日時:平成30年4月19日(木)16:00~18:00
場所:経済産業省本館17階第1~3共用会議室
出席者
川村委員長(株式会社大和総研 副理事長)、伊東委員(株式会社NTTデータ経営研究所 理事)、翁委員(株式会社日本総合研究所 理事長)、菊地委員(菊地歯車株式会社 会長)、中嶋委員(板橋区立企業活性化センター センター長)、家森委員(神戸大学経済経営研究所 教授)
※商工中金からは関根社長、日野常務以下が出席
議事概要
- 冒頭、川村委員長より挨拶及び委員会の趣旨を以下の通り説明。
- 本評価委員会は、本年1月の「商工中金の在り方検討会」の提言を受け、先月(3月27日)、政府により設置されたもの。
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本評価委員会の役割として、以下の3つの柱が示されている。
(1)商工中金が「商工中金の在り方検討会」の提言を受け止め、中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化する新たなビジネスモデルを策定する際に意見をし、その後の進捗状況のモニタリングを行う。
(2)4年後にビジネスモデルが確立されたかどうかの徹底検証を行う。
(3)危機時に商工中金が危機対応業務を実施する責務が引き続き必要かどうかについて、政府が検証する際に、必要な助言を行う。 - 商工中金は、先月27日に就任した関根新社長が改革の先頭に立って、新たなビジネスモデルの構築や組織のガバナンス強化に全力で取り組んでいるが、本評価委員会として、商工中金の改革を後押しするべく、その役割を果たしていく。
- その後、各委員より挨拶し、委員会の公開方針について申し合わせを行うとともに、非公表の配布資料の情報については委員・随行者・事務局限りとすることを確認。
- 続けて中小企業庁より資料5に沿って商工中金の危機対応業務の見直しについて説明。
- 次に商工中金より資料6に沿って経営状況等について説明。
- 以後の主な質疑は以下のとおり(→は商工中金の回答)。
【委員】
- 業務改善計画の方向性は有識者検討会の提言の内容に沿っており、違和感はない。4年という短期間に、新たなビジネスモデルを構築することが重要。
- そのためにも、職員が組織のミッションを理解し、具体的に行動するためのクレジットポリシーを早急にまとめ、また、外部にも理解してもらうため開示するべき。
- 事業性評価融資や再生支援など、これまで行えていなかった分野について、どのように職員に定着させるのか。
- 中小企業のIoT 対応やIT化への支援については、どのように取り組んでいくのか。
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【委員】
- 有識者検討会では、新たなビジネスモデルを構築して4年後に完全民営化に向かっていくのか、さもなければ商工中金は消滅するかくらいの議論を行った。また、融資や組織の規模も適正化する必要があるといった議論も行った。こうした議論は商工中金にとっては厳しいものと認識しているが、職員には浸透しているのか。
【委員】
- 職員の悩みやメンタルヘルスには、どのように対応していくのか。
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【委員】
- 顧客にとって付加価値の高いサービスとは、すなわち顧客の真のニーズに応えることのできるサービスであるが、そのニーズをどのように把握していくのかが重要。
- 貸出・資金繰り・事業再生に偏重することなく、当該中小企業の商品に競争力があるか、ビジネスモデルは、時代に適応しているか、コスト構造はどうか、リスク管理はどうか等様々な角度から企業を診断し必要となる分野での支援をしていくことも重要。
- そのため、実績・ノウハウの無い領域については、外部の力も借りて、顧客の課題に応えるための体制整備が重要。中小企業に対するコンサルティング機能が十分な地銀は少なく、商工中金が真剣に取り組めば大きな差別化となる。
- 事業性評価では、顧客が提供する商品・サービスの競争力をしっかり分析するということも重要。そのためには、産業調査体制をしっかりと構築し、当該企業の競争力を同業他社との比較の中で冷静に見極めていくことが必要である。しかし、調査のための調査であってはならず、その結果を融資審査や営業推進に効果的に活用していくことが重要である。
- 4年間という時間軸の中で、組織体制とプレイヤーをどう変革していくのか、ビジネスモデルが目指すトップラインとコスト構造をどのように実現できるのか、それを行っていく人材をどのように確保していくのか等、具体的に議論していかなければならない。
【委員】
- 商工中金が一足飛びにコンサルティング業務を行うのも難しく、まずはよろず支援拠点との連携など、段階的に取り組む方法もある。具体的に議論していきたい。
【委員】
- 顧客のニーズの把握では、中小企業は収益管理や給与体系のインセンティブ化といった部分を少し変えるだけで相当程度変わることも多い。こうした中小企業共通の課題を抽出する等の取組も行ってもらいたい。
- 支援すべき対象となる企業について、支店ごと個社ごとにマッピングしていくなど、具体策の検討に必要となる取組も進めてもらいたい。
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【委員】
- 若手を中心に職員のモチベーションの低下が懸念される。職員間のコミュニケーションを深め、好事例を共有する等の取組も進めてほしい。
- 支店長が店内をまとめるように、本部は、支店長のモチベーションが高まるよう支援に取り組んでほしい。
【委員】
- 上の立場の人間が覚悟を決めて、本当にゼロからのスタートを切るという意識をもっと持たないと、計画に魂が入らないし、下にも響かない。
- 基本的な方針を実現するための具体的な取組が重要。例えば、支店長自らが顧客に出向き、支援するくらいでなければいけない。
- 外部の目を恐れすぎずに、夢と希望をもって改革に取り組んでほしい。4年後に、外部から「民営化されたら困る」と言われるくらいの存在になってもらいたい。
【委員】
- 経営陣が一丸となるのはもちろんのこと、支店長クラスも含めた中間管理職が一から心を入れ替えて取り組む必要がある。
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【委員】
- 商工中金は全国に支店があるが、地域によって中小企業のニーズも異なるだろう。地域性も踏まえ、やり方を変えてもいいと思う。
【委員】
- エリアごとに、現状分析、今後のプロジェクション、あるべき体制について考えるべき。改革はきれいごとではなく、各論になるほど頭の痛い問題が出てくる。
【委員】
- 地域の金融機関による中小企業支援の濃淡に合わせてその在り方も異なるべきだが、現場レベルでどのように取り組んでいくのか、具体的に話をしていきたい。
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【委員】
- 完全民営化の方針は10年前から変わっていないが、様々な経緯の中で実行されていない。ビジネスモデルを構築して完全民営化を実行に移せなければどうなるか分からないというくらいの意識を持ち、業務改善計画を策定したら改革へ一直線に進むべき。
- 業務改善計画の公表は6月の定時株主総会を念頭に置いているのか。
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以上
<お問い合わせ先>
中小企業庁事業環境部金融課 電話:03-3501-2876 |