中小企業政策審議会経営支援部会(第2回) 議事要旨
松島委員より資料3の別添1、資料4に沿って説明の後、議事要旨は以下の通り。
- 非常に問題点がよく指摘されている。4点ほど感想を述べる。一つは、P6の下方に「○「活性化計画」に基づく・・・(中略)・・・制約となっている面がある。」とあるが、やはり都道府県が計画を定めるのでは機能しない。事業者が定めるべき。二つ目は、P12の上から5行目「特に、域外の専門家や事業者、消費者等と地域の中小企業が交流する機会を増すことは・・・(略)」とあるが、異業種交流の観点からもこれを推進することが重要。三つ目は、P6の下方に「○マーケティング等に関するアドバイスなど、・・・(中略)・・・人的支援ができてない面がある。」とあるが、中小企業は施策を知らないので、もっと積極的にPRする必要がある。四つ目は、P20「おわりに」に書いてあるが、まったくこの通り。問題は、実行する仕組みを早く作ることが重要。
- 別添1「今後の地域中小企業に対する支援の在り方について(案)」はよくまとまっている。「地域資源」とは何かを的確に探りあてることが重要。「見えざる資産」という表現で広範に捉えている。地域では移住や滞在の呼びかけや教育研修の場の提供などの取り組みがなされており、P14の10行目「歴史的建造物」の次に「移住や滞在型あるいは教育研修に適した環境」という文言が入れられないか。また、若者や青年といった文言が出てこないため、P15の5行目「地域活性化に関心の高い」の次に「青年を始めとする」という文言が入れられないか検討願う。
- P6の下方「○「活性化計画」に基づく・・・(中略)・・・制約となっている面がある。」とあるが、今後どうするべきという文言を入れてはどうか。
- 集積活性化法は廃止を前提にしており、本報告書で今後の考え方を盛り込んでいると理解している。
- 今後は、ソフトパワーの充実が重要となる。ビジネスプランづくりへの支援を打ち出したのは的確である。P17の7行目「・・・支援人材の育成・拡大にも努める必要がある。」とあるが、地域ではすぐには人材が育たないため、全国規模で人のかたまりとして集めることがポイント。施策の手段として、「各機関の連携」とあるが、従来ベースの範囲内ではないか。P12の下から7行目「地域資源の「価値」とは、・・・」とあるが、マーケット的には、受け取る側が判断すると考えるため、「提供する側のみならず」という表現は違和感がある。
- 部会長:本報告書案の表現というより、施策の実施段階での留意事項と考えてよいか。
- 今回の枠組みは、的を射た方向性である。19年度から農業政策が大幅に変更され、一定の要件を満たした経営に支援を集中。経営安定のためには、併せてニーズに対応した加工、流通等への取り組みが重要。報告書案では、「わかりやすい広報」とあったが、現場に素地があるので、ムードや機運の醸成など地域の人をその気にさせることが重要。独立行政法人となった大学が調査研究として地域に関心をもっている。今後、優秀な団塊世代が大量に溢れるため、実施段階において、外部専門家として有効活用することが重要。
- これまでの政策は「資金」で止まっていたが、技術、ノウハウ等の「見えざる資産」を地域資源として大きく取り上げたのは、中小企業としても大変頼りがいがある。中央会は、これまで産地における若手後継者の育成等、大変努力してきた。地域資源を活用した地域活性化においても、実行面において一層頑張る所存。各都道府県の中央会も大変張り切っている。
- 地域資源を活用した中小企業の位置付けを重要視している。地域においては、地域活性化のための会合やクラスターが出来ており、母体づくりの大きな役割を担っている。中小企業にはぜひ舞台に上って主役となってほしいが、中小企業の経営者は現場でものを作る方は一生懸命で、舞台には上がって来ないことが問題。中小企業基盤整備機構の支部にコーディネーターがいて、クラスターの中にもいるが、こういう人達が中小企業を引っ張り上げ、活性化させる重要な役割を担っている。地域金融機関の役割も重要になってくる。
- 異業種交流を各地でやっているが成果が出ていないように思われる。これは、うまくコーディネートする仕組みが無かったため。今回の地域資源を活用した地域中小企業の活性化においては、コーディネーターが地域の中に入って誘導することが必要。中小企業経営者は、よいアイデアを持っていても腹の底から外へ出さない。それを出させるよう、補助金等で誘導する等の仕組みを作ることが重要。失敗を恐れずにやらせてみないと新商品は出てこない。
- 部会長:本報告書案では、方向性を示し、地域の意欲喚起をねらっている。
- 工業試験所の採択案件の審査員を務めた際、外から見ると、ひょっとしたら他にいいものもあるのではないかと感じる場合があった。しかし、事業者は、地元だけで解決しようという意識が強く、県単位を超える案件については難しいと感じた。このため、施策の内容等の情報が地域によく通じる仕組みを検討願いたい。専門家は東京一極集中であり、7割が東京、2割が関西、1割が全国に散在している。そういった専門家に地域の人がアクセスし易いシステムを検討願いたい。
- 部会長:施策の実施段階の留意事項と理解する。
- 部会長:「今後の地域中小企業に対する支援の在り方について(案)」については、基本的にご了解いただたものとして、文言の修正等は部会長にご一任いただきたい。
- 委員各位より「異議なし!」との声。
吉田企画課長より資料3の別添2及び資料5に沿って説明の後、議事要旨は以下の通り。
- 「企業再生のための金融」に関して、商工中金が支援し再生した中小企業が多くあるのに資料5のP2に商工中金が入っていないのは、商工中金は民営化が決定しているからか。
- 事務局:商工中金を始め、政府系金融機関でDIPファイナンスの実績があがっているのは承知している。今般の御提案は、民事再生法による申立から計画が認可されるまでの約9ヶ月間をどうしていくかを含め拡充するかをご審議いただきたい。なお、資料に商工中金がないのは、財投機関からはずれているため。
- 「起業・再起業の応援」に「相談窓口を全国280ヵ所設置」とあるが、再生支援協議会には既に人材が揃っていて、これを充実させるのは分かるが、別に設置するのは無駄ではないか。併設してほしい。むしろ再生支援協議会を充実させるべき。もう少し相談しやすくするための仕組みが重要。また、「本人保証免除の制度創設」とあるが、よいか悪いか分からない。経営者本人が事業を行うことなので、本人保証ぐらいはとっておかないでよいのかという気がする。
- 事務局:再生支援協議会は全県に設置しており、機能強化を提案している。他方で、廃業に至るプロセスで、結果としてタイミングを誤り、多大な債務を抱えるケースも多く、身近に相談者がいることが重要。両方とも大事との考え。再生支援協議会が設置されているところについては、併設を検討している。本人保証の免除については、中小企業金融公庫にメニューを追加する提案である。経営者の規律が欠けてしまうのではないかとのご指摘と思うが、定期的に財務報告を行うことなどを要件として個人保証をとらないことができるとするもの。
- 部会長:資料3の「別添1」及び「別添2」については、文言の修正で了解をいただきたいがよろしいか。
- 委員から「結構です!」との声。
中野技術課長より資料6に沿って説明の後、議事要旨は以下の通り。
- 中小ものづくり法は、中小企業にとって心強い法律。組合が事業管理法人になれるため、中央会からも多数応募し採択いただいている。採択いただけなかった案件についても、再チャレンジとしてぜひ期待をしている。
- 基盤技術分野(17+2)以外の分野はどうなるのか。省エネなど重要な分野の中で熱交換技術等よい技術があるが、団体がないばかりに審査されないのはいかがなものか。
- 事務局:原則として378の技術に該当しなければ認定できない。指針はニーズに対応して検討することとしている。手続きは、年1回だが、ご要望あれば検討する。
- 採択事業の概要を関係者に情報開示しているか。
- 事務局:テーマ名、申請者、事業概要をHP上で公開している。また、申請の際にも、公開を前提で申請書を記入いただいている。それ以上の情報開示があった場合には、ケースごとに検討することとなる。
- どの程度のことが支援を受けられるのかがわからない。
- 事務局:興味あれば相談にきてほしい。