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中小企業政策審議会経営支援部会(第2回) 議事要旨

  1. 日時:平成17年10月3日(月)10時~13時
  2. 場所:経済産業省本館17階 国際会議
  3. 出席委員:伊丹部会長、秋山委員、上野委員、江崎委員、江守委員、清成委員、小森委員、坂戸委員、鈴木委員、須田委員、都村委員、寺嶋委員、野々内委員、弘中委員、前田委員、水口委員、茂木委員、望月委員、安井委員、山口委員、山田委員、吉川委員
    省内出席者:望月長官、西村次長、鈴木事業環境部長、古賀経営支援部長、川口参事官、山本企画課長、後藤技術課長、山田経営支援課長、石川産業人材政策室長
  4. 配付資料:
    • 議事次第
    • 中小企業政策審議会経営支援部会委員名簿
    • 「新産業創造戦略」の考え方
    • 製造業の基盤技術を担う中小企業に求められる経済機能と経営課題
    • 中小企業の抱える人材問題への対応
    • 新連携支援の実施状況
    • 今後のスケジュール
    • 第1回経営支援部会議事録
    • 諸外国における産業競争力強化に向けた取組
    • 経済産業政策の重点
  5. 議事次第:開会、「新産業創造戦略」の考え方、製造業の基盤技術を担う中小企業に求められる経済機能と経営課題、中小企業の抱える人材問題への対応、新連携支援の実施状況、自由討議、閉会
  6. 議事要旨:
    議事に従い、吉川委員から「新産業創造戦略」の考え方について資料3をもとに説明。その後、後藤技術課長より資料4に基づいて、基盤技術を担う中小企業に求められる経営課題などについて、資料5を用いて石川室長より中小企業の人材問題について、資料6を用いて山田課長より新連携支援の実施状況について説明がされた。
    以上の説明を受け、以下のような意見があった。を続けるということについて考えるべきである。

    (支援対象について)

    • 支援対象が製造業に偏っている印象がある。市場からの刺激からイノベーションが生まれてくるのであり、これらを結びつけるものとしてサービス産業は必要。
    • ものづくりに焦点を当てるにしても、マーケットとのつながりを考えるとサービス部門との情報交換が重要。ものづくりとサービスは切っても切れない関係にある点に留意すべき。
    • ものづくりは消費者に届くまでに様々なプロセスを経るものであり、サービス部門は重要であるが、政府の戦略という観点では、施策をぼかさないためにも、ものづくりに焦点を当てて絞り込むことが大事。
    • 今回の審議会では、諮問文通りに、製造業の技術力強化に焦点を当てるべき。
    • 川上-川下間で、多くの分野の企業を介してイノベーションが行われている。中間にも要素技術を使ってコンポーネントを製造して納入する企業もある。技術と技術を使った部品の製造とは截然と分かれるものではない点にも留意すべき。
    • 今回の議論が、基盤技術の維持継承に焦点をあてるのか、基盤技術をもつ中小企業のイノベーションに期待しているのか、イノベーションを支える主体としてそういう中小企業が大事だというのか、焦点がはっきりしない。
    • 様々な用途が見込まれる先端複合材料は基盤技術分野として大事ではないか。

    (支援体系・支援策について)

    • 中小企業では、技術開発の方向性や求められる技術水準が掴めないということがある。重要な方向性を明らかにすれば、中小企業はそちらに向かって進んで行ける。
    • 知財経営の推進を図るべきであり、例えば若手従業員の定着率や女性活用率など、財務諸表に現れない「見えない資産」の評価が色々な指標でなされることが好ましい。
    • 中小企業にはニーズのほか、エモーション、ウォンツ、ソリューション(頭文字をとってNEWS)を捉える機会が少ないので、場・ネットワークの提供が重要。
    • 日本でいかに中小企業がイノベーションを興せるか、そのためにどこに国が政策資源を投資していくのか、という議論。ものづくりという言葉の古いイメージを変えるべき。情報の重要性を着眼点とするのは良いが、利害関係の無い者が集まって有効な突っ込んだ情報交換が行われるかは疑問。
    • 取引関係のメッシュ化が進んでいる部分もあるが、従来の密接な関係の中でイノベーションが起きる場合も多い。メッシュ化に注目するのは良いが、既存の系列の重要性も認識して政策を考えるべき。開発費を大企業が負担すると中小企業にとっては取り組みやすい。
    • 技術補完というよりも、コストカットとして大企業が系列を越えて中小企業にアクセスしてきているところがある。その中で、資金繰りの問題は重要で、海外では現金取引している大企業が国内の中小企業との取引では手形等で半年近く支払を待たせることもある。対等な取引を進めていくべき。
    • 個別技術戦略の策定はとても重要である。また、基盤技術を有する企業の継続性が重要であり、新会社法や税制などへの対応が重要である。
    • 情報共有は重要な視点であり、人造りにも関連するものであり、進むべき方向について共有し合う場が必要。ただ、情報共有という言葉はフラット過ぎる感じがする。また、効率的な研究開発とあるが、人材開発など含めてもう少し広い対象になるのではないか。
    • 中小企業に自分たちの強みに気づいてもらうことが重要。マッチングも大事だが、ビジネスに直結することを気づいてもらう意識付け、意識改革の場も設けられれば効果がある。
    • 情報共有については、当事者間で当然行われること。それだけでは「市場の失敗」が生じるといった政策の根拠を説明すれば分かりやすくなるのではないか。
    • 何十年ぶりに中政審が基盤技術を議題に取り上げたということが大きなインパクトを持っているので、このこと自体が上手く伝わるようにすることが最も重要ではないか。

    (人材関係について)

  • 問題の重要性は分かるが、施策が平易に感じられる。一方で、先進国において基盤技術の人材育成について成功した事例は一つもないのも事実。現状としては総論賛成、各論反対という状況で、例えば自分の子供が工業高校に行ってブルーカラーになると言ったら、反対する。そういった根本問題をクリアしないといけない。以前のプロジェクトで技能を要素に分解しようと試みたが、上手くいかなかった。今回、問題の重要性については非常にクリアに整理されたので、それにつながる施策体系として、きっちり議論するべき。
  • 中小企業人材問題としては、質よりも量が大事で、企業単位で対応するには限界がある。工業団地組合などでも取組を進めているので、高専等を活用した地域の人材プロジェクトにおいて協力していきたい。
  • 男子が大手志向に傾いているとのことであるが、大学生も中小企業に対する理解が出てきているし、やりがいを求める就労観という状況とは逆の結果になっている。
  • 大手企業志向が最近強まっているのは、景気回復とも関係があるのではないか。
  • 最近、中小企業でも大学卒・院卒の若者が入ってきている。学生の大企業志向の高まりにつき報告があったが、中小企業側から見た現状についても調べるべき。多摩地域では、大学・中小企業双方の努力により、大学で企業での見学や実習を単位としたり、インターン、卒業論文・修士論文を書く機会を提供するなどの工夫もしている。
  • 中小企業の人材対策を進めていく上では、コーディネートの役割が重要。厚労省でインターンなどの制度はあるが、中小企業と大学と両方のことを良く知っているコーディネーターが間に入ることが重要。
  • 中小企業の教育訓練費が大企業に比して少ないとの報告があったが、人材の必要性を感じていない中小企業経営者はいない。中小企業でも付加価値の一定割合を教育訓練に充てていると思うが、そもそも付加価値額が小さいので、大企業に比べてそれだけ投入できる金額が少ないということではないか。
  • 中小企業基盤整備機構では、中小企業大学校において、経営課題などだけでなく、高専ともネットワークを組んで人材育成に取り組んできている。今年、「ものづくり・ひとづくり・地域ブランド」フォーラムを実施、関係者の関心は高く、開催すれば400人程度集まってくる。

(中小企業に対する支援全般について)

  • 小泉内閣の三位一体の中で、地方へと予算が流れており、そればかりが良いこととは限らない、県の動向で企業が振り回されてしまっている。
  • 中小企業への資金の流れが重要な視点。中小企業の設備投資意欲は高く、政府系金融機関と民間金融機関とが相互に補完し、協調融資によって対応している状況。
  • 新連携支援については、案件を拾い上げ、法認定に向けて事業計画のブラッシュアップ支援を行う体制を強化していただきたい。

事務局より、次回は11月2日(水)の15:00~17:00、その次は11月下旬を予定との案内がなされ、閉会。