1.日時:平成17年4月12日(火)10:00~12:00
2.場所:虎ノ門パストラル 新館6階ロゼ
3.出席委員:清成委員長、村本委員長代理、池尾委員、井上委員、植野委員、翁委員、木村委員、坂戸委員、都村委員(本藤代理)、長野委員(小林代理)、成影委員、南条委員、引馬委員、松島委員、水口委員、吉野委員
オブザーバー:北村 金融庁監督局総務課監督調査室長
清水 日本銀行金融市場局金融市場分析担当 担当総括・企画役
省内出席者:中小企業庁次長、金融課長、金融課企画官ほか
4.議事概要:
○委員の主な意見
・回収率の低下は構造的要因が大きいのではないか。現在、保証協会と共同で回収に関する調査を行っているところであり、その調査によると、代位弁済後の4年間で回収が全く行えないものが、有担保で2割、無担保で4割となっており、かなりの差がある。無担保保証の拡大等、金融サービスを充実させることは回収率の低下を招く面もあることを認識すべき。
・保証協会サービサーと保証協会独自の回収とを比較し、保証協会サービサーの経済ベネフィットが高いならば、委託債権を拡大すべき。
・保証協会毎に収支状況にかなりのばらつきがあるが、悪い協会に対しては何らかの指導をきちんとすべきではないのか。
・保証協会の収支のばらつきを協会毎のレベルで検討・分類し、こういう状況の協会にはこういう対応が必要という形で、具体策を打ち出さないと、説得力が乏しいのではないか。
・ファイナンス会社の活用、無担保保証の拡大、基金の取り崩しについて、メリットや必要性が強調されているが、リスク管理が甘いと、今問題となっている点がさらに拡大する懸念がある。どの様な条件が必要か、報告書では丁寧に書き込むべき。
・保証協会のガバナンスについて、もっと充実すべき。
・信用補完制度を持続可能なものにするためには、収支改善は必要条件に過ぎず、政策評価、特に制度の意義をどれだけ実現しているかが重要。そのためには、補完制度の収支だけではなく、パフォーマンスも十分に評価して、ベスト・プラクティスを導くべき。
・また、政策評価だけにとどまらず、保証協会がパフォーマンスをあげるインセンティブが組み込まれたものとすべき。
・特別保証については、一応の使命が示されているが、一般の保証についても記述すべき。
・事故率が高くても、政策的取組を熱心に行い良い成果が出ていれば、良いという場合もあるだろう。保証協会のガバナンスについて、保証協会を評価する際には、事故率等収支に関連するものだけでなく、包括的な評価が必要。
・政府による支援は、直貸しで行うべき部分がある一方、信用補完で補うべき部分もある。政府が信用保証することの目的・意義を明確にすべき。
・金融機関との責任分担については、各金融機関の努力が報われるシステムでないと、モラルハザードが生じてしまう。
・部分保証の導入は金融機関の選別融資、融資条件の厳格化を招くため、慎重に検討して頂きたい。そのためには、原則として全額保証とし、必要に応じてケースバイケースで部分保証とすべき。
・無担保保証と有担保保証の保証料率の差が0.1%しかないため、これを見直し、有担保保証の保証料率を1%未満とすべき。その場合、保証協会とプロパー融資の併存の拡大につながり、代位弁済は減少するのではないか。
・リスク対応型の保証料率の導入が保証料率の引き上げにつながらないようにすべき。
・保証協会の経営方針の明確化について、協会自身が経営の主体性を持ち、保証スタンスやリスクテイク、保険収支に与える影響等を考慮して計画を作成することが必要。
・保証協会のパフォーマンス評価に関しては、協会に協力を頂き、回収に関するデータをとっているが、保証協会も熱心にリスク評価に取り組んでいる。
・将来の課題としてでも良いが、回収コストの一部を中小公庫が負担することを考えて頂きたい。
・制度設計にあたっては、保証協会のリザルト、金融機関のリザルトを反映させた仕組みを作ることが必要。
・保証協会が保証承諾したものについては、常に包括的な保険がかかることが必要かどうかについて議論する必要があるのではないか。
・保証料率の弾力化について、中小企業者に会計を充実させるインセンティブを与えること等、中小企業者への取組を評価することは重要。
・現状、保証協会の人的規模や能力に限界があり、金融機関と保証協会の情報量の差が大きくなっているため、金融機関等外部機関との連携が重要になってくる。外部機関の連携や情報の共有に対してどのようなインセンティブを与えることができるかが重要。
以上