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事業承継・第二創業研究会(第5回) 議事要旨

 

1.日 時:平成13年7月11日(水)10:00~12:00

2.場 所:三田共用会議所

3.出席者: (敬称略、五十音順)
井田 敏    全国商工会連合会専務理事
大野 正道   筑波大学教授
川村 耕太郎  東京商工会議所常務理事
金子 和夫   国民生活金融公庫理事
菅野 利徳   全国中小企業団体中央会専務理事
品川 芳宣   筑波大学教授
倉島 光一   株式会社倉島商店代表取締役会長
篠原 徹    日本商工会議所常務理事
中澤 佐市   中小企業金融公庫理事
西田 晴彦   関西美術印刷株式会社専務取締役
平川 忠雄   平川税務会計事務所 税理士
山田 昇    株式会社山七食品社長
山本 幸治   全国青色申告会総連合専務理事
若泉 征也   全国法人会総連合専務理事

4.講 師:
岡部 喜代子  東洋大学教授 弁護士
三木 義一   立命館大学教授

5.欠席者:
大淵 博義   中央大学教授
幸山 守    公認会計士 幸山守事務所
殿岡 茂樹   中小企業総合事業団理事
鳥飼 重和   鳥飼総合法律事務所 弁護士
中田 揮雄   株式会社ナカタ専務取締役

6.議 題:
(1)開 会
(2)説明者の紹介
(3)説明及び討議
○民法を巡る論点について
○事業承継を巡る論点について
○これまでの論点の整理について
(4)次回の検討スケジュールについて
(5)閉会

7.議事の概要
(1)説明
[民法を巡る論点について](岡部教授からの説明)
[事業承継を巡る論点について](三木教授からの説明)
(2)討議
○ 代償分割については、長男が店と株式を相続し、他の子供は現金を相続した場合に、結局長男は財産を処分しないと払えないこととなり、その際には譲渡益課税がかかってしまい大変なことになる場合がある。裁判官が先のことを考えて配慮をしてくれればいいが、形式的にやってしまうケースもある。事業承継は税金より民法がネックになるという意見もある。
○ 相続契約については、フランスでも生前分割で誰が承継するか決めることがある。公証人が行うもので、かなり機能していると聞いている。
○ 裁判所でも相続に係る財産の評価は時価が原則。帳簿価格については一定の実例や理由付けがないと採用できない。ただし、仮に裁判所が帳簿価格と言っても当事者はそれでは納得いかないということもあり得る。
○ ドイツでは帳簿価格とすることを会社の定款で定めていれば相続時に適用される。ただし、遺留分を害しない範囲で有効という話。
○ 組合でも組合員から相続に基づく出資持分の返還請求を行う際の評価方法を定款で定めているケースがあるが、その場合は「出資額を限度として、それに応じる」と定めている。
○ 財産を先ず配偶者(後妻)に、その後子供に相続させたい時などは、配偶者に1/2を渡すという遺産分割協議と同時に子供に贈与する旨の死因贈与契約をすることも可能。
○ 死因贈与については仮登記をしておけば撤回は相当難しくなる。有価証券を死因贈与する際には、これに加えて証券の引き渡し契約を結ぶ等の第三者にわかるような形でやっておくことで、それがない場合よりも確実度は高まるのではないか。
○ 遺言等が一般的に使われてこなかった理由として考えられることは次のようなことではないか。新民法で均分相続になったが、事実上は長男が相続し、家督相続の形態がかなり長い間続いたと思われる。その場合には他の人は相続放棄をしていた。  昭和37,8年頃から高度成長期となり均分相続が定着してきた。それに伴い寄与分の話が出てきたと考えられ、それが機能してきたために遺言を行う必要が少なかったのではないか。ただし、10年くらい前から次第に遺言が書かれる件数が多くなってきていた。
○ 事業承継者に係る控除のアイディアについては、誰が事業承継者であるかが特定しにくいと考えられる。

[これまでの論点の整理について]
(1)説明   事務局から説明。
(2)討議
○ 事業が面白いということについて、小さい頃からの教育を行うことの重要性について、どこかで言及してもらいたい。
○ 留保金課税の話も入れてもらいたい。
○ オーナー型の持ち株会社と非按分型の会社については、記載すべき。  

(以上)

本議事要旨は事務局の文責にて作成したものであり、出席者各位の了解を得たものではない。

<次回の予定>  
日 時:平成13年7月25日(水) 14:00~16:00  
場 所:経済産業省 第1特別会議室

<事務局>   中小企業庁企画課 廣瀬   電話:03-3501-1765  FAX:03-3501-7791