森本委員、山本委員

議 題:大規模小売店舗立地法の指針の見直しにあたっての論点整理
    
配布資料:
1.議事次第
2.委員名簿
3.大店立地法の指針の見直しにあたっての主要論点について
4.今後のスケジュールについて

議事概要:
(1) 事務局から、大店立地法の指針の見直しにあたっての主要論点について、配布資料3.に基づき、説明があった。検討すべき主要論点の各項目に関して、委員等から以下のような質問、意見があった。

(論点1:大店立地法で取り扱う「生活環境」の範囲と対応について)
  ・立地法に基づいて実施した対応策が、結果として需給調整につながる作用を有している場合があることはやむを得ないのではないか。

 ・立地法の手続中に、建築物が立ち始めていることもあるが、このような時間の流れを見直すことはできないのか。

 ・他法令の進展で削除すべきものとはどのような事項があるのか。
(説明者からの回答)
・各種のリサイクル法が整備されたこと、景観法が公布され、まもなく施行されることなどがあり、これらの法令に関連する事項が考えられる。

・省エネについても立地法で取り扱うべきとの指摘もあるが、法改正が検討されており、大型店もその対象となることになれば、省エネ対策はその法律により対応するとの整理で良いのではないか。

 ・深夜営業の規制などを条例で実施している自治体もあるが、指針で取り上げる問題かどうか疑問。立地法で取り扱わない場合には、地方が独自に実施することもある。全国的議論になっているような場合は、指針に何らかの考え方を提示するという方法もあり得るのではないか。

 ・指針では大型店独特の問題を取り上げるべきと考えられるが、深夜営業は大型店独特の問題なのか、何か問題が起きたという事例はあるのだろうか。

・大型店では深夜営業というより閉店後の駐車場の暗がりなどで事件が発生することがある。深夜営業での問題は大型店よりもビデオ店などが多いのではないか。

 ・景観に関する要望が少ないように思われるが、景観は大型店の立地場所に大きく左右される。郊外に景観条例を策定しているところは少ないのではないか。

・騒音に関しては大型店に直接適用できる法律の基準がなく、騒音規制法などを準用して指針で配慮を求めているが、騒音がその基準を超えた場合にどうするのか、基準を超えないように対策を講じることが重要であることをもっと記述すべきではないか。出店後のフォローアップももう少し考えても良いのではないか。

(論点2:地域の実情に応じた地方自治体の弾力的運用の確保について)
  ・車の流入抑制のため駐車場附置義務条例の緩和を行い、市街地での駐車場設置を抑制している自治体もあるが、事業者がそれ以上に作ってしまうなど交通政策との不整合も見られる。一概に上限を設定すべきとは言えないが、地方自治体の判断を入れやすくすることは良いのではないか。

 ・附置義務条例通りに駐車場を作ったことが中心市街地衰退の原因となっている例も多い。ピーク時に合わせて台数を決めれば稼働率が下がり、運営が厳しくなるのは当然。

 ・歩行環境を考えた場合には、市街地への車の流入規制も生活環境に該当すると言えるのではないか。

 ・指針は生活環境問題について配慮を求めるもので、中心市街地活性化のために駐車場基準の緩和をするという考え方は生活環境が保持されている限りはよいが、そうでない場合法目的に反するのではないか。

 ・自治体と言っても一括りに扱ってよいのか。農村部の自治体に弾力的な運用をするだけの能力があるのか。
  (説明者からの回答)
・どの程度の内容を実施していればよいかは、悩ましいところ。地方の独自基準を策定する場合の必要条件などを指針上で明記し、それに基づき策定することも必要となる。

 ・地方分権が進んで、自治体でできるようになったが、国は最後の砦である。自治体の能力には幅があり、おかしくなってしまう。国としても、しっかりしたスタンダードを準備しなければならない。

 ・自治体によっては、専門家からみても容易に理解できない評価量を作っている。川を一つ渡ったら基準が違うというのはおかしい。パラメータをいじるだけならよいが、関数まで違うのはまずいのではないか。

 ・駐車場附置義務条例の水準より、大店立地法の必要駐車台数の方が中心市街地に厳しい。このような問題を自治体の弾力的な運用に丸投げするのでなく、国が公共駐車場の利用状況をみて、手がかりを与えておいてくれないと地方では運用できない。

(論点3:定量基準の見直しについて)
  ・廃棄物の保管容量は90%カバー値を使っており、廃棄物が多い事業者でも保管できるように決めているが、リサイクルの進展で、そうした事業者の廃棄物が減ってきたことを踏まえるべきである。

 ・国と地方の基準とが二段重ねにあって、その中で最適値を見つければよいのではないか。また、交通に関しては予測技術が進展してきたので、こうした調査方法を例示していくことが、頑張っている自治体の応援になる。

 ・環境省の光害ガイドラインは自然環境を基本として策定したもので、アパートの住民がまぶしいという問題は想定していなかった。まぶしいという感覚は一般的に決めるのにはなじまない。

 ・夜間騒音は騒音規制法の基準に照らせば敷地境界で評価することになるが、敷地境界では人が住んでいないので、受音点で測るべきという議論が出るのは当然だが、その基準を変えるのは非常に難しい。アセスではなく配慮事項なので、どうソフトに記述するのか難しいところ。

 ・駐車台数の算定に当たって、関連統計の使用はあり得るが、どういう地域のどういう時点のデータか、どのくらいのタイミングで見直すのか、しっかりしたルールを考えることが必要だ。

(論点4:大型店出店後における生活環境への配慮について)
  ・出店後の配慮は大事なことではあるが、法目的からして、定期的に立入検査し、フォローすることは適当ではない。問題が起こって、必要があれば、協力を求めるものだ。

 ・撤退時の問題が現状生じているかどうかと言えば多くないと思う。しかし、対策を求めることは、10~15年後には郊外大型店の撤退が沢山出てくるものと思われるので、インフラ整備する自治体の視点からはありうるのではないか。

 ・撤退時の対策は、出店時に求められる話なのか、既存店に求められる話なのか、具体的に何をしろと言っているのか、内容が分かれば教えて欲しい。
  (説明者からの回答)
・例えば、日本商工会議所は「マニフェストを作って、まちづくりに配慮すべき」と言っているが、撤退時の対策について具体的に何を期待しているかは承知していない。

 ・状況が悪化して、駐車台数が足りなくなった場合、何らかの経過措置ができるよう、何らかのチェック項目を示しておくことが必要ではないか。

 ・室外機などの機械は「生き物」だから、メンテナンスが必要。環境に十分配慮させるのが目的なので、できあがったらおしまいということではなく、フォローアップに力点を置くことが必要ではないか。環境アセスの中の議論においてもその考え方がなされてきているところ。

(論点5:その他について)
  ・都市計画やまちづくりの視点は重要だが、立地法の問題として考えるのか、考えないのか。指針で対応できない項目をなじみませんと言って、突き放すのは冷たすぎる。指針でなじまない項目は、どこかで解決するよう検討する必要があるのではないか。ある程度の規準をかぶせて現場判断に任せることもありうるのではないか。
 
  ・中心市街地活性化のために、中心市街地以外のエリアまで規制をかけることにコンセンサスは必ずしもない。よく検討していきたい。
  
  ・突き詰めれば、指針で扱えることは極めて少ないということを認識すべき。一方で、指針に対する要望は予想以上に大きく広いことが明らかになった。このような要望についても別途検討が必要だということをどこかで結論として書くことが必要ではないか。

(2) 次回は11月12日(金)10時から、開催することになった。

 

お問い合わせ先
商務情報政策局流通産業課 植木、小川
TEL:03-3501-1708
Fax:03-3501-6204
中小企業庁経営支援部商業課 庵地、和田
TEL:03-3501-1929
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