・現状を報告すると、商店街の体をなしていないところもあり、大変厳しい状況である。
・地域の商業と消費者や地元のサポートグループとの連携・強化が必要ではないか。空き店舗比率や売上という指標の他に、その街に関心が戻ったかという指標が重要なのではないか。
・TMOの主体としてNPO法人を追加するとのことだが、政令で大丈夫か。法改正が必要ではないのか。
・商工会や商工会議所がすでにTMOとなっている場合、同一地域で重複してNPO法人がTMOとなれるか。場合によっては、一地域の中で複数のTMOが競争したり、または役割分担を行うパターンがあってもいいのではないか。
・5年前、産構審と中政審の合同部会の答申により「まちづくり3法」の体系となったが、現状が当時の想定どおりになっていないのではないか。今後、本部会でも中心市街地の衰退の原因を検証し、街づくり3法全体の見直しも視野に入れた議論が必要になるのではないか。イギリスやドイツでもWTO・サービス協定を批准しているが、床面積等による規制ではなく、「街づくり」の観点から取り組んで結果的に商業調整を行っている。日本でも実施することを本格的に議論して欲しい。
・地方分権により都市計画の権限は、都道府県から市町村に移り広域調整ができなくなったが、これにより中心市街地活性化に努めている地域でも、隣り街の大型店出店により全てが水泡に帰す事態が起きている。都道府県知事に広域調整権限を持たせるなど、国は手立てを打つべきである。
・企業の社会的責任の議論を商業分野にも取り入れていただきたい。大型店が元日から営業すると中小小売業も追随せざるを得ない。こうしたことは、地域の文化の継承にとって問題ではないか。また、大型店等は、地域のイベントなどにも協力的でない企業が多くみられる。行政側から、地域貢献に積極的に取り組むよう指導していただきたい。
・特別用途地区の設定が、現状はあまり進んでいないのはなぜか検証すべき。
・まちづくり3法ができて5年経ったが、商店街は崩壊した。商業文化は商店街であると自負しており、衰退した原因をぜひ調査していただきたい。
・5年前と今とではバックグラウンドが違う。当時は、中心市街地の衰退が社会問題まで引き起こすというシビアな認識がなかった。今後は、商業者の問題以上に、中心市街地に住んでいる人が5年、10年後も安全で安心な市民・消費生活ができるだろうかという観点から街づくりを考えていくべきではないか。
・3法の体系、特にゾーニングがこれでいいかということだ。指針に書かれている国交省
の理念は大変立派だが、本当にこれで実施できるかは疑問である。
・重要な問題としては、都市がどの方向に向かっていくかということだ。人口は必ず減るし環境問題もある。土地や建物等の既存の都市資源をどう活用していくかが重要だ。これまでのように、成長を前提とした開発については、環境容量の限界がある。創造的な縮小がテーマである。
・アメリカの場合もここ数年で変わっている。リテール・サイズ・キャップ制が導入され6千?以上の店舗は認めない条例がでてきている。都道府県が市町村の枠を越えて勧告をするような考え方が日本でも必要ではないか。
・欧米では、地域の個性を尊重するため、5つ以上の全国チェーン店の出店は認めないという規制を行っているところもある。
・米国は、そもそも連邦政府の規制はほとんどなく自由であるが、州政府等では「土地利用法」という分厚い規制の中で、数量調整のような規制も行っている。日本においても、そうした土地利用規制の中に、郊外大型店の規制を織り込んでいくことが必要。
・要望だが、合同委員会では、他省庁の方にもぜひ入ってもらって、今回のような議論
を聞いていただきたい。
・世田谷区では、商店街に立地していても商店街活動等に何も協力しない者に対し、協力しろという条例が4月から出来ている。
・まちづくりには住民や市民の視点が必要であり、例えば、24時間営業したときに治安がどれくらい守れるかといった問題もあり、ぜひ、住民の視点を入れて議論していただきたい。 |