1.日時:平成17年1月27日(木)10:00~12:00
2.場所:経済産業省第1特別会議室(本館17階西6)
3.出席委員:清成委員長、村本委員長代理、井上委員、植野委員、小川委員、翁委員、木村委員、坂戸委員、都村委員、長野委員、成影委員(菊池代理)、引馬委員、水口委員、吉野委員
オブザーバー:清水 日本銀行金融市場局金融市場分析担当 担当総括・企画役
省内出席者:中小企業庁次長、事業環境部長、金融課長ほか
4.配布資料:
・議事次第
・メンバー表
・信用補完制度の運用改善による利便性向上(中企庁:資料1-1)
・信用補完制度の運用改善による利便性向上~資料編~(中企庁:資料1-2)
・信用補完制度の運用改善による利便性向上について(信用保証協会連合会:資料2)
・信用補完制度に係る運用改善(中小企業金融公庫:資料3)
・欧州の中小企業向け政策金融(中小企業金融公庫:資料4-1)
・欧米主要国の中小企業向け政策金融(中小企業金融公庫:資料4-2)
5.議事概要:
○事務局より「信用補完制度の運用改善による利便性向上」について説明
○委員からの主な意見
・中小企業者が自社の経営状況を理解するため、CRDを利用した経営自己診断システムの活用は有効。しかし、特殊な業界や新産業の増加への対応については、業界ごとの蓄積データが不十分であるため、今後充実を期待。
・保証付き債権のみの借入は異なるかもしれないが、プロパー借入と保証付き借入を両方行っている企業については、全部保証だからといって金融機関の審査が甘くなることはないのではないか。
・金融機関が保証協会に報告すべき経営に関する事項を明確化するなどにより、金融機関と保証協会が連携することが重要。
・検討の方向性は良いと思われるが、各項目のタイムスケジュールを明示して欲しい。また、運用改善をした場合でも、現場での徹底的な統一をしなくてはいけない。
・中小企業者は突発的な資金需要が多いため、審査期間の短縮は重要。いわゆる「提携保証」(金融機関と保証協会とが提携して行っている保証)で行われている審査期間の短縮を参考として、一般保証においても、金融機関との連携を深めて審査を短縮して欲しい。
・定性面での評価は重要であり、中小企業者にとって歓迎すべきこと。スコアリングにあたっては全国的に審査の均一性を確保することが前提。
・第三者保証人は既往取引先に求めることが一般的であるため、連鎖倒産の一因となって
いる。第三者保証人の運用は慎重にし、可能であれば廃止すべき。
・52の保証協会における中小企業診断士の数(205名)は不十分だと思うが、期中支援は再生支援以上に重要であり、十分に活用すべき。
・保証協会と商工会や中央会はつながりが薄いため、連携を強化することが重要。
・銀行との審査協力を進めることにより、かえって審査が長期化してしまうことのないようにして欲しい。現状、保証協会の保証が付いた場合、金融機関は支店長決裁であり、金融機関の審査はスピーディに行われている。
・中小企業者は金利と保証料率の区分けが無く、一体として考えている。現状の低金利下においては、保証料率のウェートが増加し、中小企業者の負担が大きくなっている。
・全体の運用の見直しについては非常に適切な方向で議論されている。
・民間金融機関が無担保・無保証での融資を拡大しているなか、保証制度は金融機関からの借入がやや難しい中小企業を対象に育成・経営支援することを理念とすべき。
・保証協会と金融機関が借り手情報を共有し、日常的に経営支援する仕組みを期待。
・今後の運用面における課題として、?経営支援の強化、?NPO等新たな融資先についての検討と個人事業主向け制度の開発、?基本的に無担保・無保証とする、?審査期間の短縮、?提出書類簡素化があると認識。
・要望している書式や手続きの統一化、免責条項の明確化、債権譲渡先の拡大については良い方向で検討が進められていると認識。
・再生ファンドへの債権譲渡を是非認めて欲しい。
・運用改善の見直しの方向性については評価。
・再生支援の強化のためには、入り口における審査に対する考え方を変える必要がある。具体的には、将来のキャッシュフロー等、定性面として整理されているものについてデータ蓄積を行い、定量化するなど、更なる踏み込むが必要。
・経営支援については、中小企業者と金融機関は借り手と貸し手の関係のため、経営支援が円滑に進まないことがあり、保証協会が第三者的な立場から経営支援を進めることは有効。経営支援へのシフトがこれからの協会のあり方のひとつとして重要。
・再生支援については、中小企業の業況は浮沈が激しいため、求償権先であっても、ある程度長い視点に基づいて、新規保証することを前向きに考えるべき。
・回収については、回収不能な求償権をどの様に整理するかが重要。現在、保証協会と回収分析を進めており、回収可能性を算出すことにより、効率化をすすめることができる
と考えている。
・ 保証協会の経営方針の明確化によるガバナンスについては、赤字防止の観点だけではなく、期待損失の合理的算出等により、納税者への説明責任を果たすという観点から極めて重要。
・保証協会の収支相償はある程度前提とすべき。その上で保証協会のコストとベネフィットを定量的に把握することが、協会のガバナンスにおいて必要。
・CRDデータの蓄積・分析を進め、定量審査と定性審査を組み合わせることが必要。
・保証料率は金利情勢によって可変とするべきではないか。
・?保証協会の将来像、?運営の改善、?再生支援の3つが運用に関する大きな課題。
・民間では期待収益率などを基に経営計画をつくっており、その内容もPDCAを考慮した具体的なもの。また、個人投資家への説明責任を果たさねばならない。保証協会においても、同様の視点から、中期業務計画の内容・手続きの充実を図るなど改良の余地がある
以上